ZENSHIN 2008/06/23(No2348 p06)

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週刊『前進』(2348号1面1)(2008/06/23 )

 6・29 代々木公園集会から渋谷の街へ サミット粉砕大デモを

 韓国・民主労総のゼネストと連帯

 法大起訴15学生と団結し革命やろう

奪還されたばかりの仲間を先頭に、学生15人への起訴を弾劾し、権力の弾圧を蹴散らす解放感あふれるスクラムデモを貫徹した(6月20日 法政大学)=記事へ

 戦争と民営化、失業や貧困で全世界の労働者を苦しめている帝国主義の頭目どもが日本にやって来る。絶対に許すな! 5・28〜29の法大決起は、全国の労働者・学生への総決起の呼びかけだった。監獄大学=法大の現実を真っ向から打ち破った38人の闘いに続こう。逮捕者のうち22人を18、19日に奪還した。しかし、闘いの一層の爆発を恐れた国家権力は新たに1人を事後逮捕し、15人を起訴した。だがこの大弾圧は闘いの火に油を注ぐだけだ。6・29代々木公園に全国から総結集し、怒りの渋谷デモをうちぬこう。世界にとどろくサミット粉砕闘争の大爆発で、プロレタリア世界革命の炎を燃え上がらせよう。さらに7・6札幌現地闘争に進撃しよう。

 全世界を覆う反乱の波

 今、全世界で進行していること、それは帝国主義の新自由主義攻撃に対して、労働者人民の総反乱が始まっているということだ。食糧・燃料の大幅値上げ、首切り・賃下げ、不安定雇用化、社会保障の解体は、例外なく全世界の労働者階級に襲いかかっている。これに対して暴動、ゼネスト、街頭デモ、運送業者の道路封鎖や、漁民の休漁スト、抗議行動などが爆発している。まさに世界は革命情勢なのだ。
 この全世界の反乱をどう抑えつけるかが、7月洞爺湖サミットの重大テーマとなった。ブッシュや福田らは、世界革命への波を鎮圧するために、イラク・アフガニスタン侵略戦争の継続・強化とイランへの新たな侵略戦争、各国の労働者階級に対する一層の階級戦争を策動している。
 これに対して、労働者階級はいかに闘うべきか。今こそ全世界の労働者階級は国境をこえ、民族をこえて団結し、プロレタリア世界革命の勝利のために闘おう、〈労働運動の力で革命をやろう>の闘いをあらゆる職場、地域で前進させよう――ということだ。
 労働者の決起が、インターネットを通じて直ちに全世界に伝えられる時代だ。実際、世界の労働者階級が団結して闘いに立っている。5・1メーデーにはアメリカの港湾労働者のストライキに、イラクの労働者が連帯ストを闘った。交戦国の労働者の画期的な連帯ストだ。ここにこそ戦争を止める力がある。
 韓国の民主労総ソウル本部は今、イミョンバク独裁政権打倒の韓国民衆決起の先頭に立ち、7・2ゼネスト貫徹に向け、あらゆる弾圧をはねのけて闘っている。貨物連帯のストライキは釜山など韓国の主要な港を完全にストップさせ、資本家に大打撃を与えている。
 まさに、11月労働者集会で日本の動労千葉などと国際的に団結した米韓の労働組合が、「労働者に国境はない」の立場を貫いて、新自由主義と真っ向から闘っている。世界革命に向けた強力な共同闘争が進んでいるのだ。労働者の国際的団結の一層の前進をかけて、6・29サミット粉砕闘争を大爆発させよう。

 派遣労働者の極限的な怒り

 秋葉原事件で25歳の派遣労働者の青年を絶望的な行動に走らせたものは何か? それは、労働者を人間扱いせずバラバラに分断して搾取するこの社会と資本への煮えたぎる怒り、屈辱感、孤立感、絶望感だ。人間としてのプライドをずたずたに引き裂き、取り替え自由のモノ、部品としてぞんざいに扱い、搾取し尽くし、どんなに働いても苦しさから逃れられず、資本家だけがますます豊かになっていく資本主義社会――“こんな社会なんか滅んでしまえ!”という強烈な復讐心だ。
 それは、けっして特別なものではなく、いま希望や未来を奪われている多くの若者たちに共通する怒り、憎しみだ。
 「ふざけるな! いい加減にしろ! 俺たちは人間だ!」。青年労働者の怒りは今や堤防決壊的に爆発し始めている。
 全国の労働者、とりわけ青年労働者の仲間に心から呼びかける。今こそ、労働者を虫けらのように扱い、労働者の生き血をしぼり取って生きのびようとする資本家階級とその帝国主義政府に対して、正義の階級戦争に総決起しようではないか、と。サミット決戦をその突破口にしよう。
 働く仲間たちよ。競争と分断をうち破って、仲間と団結しよう。監獄大学をぶち破る法政大の学生のように闘おう。不当起訴された15人と団結し革命をやろう。
 労働者こそ社会の主人公だ。労働者が働くことをやめてしまえば、資本家は搾取ができなくなり、力を奪われ、彼らの世界支配はたちまちひっくり返ってしまうのだ。今、われわれに必要なことは、そうした労働者階級のもつ真の底力をはっきりと自覚し、団結し、資本家階級を打倒するために立ち上がることだ。
 労働者にとって団結ほど大切なものはない。団結することは、奪われた共同性を奪還することだ。そして、団結こそ資本家階級に勝利する最強の武器だ。労働者階級は数世紀の間、どんなに弾圧されようとも団結を求めて闘ってきた。労働者階級こそ資本主義社会を変革し、階級のない社会をつくりだすことができる唯一の革命的階級なのだ。今、それをなし遂げる時が来ている。

 革命の現実性は職場に

 「革命の現実性」というものは、私の職場、君の職場、その闘いの中にこそあるのだ。
 ほとんどの労働者が職場の現実に怒りと不満、不安を抱えながら働いている。しかし自分の組合が資本・当局に屈服していたり、あるいは組合も存在しないという状況の中で、団結と決起の展望をつかめないでいる。
 だから、自分から声を上げよう。賃下げ、首切り、権利破壊、そして労働者の尊厳を踏みにじる資本家や当局の攻撃に対して、職場で闘いを開始しよう。どんな闘いも少数から始まる。「堪えているだけでは何も変わらない。もっとひどくなるだけだ。団結して反撃しよう」「労働者が主人公の社会をつくろう」――そう呼びかけて、まずともに闘う一人の仲間をつくろう。それこそが〈革命の最前線>なのだ。

 動労千葉軸に国際連帯の輪

  資本主義体制は今や完全に破産している。根底的な変革が求められている。ところが、日本共産党委員長の志位は「大企業の社会的規制を」「ルールある資本主義社会を」などと言っている。しかしそれは、資本主義に対する最後の幻想をあおる資本主義擁護の運動でしかない。
 さらに何よりも、連合中央や、全労連=日共、協会派などには、〈労働者階級自己解放>の思想と運動が、ひとかけらもないのだ。こうした連中こそが、「資本主義の鉄鎖」を断ち切ろうとする労働者の決起を抑圧し、革命の達成を労働者から遠ざけてきたのだ。
 だが、こうした体制内指導部の抑圧も、もう効かなくなっている。新自由主義攻撃の凶暴な嵐は、全世界の労働者を「生きさせろ!」の根源的闘いに立ち上がらせずにはおかないからだ。
 資本主義=帝国主義は労働者階級がどれほど苦しもうが、飢え死にしようが、今やお構いなしだ。揚げ句の果てには自分たちが生き残るために、核戦争すらも辞さない。こんな帝国主義は絶対にうち倒すしかない。
 動労千葉のように闘おう! 1980年代の国鉄分割・民営化攻撃は、新自由主義攻撃の先駆けというべき大量首切り、労組破壊の攻撃だった。これに対し動労千葉は全員がクビを覚悟して「絶対反対」を貫き通し、3波のストライキで団結を守り抜いた。そして今、JR東資本による第2の分割・民営化攻撃と意気高く闘っている。
 何よりも動労千葉は、苦悶(くもん)する青年たちに「団結して一緒に闘おう。労働者こそ社会の主人公だ。誇りを持とう。労働運動の力で世界を変えよう」と熱烈に呼びかけている。その団結の輪は今、国境をこえて全世界に広がっている。
 動労千葉が呼びかける6・29を、職場の仲間とともに闘おう。サミット粉砕! 世界を揺るがす大デモを渋谷でやろう。

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週刊『前進』(2348号1面1)(2008/06/23 )

 法大包囲の第3波デモ

 織田委員長奪還したぞ! 不当起訴に怒り爆発

 5・28〜29法大闘争で逮捕された38人全員が、勾留満期22日間、完全黙秘・非転向を貫く大勝利をかちとった。6月18日には、5月28日に逮捕された織田陽介全学連委員長ら3人を、翌19日には、29日逮捕の19人を奪還した。5・28〜29サミット弾圧は粉砕された。
 獄内外を貫く一糸乱れぬ団結した闘いに、日帝国家権力は追い詰められ、15人の学生を起訴、1人を練馬鑑別所へ送る暴挙に出た。6月18日には、5・29法大闘争を闘った学生を警視庁は建造物侵入をデッチあげ令状逮捕した。断じて許せない! 「傷害」で起訴されたのは法大生の新井拓君と中島宏明君。「建造物侵入」は全学連副委員長の内海祐一君ら13人。
 「授業は支配!デモは解放!」と掲げた4・26法大第1波デモ、法大生O君の停学処分に「一人の仲間も見捨てない」と抗議集会を開いた文化連盟、当局・権力の暴力支配をうちやぶり階級的団結を身をもって指し示した5・29法大決起、これに続く文連のハンスト、38人の完黙・非転向の勝利! 団結がより強固に拡大した。全世界の労働者の怒りの決起と結びつくサミット粉砕の法大ストライキが、現実のものとなろうとしている。
 起訴された15人は法大決戦を先頭で闘ってきた学生ばかりだ。法大決戦に革命の現実を見た日帝国家権力の恐怖にかられたゆえの起訴攻撃だ。
 だが、その起訴攻撃も完全に粉砕されている。何よりも15人の革命の指導部を生み出した。そして彼らに続く決起が陸続と開始されているのだ。
 19日には、奪還された学生たちが仲間と再会。「仲間との団結、権力との非和解性を感じない日はなかった」「世界の労働者と同じ闘いをしていることを誇りに思う」「この仲間がいれば何でもやれる」 奪還された同志たちは勝利感にあふれ、誇りに満ちている。
 さらに「俺が支部キャップをやる!」「法大で闘う」「強大なマル学同を建設する」と決意が次々と語られた。学生戦線の新たな指導体制を直ちに確立し、猛然と6・29渋谷大デモへと闘いが始まっている。織田委員長は、「サミット決戦は半分勝利した。6・29で世界を変えよう。全学連や文連のような一歩も引かない闘い、団結にかけきる闘いを扇動しよう」と檄を発した。

解放感あふれスクラムデモ

 「キャンパスに戻って参りました!」と逮捕された法大生の第一声。キャンパスは解放感に包まれた。
 翌20日の昼休み、文化連盟と3・14法大弾圧を許さない法大生の会の共催で第3波法大包囲デモが行われた。法大生と奪還された学生全員ら50人が法大正門前に結集し、15人への起訴に怒りを燃やし、弾圧粉砕の勝利宣言を発した。この日も厳戒態勢が敷かれたが、「団結して世界とつながるデモを法大、6・29でやろう!」の訴えに、校舎の窓に鈴なりとなって学生が注目した。
 「処分粉砕! 法大解放!」「団結拡大! 法大解放!」のコールでスクラムデモが打ち抜かれた。(関連記事3面)

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週刊『前進』(2348号2面2)(2008/06/23 )

 韓国100万の大デモと連帯し洞爺湖サミット粉砕に立とう

 職場闘争と街宣をやりぬき怒りの大デモを組織しよう

 第2回実行委  動労千葉・田中委員長の基調報告

 新自由主義に断を下す闘い

    6・29全国労働者総起集会にむけた第2回実行委員会での田中康宏動労千葉委員長の基調報告を掲載します。(編集局)

 全世界の労働者人民の総決起が始まっている

 第1回実行委から今日まで、すごい勢いで世界情勢が激変しています。全世界の労働者、農民、漁民が目覚め、帝国主義に対する全人民の総決起が始まっています。こうした中で、洞爺湖サミット粉砕闘争の核心問題は次の2点に絞り上げられてきています。
 第一に洞爺湖サミット粉砕闘争は、日々燃え上がっている国際階級闘争の最大の焦点にせり上がったということです。サミット粉砕闘争は、全世界で立ち上がるすべての労働者人民との国際連帯をかけた闘いであり、その呼びかけです。
 第二に洞爺湖サミット粉砕闘争は、この30年あまりにわたって全世界の労働者・農民から奪い尽くし、貧困と戦争を強制し、いまや破滅的な結末を強いている新自由主義に断を下す闘いです。
 マスコミでは「今回のサミットは、第1回ランブイエ・サミット(1975年)以来の重みを持っている」という論調も出てきてます。帝国主義の戦後発展が完全に行きづまり、1974〜5年恐慌が爆発する中でサミットは始まりました。敵の側は、今が当時を超えるような歴史の分岐点だと認識しているんです。新自由主義は帝国主義の最末期の姿です。労働者の団結した力が資本主義・帝国主義を打ち倒すべき時代がついにやってきたということです。
 また5月28〜29日には、法政大における学生の決起と大弾圧がありました。文字どおりのサミット弾圧です。学生たちは逮捕を辞さず断固として闘いを貫徹しました。この決起の根底にあるのは、この社会への激しい怒りであり、何よりも「労働者は必ず立ち上がる」という確信です。学生たちの闘いは、われわれが進むべき道を指し示してくれています。

 労働運動の復権

 今日訴えたいことの核心は、階級的労働運動の復権こそ社会を変える力だということです。
 冒頭に、米ILWUのメーデー・ストライキのビデオを見てもらいました。階級的労働運動路線そのものです。
 この闘いは、ILWUという立派な労働組合があり、その組織力があったからできたのではありません。この港湾労働者メーデー組織委員会の共同代表はILWUローカル10のジャック・ヘイマンさん、クラレンス・トーマスさんです。そして事務局長がローカル34のラッセル・ミヤシロさん。この間の11月集会で一緒に肩を組んだ仲間です。いまILWU幹部の中で民主党員がどんどん増え、どんどん右傾化して反戦闘争もできなくなっている。「だからおれたちランク・アンド・ファイルがやったんだ」と彼らは言っています。闘いは職場を拠点としたイラク反戦闘争、国際連帯闘争として完璧に打ち抜かれました。西海岸の29港湾が全部止まりました。ここまできたのは、やっぱり情勢ですよね。

 政権が倒壊寸前

 そして何よりも韓国の情勢です。きっかけはBSE問題ですが、どうみてもBSEだけの問題じゃない。6月10日にはソウルで70万人、韓国全土で100万人の労働者や学生、農民が総決起しました。ものすごいことが起こっています。
 スローガンは「打倒!独裁政権」です。教育改悪、市場化・民営化、非正規職化や格差・貧困への怒り。あるいは「燃料費高騰・インフレで、もう生きていけない」という怒りです。そして、アメリカ帝国主義への激しい怒りが爆発しています。すべての怒りが結合して100万人デモにまで発展しました。
 6日には大統領府の全高官が、10日には全閣僚が辞任届けを提出しました。「新自由主義構造改革」を旗印に登場したイミョンバク政権――いわば小泉みたいな政権ですよね、これが倒壊寸前になっています。
 13日には貨物連帯労組のトラック労働者がストに立ちました。燃料高騰で、もう生きていけない状況だからです。闘いは激しいです。スト破りした労働者のトラックが、火をかけられて燃やされ、港湾の荷積みはガタガタです。そしてこの1〜2日の中で1千人の労働者が貨物連帯労組に加盟するという、すごくダイナミックな闘いです。
 この中で、韓国労働運動の左右の分岐が激しく進んでいます。右派は苦渋に満ち、逆に左派のほうはガンガン闘っている。この激しい闘いの中で、民主労総の中から本物の階級的労働運動が生まれ出てくるだろうと確信しています。

 世界戦争に怒り

 食糧暴動などから始まった全世界の闘いが、燃料高騰問題などをもとおして全世界を覆いつくしています。総決起が始まっています。
 インドやインドネシア、タイ、そして中国でストライキや暴動が激発しています。スペイン、ポルトガル、フランス、ベルギーなどでは、労働者だけじゃなく漁民が一斉にストライキ。スペインでは、トラック労働者のストを契機に闘いが暴動化している。南米ではチリのトラック労働者がストに入り銅生産が完全に止まっています。
 世界中で闘いの炎が燃え上がり、ストの津波が襲っています。課題は、首切り、賃下げ、年金、医療、教育改革、公務員制度の改革問題――つまり新自由主義そのものへの怒りです。そして最末期の帝国主義が、アフガニスタンやイラクへの侵略戦争を続け、イラン、北朝鮮、中国へと戦争を拡大して世界戦争にのめり込んでいくことへの激しい怒りです。こうした攻撃への大反撃が、労働運動の荒々しい復権として全世界で始まったのです。
 アメリカでも、ドイツ、フランスでもストライキが次々と起こり、イギリスのRMT(鉄道・海運・運輸労組)もストに入りました。
 日本も例外ではありません。燃料高騰の中で、マグロ漁船・カツオ漁船・イカ釣り漁船などが出漁を拒否しています。これは事実上のストライキですよ。「漁に行っても行っても赤字が出るだけじゃないか」と。この事態は、必ず全産業に波及します。トラックやタクシー労働者も、このままでは生きていけない。工場だって操業していけなくなるわけですから。
 闘いは生存権をかけたものであり、文字どおり「生きさせろ!」の闘いになってます。革命が起きるのは、こういう時なんですよ。まさに「パン・土地・平和」です。
 これまでは、多くの人が資本主義に疑問なんか持ってなかったかもしれない。しかし、食えないという現実が突きつけられる中で、労働者が「この世の中は根本的に間違っている」ということに膨大な規模で気付き、階級意識を呼び覚まされている。
 小林多喜二の『蟹工船』が130万部売れたそうです。100人に一人。とてつもない数ですよ。漫画まで出ている。
 他方で秋葉原事件が起こりました。僕は「ああ、おれたちの責任だ」と思いました。僕らの声が届いていれば、少なくともあのトラックで日研総業の本社に突っ込むとかになっていたかもしれない。事態は煮詰まりきっています。徹底的に分断され、未来を奪われ、生きられなくなっている。若者だけじゃない。高齢者も同じです。社会のあり方が、根本的に間違っているんですよ。だけど、どうしていいかわからない。団結する相手もいない。敵が誰なのかもはっきりしない。
 だからこそサミット決戦は決定的に大事なんです。ここで本当に勝負しないといけない。そして、ここでわれわれが一歩突き抜けた時、間違いなく今年の11月集会の展望が見えてきます。

 サミットのなにが一番許せないか怒りを語れ

 

これからの2週間で、われわれがやるべきことは次の二つです。
 第一に、体制内的な発想からの脱却をかけた自らの職場からの闘いをどこまでできるのかということです。第二に、街頭にうって出て徹底的に訴えていくことです。
 では、具体的に何をもってサミット決戦を組織するのか。
 ひとつに、自分自身のストレートな怒りこそが闘いを組織する最大の力です。自分自身が何に怒っているのかをはっきりさせることです。
 サミットには帝国主義各国の首脳が集まるわけだから、すべて許しがたいわけです。だけど全テーマについて「サミットとは……」と説明したって始まらない。自分がなにが一番許せないと思っているのか。これを職場で真っすぐに訴えて欲しい。それが、闘いを組織することになります。そして、その怒りは職場の怒りと間違いなくひとつになるはずです。
 二つに、闘いによって闘いを組織することです。現実に労働者が闘いに立ち上がっている――このことが何よりも労働者を獲得します。それを生き生きと伝えられるかどうかです。ILWUのストライキにしても、ジャック・ヘイマンさんやミヤシロさんは、われわれの仲間じゃないですか。“おれたちの仲間がこんなにすごい闘いをやったんだ。労働者にはこれだけのことができるんだ”ということでしょ。闘いが一番、労働者を組織します。
ILWUのメーデー・ストを組織したのは動労千葉との国際連帯を積み重ねてきたおれたちの仲間だ! 労働者が団結すればこんなにすごい闘いができるのだ)

 まず行動ありき

 三つには、行動方針によって労働者を組織して欲しいということです。
 街頭宣伝で、サミットについて細々と説明しても誰も反応しない。だけど「もうおれたちはガマンできないんだ! 渋谷で大デモをやろう!」と訴えたら、みんな振り向くというんだよね。
 怒りが満ちている時代、時代が変わろうとしている時には行動方針こそが労働者を組織します。歴史をつくる人間の行為は、まずもって行動ありきです。行動に立つことこそ社会の腐りきった本質を照らし出し、敵をはっきりさせ、仲間をはっきりさせます。そして、満ちあふれる怒りに火を付けるんです。
 四つには、資本主義体制、帝国主義体制が目の前で崩壊しようとしていることです。やつらはもう崩れてるんですよ。敵の危機と矛盾を徹底的にはっきりさせることです。そのことが団結をつくります。これは動労千葉が、団結をつくる時の核心としてずっとやってきたことです。敵の危機と矛盾――これをリアルに訴えきることです。これは労働者の自信・確信とメダルの表と裏の関係です。敵の危機と攻撃こそ、全世界で階級的団結とマルクス主義を復権させているんです。
 五つに、適当なところで妥協したりしちゃいけないということです。自らの存在と闘いを、絶対に低めないでほしい。韓国での100万人決起やアメリカのメーデー・ストライキにしても、われわれはそのまっただ中にいるわけですから。
 こういう情勢の中で、われわれがどういう存在でなければならないのか――このことは、みんな分かってきているはずです。日本の労働者階級が先頭に立って階級的団結を作りあげ、全世界の労働者の先頭に立って呼びかけを発していくべき情勢です。この立場から、自分の職場での闘いをとらえ返してほしい。
 もちろん一筋縄ではいかない。なかなか踏み出せないかもしれない。だけど「いま自分たちは、こういう存在でなければいけない」という視点から現状を見たとき初めて、いま何をなすべきかがはっきりする。逆に、職場の困難さだけからものを見ていたら、職場の闘いもうまくいかない。
 僕は動労千葉の組合員に対して、「どんな小さな労働組合だって、労働者階級全体のこと考えないといけない」「その中の決定的存在として動労千葉はある」と常に訴えてきました。そうした視点から、みなさんがいま自分は職場から何をしなければいけないのかを見すえて欲しい。
 職場と街頭で徹底的に議論を巻き起こし、残り2週間を全力で闘い抜こう。世界を揺るがす大デモを実現しましょう。

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週刊『前進』(2348号3面1)(2008/06/23 )

 韓国100万の大デモと連帯し洞爺湖サミット粉砕に立とう

 民主労総 7・2ゼネストへ

 生存権かけ続々ストに

イ政権打倒へ拡大する韓国労働者のストライキ 民主労総傘下の全国建設労組建設機械分科の労働者は全国ストに決起し、ソウル中心街でスト集会を開いた(16日)。「BSE牛肉輸入中止! 燃料高解決! いっそ殺せ」と書いたボードを掲げた

 トラックが止まった。物流がストップした。埠頭にコンテナがうずたかく積まれ、ついに道路にあふれ出た。そしてダンプも止まり、工事がストップした。「輸出入に甚大な被害」「膨大な経済損失」と悲鳴を上げる政府・資本家ども。韓国労働者階級人民の怒りは資本主義と新自由主義攻撃の根幹を揺るがす闘いへと発展している。
トラックやトレーラーなど貨物輸送車両の運転手でつくる全国運輸産業労組・貨物連帯(民主労総傘下)は6月13日、運送料の引き上げなど、原油高対策を求めてストライキに突入した。貨物連帯に所属していない労働者もストに入り、全国で1万5000台を超える貨物車両がストップし、韓国最大の貨物港である釜山港を始め、すべての港湾が機能停止に追い込まれている。物流機能はガタガタになり、全国の港湾と内陸コンテナ基地の貨物処理量は通常の20%台に急落、16日には10%台に落ち込んだ。
燃料費の高騰にもかかわらず荷主は運送代金をまったく引き上げず、しかも様々な中間搾取の結果、運転手の収入は荷主が支払った運送代金の60〜70%にしかならない。約100`の距離を輸送して運転手が得る純収入は、06年には日本円にして約4000円だったものが、08年には約300円だ。これでは一食分の食費にもならない。今回のストは「生計型スト」と呼ばれており、文字どおり生きるためのやむにやまれぬ決起なのだ。
このストに連帯し、同じ全国運輸産業労組傘下の鉄道・空港・港湾の各本部が貨物の代替輸送拒否を決定した。
さらに16日にはダンプや建設重機の運転手でつくる全国建設労組建設機械分科(民主労総傘下)の労働者も貨物連帯と同様の要求を掲げてストに突入。韓国労総傘下の労働者もストに入り、建設機械労働者全体の43%が運搬や作業を中止し、全国の土木作業の90%以上がストップした。
これに対し政府は、軍の車両と人員を投入して代替輸送を行い、さらにスト運転手に対して懲罰付きの「業務開始命令」を発動することを検討し始めた。賃労働と資本の関係では労働者を働かせることはできず、むき出しの強制力に頼るしかなくなっているのだ。

貨物連帯のスト突入集会(13日 プサン)。プサン港を始め全国のコンテナの輸送をストップさせ、無期限ストに突入した

 現体制打倒への正念場

 こうした現場労働者のやむにやまれぬ決起が開始される一方、6月10日の100万人決起を実現した韓国人民の闘いは、闘いの獲得目標をめぐって大きな分岐が生まれている。
 ロウソク集会を呼びかけてきたBSE国民対策会議は、今後の闘いの課題を、米国産牛肉輸入反対にとどまらず、医療・公企業の民営化反対、水の私有化反対、教育の自律化反対、大運河建設反対、公営放送死守の5大課題に広げ、「政権退陣運動辞さず」を宣言した。その一方で、イミョンバク政権と資本家階級の必死の反撃と「このままでは国が崩壊する」という恫喝の前に、動揺する部分も出始めている。
 こうした中、民主労総は7月2日の24時間ゼネストを決定した。ゼネスト貫徹へ向け、闘いは正念場を迎えている。ある労組活動家は「韓国の大衆闘争は、牛肉輸入が原因ではあるが、より重要なことは新自由主義の矛盾が蓄積していること。韓国で起きているすべての現象の背後に新自由主義があるという事実に気付けば、ロウソクがたいまつに変わるのは時間の問題」としつつも、「根本的な変化を引き出すには、主体的力量があまりにもあいまい」と、階級的指導部の不在に危機感を示している。
 今やはっきりしていることは、韓国人民の決起は、イミョンバク政権の強行する新自由主義攻撃に対する根底的な怒りの決起であり、生存をかけて立ち上がっている労働者にとって妥協はすなわち死を意味するということである。
 韓国の現場労働者が今自らつくりだそうと苦闘しているのは、資本主義の崩壊という歴史的情勢にたじろぐことなく、100万決起と現場労働者のストライキ決起が切り開いている地平に確信を持ち、労働者の怒りを解き放ち、ねばり強く団結と闘いを組織していく階級的指導部である。全人民を労働者階級としてひとつにしていく闘いの指導部である。
 韓国労働者階級の闘いはわれわれの闘いであり、われわれの闘いは韓国労働者階級の闘いだ。日本の地で6・29―7・6サミット粉砕闘争に全力で立ち上がろう。

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週刊『前進』(2348号3面2)(2008/06/23 )

 法大闘争 獄内外越え団結広がる

 開示公判で裁判官を圧倒

  38人の完黙非転向の獄中闘争、豪胆なキャンパス展開、裁判官を圧倒した勾留理由開示公判、各界に広がる救援会運動……。法大闘争は獄内外を超えて団結が拡大している。社会的影響も拡大している。逆に権力の方こそ闘いに打撃を受けているのだ。

 時代の閉塞を破る法大闘争

 

キャンパスでは連日、朝も昼休みもビラが配布され、クラス討論が行われている。6月2日から始まったハンガーストライキは実に170時間を超えた。命がけの闘いに大学当局は恐れひるんでいる。非公認化し、黙殺し続けてきた文化連盟を大学当局は無視できない。ついに文連の拡声器を使った集会を認めさせた。
 他方で大学当局による窒息しそうな弾圧体制。大学職員やガードマンが、ビラを受け取る学生をチェックし、話し込む学生をメモする。公安警察とまったく同じだ。学生の怒りは計り知れない。1人の学生がジャージ軍団にひざげりを受け、全治7日間のけが。
 秋葉原事件の派遣労働者の職場の情景は法政大学の現実そのものだ。授業は学生を競争させ、誇りを奪い、資本の奴隷として低めるために行われる。ちょっとでも怒りを示せば、親を呼び出されて処分、正体不明のジャージ軍団から殴るけるの暴行。
 しかし38人の学生は、この現実に対し敵をハッキリさせ、団結を信頼しきった。「死すべきは資本主義だ。学生は団結しよう。革命やろう」と立ち上がった。38人は、この閉塞(へいそく)状況を撃破したのだ。
(写真 勾留理由開示公判後、法大弾圧に加担する東京地裁に怒りのシュプレヒコール【6月13日 霞が関】)

 裁判所の権威も失墜させる

  勾留理由開示公判が連日行われ、13日には、中国四国の学生と首都圏の学生の公判が2回に分けて行われた。
 裁判官はすね顔で開き直りに終始。勾留理由について、警察の言い分をオウム返しでまったく理由を明らかにできない。弁護人の鋭い追及に追い込まれ逆ギレ。「これ以上言うことはない。弁護人の発言も禁止する」と見苦しい訴訟指揮。ついに「勾留延長を発布したのは別の裁判官」と思わず本音をもらした。
 これには被疑者と傍聴人が烈火のごとく怒った。被疑者席の学生らは裁判官につめより、傍聴者も総立ちで徹底弾劾。騒然とした状況に。多数の廷吏が襲いかかった。8人の学生全員が羽交い締めで排除され、傍聴者も半数が強制退去に。
 裁判官は茫然(ぼうぜん)自失となり、裁判所の権威は完全に丸つぶれとなった。司法とは国家暴力であることがあからさまになった。被疑者の全員退廷は前代未聞だ。学生の団結力を示した。
 2回目の公判では、取り乱した裁判官に代わって、書記官が退廷を連呼した。
 公判後に地裁前で行われた総括集会では退廷になった家族が「私は平凡な主婦でしたが傍聴してびっくりした。あまりのひどさ。抗議する人に拍手をしただけで私も退廷させられました。社会を変えようとした息子に誇りをもっています」。
 17日は、警備員への「傷害」デッチあげで逮捕された新井拓君、織田陽介委員長ら3人。38人の最後の勾留理由開示公判だ。織田君は暴行の共謀での逮捕だ。3人が共謀した傷害と言うが織田君が警備員と接触した事実もない。だが裁判官は「挙動と言動で暴行を指示」というのだ。弁護士が具体的に示せと追及。「捜査段階なので」と逃げ回る裁判官。
 暴力警備員が被害者だというから許しがたい。何度も学生に暴力をふるってきた人物だ。警備員は「顔面を殴打され全治5日の傷害を受けた」と言う。「どのような傷か」と弁護士。沈黙する裁判長。具体的なけがの状況も言えない。
 事実は逆だ。学生センター長の木原がトラメガを奪い、警備員が暴力的に学生に襲いかかってきたのだ。学生は首を絞められメガネをとられた。これに抵抗したら傷害だというのだ! 逆に、勾留中の新井君が肋骨(ろっこつ)を折られて治療中なのだ。

 法大弾圧怒り救援会も拡大

  5月29日の逮捕の翌日30日に直ちに「38人の学生を釈放しろ! 5・28〜29法大弾圧救援会」が発足した。法大弾圧弁護団の森川文人、藤田正人、河村健夫、指宿昭一の4弁護士に、葉山岳夫弁護士さらに法大生、法大OBの呼びかけだ。
 法大OBは、29日の逮捕の翌日から門前にかけつけ集会に参加し、法大生とともに闘いに立ち上がっている。法大門前を通るタクシー労働者も、ジャージ軍団の暴力にひるまず闘う学生らの姿に感動し、カンパを渡し激励する。「6・13裁判員制度はいらない!全国集会」の会場前での訴えには、38人の釈放を求める署名200筆と18万円を超えるカンパが集まった。弁護士も学生とともに猛然と弾圧粉砕の闘いに決起している。
 訴えれば訴えるほど、法大弾圧への怒りと学生の闘いへの共感が広がっていく。連日に及んだ東京地裁前の宣伝も圧倒的注目だ。署名は1千筆を超えた。多数のメッセージが寄せられている。「学生が立ち上がったことに感動しています。あらゆる大学で闘いが起こることを」「今日の閉塞状態をうち破る力は若者たちにある」「資本の奴隷になる人間をつくるのが大学の使命ではありません。弾圧と闘う皆さんを応援しています」
 法大の闘いに続き、サミット粉砕へ、全力で決起しよう。

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週刊『前進』(2348号3面3)(2008/06/23 )

 秋葉原事件と「派遣」の実態

 新自由主義こそ事件の元凶 団結とり戻し資本と闘おう

 6月8日、25歳の青年が東京・秋葉原で起こした殺傷事件に対して、マスコミは「アキバ」「おたく」「心の闇」などと、事件の核心を塗り隠した非難キャンペーンを繰り返している。
 だが、彼は偽装請負で名をはせた悪質派遣業者「日研総業」から派遣され、トヨタ系の「関東自動車工業」で働いていた。この一事に事件の本質が凝縮されている。
 日本帝国主義ブルジョアジーは新自由主義政策をもって、民営化と労働者の非正規雇用化を推し進め、階級的団結を破壊し労組を解体することに血道を上げてきた。とりわけ派遣労働者は職場において極限的な疎外労働に従事させられ、絶望、孤立、屈辱感を植えつけられ、貧困と格差を強制されている。
 低賃金、長時間労働、無権利、不安定雇用に追いやられ、将来への希望を奪われた青年労働者の置かれた現実の中から、事件は起こったのだ。

 職場の反乱に脅える日帝

 日帝はこの事態に根底的ダメージを受け、ますます凶暴化している。刃物の規制やネット監視強化による「再発防止」を呼号し、隣人を犯罪者と疑えと宣伝している。
 鳩山邦夫法務大臣は12日に「幼女殺害事件」の宮崎勤死刑囚ら3人に死刑を執行し、大々的に発表した。鳩山は9日当日夜にも秋葉原事件について「人の命を奪うような人にはそれなりのものを負ってもらう」などと発言した。つまり鳩山は事実上、逮捕された青年に早々と「死刑」を宣告したのだ!
 一方、舛添要一厚生労働相は13日の閣議後記者会見で、日雇い派遣労働について「あまりにも問題が多い。やめる方向で行くべき」と述べた。町村信孝官房長官は11日の記者会見で、「身分上の不安定さが犯行に駆りたてた」として派遣制度の見直しを示唆した。
 日帝自身がこの派遣労働者のあまりにひどい現状を突き出され、反乱や決起が職場から続々と始まることに根底から脅え、動揺しているのだ。(実際に青年の当初の計画は、4dトラックを借りて勤務先の工場入り口を封鎖することだった)

 労働者は部品ではないぞ!

 日本では自殺者がこの10年間毎年3万人を上回っている! 秋葉原事件で爆発したのと同じ質の「もう生きられない現実」が民衆の上に重くのしかかっているのだ。
 関東自動車工業は今回の事件で次のような声明を発表した。
 「今後、人材派遣会社に対しては、このような不祥事が二度とないように、人材の確保、管理、監督について要請していきたいと思います」
 つまり「派遣会社が寄こしたやつが不祥事を起こした」と言いたいのだ。悪徳人材派遣会社と組んで労働者を食い物にしてきたのは、関自=トヨタ資本よ、お前たちではないか! 
 実際この事件の直接的引き金になったのは、彼が6月いっぱいで雇い止めを通告され、さらに会社の都合で一転契約が3カ月延長されたことだった。いずれにしても全員が近い将来リストラされることは、関自のすべての契約社員の間では自明の認識になっていたという。まさにトヨタ資本は、在庫を極限的に減らす「ジャスト・イン・タイム方式」を推し進めた末に、労働者=人間そのものをも「部品」のように、必要な時に必要なだけ調達するものとして扱っているのである。
 「別に俺が必要なんじゃなくて、新しい人がいないからとりあえず(クビ)延期なんだって」「派遣がやってた作業をやりたがる正社員なんているわけない」
 青年はこのように憤りを込めて携帯のサイトに書き込みを行った。
 われわれは言う。君こそが必要だ。誇りも尊厳も過酷な派遣労働の中でズタズタにされ、憤りに身もだえしている君と団結したいのだ、と。
(写真 「6・29渋谷デモで団結して世の中変えよう」 警察の妨害はねのけ街頭宣伝【6月15日 新宿駅前】)

 5・29法大決起が希望の道だ

 われわれは資本・企業にこき使われ捨てられるだけの存在なのか。絶対に違う。この世界は労働者が動かしている。労働者こそ社会の生産の担い手であり、この最末期帝国主義を打ち倒し新しい社会を建設する主体だ。
 敵は資本、国家権力であり、労働者の血を吸って生き延びようとする資本主義=帝国主義体制だ。団結と誇りを取り戻し、革命をやろう。このことを全力で訴えよう。
 その声が届いた時、労働者が置かれている状況は絶望から希望へとたちまち一変する。
 5・29法政大での全学連の爆発的決起は、われわれの進むべき道を具体的に示した。国家権力は38人を逮捕しておきながら、獄中で強固な革命家へと成長する仲間たちをなすすべもなく見ているしかない。そして青年労働者を先頭に切り開いてきた階級的労働運動の力が、G8サミット粉砕へと躍動している。
 生きよう! 手を結び立ち上がろう!
 (田宮龍一)

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週刊『前進』(2348号3面3)(2008/06/23 )

 「大阪維新」叫ぶ橋下知事倒せ

 賃下げ・福祉破壊・治安強化 「橋下はヒトラーだ」の怒り


 自衛隊研修まで策動

  大阪府知事・橋下は「大阪維新」と称して、1100億円の財政カットと民営化攻撃に踏み込んできた。「大阪府は民間でいえば破産状態」「過去のしがらみや経過には一切とらわれない、大阪発の”自治体経営革命”を起こします」(「大阪維新プログラム」)――このようなファシスト的な言い方で自治体労働者の大幅賃下げを強行し、治安・警察関係だけは別扱いにして医療・福祉・教育など大阪府のあらゆる施策をゼロベースで見直そうとしている。
 「人件費削減案」によれば、通年で631億円のカット、1人平均15%以上の賃金カットで、退職金手当や諸手当まで削減の対象となっている。そして「1円たりともムダにしない取組姿勢を人事評価に反映させる」(同)と称して、全面的な査定給の導入を宣言している。極めつけは橋下の6月17日の発言だ。「40歳代くらいの職員を対象に自衛隊での研修を検討したい」。自治体労働者の団結を徹底的に破壊し、軍隊的忠誠心を強要するものだ。
 さらに「自己責任と互助」(同)と称し、福祉・医療の全面切り捨てを宣言している。「高齢者在宅生活総合支援事業の廃止」「障がい者就労支援事業の廃止」「地域就労支援事業の廃止」など、いわゆる「社会的弱者」の支援事業は全面的に廃止するとしている。
 教育については時間講師の縮減や教育事務補助員などを全面的に廃止することも打ち出している。30年間にわたって働き続けてきた労働者を問答無用で「クビを切る」という宣言だ。また「頑張る教員を応援」(同)などと称して「不適切教員」の切り捨てを盛り込んでいる。「指導力に問題のある教員は去っていただくべきだ」(橋下)――こんな言辞が許せるか! 教育労働者の中に分断を持ち込み、国家への忠誠心を持たない教育労働者を切り捨てる、と宣言しているのだ。
 実際に今年4月の入学式で、大阪府内で初めて門真市で「日の丸・君が代」強制の職務命令を出すなど、現場ではすでに攻撃が先行している。

 追いつめられる橋下

 「公務員は民間に比べて競争意識がなさすぎる」――。橋下の手法は、徹底して公務員労働者と民間労働者の間に分断を持ち込み、「破産会社にした責任のすべては公務員労働者の甘えにある」というキャンペーンで世論を扇動するやり方だ。まさに国鉄分割・民営化の時の「ヤミ・カラ」キャンペーンのより凶暴な再現であり、新自由主義の手法である。
 しかし5兆円といわれる借金をつくってきた責任は誰にあるのか。府財政を食い物にして資本家どもを徹底して肥え太らせてきたことが原因だ。その典型が関西新空港だ。りんくうタウンとコスモポリタン関係だけでも2700億円もの借金である。この上に関空会社に1400億円もの資金を出し続けている。その利子である70億円を金融資本に払い続け、関空会社には無利子で貸しているのだ。今回の「大阪維新プログラム」の中ではこうした支出については一切手をつけていない。まさに橋下は資本家階級そのものであり、その意志を全面的に体現している存在なのだ。
 労働者の中には怒りが渦巻いている。「橋下知事はヒトラーである」「われわれはあなたの奴隷ではありません」「マスゴミ(ママ)の世界へお帰りください」「兼業禁止、ストライキ権のはく奪の制度を改めよ」など府職労働者の中から怒りが噴出している。3月の青年労働者による橋下への反撃に続いて、6月12日には40代の労働者が朝礼で「公務員は兼業禁止なのに知事はテレビに出ている」と追及。これに対して橋下は「私のやり方が気に入らないなら職を変えてくれ」とわめき散らした。
 こうした現場の怒りの声をトコトン踏みにじり、現場の団結を破壊し、「財政再建」の補完物と成り果てているのが連合・府労連や全労連・府労組連などの腐り果てた幹部連中だ。

 連合・全労連は総屈服

 「真に実効ある府行政財政改革を」(府労連)「府民のくらし、福祉を守ることと両立できる大阪府財政再建、もう一つの道」(府労組連)などいかに大阪府の財政再建をやるのか、と敵の土俵で議論を進めている。「今こそストライキを」と呼びかける現場からの声に対しては、「処分が出るぞ」「逆効果だ」と脅して回っている。「財政破綻(はたん)は資本主義の破綻じゃないか」という現場労働者の職場でのビラまきに「団結を破壊するのか」と言って査問をしているのが体制内労働運動の指導部だ。
 こうした体制内労働運動指導部との対決こそ橋下を打倒する決定的ポイントだ。追いつめられているのは資本家階級であり、橋下だ。「破綻」しているのは資本主義社会そのものであり、労働者には責任もなければそのツケを背負わなければならない理由などひとつもない。いや、労働者の団結した力で橋下を打倒しよう。破綻した資本主義を葬り去ろう。

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週刊『前進』(2348号5面1)(2008/06/23 )

“西郡から世界を変える” 西郡支部3回大会

住宅闘争勝利へ固く団結

中央本部の妨害に怒り沸騰

  部落解放同盟全国連合会の西郡支部第3回大会が6月15日、八尾市の桂人権コミュニティセンターを埋め尽くす330人の大結集で歴史的成功をかちとった。
 全国連中央本部は突然、6・13分裂集会を強行したが誰にも相手にされず破産した。この日も集会破壊に来た。「私らは命をかけて闘ってるんや。重さがちがう、帰れ」と一喝し、追い返した。団結破壊への怒りが支部大会の大成功のエネルギーに転化し、熱気あふれる大会となった。
 第3回支部大会は端的に「団結大会」だった。応能応益絶対反対の住宅闘争について「あいまいなものは吹っ飛んだ。いよいよ勝ちにいく」と宣言。さらに世界が革命情勢にあることをはっきりさせ、新自由主義と対決し、革命を目指して労働者とともに進む解放運動の路線を打ちたてたのだ。
 大会は、長崎幸治支部長による主催者あいさつから始まった。「子や孫の代まで安心して暮らせるよう協力して建てた団地だ。弾圧には団結の拡大、正義性を広く訴えよう」と呼びかけた。
 連帯のあいさつの最初に全国連杉並支部、品川支部が「西郡支部の闘いの中に真の解放運動がある。一緒に闘う」と決意表明した。続いて泉佐野市議会議員の国賀祥司さん、地元の二つの労働組合の仲間、国労5・27臨大闘争弾圧被告で国労小倉地区闘争団の羽廣憲さん、大阪市と大阪府で働く2人の青年労働者が発言。全学連の学生が獄中の織田陽介委員長のメッセージを読み上げ、弾圧を一緒にはね返そう、と連帯の拍手が起きた。
 基調報告は、住宅明け渡しと闘う岡邨(おかむら)洋副支部長。支部大会の破壊を狙った中央本部の6・13集会を打ち破ってかちとった支部大会だと高らかに宣言し、応能応益絶対反対を貫き「供託=団結を固めて闘うことが勝利の道だ」と提起した。全国連本部が「供託」ではなく「分納」路線を取り、「自民党とも本部派とも一緒にやっていく」という路線を打ち出したことは「権力に屈服する路線に変えるものであり、認められない」と断罪した。
 「新自由主義攻撃は、サブプライムローン、民営化、どれも破産している。私たちは勝つしかない、西郡は絶対に勝つ」と言い切り、サミット決戦への決起を呼びかけ「新たな解放運動を巻き起こし、日本と世界を変えよう。全国300万きょうだいに結集を呼びかけよう」と締めた。割れんばかりの拍手で確認された。
(写真 闘志あふれる青年部の発言に会場はわいた【6月15日 八尾市】)

 “犠牲強いる国を倒そう”

 住宅明け渡しと闘う3人、郵便貯金差し押さえと闘う供託者が発言。八尾市行政への怒りとともに、この4カ月間の攻防にかちぬき、鍛えられて勝利感あふれる発言がなされた。(要旨別掲)
 西郡支部名物の「団結音頭」の合唱をはさんで末光道正事務局長(八尾市議)が「世界は3回目の革命情勢を迎えている。世界の労働者と団結し労働者が主人公になる社会を一緒に目指そう」と特別報告を行った。
 支部青年部は「預金差し押さえの暴挙に支部が一丸となって反撃に立とうとした集会に参加せず、仲間を裏切り、分裂させようとした青年部長を解任して団結が固められた。団結の拡大を目指し、自分の殻を破って進もう」と「青年部団結綱領」を手に発言した。青年部が支部の中心にがっちり座ったことを感じさせるすばらしい発言だった。
 八尾北命と健康を守る会は「高齢者に犠牲を強いる国はいらない。現役の労働者と一緒になって国を倒そう」と呼びかけた。八尾北医療センター労組の藤木好枝委員長は「新自由主義攻撃そのものである八尾北医療センターの民営化攻撃との闘いが始まっている。民営化絶対反対を掲げて闘う」の戦闘宣言を発し、職場を武器に闘うと決意表明を行った。
 「本当にすっきりした集会だった」という支部員の感想がいっぱい寄せられた。青年部を先頭に一人ひとりの発言に部落民の誇りと団結、労働者との団結、階級の団結がみなぎり、それが大会全体を貫いてかちとられた感動的な大会だった。
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 働く者の底力見せる/団結したら何倍もの力 発言から

●住宅明け渡しと闘うAさん 私たちの闘いをつぶそうとするビラが入ってますが住宅家賃問題を闘う中身ではなく、一緒に闘ってきた私たちの批判ばかり。私たちの敵は、ともに闘う仲間ではない。私たちの敵は行政や国なのです。
●住宅明け渡しと闘うBさん この裁判を行政の汚い所を全部暴き出す裁判としてやる。息子が働くようになると収入が上がり、外へ出ていかなアカン。息子や娘と絶対に一緒に住めないのが応能応益なんです。住む権利、生きる権利すら奪う声を上げる時は今だ。私ら働く者の底力を見せてやろう。
●預金差し押さえと闘うCさん 収入もなく少ない年金でやりくりしています。応能応益家賃で400万近い借金を抱えている。辛抱も限界。15万円で生活できるならやってみろと言いたい。
●預金差し押さえと闘うDさん 行政はあくどいやり方で、供託者に団地の明け渡し、年金の差し押さえをやってきました。私たちは悪いことをしたわけではありません。ささやかな生活を守るために団結で闘っているのです。
●預金差し押さえと闘うEさん 行政は年金の入った預金の差し押さえをしました。年金暮らしの人は引き落としもできなくなりました。サラ金より汚い、人殺しに近いやり方。私たちは団結をさらに固めて、闘っていきます、
●青年部Fさん 元青年部長が、住宅闘争で西郡の集会に出席せずに広島問題の方へ行った。仲間を裏切った。青年部の仲間に声をかけて、青年部を分裂させようとしている。許せない。
●青年部G君 青年部長は青年部に分断を持ち込みもうとしたが仲間の力ではねのけた。この時ほど仲間ってええなあと感じたことはありません。団結したら、少人数でも何倍もの力になるんや。

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週刊『前進』(2348号5面2)(2008/06/23 )

 組合自らが「生産性運動」を宣言

 当局と結託する執行部に怒り

 JP労組第1回大会で情宣

  「俺たち労働者は使い捨てのペットボトルではない」(雇い止め通告を受けた非正規職労働者)
 6月18日、全国から集まった労組交流センターを始め闘う全逓労働者の仲間は、JP労組(日本郵政グループ労組)第1回大会の会場となった北海道立総合体育センター前に登場、約1千人の代議員や傍聴者にビラを手渡し、「民営郵政支える連合JPを打倒しよう」「世界の労働者とともにストライキで闘おう」と、戒厳態勢下の札幌でサミット粉砕を訴えた。
 今回のJP労組大会は、全国の現場で噴きだす民営郵政の破綻(はたん)に対し、労働組合が自ら「生産性向上運動の推進」(大会議案)を宣言し、JP資本当局と完全に一体となって現場労働者の怒りを封じ込めるための大会となった。
 仙台S局で雇い止め通告を受けた青年労働者は「雇い止めとは、お前はもう生きなくていいという通告。現場労働者を見捨てる労組って何ですか」と怒りをたたきつけた。大阪から参加した労働者は「超勤地獄はJP労組執行部が当局とぐるになった結果。彼らを打倒し、物ダメストで闘おう」と呼びかけた。
 大会でJP労組は、郵政当局の2万4000人首切り計画に言及もせず「会社あっての労働者だ」と公言した。これに全党派が屈服・沈黙するなか、唯一、動労千葉とともに闘う勢力だけが全国の現場労働者の怒りを体現した。
(写真 労組交流センター全逓部会を先頭に会場包囲デモ【6月18日 札幌】)

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週刊『前進』(2348号6面1)(2008/06/23 )

 裁判員制度反対で1500人

 熱気あふれ初の全国集会

 “09年5月実施阻止を”

 6月13日、東京・日比谷公会堂で「裁判員制度はいらない!全国集会」が開かれ、全国から1500人が結集した。「数十万人の裁判員候補者に通知が届けられる今年末に合わせて全国一斉の反対行動を繰り広げ、来年5月21日の裁判員制度の実施阻止を」とアピールが発せられた。

 廃止へ闘う唯一の集会

 この日、集会を主催した「裁判員制度はいらない!大運動」は昨年4月に弁護士や大学教授ら11人の呼びかけで発足。全国各地で学習会や集会を重ね、初めての全国集会にまで上り詰めた。
 1階は満席、2階席も多数埋まり大盛況。世論調査では8割が「裁判員をやりたくない」と答えているにもかかわらず、国会の全政党は賛成している。制度廃止を訴える唯一の全国集会は、大手マスコミ各社も取材にかけつけ注目を集めた。
 交通ジャーナリストの今井亮一さんの開会あいさつから始まった。
 「反対の世論は高まるばかり。日弁連会長選挙では、この制度に真っ向から反対する高山俊吉弁護士が43%の得票を得た。新潟や栃木の弁護士会では制度実施の延期の決議さえ出てきている。決して政府や最高裁の思い描いたようには進んでいない。私たち市民が参加しなければ、制度は成り立たない。裁判員制度の廃止は十分可能だ」
 発言に立ったのは、東北大学名誉教授の小田中聰樹さん、家族問題評論家の池内ひろ美さん、憲法と人権の日弁連をめざす会の代表である弁護士の高山俊吉さん、ジャーナリストの斉藤貴男さん。裁判員制度を絶対廃止に追い込む決意が、それぞれの思いを込めて語られた。
 小田中さんは、裁判員制度導入の背景に新自由主義攻撃があることを述べ、「(権力が)国民の間に裁く者、裁かれる者の分断をもちこんで支配する仕組みだ。国民自らが治安を守れという警察の動きにからめとられるものであり危険」と批判。
 高山弁護士は、5月21日に大分県弁護士会も制度延期を求める決議を上げたことを紹介した。さらに裁判員制度が、「統治の力が弱くなって、皆が時の権力を信用しなくなった時代の産物」と時代観を語り、その狙いを「皆を裁判をする側にまわらせて、わが心はお上の心、お上の心はわが心、と支配していくものだ。国民の司法参加などではなく動員だ」と明らかにした。(別掲)
 林家時蔵さんが「裁判員制度はハナシにならない」と題した落語を演じ、漫画家の蛭子能収さんのメッセージが紹介された。
(写真 横断幕、のぼり、ボードなどをかかげ全国からの発言者が壇上に勢ぞろいし「裁判員制度廃止」を訴えた【6月13日 東京・日比谷公会堂】)

 怒りと闘いの訴え次々

 集会には、北は北海道から南は大分県まで全国各地の人々が集まった。長野県からは大型バス1台で参加。全国12カ所からの発言者が演壇に並ぶと、裁判員制度廃止を訴える横断幕やボードでステージがあふれた。
「国会につめかけ廃止にする」(千葉県松戸市・女性)
「裁判員制度は徴兵制だ。冗談じゃない」(相模原市・青年労働者)
「与党も野党も腹立たしい限り。やりたい放題の政府に即刻鉄槌を下すべき」(長野県・男性)
裁判員制度のみならず郵政民営化や後期高齢者医療制度を導入した政府への怒りも噴出した。
裁判員制度実施にむけた労働者の動員も始まっている。教育現場には宣伝用DVDなどが最高裁から送付されている。教育労働者は、「改悪教育基本法も裁判員制度も上意下達の制度。教え子を一人も戦場に送らない」と訴えた。自治体では裁判員候補者名簿の作成に協力させられていると現場の労働者が報告した。労働組合の協力拒否の闘いが決定的である。
新潟の弁護士は「今まで人権や憲法9条を守れと言ってきた人たちが、裁判員制度反対の意見をつぶしにかかった」と、既成「左派」の屈服と転向を弾劾した。
”おかしいぞ!日弁連/権力と手をつなぐな”の横断幕を掲げて発言したのは福岡の弁護士だ。「九州キャラバンで制度反対を訴える」
日弁連会長選挙で示された司法改革・裁判員制度絶対反対の闘いは、体制内執行部を打ち破り、闘う日弁連の再生へと力強く発展している。裁判員制度への怒りは、新自由主義攻撃への怒りだ。すべての怒りをひとつにすれば、絶対に廃止にできる!
「この結集の力は歴史的な事実として記される。来年5月の実施阻止を確信した。法大生はストライキで闘っている。裁判員制度導入を絶対に阻止しよう」と、事務局長の佐藤和利弁護士が締めくくった。

高山弁護士の発言(要旨)

赤紙の動員と同じ

 (秋葉原事件は)この時代の産物だという思いを禁じ得ない。私たち一人ひとりをばらばらに分断した人たちが裁判員制度を導入しようとしている。みんなには裁判をする側に回らせて、わが心はお上の心、お上の心はわが心、と思う人格を形成することを、市民の司法参加だという。それは、司法参加ではなく動員である。行きたくないのに市民の司法参加だという言い方ができるのであれば、徴兵制のことを市民の軍事参加というだろう。冗談じゃない。赤紙の動員、隣組の監視・動員と違わないと、みんなが結集している。この力だ。来年の5月21日は裁判員制度を廃止したことを祝う勝利の集会を開きたい。
(写真 高山俊吉弁護士が制度の本質を暴いた)

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週刊『前進』(2348号6面2)(2008/06/23 )

 法大弾圧外国人記者クラブで会見

 5・28〜29法大弾圧に対して海外のメディアの注目と関心が集まっている。6月19日午前、有楽町にある外国人記者クラブ(日本外国特派員協会)において記者会見が行われた。
 スピーカーは久木野和也さん(法大法学部生、無期停学処分者)と森川文人弁護士(法大弾圧弁護団)。アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、パキスタン、スウェーデンなどの記者が参加した。
 5・29当日の逮捕時の動画を上映した後、久木野さん、森川さんがスピーチ。「日本ではこのような弾圧が普通にあるのか?」「大学は公共のスペースなのになぜ?」と次々と質問が出され、予定時間を大幅に超えて活発な質疑応答が行われた。

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