ZENSHIN 2008/09/01(No2357 p08)

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週刊『前進』(2357号1面1)(2008/09/01 )

 9・27〜28 全国でワーカーズアクションに立とう

 新自由主義攻撃と総対決し青年労働者の怒りの反乱を

 4者4団体路線粉砕・解雇撤回へ

 11月労働者集会を1万人の大集会として何としても成功させよう! この集会は、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合港合同、国鉄千葉動力車労働組合の3労組が呼びかけている。「生きさせろ! 大幅賃上げ 非正規職撤廃 怒りのストライキを」「国鉄1047名の解雇撤回」「万国の労働者団結せよ」――この三つのスローガンで闘われる11・2全国労働者総決起集会こそ、闘う労働運動を復権させ、青年労働者の未来を切り開くことのできる唯一の方針だ。

 歴史動かす労働者の団結

 この11月集会派と他の潮流が違う点はただ一つ。「労働者の団結した力だけが、歴史を動かし、社会を変革する唯一の力である」――この原則を貫いているかどうかだ。しかし、この原則の実践をめぐって労働運動内部に激しい分岐と激突が始まっている。しかもそれは日々の職場実践の中で問われているのだ。このインフレが吹き荒れる経済危機の中、低賃金でがまんするのか、一律大幅賃上げか。情勢が厳しいから和解するのか、解雇撤回を貫くのか。国際競争が労働者の利益なのか、国境を越えた労働者の団結なのか。
 「賃上げ」や「解雇撤回」という当たり前のことが当たり前でなくなっている。一見厳しく見える情勢だからこそ、労働者の団結に一切をかけて闘うことが本当に問われている。
 連合、全労連指導部はもとより、これまで一緒に闘ってきた身近な勢力とも分岐と激突が始まっている。世界中で首切りや賃下げ、民営化攻撃が吹き荒れている。だからこそ、「この時代に労働者はいかに闘うべきか」「労働組合はいかにして勝利するのか」――すなわち労働運動の路線をめぐって激突し、激突し、その中から絶対に崩されない労働者の団結がつくり出される。それが11月1万人決戦だ。
 その核心は、私たち労働者の資本に対する怒り、資本の手先となって労働者を弾圧する体制内労働運動執行部への怒りだ。そして”職場を労働者の手に取り戻してやる””腐った労組幹部を絶対に倒して自分がやってやる”という強い思いだ。ここが揺るがなければ11月1万人結集は絶対にやれる。
 青年労働者は職場から反乱を開始した。労働者の団結を組織して闘う一人の存在が決定的だ。
 「正社員にしろ」と会社に訴えたら即解雇――ふざけるな! だったら毎日職場の門前に立って闘ってやる! この非正規労働者の仲間は、毎日の職場闘争で新たな組合員を獲得した。「職場の全労働者の一律大幅賃上げ・非正規職員を全員正規雇用に!」――看護師と医者がストライキに決起。この決起は、資本家と一体となって労働者を弾圧する日本共産党の労組執行部と闘う一人の決起から始まった。全国の郵政職場からも反乱を開始した。要員不足・労働強化という民営化の破綻――この民営郵政を支えているのがJP労組執行部だ。「闘わない執行部を打倒する」と11月集会派が名乗りをあげた。「一人の怒りは、職場全体の怒りだ」と言って彼らは闘っている。
 まだまだ少数だが、この団結が資本・御用組合執行部を震え上がらせている。私たち青年労働者は、資本と、その手先となって闘いを放棄する体制内労働運動執行部と闘うことで、自分たちの持つ力に目覚めた。一人で闘ってはダメだ。団結! 団結! 団結を組織しよう! 私たちがつくる団結は、既成の労働組合が使ってきた「団結」ではない。彼らの言う「団結」は、労働者の決起を押さえつけるための「団結」であり、自分たちの地位や利益を守るために「団結」しろと言っているのだ。労働者の真の団結とは、資本と非和解であることを現場で貫くことだ。「職場やこの社会は、労働者が動かしているんだ」という思想を実践で貫き、労働者としての誇りを取り戻すことだ。最後まであきらめず、徹底的に団結をつくりだして闘おう! そうすれば労働者は必ず勝利する!

 あらゆる反動を打ち破り

 11月集会をめぐる最大の焦点が1047名解雇撤回闘争だ。「解雇撤回」を引きおろし、動労千葉を排除して進められている「4者・4団体」路線による「政治解決」に絶対反対しよう。
 1987年に強行された国鉄分割・民営化に対する反対闘争は、民営化・規制緩和と労働組合破壊の新自由主義攻撃との最先端の闘いだ。国鉄分割・民営化の最大の破綻点は、動労千葉を先頭とした1047名闘争の存在と闘いにある。1047名闘争は、新自由主義攻撃の破綻をついて闘う階級決戦であり、すべての青年労働者の未来をかけた決戦なのだ。
 この決戦を回避して動労千葉と11月集会を破壊しようとするすべての反動と徹底的に闘おう。とりわけ、革共同から脱落・逃亡し、転向を深める塩川一派は絶対に許さない! 塩川一派にとって労働組合とは、労働者の改良的諸要求実現のために資本と交渉する組織でしかなく、あくまで体制の枠内にとどまるべき存在でしかない。彼らはそうした自己を合理化するために、動労千葉と11月集会に敵対する。
 動労千葉の闘いの中に、新自由主義攻撃を粉砕し、労働運動が勝利する展望がある。動労千葉は、国鉄分割・民営化に対し2波のストライキを闘い、1990年4月1日の「清算事業団からの2度目の首切り」を前に、3波のストライキでこれを迎え撃った。当時、動労千葉の中野洋委員長は「労働組合の委員長が整理解雇で勝利だというのはおかしい。にもかかわらず1047名が解雇されて本格的闘争に入ると決断したとき、これで勝ちだと思った」と言っている。動労千葉の闘いがあらゆる政治解決=屈服路線を打ち破って、1047名闘争の出発点をつくり出したのだ。だから、国労の指導部は「理由なき組合差別で清算事業団に送られた」と言うが、動労千葉争議団は「闘った結果の処分だ」と胸を張っている。動労千葉の解雇撤回闘争は、政府への「お願い」ではなく、JR資本と真っ向から闘い抜いて追い詰める闘いとして貫かれている。闘いの基軸は職場にこそあるのだ。
 今こそ国鉄分割・民営化絶対反対の原点に立ちきり、動労千葉のように闘おう。JR本体の労働者と被解雇者が一つに団結して、1047名解雇撤回闘争勝利の展望をこじ開けよう。
 そして、もうひとつ決定的なのが国労5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いだ。2002年5月27日の国労臨時大会で国労本部は、「JRに解雇の法的責任はない」と認めろと迫る「4党合意」に反対して闘う闘争団を、査問委員会に送り、権利停止の処分を強行した。これに対してビラをまき、組合員への説得活動を行ったのが5・27被告団の行動だ。動労千葉のような闘いを職場に、国労内につくりだすために闘おうという主体的決起だった。こうした当たり前の決起に対して、国労本部が組合員を警察に売り渡したのだ。この弾圧を契機に、国労本部はさらに屈服を深め、政治和解路線・裁判依存にのめりこんだ。
 この5・27闘争は、「解雇撤回」を投げ捨てた1047名闘争の政治解決を粉砕し、闘う国労を職場からつくり出し、平成採の青年労働者を獲得する闘いであり、被告団を中心に新たな指導部を生み出す闘いだ。これに対して5・27旧弁護団と一部事務局員は、被告の闘いを権力・資本に頭(こうべ)を垂れる裁判にねじ曲げ、被告の闘う主体を真っ向から否定した。このことに怒りを爆発させ、7被告が旧弁護団9人全員の解任を決断したことは百パーセント正義だ。
 1047名解雇撤回闘争と5・27闘争は、国鉄分割・民営化絶対反対を貫き、JR体制を打倒する闘いだ。連合支配を打ち破り、闘う労働組合の全国ネットワークをつくりだす最先端の闘いなのだ。ここに11月1万人結集の展望がある。絶対に勝利しよう!

 「生きさせろ」ゼネストを

 この国鉄1047名闘争をめぐる攻防に勝ち抜き、動労千葉が呼びかける「生きさせろ!」の賃上げゼネストを実現しよう。「生きさせろ!」の叫びと一律大幅賃上げ要求は、本質的に革命の要求である。11月1万人結集を目指し、「生きさせろ!」の賃上げゼネストを掲げて闘われる9・27〜28ワーカーズアクション(実行委員会呼びかけ)を、全国の青年労働者の団結で圧倒的に成功させよう!
 「生きさせろ!」のゼネストは、新自由主義攻撃に対する青年労働者の総反乱の闘いだ。アメリカのサブプライムローンの破綻を引き金とする世界金融大恐慌が爆発し、行き場を失った投機資金が原油や穀物価格をつり上げている。全世界で激しいインフレと大不況が進行し、同時に、グルジアや中東を発火点とする新たな世界戦争の危機が深まっている。こうした中で倒壊寸前の福田政権は、社会保障費2200億円の削減、徹底した民営化と200万人公務員労働者の首切りを強行し、侵略戦争への道を突き進む以外にない。一切の矛盾を青年労働者に集中し、生き延びようとしている。
 しかし、破綻しているのは敵の方だ。動労千葉を先頭とした国鉄1047名闘争は、この20年間、新自由主義攻撃の最先頭で闘って陣地を守ってきた。こういう情勢が来るときのために闘ってきたのだ。1047名解雇撤回闘争が、私たち2000万青年労働者の怒りと結合し、決定的に威力を発揮する情勢が来た。この結合を押しとどめているのが「4者・4団体」路線であり、それを支持する塩川一派だ。絶対に打倒する以外にない!
 「生きていけるだけの賃金をよこせ!」――これは青年労働者の革命の叫びだ。この社会をつくっているのは労働者だ。しかし資本主義社会では、労働者は自らの労働力、すなわち自分たちの存在そのものを他の商品と同じように売ってしか生きていくことができない。そして、明日また資本家のもとで働くための最低限の生活費を賃金として受け取り、労働によって生み出した残りの圧倒的大部分は資本家によって搾取される。資本主義は賃労働と資本が非和解的に対立する社会だ。
 新自由主義の破綻は、青年労働者に働きたくても働けない、働いたって食っていけない状況を生みだした。私たち青年労働者が人間として生きるためには、職場で資本と非和解で闘い、この賃労働と資本の関係を根本から覆し、資本主義社会を全面的に転覆して、団結した労働者の手にすべてを奪いかえす以外にない。動労千葉とともに賃上げゼネストが実現できる労働組合をつくり出そう! マルクス主義青年労働者同盟はその先頭に立とう!

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週刊『前進』(2357号1面3)(2008/09/01 )

 “民営化絶対反対で闘おう”

 自治労大会 警察導入した本部弾劾、組合員と合流

 自治労第80回定期大会が8月28、29日、千葉市で開かれた。今大会の焦点は鮮明だ。200万人首切り=民営化と道州制に絶対反対を貫くか、攻撃に屈して自治労解散の道を進むかだ。
 地公3単産(都市交、全水道、自治労)組織統合や名称変更問題、銚子市立病院の休止と190人全員解雇問題などが議題となる中、全国から結集した労組交流センター自治体労働者部会は絶対反対派として登場し、「民営化反対と生きさせろのゼネストを闘おう」「現場の労働者の力を信じない中央本部を打倒しよう」と訴えた。
 昼休みには地元の青年労働者も合流して約50人が集会。機動隊が導入され、一時は騒然となったが、青年労働者の真剣な訴えに反動ダラ幹も沈黙し、500人近い組合員が立ち止まって耳を傾けた(写真)。圧倒的な合流感だ。民営化絶対反対の動労千葉派こそ全労働者を獲得できると確信した。

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週刊『前進』(2357号3面4)(2008/09/01 )

 給油新法再延長阻止へ

 今秋臨時国会の重要な焦点

 帝国主義的権益確保の軍事政策

 臨時国会が9月12日に招集されることが決まった。倒壊寸前の福田政権にとって、臨時国会の最大の課題は、インド洋上での海上自衛隊の給油活動の根拠法である給油新法=新対テロ特措法の期限延長問題だ。同法の期限は来年1月で二度目の期限切れを迎える。今年1月、参議院で否決された直後の衆院本会議で57年ぶりの再議決(3分の2以上の賛成)という暴挙で、かろうじて同法の1年延長を通した日帝福田政権にとって、給油新法更新問題は、今や政権崩壊にも直結する難問と化している。
 戦争とインフレ、貧困の強制に対する怒りを爆発させる世界の労働者人民と固く連帯し、職場と街頭で福田政権打倒、11月総決起の闘いを爆発させ、自衛隊のインド洋―イラク派兵阻止・給油新法延長断固阻止をたぐり寄せよう。
 日帝・政治委員会は、改憲攻撃が彼らの思惑どおりに進まず、集団的自衛権の行使が憲法違反であるとの政府解釈も未だ変更できていない。自衛隊の海外派兵を保証する「恒久法」も未成立だ。この中で、給油新法に基づくインド洋での米軍等への給油活動は、日帝が帝国主義の侵略戦争に参戦し、中東の石油権益など海外の帝国主義的権益を確保するための軍事的プレゼンスを拡大する生命線となっている。
 首相の福田は、さる7月のG8洞爺湖サミットで、「インド洋での給油活動を継続する」と米帝ブッシュに直接確約していたことも明らかになったが、6・29渋谷デモの爆発は、この福田政権に対する痛烈な打撃だった。いまや次期衆院選で「与党議席が3分の2を占める」体制が消滅することは必至の情勢で、自民党は94年総選挙以来の与党陥落の危機に脅かされている。福田政権にとって、臨時国会は同法が生き残りの最後の機会になる可能性が高い。
 そして、廃案―再度のインド洋撤退という事態に追い込まれれば、沖縄・辺野古新基地建設をはじめとする米軍再編攻撃のさらなる動揺と崩壊につながることも必至だ。日米安保体制の根幹が揺らいでいるのである。これは、小泉構造改革以来の新自由主義攻撃のエスカレーションに対する労働者人民の反乱が拡大する中で、支配階級の動揺と分裂を極点まで高めずにはおかない。
 この事態を避けるための”再々度の再議決”という最終手段も、福田政権に対する労働者人民の怒りの火に油を注ぐ。それゆえ日帝・政府与党もこの問題で分裂を抱えているのだ。給油新法問題は、ひとつの法案の成否という次元を超えて、日帝の存立それ自体を左右する問題となった。

 世界戦争情勢下の海外派兵阻め

 グルジア問題で火を噴いた米欧帝国主義とロシアとの領土・資源戦争は、ついにNATOとロシアの決裂という事態に発展し、新たな世界戦争の危機を急速に成熟させている。WTO(世界貿易機構)のドーハ・ラウンドも決裂し、世界の分裂とブロック化、帝国主義間(大国間)の争闘戦が激化する中で、日帝の海外派兵体制にくさびを打ち込む闘いの意味は決定的である。給油新法を粉砕し福田政権を打倒しよう。11月労働者集会1万人結集へ闘いぬこう!

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週刊『前進』(2357号4面1)(2008/09/01 )

 〈特集〉世界は革命情勢! 全世界をおおうストライキの大波

 労働者の力が荒々しくよみがえり始めた

 11.2労働者集会 大幅賃上げが闘いの軸

 全世界でものすごいストライキが闘われている。世界の労働者は完全に闘う力を覚醒(かくせい)させつつある。全世界の労働者が「生きさせろ」の叫びを上げている。革命の要求だ。今日の世界的スト情勢は、文字どおり資本家階級が生き延びるか、労働者階級が生きていくかをかけた非和解の激突だ。資本主義の根底的な危機が背景にある。

 鉄道スト転機に「スト共和国」 ドイツ

 

左 【フランス】年金制度改革に反対し8つの労組の全国組織70万人が全土で一斉にデモ
右 【ドイツ】自動車産業で金属産業労組の9万人がスト。公共部門のストが飛び火し拡大

◎西ヨーロッパ
ドイツでは、機関士労組(3万人)が30%賃上げを要求して昨年夏から半年に渡り大規模な波状的ストを貫徹、11%の賃上げをかちとった。
ドイツ経団連は「自動車工場の生産がストップし、国際競争力が損なわれる」と悲鳴をあげ、激しく非難した。ナショナルセンターの労働総同盟と他の二つの鉄道労組は屈服し、スト破りを策動した。
だが、機関士労組は「長年の賃金カットと労働強化にはもう我慢できない」「打撃を与えてこそストだ」とストを貫徹。公共部門の労働者が大合流し、統一サービス産業労働組合(230万人)が組織する近距離交通・空港・病院・保育園・清掃などの労働者が大幅賃上げを要求して、繰り返しストに入った。
新聞は「ドイツはスト共和国と化した」と書いた。ついに4月中旬には無期限ゼネストが計画されたが、中央指導部が裏切って回避。各所で山猫ストが起きた。
郵政労働者が大規模な物ダメに入った。約3千万通の郵便物が止まった。フランクフルト国際空港の空港郵便局の労働者は1日で百万通の郵便物を止めた。5月29日には、首都ベルリンで公共部門数千人がスト、官庁や自治体の窓口は一日完全に閉鎖された。
公共部門の闘いはついに自動車産業に飛び火した。6月上旬、ダイムラーやアウディなどの自動車や自動車部品を製造する150の工場で9万人がストに入った。
フランスでは、ル・モンド紙が4月、ストによって創刊以来初めて休刊になった。4月23日には、マルセイユやボルドーなどフランスの主要港で港湾労働者が政府の港湾民営化計画に反対して24時間ストを闘った。
6月10日には、国鉄・教育・その他の公務員が民営化反対でスト。国鉄は62%を組織する3つの労組が24時間ストに突入し、特急の半分が止まった。サルコジ政権は公務員や教員を大幅に削減する攻撃をかけている。
イギリスでは、4月下旬に70年ぶりの精油所ストでパイプラインが稼働を休止した。わずか1200人の48時間ストで全英の石油・ガスの4割の供給が止まった。6月にはタンクローリー労働者がスト。全英のガソリンスタンドの4分の1が供給ストップとなり、空港でも相当数が欠航になった。
4月24日、教育労働者4万人が21年ぶりの全国ストに突入。全英の学校の3分の1(8000校)が閉鎖になった。同日、公共部門40万人の労働者が24時間スト。公共部門数百万人が低賃金にすさまじい不満と怒りを持つ。
7月16日、公共部門50万人が再び全英で48時間のゼネスト。学校・社会福祉事務所など地方官庁、図書館や博物館などが全面閉鎖、ゴミ収集もストップした。大幅賃上げを要求するストだ。
ベルギーでは5月14日、鉄道労働者が全国24時間ストに突入。全国の鉄道が完全にストップした。イタリアでも7月6日、24時間の全国スト。地下鉄・バスなども一斉に続き、首都ローマを始め、イタリア全土で公共交通のすべてがストップした。

 医療労働者が8週間のスト デンマーク

 【スウェーデン】看護師を先頭に福祉労働者がストに突入。デンマークでは無期限ストが

◎北欧
4月に始まったデンマークの看護師・ヘルパー・保育士らの無期限ストは、全国10万人に拡大した。約8週間のストでキャンセルされた検査や手術は40万件に及ぶ。賃上げ額はわずかだったが1万人近い若い組合員を獲得した。「福祉国家」と宣伝されるデンマークでは看護師の賃金が非常に低く、他の公共部門で働く労働者より3割も低い。スウェーデンでも看護師ら数千人が4月にストに入り、その数は倍増した。
◎東欧
ギリシアでは5月以来、タンクローリー1700台以上が13%の賃上げを要求し、ストに突入。ガソリンスタンドの9割が供給不可能になった。5月15日には通信・銀行・運輸・自治体・病院・港湾・航空などを網羅する民営化反対のゼネストに発展した。ギリシアでは国営通信企業の株の4分の1をドイツ企業が買い占めている。「通信をもとどおり百%公共部門に戻せ」のスローガン。
チェコでは、プラハなど主要都市で百万人が1時間のゼネスト。チェコの人口は約1025万人。医療労働者が牽引(けんいん)し、建設・土木・鉱山、鉄道・交通、郵便・教育労働者などが参加。医療は朝6時から全日のストを貫徹した。
ハンガリーでも7月14日、10%の賃上げと約20万円の一時金を要求して鉄道スト。首都ブダペストの交通稼働率はわずか2%になった。ロシアでは鉱山労働者が決死の長期ストに立つ。稼働率は半分になった。鉄道運転士の独立労組は4月28日、24時間スト。数百本の列車が運休した。

【インド】トラック運転手400万人以上が無期限ストに突入した。燃料費の高騰に抗議

◎中東・アジア
インドの首都ニューデリーでは4月24日から24時間のゼネスト。公共・民間部門や未組織労働者も参加し、都市機能が停止した。7月2日からはトラック運転手400万人が無期限スト。8月11日にはプランテーション労働者30万人が賃金2倍化を要求してストに。8月20日、インド全土で数百万人の労働者が再び12時間のスト。大幅賃上げ要求と政府の経済政策に抗議した。国営銀行を始め銀行員だけで90万人が参加。空港・鉄道・通信・自治体・大学、バスやトラックの運転手など、きわめて広範な産別・職種の労働者がストに参加した。

【韓国】民主労総は金属労組の全国240の職場で12万人がストに決起化学や建設労組も
  韓国では、軍事独裁政権を打倒した1987年の民主化闘争から21年目の6月10日、イミョンバク政権打倒の百万人デモが全土を覆った。民主労総傘下の貨物連帯は6月13日、燃料価格高騰による生存の危機突破の要求を掲げて無期限ストに入った。鉄道・港湾・空港の労働者も貨物の代替輸送拒否を決定。プサン港を始め全港湾の機能が停止した。
6月16日からは建設機械労組(7千人)も無期限ストに入った。韓国労総も合流し、全土の物流がガタガタになった。7月2日から金属労組12万人がストに突入した。

【アメリカ】ILWUの港湾封鎖のストに参加した運輸労働者合同労組。各大学で学生も

◎アメリカ
ILWU(国際港湾倉庫労組)の2万6千人の港湾労働者が5月1日のメーデーで西海岸の全港湾29港を止めた。シリコンバレーの清掃労働者やアメリカン・アクスルやGMなどUAW(全米自動車労組)の労働者などがストに決起し闘いは広がっている。

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週刊『前進』(2357号5面1)(2008/09/01 )

 〈特集〉世界は革命情勢! 全世界をおおうストライキの大波

 労働者の力が荒々しくよみがえり始めた

 「生きさせろ!」は革命の要求だ

 資本主義の根本矛盾が背景に

 まさしく世界の労働者が覚醒し始めた。津波のように世界を覆うストは、その規模や影響力において戦後史を画する。最大の特徴は、全世界の労働者が「もうこれでは生きていけない」と不退転の決起をしていることだ。この一点にこそ資本家と労働者の非和解的階級対立がある。
 ストを牽引するのが鉄道・公共部門・医療労働者の闘いだ。ドイツでは機関士の非妥協的な闘いが「スト共和国」の転機を生んだ。仏独英では公共部門の労働者が数十万人単位でストに入っている。新自由主義政策による公共部門の民営化や公務員の大幅削減が背景にある。
 北欧や東欧などでは医療労働者がゼネストの先頭で闘っている。福祉国家の欺瞞(ぎまん)が暴かれている。
 全国規模に波及する前に転機となる闘いがある。原油高騰によるバスやトラック、石油関連の労働者の闘いが出発点となるケースが多い。それに公共部門など全産業の労働者が合流している。
 トラック労働者のストはギリシャに始まり、スペイン・ポルトガル・フランスへ拡大した。ついにはドーバー海峡を越えてイギリスに押し寄せ、商業新聞でさえ「ストの波に包まれるヨーロッパ」と呼ぶ情勢をつくった。漁民や農民の闘いも国境を超えた闘いになっている。
 大幅賃上げは全世界共通の要求だ。インフレや食料・燃料の高騰と政府の経済政策への怒りは大きい。また民営化、非正規雇用化との闘いも、労働者の生存をかけた重要な課題となっている。
 闘いはどこでも既成指導部と現場の労働者の分岐の中から組織されている。ドイツではナショナルセンターの裏切りに対し、まず機関士労組の非妥協のストが情勢を切り開き、郵政労働者や空港労働者の山猫ストが全産業の労働者の決起を引き出した。
 世界情勢の核心は、〈労働者こそ、この社会を転覆し、階級社会を廃絶できる〉〈今が資本主義を打倒して革命をやるチャンスだ〉――の立場で世界を見ることが大事だ。
 世界情勢を規定するのは、資本主義の根本矛盾そのものである。資本主義世界の巨大な生産力と富は、一握りの資本家階級が握っている。そして社会の生産活動の一切がこの少数者の利益のために組織されている。一握りの資本家が利潤を得るためだけに社会的な生産が行われている。この点こそが資本主義社会の最大の矛盾なのだ。
 賃下げ、非正規雇用化、民営化と規制緩和、国や地方の1100兆円の借金、トヨタやキヤノンの工場で働く青年労働者の半数が派遣で、時給幾らで一生奴隷のように働かされるのも、すべて資本家が社会的生産から利潤を引き出すためだ。
 それら一切合切が破産し始めたのだ。史上最大のバブル崩壊は、資本主義史上で最大規模の金融大恐慌を引き起こした。利潤を求める莫大な投機マネーは石油や穀物に殺到し、世界中の労働者を飢餓に陥れている。労働者の失業や生活苦のみならず、全産業の生産が空転し始めている。
 サブプライムローン危機が世界の金融市場に激震を与えてから約1年。サブプライム関連の損失は百兆円を超す。アメリカの政府系住宅金融公社も経営危機に陥っている。
 これまでは世界中から米国に資金が流れ込み、不動産や証券市場が高騰、資産価格の上昇で消費を拡大し、企業業績を底上げしてきた。が、サブプライム危機で歯車が一気に逆転したのだ。金融機関の不良債権が急増し、経営が悪化した金融機関は貸し渋りに走っている。米大手500社の営業利益は前年同期比で17%減。4四半期連続のマイナスになった。米経済は〈景気減速・住宅価格の下落・原油高騰・金融不安・ドル安〉の五重苦に入っている。
 日本も同じだ。自動車や電機など大手製造業は、仕入れや賃金をぎりぎりまで抑制し、バブル期を上回る過去最高益を更新し続けてきた。その結果が今日の労働者の状態である。昨年の雇用者の賃金総額263兆円は、景気後退期だった01年の269兆円を下回る。しかも日本経済はマイナス成長に突入した。
 これは資本主義の根源的な危機だ。もはやどんなに無茶なことをしても利潤が上がらない。それは資本主義の原理の否定そのものだ。資本主義は、本当に利潤が上がらなければ、生産力は破壊力に転化し、生産はストップする。

 勝利のチャンスが到来した!

 いま一つ重大なことは、資本主義の危機が世界中の労働者・農民の闘う力を覚醒させ、世界的な団結をつくり出していることだ。
 新自由主義政策で、労働者階級への攻撃と犠牲転嫁によって、かろうじて延命してきた資本主義のあり方が完全により巨大な矛盾に転じたのだ。
 資本主義を打倒して、革命をやるチャンスだ。革命の条件は完全に成熟している。社会主義の客観的前提条件はある。資本主義の危機の激化こそ革命の原動力だ。
 現代の資本主義世界は、ほんの一握りの巨大金融独占資本(大銀行と大企業)が生産を支配している。あらゆる産業を一握りの巨大資本が独占的に掌握している。原料・資源の占有に始まり、生産と分配、労働力や技師、交通機関に至るまですべてを系統的に組織し、支配している。
 そのことを逆に示すのが世界のスト情勢だ。労働者の組織的闘いは、今すぐにでも労働者がこの社会を運営できることを示している。高度に社会化された生産のあり方は、最初は少数の闘いでも、全産業のストに容易に発展する。社会の主人を、金融独占資本に代わって団結した労働者階級に置き換える現実性を示している。
 ストライキは資本主義社会の本質そのものから生まれる。労働者が団結してストを闘う時、事態は変わる。労働者がいない限り、資本家は生産できない。利潤を得ることはできないのだ。ストは、資本家と労働者のどっちが社会の主人かを労働者に教える。
 労働者が資本家に服従することを拒否し、ストで生産をストップさせることであらゆる分断や違いを超えて団結できる。労働者は階級全体のことを考えるようになる。
 動労千葉の田中委員長は、11・2労働者集会の課題として、「生きさせろ!」のゼネストを提起している。大幅賃上げという当たり前の要求に根底的な社会変革が宿る時代が来たと訴えている。
 世界のスト情勢に続く闘いをやろう。これ以上資本家階級の暴虐を許してなるか。あらゆる職場からストを追求して闘おう。「万国の労働者、団結せよ」が今秋の方針だ。11・2労働者集会に1万人を集めて、日本の労働者の力を覚醒させよう。

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週刊『前進』(2357号5面2)(2008/09/01 )

 法大決戦勝利! 11月労働者集会へ

 全学連大会に大結集を

 招請状

 全国の学友のみなさん!
 全学連中央執行委員会は、帝国主義・資本主義の戦争・搾取・抑圧をぶっ飛ばす学生の固い団結をつくり出すため、9月13日〜15日に全国大会を開催します。いまだ国家権力にとらわれ続けている20人の仲間と獄壁をうち破って団結し、新自由主義大学との激突である法大闘争勝利の展望をつかみ、動労千葉(国鉄千葉動力車労働組合)をはじめ3労組が呼びかける11月全国労働者集会の1万人結集へ突進しよう。何よりも、結集したすべての仲間が学生運動のリーダーへと飛躍しよう!
 第一に、本大会から法大10・17キャンパス大集会と今秋ストライキに総決起しよう。7月24日には、なかのZEROホールを埋める学生・労働者460人の結集で、怒りを込めて総反撃を宣言しました。これに恐怖した警察権力は集会前後に3人の学生を令状逮捕し、8月14日に起訴しました。絶対に許すことはできない!
 法政大学ではこの2年半で88人の逮捕、22人の起訴、4人の退学、1人の無期停学。闘う学生を警察権力と結託して弾圧・処分し、追放していく法大当局の暴力支配。そして他方では徹底的に学生を分断し、自治団体やサークルをつぶし、資本主義への幻想をあおり、貧困ビジネスさながらに学生にたかる。「もう我慢ならない!」「団結してキャンパスを学生の手に取り戻そう!」「帝国主義強盗のためのサミットは粉砕だ!」、この腹の底からの怒りの爆発が5月29日の暴力職員・ガードマン・公安警察を圧倒した闘いでした。法大5・29戦闘は青年労働者の心をとらえ、6月29日のサミット粉砕の渋谷大デモに引き継がれました。そしてこの闘いの中で、ついに法大文化連盟(文連)が立ちあがった! 闘う法大生への弾圧・処分攻撃に対し「一人の仲間も裏切らない!」、この文連と全学連の団結こそが法大闘争の核心であり、法大当局の攻撃をことごとく破産させてきました。
 新自由主義は危機に立つ帝国主義の最後の延命策であり、新自由主義大学と非和解で闘う中で真の団結が生み出されます。法大総長・増田は、一方で「自由な大学を」などと許せぬデマを振りまき、他方で「社会的要請に応える自立型人材の育成」などと、資本家の要求を忠実に実践する先兵であることを自認しています。教育と学生を資本に都合のいい商品にし、弱肉強食の自己責任を強い、そしてそれに声をあげればむき出しの暴力で押しつぶす。これこそ戦争への道そのものではないか! 法大こそ資本・国家権力との激突の最前線です。新自由主義には3万法大生の決起で応えよう! 10・17法大集会に全国から総結集し、今秋法大ストライキを実現しよう!
 第二に、法大と全国大学で闘いを爆発させ、11月集会への1万人結集−学生1000人結集をかちとろう! 帝国主義の世界支配が崩壊し、米サブプライムローン破産とインフレが労働者階級の生活を直撃しています。その中から、資本主義の打倒に行きつく激しいストライキ、デモ、暴動が全世界でまき起こっています。穀物をつくる農民が飢え、社会の生産をすべて担う労働者がワーキングプアになるというこの転倒! その頭目である福田、ブッシュらを許すな! もはや資本主義は労働者・農民をまともに食べさせることすらできません。いよいよ命脈の尽きた資本主義を労働者の手で打倒する、胸踊る時代が始まりました。
 労働者こそ社会の主人公です。労働者の団結にこそ未来社会の展望があります。動労千葉はじめ三組合の呼びかける11月集会は、日本階級闘争の先頭に立ち、南朝鮮・韓国やアメリカの戦闘的労働運動と結合し、世界革命の司令塔になろうとしています。資本への怒り、新自由主義への怒り、分断と団結破壊への怒り、われわれ学生の怒りは労働者とまったく同じであり、11月集会への1万人結集を火花にして6500万労働者−2000万青年労働者−300万学生の総反乱をつくり出すことは絶対にできる!
 第三に、獄中20同志のように闘おう! 「5・29法大戦闘は短時間とはいえキャンパスの支配権を学生が握る事実上のストライキとしてうち抜かれ、資本・権力によるサミット体制は崩壊した。サミットを粉砕した力で、新自由主義をぶっ飛ばそう! 獄内外で団結し、法大から第2波ストライキをやろう!」(全学連副委員長・内海佑一、法政大学)、「団結しよう! ともに闘おう! 団結こそ俺たちの最大の武器だ。団結すれば必ず勝つ! 監獄大学・新自由主義粉砕へ今こそ立ちあがろう!」(全学連書記長・原田幸一郎、京都大学)。
 警察権力の逮捕・転向強要攻撃を全部はね返した獄中同志は、熱烈に団結を求めています。10人の弾圧には100人の決起で、100人の弾圧には1000人の決起で応えよう! 本大会を獄中同志と完全に一体化してかちとろう!
 最後に、08年前半の闘いの一切は昨年の全学連大会の大成功によって準備されました。大会の中の激しい論議で格闘し、悩み、その中から逮捕・処分を恐れない、そして学生の団結と決起をトコトン確信する素晴らしいリーダーが次々と生み出されていきました。
 彼らの多くが今、東京拘置所を新たな戦場として不屈に闘い抜いています。資本家どもによる支配を突き破る真の団結がここにある。労働者階級とともに生き、そしてともに全世界を獲得していく人間的生き方がここにある。すべての学友は、全学連大会に結集しよう! 革命的激動に切り込んで、ともに闘おう! 福田政権を倒そう! そして20人の仲間を奪還しよう!
 2008年8月15日
 全学連中央執行委員会(織田陽介委員長)

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週刊『前進』(2357号6面1)(2008/09/01 )

 グルジア侵攻 帝国主義大国化を狙うロシア

 帝国主義間・大国間の争闘戦が侵略戦争-世界戦争へと転化

 石油・資源の確保が根底の動機

  グルジアをめぐり米ロ対立が激化し、それを契機に帝国主義の争闘戦と侵略戦争が拡大し、世界戦争爆発の危機が高まっている。世界を戦争に引きずり込む最末期帝国主義を打倒し世界革命を実現するために、今こそプロレタリアートの国際主義的な団結を強め、闘おう。その最短コースが階級的労働運動の白熱的展開と11月労働者集会への1万人結集である。

 「大国復活」かけた戦争

 8月8日にロシアとグルジア(米帝に支援された)が南オセチアの分離独立問題をめぐり軍事衝突した。ロシア軍は、グルジア軍を撃破してグルジア領内に侵攻した。13日の6項目停戦合意への署名後、22日に「撤退完了」を宣言したが、一方的に「緩衝地帯」を設けてグルジアにとどまっている。米欧はロシアに完全撤退を迫っているが、ロシアは動こうとしない。しかもロシアは26日に南オセチアとアブハジアを国家として承認した。米英独仏日は一斉にロシアを非難した。米ロの政治的軍事的応酬は激化するばかりだ。
 ロシアが米帝との緊張・対立の激化も辞さずグルジア侵攻・駐留を続けるのは、これをロシアの帝国主義大国としての復活をかけた戦略的な戦争の開始として位置づけているからだ。とくにカスピ海地域の石油・天然ガス利権、パイプライン利権の獲得は死活的だ。そこでロシアは南オセチア、アブハジアへの介入を正当化しつつ、グルジアへの軍事的くさびを打ち込もうとしている。
 帝国主義にとっても、カスピ海の石油・天然ガス資源とそれを運ぶパイプラインの確保は死活的だ。だからカスピ海と黒海の間に位置するカフカスの戦略的要衝、グルジアの支配をめぐっては、ロシアとの間で激しい暗闘を展開してきた。また米帝と欧州各国帝国主義との間でも、この地域のエネルギー資源確保をめぐる争闘戦が展開されてきた。
 今や帝国主義は、米帝を先頭に、ロシアのグルジア侵攻をとらえてグルジアに全面介入し、親米政権を軍事的に支えてグルジアへのロシアの影響力を実力で排除しようとしている。これは、帝国主義によるカスピ海・黒海地域への侵略戦争の新たな開始だ。米帝は「ロシア=悪」を大宣伝し、「新冷戦」といった帝国主義的なイデオロギーをふりかざすことで、自らの侵略戦争拡大を正当化し、ロシアを排除して資源・市場を独占しようとしているのだ。
 すでに黒海東部では、ロシア黒海艦隊のミサイル巡洋艦と、米第6艦隊の最新鋭ミサイル駆逐艦が互いににらみ合いを続け、米ロ海軍が激突寸前の状況に入りつつある。世界金融大恐慌の爆発が始まったなか、石油・天然ガスなど資源の確保を軸とする世界の帝国主義間・大国間の争闘戦が、今や新たな世界戦争に転化しようとしているのだ。その火点の一つがグルジアだ。

 「2国独立承認」を強行

 8月26日、メドベージェフ・ロシア大統領は、南オセチアとアブハジアの2地域のグルジアからの独立を承認した。メドベージェフは、軍事衝突の発端となったグルジアの先制攻撃を強く非難し、「2地域には民族自決の権利がある」と独立承認を正当化した。
 だが、こうしたロシアの行動は、大ロシア主義的、帝国主義的な領土併合であり、民族問題を利用したグルジアへの侵略と介入、分割、転覆の策動だ。ロシアは、グルジアに侵攻・駐留し、2地域を国家承認することでグルジアにくさびを打ち込み、親米国家グルジアを屈服させ、戦略的要衝としてのグルジアを支配下に入れようと躍起になっているのだ。
 グルジアのサーカシビリ大統領は「これはロシアによる2地域の事実上の併合だ。欧州では大国が他国の領土を併合するのはナチスドイツとスターリン以後初めてだ」などと最大級の非難を浴びせ、領土復活のためのグルジアへの支援を帝国主義諸国に訴えた。

 米欧ロの軍事的な対峙

 米欧日の帝国主義はこのグルジアを即座に支持し、一斉にロシアを非難している。米帝ブッシュは26日、2地域の独立を「承認しない」と宣言、ロシアをG8から外すことも検討するとし、NATOはロシアとの軍事協力を停止し、演習を中止した。米ロ原子力協定も凍結する方針だ。
 また米帝は、グルジアとウクライナのNATO加盟を支援する方針をあらためて強調した。20日には、米帝とポーランドがミサイル防衛(MD)の迎撃ミサイル基地をポーランドに設置する協定に調印した。10基配備される迎撃ミサイルは、チェコに設置されるレーダー基地と一体運用される(チェコとはすでに協定に調印した)。グルジア問題の爆発がポーランドのMD配備協定調印を早めた。米帝はいかにロシアを刺激しようが両国へのMD配備を強行し、最前線基地化しようとしている。
 米帝に対抗してロシアはNATOとの協力関係を凍結した。プーチン首相はWTO加盟交渉の凍結方針を表明した。EU・ロシアパートナーシップ協定の協議も凍結されようとしている。メドベージェフは26日、グルジアのサーカシビリ政権との断交を宣言した。
 グルジアは、ロシアが主導する独立国家共同体(CIS)からの脱退を表明した。これにウクライナやアゼルバイジャンも連動し、ロシアを牽制しようとしている。また「併合された領土」をロシアから奪回すべく、あらためてロシアとの戦争を構えようとしている。これらはすべて米帝の支持を背景にしている。
 24日、黒海のグルジア西岸・バトゥーミ港に米海軍第6艦隊旗艦、イージス駆逐艦マクフォールが入港した。さらにロシアが現在支配するポチ港にマクフォールと沿岸警備隊の巡視艦ダラスを入港させ、ロシア軍と直接対峙しようとしている。「人道救援物資の供給」を目的に掲げているが、ロシア側は「武器をグルジアに運んでいる」と非難しており、戦争挑発そのものだ。
 今や米ロがなんらかのきっかけで軍事的に衝突し、それが戦争に発展しても何ら不思議ではない状況に入っている。米帝は、こうした状況を意識的につくり出して、ロシアへの軍事的圧迫、NATO拡大を正当化し、推進し、自らの勢力圏を広げようとしている。こうした米帝の行動は、帝国主義大国としての復活をめざすロシアの対抗的軍事行動を引き出す。世界はますます侵略戦争と世界戦争へ突き進むのだ。

 石油・ガス-戦略的要衝

 グルジアをめぐる米ロ対立の激化の最大の理由は、カスピ海のエネルギー資源を欧州・アジア方面に輸出するパイプラインがグルジアを経由しているからだ。世界金融大恐慌への突入下、石油・天然ガスのエネルギー資源をめぐる世界の帝国主義間・大国間の争奪戦はますます激化し、グルジアの戦略的位置は一層高まっている。
 米帝はソ連崩壊後、「民主化拡大」戦略をもって旧ソ連諸国に乗り込んだ。米帝は03―04年、親欧米でありながらロシアとも友好関係を保つシェワルナゼを「バラ革命」で追い落とし、サーカシビリを新政権に送り込み、極端な親米政権をつくった。米帝の言う「民主化」とは親米化の方便にすぎない。また米帝は02年以来、「テロ対策」の名で100人の米軍事顧問団を派遣し、グルジア軍を育成・訓練してきた(英仏、イスラエルも小規模ながらこれに続いた)。そこから2000人のグルジア部隊がイラクに派兵されてきた。米帝のグルジアへの軍事援助・武器供与は毎年2000万jに上る。
 カスピ海に面するアゼルバイジャンには、ソ連崩壊後、欧米メジャーが国家がかりで乗り込み、バクー沖で石油と天然ガスを探査・掘削・開発した。アゼルバイジャンのアリエフ政権は、スターリン主義を引き継ぐ独裁政権の2代目だ。「民主主義」とは無縁だが、帝国主義にとって石油利権を確保できればそれはどうでもよいことだ。
 帝国主義とメジャーは、バクー沖の石油・天然ガスを欧州方面に独占的に大量輸出するために、ロシアを経由せず、またトルコのボスポラス海峡を通らず欧州方面に出る新たなパイプラインを建設することにした。バクー・トビリシ・ジェイハン(BTC)パイプラインは100億jの資金を投入して完成、06年に開通した。1日100万バーレルが輸出される。
 天然ガス輸送のためにはバクー・トビリシ・エルスルム(BTE)パイプラインが建設され、稼働している。さらに中央アジアからグルジア、アルメニア、トルコを通り欧州へ向かうナブコパイプラインも計画されている。いずれもグルジアを経由するものだ。グルジアをめぐる米欧ロの争闘戦、侵略戦争の再爆発は不可避である。

 世界革命完遂で対決を

 グルジアでの軍事的緊張の激化、一触触発情勢への突入は、世界の労働者階級にとって実に重大な事態だ。世界金融大恐慌とインフレの爆発に加えて、最末期帝国主義と新自由主義の破産の危機がついに新たな世界戦争として爆発しようとしているのだ。国際プロレタリアートの大決起でこの世界戦争を絶対に阻止し、プロレタリア世界革命の完遂による帝国主義の打倒を一刻も早くやりぬかねばならない。
 グルジアで起きていることの本質は、「冷戦の復活」ではない。20世紀の二つの世界戦争を経て延命した最末期帝国主義が、ソ連スターリン主義の崩壊以後の帝国主義の基本矛盾の全面的爆発という情勢の中で、旧スターリン主義国のロシアや残存スターリン主義・中国などの大国をも巻き込んで、その積もり積もった全矛盾を最後的に、新たな世界戦争として爆発させ始めた点にある。それは同時に、世界革命情勢の決定的な成熟だ。11・2労働者集会1万人結集を、その突破口としてかちとろう。

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週刊『前進』(2357号7面1)(2008/09/01 )

 8・23〜24婦民全国協総会 革命の時代に新たな団結

 “闘いの原点ねじ曲げるな”

 11月労働者集会へ総決起誓う

  「私たちは仲良しクラブではありません。本当に路線で一致し、この時代に必要な本物の階級的団結をつくりましょう」――8月23〜24日、婦人民主クラブ全国協議会の第25回全国総会が神奈川県相模原市で開かれた。80歳を超えた婦民の大先輩から若い女性まで、2日間で121人が集まり、実に真剣で熱気に満ちた討論が交わされた。(本紙・坂本千秋)
(写真 あいさつに立つ西村代表)

 関西ブロックを再建

 今回の総会を前にして関西の2人の元運営委員が塩川一派に走り、婦民新聞の配布を勝手に停止するなど、婦民全国協の組織破壊に公然と動き出していた。それが破産するや彼女たちは総会の直前に脱会届を出し、関西ブロックの「解散」をも表明して闘いの戦列から完全に脱落・逃亡した。
 この事態を受けて開かれた総会は、参加者の一人ひとりが自らの闘いの原点に向き合い、飛躍をかけた新たな決意をうち固める場となった。
 全国協の西村綾子代表は、戦後革命期の婦人民主クラブ創立から62年、体制内に転落した本部派と決別して全国協を結成(1984年)してから四半世紀を経た現在、「婦民の進路は再び天下分け目の選択の時を迎えている」と提起した。そして逃亡した元運営委員らが動労千葉の闘いを否定し、11月労働者集会や青年労働者の闘いに悪罵(あくば)を投げかけてきたことを徹底弾劾。「革命を言ったら大衆は退く、とあの人たちは言うが、退いているのは彼女たちではないですか! 権力や体制内勢力と非妥協で闘う人びととともに歩んできたのが婦民の歴史。今こそ革命の時代が来たことに喜んで先頭に立ちましょう」と訴えた。
 続いて鶴田ひさ子事務局長が総会議案を提起した。「女性の解放は労働者階級の解放の中にあると言い切って80年代の均等法制定攻撃と闘い、動労千葉や三里塚とともに闘う道を選んできた。この全国協結成の原点をねじ曲げることを断じて許さない。階級的団結に一切をかけて闘おう」と訴え、全員が胸の内を吐き出して、路線をめぐる徹底討議をやりぬこうと呼びかけた。
 討論の冒頭、神戸支部を先頭に関西から8人が続々とマイクを握り、塩川一派の脱落・逃亡に対して「新しい関西ブロックを立ち上げた。トゥジェン(闘争)!」と勝利を宣言した。「闘いを始めた時の初心に立ち戻ることができた。ここにいる仲間と団結して支部再建をかちとる」(大阪北支部)、「25年前の全国協の分離・独立は私の誇り。この精神を断固貫いて闘う」(大阪南支部)と、どの顔も晴れ晴れと輝いていた。
 部落解放闘争を闘ってきた会員から、組織破壊のために「広島差別事件」をデッチあげるやり方は絶対許せないと怒りの発言。杉並支部からは元支部長の変質・逃亡への弾劾がたたきつけられた。さらに「11月労働者集会1万人結集実現の中にこそ、私たちの未来と革命への展望がある」と、今秋11月に向け、職場と地域に思い切って打って出ようという決意が全国各地の会員から熱く語られた。
 討論は、間に分散会をはさんで2日目も続いた。今まで新聞『婦人民主クラブ』の読者にとどまっていたが今日から会員になる、自分の地域に新たに支部を立ち上げるという決意表明に、会場が沸いた。反戦被爆者の会の下田禮子さんや初参加者を含め今総会に大挙して参加した広島支部からは、今年の8・6ヒロシマ大行動の成功を闘いとった自信と確信にふまえた新たな決意が語られた。婦民会館建設へのカンパの訴えも行われた。

 共闘団体からエール

 総会には多数の共闘団体から、西村代表の提起を断固支持し、ともに闘うという熱い連帯のあいさつやメッセージが寄せられた。動労千葉の滝口誠さんは「動労千葉の分離・独立時の闘いを思い出す」。全国労組交流センター女性部長の長谷川ユキさんは「女性解放を男対女の問題に切り縮めることに断固対決しよう」と階級的団結の重要性を訴えた。ワーカーズアクション実行委員会の青年労働者は「私が闘い始めたきっかけは婦民新聞との出会いと国際婦人デー闘争への参加だった」と語り、「みんなが一つに団結し、ここで勝負する闘いをやろう」と9月闘争から11月への総決起を訴えた。
 北富士忍草母の会の天野美恵さんから声のメッセージ。三里塚から反対同盟とともに闘ってきた現地闘争本部の女性が労農連帯の強化を訴え。さらに、沖縄民権の会の座覇光子さん、部落解放同盟全国連杉並支部、全学連を代表して闘う法大生、法大弾圧で逮捕・起訴された学生の両親があいさつ。すべての発言をとおして、求められているのは絶対反対を貫くことと、「一人の仲間も見捨てない団結」であることが突き出された。
 総会は最後に新運営委員を選出し、組織破壊策動と闘って婦民全国協の旗を全国に打ち立てようという特別決議(別掲)を議案とともに満場一致で採択した。
 閉会し解散する直前、相模原支部の丹治孝子さんが「もう一言だけ言わせて」と立ち上がった。「昔も今も、世界大恐慌の次に来るのは戦争だ。かつての歴史を繰り返してはならない。戦争を必要とする社会を絶対に打ち倒したい。そのために力を合わせよう」。戦争体験世代である丹治さんの全人生をかけた訴えに、感動の拍手がわき起こった。
 婦民全国協の巨大な飛躍と、11月総決起への出発点が築かれたと確信できる総会だった。
(写真 総会には2日間で121人が参加。胸躍る革命の時代の到来に、一人ひとりが結集したときの原点に立ち返り、新たな決意を固めた。会員拡大と新支部建設への意欲が会場にみなぎった【8月23日 相模原市】)

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週刊『前進』(2357号7面2)(2008/09/01 )

 特別決議

 婦民全国協の原点をねじ曲げる組織破壊策動とたたかい、闘う婦民全国協旗を全国津々浦々にうちたてよう

 総会を目前にして松野尾かおる・杉村尚子元運営委員らは、ついに脱会届を提出してきました。婦民全国協の原点をねじまげ、飛躍を押しとどめようとする反動、組織破壊は結局破綻したのです。
 この半年、私たちは婦民全国協の綱領・路線と運動をめぐって激しく闘い時代にみあう飛躍をかちとろうとしてきました。そして分岐がうまれ、彼女らは脱落したのです。
 世界が革命情勢を迎え、いよいよ動労千葉をはじめとした階級的労働運動が前進しはじめ、青年労働者や学生たちの熱い息吹が階級闘争をぬりかえるような状況に入ってきました。婦民全国協の原点である「女性の解放は労働者階級の解放の中にある」の展望を我が手につかめるところまできたときに彼女たちは逃げ出していったのです。
 両名は、全体に責任をとる立場にありながら、運営委員会で提起され、真剣に討議した時代認識・たたかいの路線、方針・実践課題について、運営委員会では一言も自らの意見は言うことなく沈黙を押し通しながら、関西に帰ると事実を真反対にねじ曲げて「反対」を組織していました。それこそ関西ブロックの私物化です。11月日・韓・米国際連帯労働者集会に対して「11月集会のデモは不可解、逮捕されたらどうするのよ」「動労千葉だけ持ち上げすぎよ」と悪罵を投げかけ、「世界は激動でも日本は違う」「労働者は差別・排外主義にまみれていて糾弾をうけなければダメだ」「革命なんて言えばみな引くだけだ」などと言いまわっていたのです。また、青年学生の「生きさせろ、革命がやりたい」の心からの決起を「空叫び」となじり、「労働者階級の解放で、簡単には女性解放にはならない」と決起を抑える側にまわりました。そして「あんな新聞は配れない」と婦民全国協の新聞『婦人民主クラブ』の大幅減紙を組織したのです。批判されると「大衆団体だからいろんな意見があってもいいはずだ」と居直るなど、婦民の中にいることで、婦民を破壊し続けていたのです。断じて許すことはできません。
 私たちは、婦民を屈服の道に引きずり込むこれらの反動策動をみごとに打ち破りました。しかし、闘いはこれからが本番です。すでに、関西ブロックは、新たに山本美知子さん(神戸支部)が代表となって仲間の結集が始まっています。新聞読者・会員を拡大し、全国に支部を創りましょう。全国津々浦々に闘う婦民の旗を翻して前進しましょう。
 以上、決議します。
2008年8月24日
婦人民主クラブ全国協議会第25回全国総会・参加者一同

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週刊『前進』(2357号8面3)(2008/09/01 )

 星野さんとともに

 星野さん奪還を誓う

 本物のマルクス主義者最高に団結したい仲間

 全学連委員長 織田陽介

 ついに星野文昭さんと会ったぞ! 20人の獄中闘争を闘う仲間を生み出した全学連の闘いを代表して面会に行けたこと、特に獄中の仲間に誇りをもって報告します。
    ☆
 いざ面会の時間。面会室に入るとすぐに星野さんが登場。自己紹介をすませると、息もつがずに星野さんがアジる、アジる! 塩川一派などに対する星野さんの主体的な決別と弾劾だ。
 「自分のつくり出した地平にとどまっていたら人間はダメになる。絶えず闘い、自分が変わっていくこと。この運動は未来の運動だから」と。
 内容のあまりの正しさもさることながら、そのエネルギーあふれる姿! 完全に圧倒され、言葉も出ずに聞き入った。
 星野さんの自画像から受けたイカツイ印象とは全然違う、優しく、快活な印象。獄中闘争を闘う力は、我慢強さとかではなく、仲間とともに団結して生きる人間的な力だとすぐに伝わってきた。
 実はこの日も地元の青年労働者や救う会の仲間、そして星野暁子さんが、一生懸命準備し、送り迎えや歓迎会までしてくれ、星野文昭さんとともに強く闘う姿を見た。
 新自由主義攻撃のもと、キャンパスも職場も監獄だ。どこにいようと支配をぶっ飛ばして人間らしく生きる力は仲間との団結なんだ。これが星野さんのパワーの秘密なのです。星野さんは本物のマルクス主義者だ。ヒロシマでも自分には最高の仲間がいると確信しましたが、ここにも本当にすばらしい仲間がいる、と。
    ☆
 星野さんは、「今の学生や青年労働者は、自分のやりたい闘いをやってくれている」と語った。たくさんの苦難をのりこえてすばらしい獄中闘争を闘いぬいてきた仲間からの、最高にうれしい言葉だ。
 そして「みんなは自分たちの子どもみたいなものだ」と。反スターリン主義・革命的共産主義運動に出会って本物の人生が始まった自分が、その運動を根底から支え抜いてきた星野さんの子。なんだか納得するものがあった。
 30分という時間のあまりの短さに、星野さんに穴のあくほど見入って、声を聞き、もう自分が何を話すか考える余裕もない。看守が時間だと合図し、「もう終わりか!」と思ったとき、心の奥からジワジワわいてきたのは「奪還」の2文字。ここまで来てなんと月並みなことを自分は言うのかと迷ったが、気が付いたら「絶対奪還します!」と口が動いていた。やっぱこれしかない。こんな弾圧、認められないものは認められない!
 面会を終えて、30分はあっという間に過ぎてしまい、消化不良の思いと、しかし、快活な星野さんのエネルギーに触れた感動が混ざり、不思議な気分になった。外で心いくまで話をしたい。星野さんは最高に団結したい仲間だ。面会後の駅前情宣では、汗だくになって星野奪還を訴えた。
    ☆
 私は、星野奪還の最高の方針は11・2の1万人結集だと訴えたい。
 71年当時、沖縄の怒りはゼネストとして爆発した。そしてこれをつぶしにかかる総評指導部! 星野さんたち当時の若者の闘いは、これをぶっ飛ばして労働運動を変えるような青年たちの歴史的な闘いだった。本土と沖縄の労働者の団結をただ求めて立ち上がった。
 現在もまったく同じだ。体制内労働運動指導部は、青年とともに社会を変える気など一切ない。こんなやつらぶっ飛ばせ! 青年・学生は、星野さんのように闘えば、絶対に社会は変えられる。星野さんはその闘いによって見せしめどころか全労働者の展望となった。
 星野さんを見せしめにしても無駄だ! 青年・学生はバンバン闘ってやるぞ! と国家権力に嫌と言うほどつきつける闘いこそが、奪還の最大の力だ。それが11月1万だ。星野無期をぶち破って、法政大学から学生運動の復活の時が告げられている。星野さんを奪還し、生き生きとした大学キャンパスのバリケードの中に迎えようではないか。
 星野さんのように闘おうと訴えて、11・2労働者集会への1万人結集を呼びかけよう!
(写真 星野文昭同志 徳島刑務所在監、62歳。無実で獄中34年)

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週刊『前進』(2357号8面4)(2008/09/01 )

 日程 迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧差し戻し審

迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧差し戻し審
第6回公判 9月10日(水)午後1時15分開廷
第7回公判 9月30日(火)午後1時15分開廷
 ◎東京地方裁判所

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週刊『前進』(2357号8面5)(2008/09/01 )

 日程 三里塚裁判に結集を

9月10日(水)
暫定滑走路変更認可取消訴訟控訴審(原告/反対同盟) 午後3時 東京高裁
9月25日(木)
天神峰現闘本部裁判(原告/成田空港会社)午前10時30分 千葉地裁
9月30日(火)
市東孝雄さんの農地裁判(行政訴訟 原告/市東さん)午前11時 千葉地裁

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