ZENSHIN 2009/04/20(No2388 p06)

ホームページへ週刊『前進』月刊『コミューン』季刊『共産主義者』週刊『三里塚』出版物案内販売書店案内連絡先English

週刊『前進』(2388号1面1)(2009/04/20 )

 4大産別決戦で革命勝利へ

 裁判員-法大-尼崎を闘い麻生とオバマ打倒しよう

 新自由主義大学=監獄大学を解体せよ!

(写真 “4・24法大解放集会へ” 文化連盟と全学連は4月14日、「不当処分撤回」「大学と教育を奪い返せ」と訴える法大包囲デモで4・24法大集会への総結集を訴えた【千代田区)=アピール5面

 4・21裁判員制度粉砕集会―4・24法大闘争―4・25尼崎現地闘争は、戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃と全面対決し、世界大恐慌情勢下で日帝・支配階級の中から激しく噴出している戦争衝動をぶち破る決定的な闘いだ。全国から総結集して闘いぬこう。
 本紙前号に掲載された法大文化連盟の座談会・アピールの衝撃が、全国の労働者・学生に電撃のように伝わり、法大当局と国家権力には、計り知れない打撃を与えている。闘いに恐怖した日帝国家権力は、広島大・岡山大でデッチあげ弾圧を策動して破産し、富山大で2人を不当逮捕する弾圧を加えてきた(大衆的反撃で直ちに奪還された)。法大闘争にも新たな弾圧を策動している。これらすべてを焼きつくすような怒りの決起で、闘争圧殺と弾圧を粉砕し、4・24法大闘争に勝利しよう。
 新自由主義大学=監獄大学を解体する法大闘争は、現下の日本階級闘争の最先端における攻防である。闘う法大生を包み込む労働者階級人民の決起が、全情勢をさらに革命的に塗り替える。大学が自らに「死」を宣告したも同然の「営業権」を振りかざした「情宣活動禁止の仮処分」。それに全力で対決し、世界を変えるために闘う法大生と全学連。日帝・麻生は、法大闘争の全国化―全国大学闘争の爆発を根底から恐れている。このことをあらゆる人々に伝え、4・24決起を訴えよう。
 すべての労働者・学生は4月24日正午、法大市ケ谷キャンパス正門前に総結集せよ! 3万法大生の総反乱へ、1000人集会を闘いとろう!

 分割・民営化と尼崎事故を絶対忘れるな

 4・25尼崎現地闘争は、総破産する国鉄分割・民営化=JR体制と全面的に激突し、国鉄1047名闘争の新たな出発を宣言する闘いだ。分割・ 民営化攻撃と闘いぬいて勝利している動労千葉が、全国の労働者に4・25現地闘争への決起を呼びかけている。

 3・25判決弾劾

 鉄建公団訴訟の3・25控訴審判決は、国鉄当局が作成した採用基準は妥当であり、国鉄分割・民営化に反対して闘った者が新会社から排除されるのは当然だという極悪の反動判決である。解雇は有効だと結論づける「不当労働行為認定」など断じてありえない。
 そんなものに飛びついて「不当労働行為を認めた」「今が政治解決のチャンス」と言って、国鉄労働者20万人の首を切り国家的不当労働行為をほしいままにした分割・民営化攻撃への怒りも、労働者としての誇りも投げ捨てた4者4団体、政府・自民党への土下座運動を進める4者4団体の和解路線など絶対間違っている。
 「強労働・利益優先・安全無視」が引き起こした事故の責任の一切を労働者に転嫁し、高見運転士を外した「106人への黙祷(もくとう)」を毎朝強要し、全社員に「反省文」や「慰霊」「献花」「立哨」運動を強いるJR西日本。今やこの会社の先兵と化した国労・JR連合・JR総連指導部の総屈服が事故を生み、労働者の階級的団結を破壊しているのだ。
 国鉄分割・民営化を忘れるな! 尼崎事故を忘れるな! 世界大恐慌が本格化する中で、日帝は道州制攻撃、国・自治体丸ごとの民営化と改憲・戦争国家化攻撃に踏み出そうとしている。今こそ国鉄闘争の原点を徹底的にはっきりさせ、1047名闘争勝利の展望を切り開く時である。
 1047名闘争=第2次国鉄決戦を先頭とする4大産別決戦、そして戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃を粉砕する闘いは、プロレタリア世界革命・日本革命を闘いとる戦略的基本路線だ。
 本格化する世界大恐慌は、帝国主義経済の収縮と分裂化・ブロック化を引き起こし、帝国主義間・大国間の争闘戦を激化させ、今や労働者に対する階級戦争と外への侵略戦争・世界戦争の攻撃を急速に強めている。
 29年大恐慌を超える現在の世界大恐慌は、国際共産主義運動のスターリン主義的歪曲と裏切りによって延命してきた帝国主義の基本矛盾の爆発そのものであり、帝国主義の最後の延命策だった新自由主義の総破産の帰結である。すでに資本主義と最末期の帝国主義の生命力は尽きた。「大恐慌を世界革命へ!」の闘いこそ、レーニン帝国主義論と革命論を真に継承する戦略的な闘いだ。
 74〜75年恐慌で国家独占資本主義的な政策と戦後発展が完全に行きづまり破産した最末期の帝国主義は、80年代以降、最後の延命策として新自由主義政策を満展開してきた。国鉄分割・民営化こそは、日本での新自由主義攻撃の象徴であると同時にその原点だった。

 連合への対抗軸

 だが、その新自由主義の破産が07年8月のパリバ・ショックを契機に世界金融大恐慌として爆発した。他方では、動労千葉の存在と決起と国鉄1047名闘争によって国鉄分割・民営化攻撃の破産が突き出され、連合支配を打ち破る階級的な対抗基軸を形成するにいたっている。
 国鉄分割・民営化に2波のストライキで反撃し、団結を守り抜いて勝利してきた動労千葉は、総評・民同労働運動の歴史的破産と崩壊をのりこえて前進し、国鉄闘争を水路に連合支配を打倒するために闘ってきた。「資本家階級の権力を打ち倒し労働者の社会をつくろう」と闘っている真の階級的労働運動だ。
 国鉄1047名闘争の最後的解体を狙う3・25反動判決を徹底弾劾し、今こそ労働千葉とともに1047名解雇撤回へ闘おう。第2次国鉄決戦を基軸とする4大産別決戦―道州制・民営化粉砕決戦を戦略的な柱に09年決戦を闘い、4〜6月闘争から11月労働者集会へ進撃しよう。当面するその最大の闘いである4・25尼崎闘争に総決起しよう。

 裁判員制度と戦争・改憲に巨大な反撃を

 自衛隊ソマリア沖・アデン湾派兵の強行に続いて、日帝・麻生は北朝鮮の「人工衛星ロケット」打ち上げをとらえ、北朝鮮侵略戦争の全土臨戦態勢に突入した。これは労働者の戦争動員=階級戦争であるとともに、侵略戦争の発動そのものだった。徹底的に弾劾し、4・21裁判員―4・24法大―4・25尼崎で階級的な怒りをたたきつけ、総反撃しよう。
 この過程で、自民党組織本部長・坂本が「国連脱退」「核兵器保有」の反革命発言を行い、MD(ミサイル防衛)徹底強化の要求が自民党などから噴出していることは、戦争と改憲への情勢一変であり、労働者階級の団結と決起が決定的に重要になってきている。
 そうした中で、米帝オバマが4月5日にプラハで行った演説は、米帝が圧倒的な核兵器を独占しつつ、イランや北朝鮮には「核不拡散」を強制して体制転覆の侵略戦争をやるという宣言だった。これをマスコミは「核廃絶」演説と絶賛し、オバマを8・6広島に呼ぼうという体制内の翼賛運動さえ起こっている。とんでもないことである。
 4月14日には「海賊対処法案」が国会で審議入りした。これは事実上の派兵恒久法である。また防衛省は4月3日、5月にもP3C対潜哨戒機2機をソマリア沖に派遣することを決めた。P3Cを実際の任務で海外に派兵するのは初めてだ。4日には、護衛艦「さざなみ」が警備対象外の外国船からの要請で小型「不審船」を追い払った。すでに法を踏み破った実戦を強行しているのだ。
 こうした中で、改憲攻撃そのものとしてある裁判員制度の5月21日スタートは、破産的な危機にある。日帝・麻生政権は一層凶暴化し、「国民の意識を変える」(樋渡検事総長)とか、「『この国のかたち』の再構築に関わる一連の諸改革の『最後の要』」(司法制度改革審議会)などと叫び、5・21実施に躍起となっている。だが依然、8割の反対と非協力で裁判員制度は破産の危機にある。
 「現代の赤紙」「21世紀の『隣組』制度」に対する怒りを爆発させ、4・21日比谷野音に労働者人民は総結集しよう。
 4月決戦の大爆発をかちとり、階級戦争と侵略戦争に突き進む麻生とオバマを打倒しよう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2388号2面1)(2009/04/20 )

 道州制・民営化に絶対反対!

 5・9全都労働者総決起集会へ

 

「資本主義は終わりだ! 道州制・民営化絶対反対! 5・9全都労働者総決起集会」の呼びかけ文を5・9集会実行委が発した。3・6大阪に続き5・9東京で道州制反対の声を上げよう。(編集局)

5・9全都労働者総決起集会の呼びかけ

 「政労資一丸」ふざけるな! 労働運動の力で革命やろう!

 大恐慌への突入が労働者への膨大な首切りと賃下げ攻撃となって進んでいます。怒りの声は満ち、だれもが心の底で「生きさせろ!」「ゼネストが必要だ」と叫んでいます。「もう資本主義では労働者は生きていけない」=革命の時代が始まったのです。
 連合は経団連と「労使共同宣言」を結んでスト圧殺に動き、共産党は大企業の幹部に「自分たちは資本主義の健全な発展を希望している」と言って歩いています。私たちは、こんな指導部の下で「会社がつぶれたら労働者も終わりだ」「闘っても無駄」と思い込まされてきました。しかし、もうがまんならない!
 豊中市職女性部が呼びかけた3・6道州制粉砕・橋下打倒の大阪府庁前行動は、全国に響き渡りました。保育所民営化に続いて市立病院民営化に率先協力する自治労本部・市職本部の集会破壊・女性部解体策動をぶっ飛ばしたのです。動労千葉ストライキと3・20渋谷大デモは、労働組合が時代の最前線に躍り出る号砲となりました。社会を動かしているのは私たち労働者です。資本の支配を打ち倒そう! 労働現場から反撃に立ち、団結を取り戻し、闘う労働組合を甦らせよう。

 道州制・民営化攻撃をぶっ飛ばせ! 職場から総反撃だ!

 資本家たちは、労働者の反乱を死ぬほど恐れています。だから道州制で民営化・労組破壊を極限まで進めようというのです。行きづまった資本主義の延命のために、公務員360万人を解雇して非正規・非公務員化し、労働組合をつぶす。6000万労働者を今以上の大失業・低賃金にたたき込む。国鉄分割・民営化攻撃の全社会化です。国と自治体を丸ごと民営化し、医療・福祉・教育をはじめすべてを資本の餌食にする究極の新自由主義攻撃です。戦争のための改憲・「国家大改造」そのものです。
 国鉄・分割民営化の時の「国鉄赤字」キャンペーンと同じ「自治体破産」キャンペーンが大々的に流されています。「財政健全化法」をふりかざし「半分の人数、半分の賃金で倍の仕事を」という賃下げと際限ない労働強化、民営化の攻撃が全国の職場でかけられています。しかし、財政破たんは資本主義・新自由主義の結果そのものです。資本救済のために何十兆円も投入して、ツケのすべてを労働者に押しつけるなんてことがどうして許されるか。断じて否です。死すべきは資本主義であって、労働者ではありません。
 東京でも、16あった都立病院を8つに減らし、さらに民間に委託・譲渡しようとしています。この4月に豊島病院は公社化、板橋の都立老人医療センターは独法化・非公務員化され、八王子・清瀬・梅ケ丘の3つの都立小児病院の来年3月廃止攻撃が迫っています。公社化された荏原病院では、夜勤が激増し医師・看護師不足で産科は壊滅。妊婦搬送不能事故が頻発しています。
 さらに、公立保育園の民営化・縮小も一気に進んでいます。「経営効率」を理由に、医療も福祉もガタガタにされようとしているのです。保育園、病院、都営交通、水道の外注化・民営化、学校給食、用務、公務員ヘルパーをはじめ現業公務員労働者全廃、「杉並丸ごと民営化」、教育の民営化も道州制と一体です。もはやまったなし。動労千葉の反合・運転保安闘争のように、人事評価拒否、主任教諭導入粉砕、人員削減・労働強化絶対反対、民営化絶対反対の職場の闘いの爆発で打ち破りましょう。

  資本救済と民営化の手先、連合・全労連本部打倒! 国鉄4者4団体路線粉砕!

 許しがたいことに、この決戦の時、資本主義の最悪の救済者として登場しているのが連合・全労連指導部です。自治労本部は、地方分権の旗を振って全国一千の公立病院の「民営化絶対反対の闘いに反対」し、統廃合・民営化を組合から提案する「公立病院改革取組み指針」を出して現場の闘いをたたきつぶそうとしています。日教組本部は2月広島教研集会で「教育の民営化反対」「日の丸・君が代」不起立闘争を訴える組合員の声をつぶすために機動隊を導入しました。これが労働組合のすることか! 全労連も同じ。「住民に迷惑がおよぶ」「当局との交渉テーブルが壊れる」として職場の実力闘争やストライキを圧殺し、「ボス交」や選挙にねじまげようとするのです。
 国鉄4者4団体は、国鉄1047名解雇撤回の原則を貫く動労千葉排除のために、昨秋10・24集会で機動隊の弾圧にすがりました。しかし1047名闘争が解雇攻撃に直面している数千万労働者の怒りと結びつくことに恐怖した国家権力は、鉄建公団訴訟3・25高裁反動判決をもって、闘争の暴力的たたきつぶしに来ています。4者4団体のように政府・自民党に土下座し解雇撤回を投げ捨てるのではなく、動労千葉を先頭に全労働者の総決起で1047名解雇撤回闘争を爆発させる時です。国鉄決戦の爆発が道州制・民営化攻撃を根底からぶっ飛ばします。連合・全労連本部打倒! 国鉄4者4団体路線粉砕! 現場労働者の力を信じ、豊中女性部の闘いに続こう。

 闘う労働組合をとりもどそう! 東京の労働運動の転換をかけて総決起しよう!

 腐り果てた資本主義を倒すのは労働者です。労働者の団結とストライキの力がこの世の中を変えます。闘う労働組合を取り戻そう。第2第3の動労千葉をつくりだそう。青年労働者を先頭に闘おう。5・9を東京の労働運動の転換をかけた総決起のときとしよう。私たちは、東京で働くすべての労働者の皆さんに5・9労働者総決起集会への参加を呼びかけます。
 2009年3月
 5・9全都労働者総決起集会実行委員会 

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2388号2面4)(2009/04/20 )

 「北延伸滑走路の前倒し供用」許さぬ

 三里塚反対同盟怒りの弾劾声明

 金子国土交通相は4月10日、成田空港暫定滑走路北延伸の10月供用開始を発表した。3月貨物機事故を逆手に取った「前倒し供用」など許すことはできない。三里塚芝山連合空港反対同盟は即座に弾劾声明を発し、欠陥空港を廃港に追い込む決意を明らかにした。(編集局)

 弾劾声明

 反対同盟は暫定滑走路北延伸の前倒し供用開始の動きを徹底弾劾する。供用を中止し暫定滑走路を閉鎖せよ! 事故の惨事を顧みず、住民と乗客・乗員にさらなる危険を強制する空港会社と政府・国交省に、心底からの怒りを抑えることができない。
 報道によれば、成田空港会社はフェデックス激突・炎上事故を口実に、延長滑走路を10月にも供用開始するという。事故で「計171便が欠航や目的地の変更を強いられた」「ジャンボが離着陸できない暫定滑走路の限界がクローズアップした」から供用を急ぐというのである。
 冗談ではない。フェデックスの事故原因は、成田空港に頻発するウインドシアである。事故が起きたら暫定滑走路に着陸させるというが、そのような時こそ、房総と北総の境に位置し寒気と暖気が激しく衝突する天神峰・東峰が危険なのだ。その証拠が6年前のエアージャパン機(乗員・乗客102人)である。ウインドシアに煽られて滑走路をオーバーランし、あわや大惨事の事故を起こしている。
 さらに「延伸して安全性が高まる」などというのは許せぬ欺瞞(ぎまん)である。延伸しても、いまの中型機より長い滑走路が必要なジャンボを飛ばせば安全性を高めるどころか、逆に危険性が増大する。
 しかも、前倒しは「空港規模の拡大に見合う空港管制態勢が整わない」(千葉日報)なかでの供用であることすら露見しているではないか。
成田空港はアジア・ハブから陥落し、羽田国際化によってさらに危機を深めている。供用開始の前倒しは、競争原理による利益優先・安全無視の前に人命を差し出す暴挙であり、断じて認めることはできない。
 「へ」の字に曲がった誘導路、段差4bの開拓道路が入り込む着陸帯、神社間際のオーバーラン帯、南側飛行直下を2度くぐる新誘導路、東関東自動車道をまたぐ進入灯――。暫定滑走路の欠陥をあげたらきりがない。これらはすべて無理・無謀の結果であり、その責任はあげて政府・国交省、空港会社にある。そのうえ年間飛行回数1・5倍化(30万回)などは言語道断だ。
 欠陥だらけ暫定滑走路を閉鎖せよ! 反対同盟は市東さんの農地取り上げを許さず、天神峰現闘本部を守りぬき、不屈に闘う決意である。
2009年4月11日
三里塚芝山連合空港反対同盟

----------------------

三里塚・市東さん裁判傍聴を

4月21日(火)
市東さん農地強奪阻止行政訴訟
午前10時30分 千葉地裁
市東さん農地法裁判
午前11時10分 千葉地裁
4月23日(木)
天神峰現闘本部裁判
午前10時30分 千葉地裁
※傍聴券抽選のため1時間前に集合

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2388号3面1)(2009/04/20 )

 経団連2・17提言を弾劾する

 医療・福祉の民営化進める体制内指導部を打倒しよう

 革共同医療福祉労働者委員会

 4大産別決戦貫き大恐慌を革命へ!

 1〜3月決戦は、1047名闘争=第2次国鉄決戦を基軸とする4大産別・6大産別決戦の革命的再確立をかちとった。4大産別・6大産別決戦は、「内への階級戦争と外への侵略戦争」「戦争・改憲と民営化、労組破壊」の大攻撃と最も激しく対決する闘いだ。こうした路線で武装した4大産別・6大産別決戦こそが、破綻した新自由主義の絶望的続行である民営化・道州制攻撃と鋭く闘うことができる。
 この4大産別・6大産別を解体するために打ち下ろされたのが、3・25反動判決だ。3・25判決は国鉄1047名闘争の分断・解体を強行し、全社会に拡大する国鉄分割・民営化型の解雇・リストラ攻撃をすべて正当化し、労働者の反撃を絶滅しようとするものである。
 国鉄分割・民営化こそ、今日の新自由主義攻撃下でのあらゆる資本攻勢の始まりだった。だが動労千葉のストライキ決起によって切り開かれた国鉄1047名闘争は、今日に至るまでこれと真っ向から対決し続け、4大産別を解体して改憲を実現する戦争攻撃を核心において阻んだ。動労千葉の闘いが、国鉄分割・民営化という最大級の新自由主義攻撃を打ち破ってきたのだ。
 民営化・規制緩和―新自由主義の破綻した姿が大恐慌情勢である。資本家階級には、破産した新自由主義に代わる方策などない。全世界で資本に対する労働者階級の怨嗟(えんさ)と怒りが満ち、体制内を打ち破り資本主義の打倒へ向かう大流動と決起が生み出されているのだ。
 だからこそ日帝資本は、国鉄1047名闘争解体・動労千葉排除の3・25判決を出し、それと一体で対北朝鮮への戦争攻撃をしかけているのだ。資本は破綻した新自由主義を絶望的に推し進めることに、生き残りの一切をかけている。だが階級意識と労働組合の団結を完全に解体すること抜きに、侵略戦争も、民営化・道州制も実現できない。逆に全労働者の怒りが国鉄1047名闘争と結びつき、国鉄決戦を水路に4大産別・6大産別の闘いがプロレタリア革命へと発展することに、敵階級は根底から恐怖しているのだ。だから4者4団体派を闘争解体の先兵にさし向けたのだ。しかしこれも全面的に破産した。3・25判決情勢は、6千万労働者―2千万青年労働者を獲得する決定的なチャンスの到来だ。
 新自由主義下の医療・福祉の民営化は、すでに全世界的な労働者支配の破綻点となっている。道州制・民営化攻撃はこの矛盾をさらに全面化するものであり、必ず労働者階級の爆発的決起を押し開く。医療・福祉労働者の決起は革命情勢の重大な環を握っているのだ。医療・福祉労働者はこの情勢と真っ向からかみ合い、日共・医労連指導部、4者4団体派、塩川一派との激烈な党派闘争をかちぬいて、1〜3月闘争の勝利の総括を踏み固め、さらに第2次国鉄決戦を基軸にした4大産別決戦を貫く、医療・福祉労働運動の路線を打ち立てて闘おう。

 医療丸ごと民営化と道州制狙う提言

 医療・福祉、教育をめぐって、民営化と道州制攻撃が襲いかかろうとしている。それをはっきりと打ち出したのが、日本経団連の「国民全体で支えあう持続可能な社会保障制度を目指して」なる2月17日付の提言だ。この提言は、医療のビッグバンといわれる医療の丸ごと民営化=道州制攻撃である。

 「社会保障は経済活力の源泉」

 それは第一に、医療・福祉を含めた社会保障制度の持つ公的領域をすべて民営化し、市場・競争原理に丸ごとたたき込もうという一大攻撃である。膨大なあらゆる社会保障―医療の領域を資本の延命のための餌食にしようとしている。
 道州制ビジョン懇談会座長・江口克彦が「道州制とは、競争の促進である」と公言するとおり、民営化と道州制とは、市場原理・競争原理で資本が労働者をどこまでも搾取し、それに対する決起を圧殺し、崩壊する資本主義の延命を図ろうとする攻撃だ。
 提言は「社会保障制度は……経済活力の源泉」「経済の活性化を図り、経済成長を高める」と言う。社会保障、医療・福祉を民営化し資本の暴利をむさぼる対象にしていくというのだ。そのために自治体の丸ごと民営化、教育の民営化を推し進める中で、公務員360万人のいったん全員解雇・選別再雇用によって労組的団結を根こそぎ解体しようとしている。
 第二に決定的なのは、皆保険制度の解体を狙っていることである。
 この提言の題名には「国民全体で支えあう持続可能な社会保障制度」とある。この表現は新自由主義に基づく「自己責任」論である。国民年金未納や健康保険料の収納率の低迷、少子化などを理由にし、高齢者医療と貧困者を切り捨て、今その社会全体を崩壊させているアメリカ型の医療・福祉の全面的な民営化導入を明白に狙っているのである。
 そして「提言」でさかんに言っている「セーフティネット」の主語は資本だ。資本が延命するための「セーフティネット」なのである。それは、皆保険制度の解体を含む社会保障の全面解体、新自由主義の極限的な搾取と収奪をいっそう激化する攻撃だ。
 第三に、全面的な公立病院民営化をうたっている。これを突破口に道州制を導入しようとしているのだ。
 「一定の医療圏単位での医療機関毎の連携や機能分化を推進し、効率的な提供体制を構築する」とは、公立病院の合併・縮小、徹底したリストラ、民営化による道州制導入を全面的に推進せよということである。
 「ICT(情報通信技術)化の推進」「事務の効率化」「情報の共有や地域連携」「医療データの活用・開示」などはすべて、その布石である。
 医療の民営化は何をもたらすか。アメリカでは民営化の結果、民間保険会社などが患者を支配し、患者を人質に保険会社が経営に介入し、あこぎなリストラ・賃金切り下げ・過重労働で利益を上げ食い荒らしている。医者ですらワーキングプア化するというアメリカ社会の根底的解体が進行している。

 地域医療を口実に裏切る自治労本部

 こうした激しい民営化=道州制攻撃に全面屈服を表明しているのが、自治労本部衛生医療評議会の『運営形態変更・公立病院の再編・ネットワーク化に係わる取組み指針』(『指針』)だ。
 公立病院の民営化こそ、道州制攻撃の激しい突破口である。この『指針』は、「自ら指定管理者制度を適用させ、医療法人を立ち上げるべきだ」「民営化は労組機能度を高めるもの」とあるように、公立病院の民営化を、「新たな病院運営形態」による「攻めの民営化対応」で労組が率先して推進していくとしている。まさに自治労版「労使共同宣言」だ。
 『指針』の極反動性は、第一に、「攻めの民営化」を掲げて、「地方への権限委譲を進める道州制なら賛成」と道州制を全面的に推進していることだ。
 それは、自治労本部が、労組の立場から民営化を反革命的に推進する国鉄分割・民営化の際にカクマル松崎が果たした役割を担うということである。「攻めの民営化対応」のテコとなっている「雇用確保」とは、国鉄分割・民営化における松崎カクマルの論理であり、今日的には政労使一体の「ワークシェアリング」論となり、新たな首切りの論理となるのだ。
 第二に、「攻めの民営化」とは民営化への全面協力のことである。民営化とは、労働者へのどんな犠牲もいとわない攻撃であり、労働者の反撃をあらかじめ徹底的に圧殺するために、労働組合的団結をあらゆる手段で解体しようとする攻撃であり、絶対反対以外にない。国鉄分割・民営化においては、「国家権力の総力を挙げ、一切の妥協を許さない無慈悲な攻撃であった」(『甦る労働組合』)のだ。そういう攻撃としてとらえない限り、全面屈服の奴隷の道か、権力・資本の先兵になるしかないのだ。
 『指針』でどんなにまやかしの言葉を並べようが、「全適(地方公営企業法の全部適用)」=民営化を受け入れることは、果てしない屈服と裏切りへの転落である。
 第三に、『指針』の反動的核心は、「地域医療提供体制を守る」を口実として「医療の民営化」を全面的に推進することにある。
 この『指針』では、誰が地域医療を崩壊に追い込んでいるのか、まったく触れない。今日の医療崩壊の一切の元凶はまさに資本であり、破綻した新自由主義そのものだ。
 そもそも、「公立病院赤字問題」が生み出されたのは、07年6月「地方自治体財政健全化法」が作られ、これに基づいて総務省が自治体病院に@経営効率化、A再編・ネットワーク化(地域の医師を集約・再編)、B経営形態の見直し=民営化を要求する「公立病院改革ガイドライン」を発表したことから始まった。これ以降、自治体赤字問題が法律的に作り上げられ、公立病院が次々と赤字経営を「摘発」され、徹底した人員削減と賃下げ・合理化が進められ、民営化推進の餌食にされてきた。
 つまり現在の医療崩壊は、資本の論理で医療・福祉をじゅうりんすることを、国の政策によって追認することで引き起こされているのである。民営化=道州制攻撃とは、資本自らが地域医療を崩壊させながら、今度はそれを口実に、もっと極限的な資本の論理を導入することなのだ。それはまさにむきだしの賃金鉄鎖に、医療労働者および全労働者を組み敷こうということである。こんなことが許されるか! したがって資本と闘わない「地域医療体制の構築を」なるスローガンは、日本経団連と同一の立場でしかない。

 日共・医労連指導部と徹底対決

 日本共産党・医労連指導部もしかりだ。自治体病院の「経営悪化」について、あたかも「天から降ってきた災い」かのように描き出し、政府と資本を分けることで資本を擁護し、資本がもたらした民営化による医療崩壊の現実を抹殺している。資本との対決から逃げ、「経営の効率化」の攻撃に全面屈服した日共は、「聖職者」論をもって労働者の階級性を解体し、「地域医療を守れ」と叫んで労働者が資本への怒りに向かうことを阻む。そのことによって労働組合の存在を決定的におとしめ、本質的に資本救済論を展開しているのだ。医労連内部から労働者の反乱が巻き起こることは必至である。
 この点では、塩川一派も完全に同質の反革命である。
 この自治労本部の『指針』をはじめ、体制内的反動勢力を打倒し、「戦争・改憲と民営化・労組破壊」粉砕を掲げ、階級的団結をうち固めて闘おう!

 地区党を打ち固めマル青労同建設を

 道州制=民営化攻撃と立ち向かう労働者階級の巨万の決起をつくり出す、医療・福祉労働者はその突破口を開く重大な位置にある。党派闘争を徹底的に推進して、4大産別・6大産別の飛躍をかちとる先頭に立とう。とりわけ、4大産別・6大産別に細胞を建設し、マル青労同を建設することにプロレタリア革命のすべての展望があることを、一切のあいまいさなく鮮明にさせ闘おう。
医療・福祉産別は、体制内との党派闘争の最も激しい戦場である。「聖職論」などに常にさらされ、激しい職場の分断・差別化と闘うことが常に求められる。この中で分断を意識的に打ち破り、正規・非正規を超えた階級的団結を生み出そう。現場労働者の資本に対する激しい怒りに依拠した徹底的な党派闘争で、労働者を組織しよう。
その核心は、地区党を土台として組織性を打ち鍛えることによって党派闘争が貫徹されることだ。日和見主義が細胞性の解体を生み出すことに対してこれと闘い、細胞の再団結をかちとる党内闘争で自らをうち鍛えよう!
不抜の地区党建設を土台に、中央―地区―細胞の有機的結合をかちとることなしに、革命的激動を真に革命に転化する労働者党建設もない。産別主義に陥らず、さまざまな産別・職種の労働者によって形成される地区党を強固に建設し、職場攻防をプロレタリア革命の目的意識性から位置づけ闘い抜くことだ。
地区党の団結と細胞性の強化は一体である。時代認識と路線を打ち立てて、路線を武器に、党の路線を職場で実現する闘いとして職場生産点の攻防を闘おう。路線的一致と、路線的団結で職場細胞を建設しよう。
その中で、党建設を徹底的に基軸に据えて党派闘争を展開しよう。4〜6月決戦を、組織建設―マル青労同1千人建設の闘いとして完全に据えきり、6・14闘争から11月労働者集会へ攻め上ろう!

自治労本部の全面屈服方針

(自治労本部衛生医療評議会の指針)
「即座に『絶対反対』との闘争を組むことは過去の事例より『避ける』ほうが賢明」
「地方公営企業法の全部適用(=全適)を推奨」
「むしろ組合から逆提案という形でも望ましい」
「地方独立行政法人も選択肢として容認し取り組む」
「組合が医療法人を立ち上げて指定管理者制度を適用させ、雇用を守る」
「賃金削減を受け入れても病院(を守る・で働く)」
(公立病院民営化を推進し道州制の先兵となっている自治労本部。資本の奴隷そのものだ!)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2388号4面1)(2009/04/20 )

 「禁じ手」発動はオバマの墓穴

 FRBの国債購入/「粉飾会計」も容認

  世界大恐慌がいよいよ本格化

 島崎 光晴

 世界大恐慌の震源地であるアメリカ経済は、実体経済でも金融でも一段と深刻な恐慌に陥っている。追い詰められたオバマ政権は3月末から4月初めにかけて、禁じ手の恐慌対策を次々に発動しはじめた。財政赤字の膨張と米国債発行の激増に窮して、FRB=中央銀行が米国債を買い取ることを決めたのだ。また、時価会計を緩和して金融機関が資産評価を勝手にやることを容認し、国家政策として粉飾会計を奨励した。二つの禁じ手を打ったことで、米帝の財政・金融など経済すべてに対する信用はますます崩れ、何よりもドルへの信認は崩壊していく。その意味で米帝オバマのこの恐慌対策は、世界大恐慌がいよいよ本格的に爆発していく画期をなす。
(写真 3月19日の全米デモに続き、4月3日にもアメリカの労働者階級・人民は「ウォール街と戦争にこれ以上金をつぎ込むな」「仕事をよこせ」と叫んでニューヨークのウォール街デモに決起した)

 自動車産業で過剰資本露呈

 一段と進む住宅バブルの問題!

 まず、住宅バブルの崩壊が一段と進んでいる。主要10都市の1月の住宅価格は前年同月比19・4%下落し、過去最大の下落となった。しかし06年春のピークからの下落率は30・2%にとどまっており、今後まだ何年にもわたって下落しつづけていくのは必至だ。
 住宅バブル崩壊で、住宅ローンを返せない人がさらに増大している。昨年10〜12月期には住宅ローンの延滞率は7・88%、差し押さえ率は3・30%と、ともに過去最高を更新した。二つを合計すると11・18%にもなり、全米の住宅ローンの約9件に1件で返済が行き詰まっている。
 また、同時期にサブプライムローンでは、両比率の合計が46・4%にも達した。サブプライムローンを組んだ人の半分近くが、住んでいる家からたたき出されそうになっているか、すでにたたき出されているのだ。詐欺まがいのやり方でサブプライムローンを押しつけ、あげくのはてに住む家からも追い出す。資本主義はもはや終わっているのだ!
 こうした住宅バブル崩壊を機に、実体経済は急降下を続けている。特に個人消費の柱をなす自動車販売台数は、2月には前年同月比41・4%減と、初めて4割を超えて減った。GMの1月初めから2月中旬までの北米での生産台数は、前年同期の3分の1にまで激減している。住宅ローンを借り増して自動車購入など消費に充てる、という従来の消費バブルが崩壊しているのだ。
 自動車販売激減で、GMとクライスラーは昨秋から米政府からの融資なしでは存続できなくなった。GMの08年通年の赤字は308・6億j(約3兆円)にも上り、08年末の債務超過額は861億j(約8・4兆円)にも膨らんだ。実質的には完全に破綻している。米政府は3月末までに、GM・クラスイラーへの追加支援について判断する予定だったが、GMには60日以内の再建計画見直しを求め、クライスラーには30日以内のイタリア・フィアットとの提携合意を求めた。問題の先送りにすぎず、両社が破産法を申請する危機が続いている。
 現在の大恐慌の基底をなしているのは過剰資本・過剰生産力状態であるが、それは自動車産業を最大実体としている。米・日・欧すべてがそうだ。アメリカの29年大恐慌も、自動車産業での過剰資本が最大実体だった。米自動車産業は1925年に、米製造業内で生産額、賃金支払い額、付加価値額、原材料費のいずれでも第1位となった。29年大恐慌では、自動車とその関連産業であるタイヤ・鉄鋼・石油などでの過剰生産能力が劇的に露呈した。
 第2次大戦後の帝国主義は、このアメリカ的生産力水準を平準化しつつ発展したが、74〜75年世界恐慌によって過剰資本状態に陥った。それ以降、IT化などと称しつつも結局は自動車を基軸とし頂点にした生産力水準を超えられないまま、現在の世界大恐慌に突入したのだ。29年大恐慌から80年を経て、またも同じ自動車産業を最大実体にして大恐慌に陥る。資本主義の生命力が完全に失われている、ということではないか!

 大銀行の救済に労働者の怒り

 金融面では、昨秋のリーマン・ブラザーズ破綻以降、大手銀行がますます実質破綻し、米政府が何波にもわたって公的資金の注入を繰り返すという惨状にある。
 2月末には米政府がシティ株の36%を保有することを決め、3度目の公的資金の注入に踏み切った。政府による株保有が50%を超えれば名実ともに国有化となるが、36%でも米政府が筆頭株主になる見通しで、事実上の政府管理下に置かれた。
 世界最大手の保険会社で昨秋に政府管理下に入ったAIGは、もっと破綻的だ。08年通年の赤字は993億j弱で、それ以前の22年間の利益合計(約991億j)を帳消しにするほど巨額になった。3月初めには4度目の政府支援を受け、AIGへの資本注入額は合計700億jと米金融機関で最高になった。AIGの株価は1jを割っている。ニューヨーク株式市場では1j割れが続くと上場廃止になるところだが、この基準を変更してまでAIGを延命させようとしている。
 このような銀行救済策に対し、米労働者階級の怒りが沸騰している。特にAIGの幹部社員に、1億6500万jもの賞与が支払われることが明らかになった。2月に成立した景気対策法では、公的資金の注入を受けた企業が支払う報酬に上限を設けたが、法案修正の過程で「過去にさかのぼって適用しない」という一文がオバマ政権によって追加されたためだ。
 これに対し3月19日には35州で「銀行を救済するな」のデモが闘われ、100万人以上が参加した。日本帝国主義も政府・日銀が大量の公的資金で大銀行=大資本を救済している。日本の労働者階級の怒りを爆発させよう。

 財政規律とドル信認崩壊へ

 このような大恐慌の進展に対して米帝オバマ政権は、ありとあらゆる恐慌対策を講じている。しかし、それが効を奏さないなかで、ついに禁じ手の対策に出はじめた。
 一つは、中央銀行であるFRBが米国債を買い取るという非常手段である。
 オバマ政権は2月に7870億jの景気対策、750億jの住宅ローン差し押さえ対策を決めた。両方とも効力はそれほどないにもかかわらず、財政赤字をますます膨張させている。昨年10月から始まった09会計年度では、3月までの半年間で財政赤字がすでに9567億j(96兆円)にもなった。前年の約3倍という過去最悪のペースだ。このため、09年の新規国債発行は2兆jに迫ると見られる。しかし、これほどの米国債が消化しきれるのか。もし米国債が国内外で買われなくなると、米経済は真の意味で崩壊する。
 このような切羽つまった状況のなか、3月18日にFRBは向こう半年で最大3000億jの米国債を購入することを決めた。ドル紙幣を発行する中央銀行であるFRBが、米国債を買い取るというのだ。
 ドル紙幣を印刷すれば、いくらでも米国債を買い取れることになる。財政赤字は野放しに膨れ、国債発行も無制限に増える。いわゆる「財政規律」が失われるのだ。また、実体経済とかけ離れて通貨供給量が増えるので、インフレの要因ともなる。だから、中央銀行としては戦時以外ではやってはならないこととされてきた。米帝も、第2次大戦下では長期国債をFRBが大量に買い支えたが、戦後の1951年にこれをやめている。それをまたやるのだ。
 没落する米帝には、巨額の財政赤字に耐える力など残っていない。「30年代ニューディール政策の時のような財政力、その基盤をなす生産力は今の米帝にはない」(本紙新年号島崎論文)。29年大恐慌と第2次大戦後の帝国主義の危機をのりきったような米帝の力量は失われている。逆に、その米帝の中心部が崩壊しているのだ。

 「有毒証書」は数兆jに達する

 もう一つは、4月2日に、米国の会計制度を仕切る米財務会計基準審議会が、金融機関の時価会計を緩めることを決めたことである。金融機関が保有する金融資産について、その評価額を時価ではなく、金融機関の勝手な見積もりで計算していいことにした。粉飾会計を認めるということだ。
 米金融機関は、住宅ローン担保証券などの価値が暴落したため、巨額の評価損にあえいでいる。米政府はこの不良資産を買い取ろうとしているが、それが証券化商品の形をとっているため、資産価格がまともに確定できないで立ち往生している。
 しかも、そこには「有毒証書(トキシックペーパー)」が混ざっている。バブル下ではインターネットを介した金融取引が増大し、電話での会話もなく、なんの書類もない取引が横行していた。このため、「記録がでたらめなためにその中身や所有者、価値や破綻リスクを確かめられない」ような証券化商品が膨大に生まれた(ニューズウィーク3月4日号)。所有者も価値もわからないのだ。
 文書の記録が不備なCDS(元利払い保証の金融商品)だけで1兆j、有毒証書は数兆jとも言われる。日本の銀行の問題債権は90年代のピークで100兆円だったが、有毒証書だけでその数倍にもなる。しかも、有毒証書は米大手銀行だけでなく、証券化商品を金融機関から買い取っているFRBにも入りこんだ。
 80年代以来の新自由主義による金融規制の緩和・撤廃は、このような恐るべき事態を生み出した。これほどまでに経済や金融が制御困難、解決不能となるのは資本主義史上初めてだ。最末期の帝国主義の延命策である新自由主義は大破産し、「有毒証書」のような“獅子身中の虫”を生み出して、資本主義を破滅させつつあるのだ。
 米帝にとってもはや万事休す。そこで、時価会計を緩めて粉飾会計を認めるという、最後の手段に出たのだ。シティはこれで金融商品6000億jについて粉飾が認められるという。もともと時価会計は、企業・銀行の財務内容を透明にするために導入された。それをやめて、米大手銀行の財務内容を隠そうというのだ。しかもそれを、米金融システム、米金融機関、米金融商品のすべてに対する信用が崩壊している時に、やるというのだ。
 取り返しのつかないまでに、米金融のあらゆる面での信用崩壊が深まるに決まっている。しかも不良資産を隠せるとなれば、金融機関が不良資産を抱えたままの状態が長引き、大恐慌はより長期で手に負えないものになっていく。
 こうした財政と金融の両面での禁じ手によって、当面はしのげるかもしれない。しかし結局は、米経済のすべて、何よりもドルに対する信認を崩壊させ、大恐慌を促進することになるのは確実だ。米帝オバマは墓穴を掘ったのだ。

 階級戦争・侵略戦争と対決を

 このような中で米帝オバマは、労働者に対する階級戦争と、アフガン・イラクなどへの侵略戦争によって生き延びようとますますあがいている。
 米政府発表の3月の失業率は8・5%に悪化した。83年11月以来25年4カ月ぶりの高水準だ。昨年11月からは毎月60〜70万人規模という、29年大恐慌以来のペースで大量首切りが強行されている。特に自動車生産・販売の悪化が部品会社、ガラス、金属加工などの関連産業での首切りに波及している。
 GMなどビッグ3では、昨年末の政府融資を決める際に“労働組合がストライキを実施した場合、政府は融資を凍結する”との条項が盛り込まれていた。レイオフ中でも給料が受け取れる「ジョブズ・バンク」制度は、すでに廃止された。さらにGMは、UAW(全米自動車労組)が管理している医療保険基金への拠出金200億jについて、その半分を株式に変更するよう強要している。株式などで支払われれば、ほとんど価値がなくなり、医療保険はつぶれてしまう。米帝は自動車産業の危機につけこんで、労働運動がかちとってきた労働者の権利を次々に奪い去ろうとしているのだ。世界の労働者の国際連帯闘争が切実に求められている。
 一方で米帝オバマは、バイアメリカン条項などの保護主義で帝国主義間争闘戦を強めつつ、アフガン・イラク侵略戦争をさらにエスカレートさせつつある。昨年12月の陸軍の新兵採用は目標を約15%上回ったという。大恐慌下でますます食っていけなくなった若者が、いやいやながら軍隊に入るしかなくなっている。階級戦争に対する闘いと侵略戦争に対する闘いは、その意味でも一つの闘いだ。
 労働者が生きていくには、資本主義・帝国主義を打倒する以外にない。アメリカ労働者階級を始めとする世界の労働者と連帯して、大恐慌をプロレタリア世界革命に転化するために闘おう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2388号5面1)(2009/04/20 )

 監獄大学粉砕! 4・24法大解放へ

 「情宣禁止」の新自由主義大学粉砕し、道州制・改憲うち砕け

 マル学同中核派・法政大学支部

(写真左 法大総長室前で弾劾のコール【4月13日】)
(写真右 3月14日、文連を先頭に総長の自宅【市川市)を直撃)

 全国の労働者階級人民の皆さん、『前進』読者のみなさん! そして何よりも新入生を始めとする全国300万学生のみなさん! 4・24法大解放総決起集会までいよいよあと4日。「世界大恐慌に立ち向かう歴史的決戦としての4・24法大」へ総決起を訴える!
 4月15日、闘う富山大生・武藤淳範(ぶとうあつのり)君ら2人の仲間が「建造物侵入」の令状で不当逮捕された。富山大正門でのビラまきを「建造物侵入」にデッチあげるとは許せるか! 
 真相は当局20人が2人に襲いかかり、羽交い締めにしてビラまきを暴力的に妨害したのだ。ふざけるな! 全国学生が「4・24大結集」の路線で強固に団結し、新歓闘争が力強く前進していることに恐怖した日帝・国家権力による4・24つぶしの大弾圧だ。徹底弾劾・粉砕あるのみだ!
 一方、14日行われた第1波法大包囲デモには、数百人の教職員、ガードマン、公安警察・機動隊による集会・デモ・ビラまき禁圧体制を打ち破って新入生が合流した。そして「こんな大学はおかしい。木原、浅見(法大の極悪教職員)は謝罪しろ!」と怒りを爆発させている。これは3万法大生と全国300万学生の怒りだ。
 この怒りに徹底的に依拠し抜くならば、どんな弾圧があってもそれを打ち破り、4・24法大キャンパスに1千人の団結が登場することは絶対に不可避だ。
 学生の団結や人間性を奪い、果てしなく競争させ、さんざん搾取しておきながら自ら破産した新自由主義大学=法大は、ついに「営業権」による宣伝活動禁止攻撃に訴えてきた。これは改憲・戦争=道州制攻撃につながる攻撃だ。腹の底から怒りを爆発させよう。やり場のない矛盾や怒りを抱えるすべての学生・青年は4月24日、法大市ケ谷キャンパスに集まれ!
 法大解放・プロレタリア革命勝利の一切は4・24の爆発にかかった。「4月24日、法政大学が変わる。これに来なかったら重要な歴史を諸君は見逃すと思う」(文化連盟委員長・斎藤郁真君)。この呼びかけに応え、ともに学生運動の革命的爆発を切り開こう!

 学生1千人の結集で不当処分撤回へ闘う

 4・24法大解放集会は第一に、法大当局による不当処分を撤回させる闘争だ。
 法大キャンパスで日々激突しているのは、「学生の自治」と「法大資本の営業権」だ。法大闘争は、06年3・14弾圧以来のべ88人の逮捕、22人の起訴、12人への不当処分攻撃を打ち破ってきた史上最強の学生運動だ。「教育を使ってカネもうけするな! 学生は商品でもモノでもない! 大学の主人公は学生だ!」という当然の要求、怒りを貫いてきた学生に下されてきたのが法政と全国の大学における処分であり、大量弾圧だ。これは労働者・学生の自治・自由と資本家階級の自由=「営業権」が非和解であることの証明だ。法大闘争は、資本家階級を打倒する革命以外に決着のない決戦だ!
 14日の法大デモに合流した新入生に法大職員は「大学に入ったばかりのくせに大学を批判するな」などと抜かした。ふざけるな! 閉ざされた門と配置された大量の暴力ガードマン、150台に及ぶ監視カメラ、張り巡らされた鉄条網、キャンパスで集会もビラまきもできない。一目見ればこんな大学はおかしいことは、すべての学生にとって明らかだ。この現実を批判したら処分とは、一ミリも認められない! すべての処分を撤回せよ!
 「あらゆる入構禁止や処分を話し合いではなく実力で撤回させて、自分たちが大学の主人公になろうというのが4・24です」(文化連盟・洞口朋子さん)。処分撤回の署名運動が全国ですでに1千筆に迫る勢いで前進している。法大生を先頭に、全国5千筆の署名から4・24の1千人結集へ全力で闘おう!
 4・24法大解放集会は第二に、「情宣禁止仮処分」という道州制=改憲・戦争攻撃を打ち砕く闘争だ。

 「営業権」ふりかざす仮処分攻撃粉砕を!

 3月26日、「情宣禁止仮処分」によって法大キャンパスの周囲、半径200b以内は憲法停止の戒厳令状態になった。法大資本の「営業権」を守るためにビラまき、集会、演説など、すべての情宣活動を法大と裁判所が禁止したのだ。法大資本と裁判所は4・24にもこの「仮処分」を狙っている。「戦争は学校から始まっている」のだ。4・24は北朝鮮「ミサイル」迎撃態勢と排外主義攻撃、ソマリア派兵という戦争突入攻撃に対して、団結して立ち向かう改憲=戦争阻止の大闘争だ。
 この改憲攻撃に弁護士も立ち上がった。全社会的反撃も始まっている。4・21裁判員制度阻止集会と一体で4・24を大爆発させよう!
 道州制によって大学・教育が資本家に完全に売り渡されることと、大学が丸ごと戦争に動員されることとは一体だ。アメリカの学生と教育労働者は軍隊に生徒の名簿を渡さなければ補助金をカットされる現実に立ち向かっている。民営化と戦争は一体だ。資本家どもは「教育の自由化」などと言うが、そもそも教育でカネもうけをしようという考え方自体が百パーセント間違っている。「『営業権』を大学が振りかざすようになったら、この大学はもう破壊するしかない」(文化連盟・増井真琴君)。学生の団結で、新自由主義攻撃の絶望的継続としての道州制をぶっ飛ばそう!

 世界大恐慌下で学生の団結を奪い返そう

 4・24法大解放集会は第三に、学生の団結を奪い返すキャンパス占拠−ストライキで「大学の主人公は学生だ」と宣言する闘争だ。
 世界大恐慌のもとで、すべての学生がどう生きていけばいいかと苦闘している。「就職も厳しくなっている中で、正社員になるにはどうしたらいいのか」と悩んでいる新入生にはこう答えたい。「目の前の現実=大学を変えることだ。そのために隣の仲間と団結しよう。その最高の方針が4・24法大解放集会だ」と。
 われわれはたとえ少数になろうが、法大当局、国家権力、体制内執行部の「三重包囲」を打ち破り、法大資本によるキャンパス支配、学生支配を根底から揺るがし続けてきた。そして今やそのすべてをなぎ倒す圧倒的攻勢に立っている。「徹底的に法政大学を蹂躙(じゅうりん)して占領する。われわれの力を見せてやろう。法政から4・24をもって世界にメッセージを発信する。ともに日本代表になろう!」(文連副委員長・恩田亮君)。「世界の学生がキャンパスを占拠し、ストライキとデモで新自由主義と闘っている。完全にこれとマッチする闘い」(文化連盟・倉岡雅美さん)。
 ASEAN首脳会議を粉砕したタイの労働者人民の闘いに続け! すべての法大生は文化連盟の旗の下に団結しよう! 
 マルクス主義学生同盟中核派に結集しよう! 
4・24法大に大結集し、ともに闘おう!

------------------------TOPへ---------------------------