ZENSHIN 2009/10/05(No2410 p08)

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週刊『前進』(2410号1面1)(2009/10/05 )

 国鉄1047名解雇撤回! JR体制打倒!

 動労千葉がストライキ決行

 10・1 幕張支部破壊=強制配転に反撃

 運転士登用差別を認定 動労千葉が高裁逆転勝訴

 

(写真 ”ともにストに立とう” 強制配転攻撃に怒りのシュプレヒコール。職場の仲間に動労千葉への結集を呼びかける【10月1日 幕張車両センター】/DC会館でスト貫徹!総決起集会【下】)

 動労千葉は10月1日、幕張支部の吉野六郎副支部長、高田昌史書記長の不当配転攻撃に抗議し、その白紙撤回などを求めて怒りの全一日ストを打ち抜いた。幕張支部の全組合員がストに入った。11・1労働者集会への1万人組織化の最先頭に立つ闘いであり、全国の怒れる労働者への熱烈な檄だ。動労千葉に続き、全国の職場・街頭で猛然たる組織戦に立とう!

 車両検修からベテラン排除

 今回の幕張支部副支部長、書記長配転には1ミリの正当性すらない。JR資本は、ただただ動労千葉の組織を破壊するために車両の検査・修繕(検修)業務からベテランの動労千葉組合員を排除し、安全も何もかも投げ捨てるようなことをやっている。その結果、現実に車両の検修が満足にできない事例が続出している。動労千葉の組合員は、「こんなことを続けていたら間違いなく本線上での大事故が起こる」「これが民営化体制の本質だ」と当局のやり方を激しく弾劾している。しかも、組織拡大闘争の最先頭で闘ってきた幕張支部役員を狙い撃ちで本来業務から外し、検査派出へ強制配転して職場から排除するとは言語道断の不当労働行為だ。

 組合員ら百人センター包囲

 スト拠点となった幕張車両センターには早朝から怒りの声が響き渡った。「不当配転攻撃を許さないぞ」「動労千葉のベテラン労働者を検査業務に戻せ」「検修業務の外注化を許さないぞ」「ともにストライキに立とう!」。ストに突入した組合員・支援、約百人が車両センターを包囲し、怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。恐れをなした当局は庁舎の中に縮こまり、毎日やっている体操も中止、スト対策に大わらわの状態だ。手応え十分だ。
 早朝行動を終えた組合員はDC会館に移動。10時から幕張支部のスト突入集会が開催された。幕張支部は、8月1日から続けてきた非協力闘争(公休出勤・超過勤務の拒否)を今後も継続することを確認し、戦術についての詰めも行われた。山田護支部長は、「この間、支部全体が本気になって組織拡大オルグに決起してくれた。この中でスト破りを断る若い仲間も出てきている。組織拡大闘争の前進なしに強制配転攻撃は止まらない」と提起した。

 組織拡大へと打って出る!

 午後1時から「スト貫徹!動労千葉総決起集会」が開催された。全支部から駆けつけた組合員、支援の労働者・学生で会場は埋まった。
 あいさつに立った田中康宏委員長は、「検査派出での退職が続く中、この闘いは約1年間続く。背景にあるのは民営化体制の破綻だ。何波ものスト、頑強な職場抵抗闘争をとおして幕張支部は外注化を止め、組織拡大を実現してきた。今こそ、分割・民営化攻撃にわれわれの側から決着を着ける時が来ている」と檄を発した。
 配転攻撃を受けている当該組合員は、「この攻撃は、支部破壊のための露骨な狙い撃ちだ。直前の面談でも副区長が『配転はありません』と明言していたのに不当な配転を強行しようとしている。絶対に許せない」と怒りをたたきつけた。幕張支部の青年労働者、木更津支部、鴨川支部の代表も、ともに闘う決意を表明した。
 続いて、9月30日に運転士登用差別事件で高裁逆転勝利判決(記事2面)をかちとった当該組合員が前列に勢ぞろいした。代表して発言した内田晃さんは「分割・民営化を強行した中曽根や、いまの内閣にも一矢報いることができた。首を切られ、飯も食えない現実に追い込まれている多くの労働者を少しでも励ますことができた。爪から血がにじむような悔しい思いもしたが、これからも自分は動労千葉で闘っていく」と感動的アピールを行った。
 長田敏之書記長が基調報告を行い、「今日ほど展望を感じた集会はない。幕張支部への攻撃は当局の悲鳴だ。この攻撃が逆に幕張支部と動労千葉を勢いづかせたということを、当局に見せつけよう。この力を組織拡大に結実させ、1047名闘争の復権をかけて11・1労働者集会の1万人結集へ」と呼びかけた。
 各支部の決意表明を受け、ストの力でさらなる組織拡大へと打って出ることを誓い、団結ガンバローを三唱した。
 ストに先立つ連日の総武線・中央線沿線での街頭宣伝では、圧倒的支持・共感が寄せられた。9月30日津田沼では、女性が「レールがボロボロで都内に通勤する夫が心配。安全のためにがんばって」と激励を寄せた。
 動労千葉に続こう!

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週刊『前進』(2410号1面2)(2009/10/05 )

 革的共同25全総 綱領草案採択 

 革命的共産主義者同盟は第25回拡大全国委員会総会を開催し、綱領草案を徹底論議の上、採択した。そして革命的共産主義運動の新段階突入を宣言した。革共同50年の歴史の上に画期的な地平がかちとられた。この25全総の第1報告「プロレタリア世界革命の急速な接近と革共同の任務体系」(天田三紀夫書記長)と、第2報告「綱領草案の意義と革共同建設の新段階突入」(綱領起草委員会)および「綱領草案」は、発売中の『共産主義者』162号に全文掲載されている。本号4面に綱領草案全文、5面に「綱領草案は現代の『共産党宣言』だ」と題する論文と、革命的共産主義運動50年の略年表を掲載した。綱領草案の四つのポイントを簡潔に提起し、革命的共産主義運動50年の地平と新たな飛躍の出発点に立ったことを圧倒的に確認している。すべての労働者学生人民は、この革共同綱領草案のもと、21世紀革命の実現に向けてともに闘おう!

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週刊『前進』(2410号2面1)(2009/10/05 )

 11月1万結集へ全力疾走を

 階級的労働運動復権の絶好機だ

 無数の労働者の怒り組織しよう

 動労千葉・田中委員長が訴える

 11・1全国労働者集会まで残り1カ月を切った。自民党支配の崩壊−民主党・連合政権の誕生という大激動情勢下で開催される11・1集会は、歴史を動かす大決戦だ。1万人結集ヘの大組織戦に猛然と打って出よう。動労千葉の田中康宏委員長に、1万人結集が切り開く巨大な展望と、それを実現するための課題について語っていただいた。(編集局)

 自民党を倒した労働者の叫び

 ――8・30総選挙の結果についてどのように見ておられますか。
 田中 半世紀以上にわたる自民党支配が崩壊したことは巨大な可能性をはらむ歴史的事態です。一番大事なのは、何が自民党支配を歴史的崩壊に追い込んだのかです。
 20〜30年にわたる新自由主義攻撃の中で、どれほど労働者がたたき落とされてきたのか。いま労働者は想像を絶するほどひどい現実におかれています。7月の完全失業率は史上最悪の5・7%。就職を希望しながら求職活動をあきらめている人は政府発表で461万人で、失業率にすると7%を超えています。「企業内余剰人員」などと言われ、いつ首を切られるかも知れない現実におかれている607万人の労働者。すべて合わせれば1400〜500万人もの労働者が、この社会の中で生きることができず必死の叫びをあげている。この現実そのものが自民党支配を倒したんです。
 支配階級がもはや誰も労働者を支配できず、飯を食わせることもできない。ここが大恐慌の中で完全に崩れた。その結果、連合が支配権力側に組み込まれ、「民主党・連合政権」とも言える政権になったわけです。
 これは、米オバマ政権下で起こっていることと同じですし、歴史的に見ても1929年世界大恐慌後のアメリカなど、資本主義が第2次世界大戦に行き着く過程で起きたことと同じです。しかも今の日本の国家財政の赤字は限界を超えています。ニューディール政策みたいなこともできないままに、労働者への階級攻撃と戦争への衝動が高まっていく。その先兵を連合が担うのです。
 政権中枢に旧同盟系を始め最も右の連合幹部たちがごっそり入りました。連合が「労働組合」の名をもって労働者を徹底的に痛めるつける。一切の幻想が取り払われ、事態は鮮明になります。階級的な労働運動、労働組合を復権する条件がすべて煮詰まった。闘う労働組合が時代の最前線に登場できるのかがズバリ問われる情勢です。
 焦点は「民営化・労組破壊」と「改憲・戦争」になります。大恐慌の中で、それ以外に政策選択の余地はないからです。
 ドル暴落が迫り、ヨーロッパやロシアは米国債を手放し始め、中国は金を買い集めている。大恐慌は明らかに第2段階に入りました。資本主義の末期症状です。民主党マニフェストなど全部めちゃくちゃになります。
 大変な情勢ですが、すごい可能性をはらむ情勢でもあります。労働者の闘いが燃え広がる瞬間に来ています。その怒りの声を11・1集会に組織しましょう。

 「1047名解雇撤回」を柱に

 ――11月集会のメインスローガンに「国鉄1047名解雇撤回」を据えた意味は。
 田中 階級攻防の最大の焦点となるのは道州制攻撃です。改憲を含めた国家のあり方の大転換です。民主党は道州制導入に踏み切っていますし、支配階級にとってこれ以外に延命の道がないという意味でもそうならざるをえない。自治労や日教組などが完全に屈服する中で、私はこの道州制との闘いをどうすれば階級決戦に持ち込めるのかとずっと考えてきました。他方、非正規職問題、派遣法問題が決定的に重大化しています。これも、どうやって階級決戦に持ち込むのか、と。
 そのためには軸が必要です。やはり、国鉄1047名解雇撤回闘争が先頭に立ち“このもとに団結しよう”と呼びかけるしかない。国鉄分割・民営化の過程で、何が国鉄労働者を襲い、社会はどう変わったのか。それを最も鮮明に訴えられるのは国鉄労働者です。
 さらに言えば、昨年来の4者4団体派の自民党への嘆願路線が最後的に破綻しました。この1年間、4者4団体派と対決し、「なんで、このかけがえのない闘いを自らの手で投げ捨てるんだ!」と言い続けてきました。この闘いの上に、1047名の当該を始め、国鉄闘争を支援してきた膨大な人たちを獲得する条件が出てきています。
 しかも民主党政権のもとで、まちがいなく有象無象の勢力が1047名闘争を巡って動き出す。4者4団体は、民主党に最後の望みをかけてより屈服を深めていく。それは国労の完全な連合化に行き着くものです。
 資本から最後的に使い捨てられようとしているJR総連カクマルも、歴史的裏切りを塗り隠して生き延びるために必死になり、1047名闘争をつぶすために介入しようとしています。JR資本は、尼崎事故を巡る事故調査委との隠蔽(いんぺい)工作を見ても明らかですが、民営化の矛盾を爆発的に噴出させています。それは1047名闘争と動労千葉を解体し、すべてにふたをするという新たな攻撃になっています。
 あらゆる勢力がもう一度、国鉄分割・民営化問題の前に引きずり出され、労働運動を巡る最大の焦点になる。決着がついていないからです。1047名闘争の持つ位置は決定的です。われわれが、ここに新たな決意で躍り込んでいく意味はものすごく大きい。
 4大産別を巡る闘いが今後の労働運動全体を左右し、情勢を左右する位置を持っています。改憲・戦争、民営化・労組破壊という現在の攻撃を見ても絶対にそうだと訴えてきましたが、事態は1047名闘争を焦点としてまさにそのとおりに進んでいます。
 国鉄分割・民営化は、「臨調行革の203高地だ」「行革でお座敷をきれいにして立派な憲法を安置する」と言って強行されました。支配階級は“これで日本の労働運動を解体する”と明確に意識して臨んだわけです。焦点は官公労の解体、今でいえば4大産別労組の解体でした。しかし、支配階級はそれを貫徹できず、今も1047名闘争という形で激突が続いている。確かに階級的力関係は大きく変わりましたが、民営化に象徴される新自由主義攻撃は決定的に遅れました。だから今、大恐慌下で道州制を問題にせざるをえない。
 100万人といわれる労働者が23年間も国鉄闘争を支え続けていることには絶対に根拠があるんです。多くは連合や全労連傘下の労働者たちです。さしあたりは体制内労組の内部で、一歩が踏み出せていないかもしれない。だけど現実にこれだけ物質力ある闘いが続いている。ここに依拠しない労働運動復権論は空論です。そういう意味でも今年の11月のメインスローガンは絶対に「国鉄1047名解雇撤回」だ、と。
(写真 10・1スト【幕張車両センター】)

 国際階級闘争の巨大な胎動

 田中 そのことにさらに確信を深めたのは、7月に開かれた労働者国際会議です。動労千葉が民営化・労組破壊攻撃と闘い、団結を守りぬいていること――集まった7カ国の労働者はここに最も注目しました。世界的にも、これだけ粘り強く新自由主義と闘いぬけている闘争はありません。イギリスやアメリカにもすごい闘いの経験はありますが、その闘いが今日まで続き、拠点を守って戦線を維持し、労働者の結集軸となって新たな展望をつくっている。こういう闘いはありません。
 ――世界中の仲間が同じところで苦闘しているということですね。
 田中 そうなんです。民営化・労組破壊攻撃と闘い、体制内的なナショナルセンターに抗していかに階級的労働運動をつくり上げていくのか。資本主義の最末期の中で、世界中でわれわれと同じ思い、同じ方向性をもって新しい闘いが始まっている。ブラジルでもトルコでもフィリピンでも、この十数年の間に既成のナショナルセンターに抗して新たな組織をつくり、闘いを始めている。韓国・民主労総も95年結成です。動労千葉結成は30年前ですが、国鉄分割・民営化反対闘争をとおして全国的な闘いを呼びかけたのは89年です。
 サンフランシスコに集まった7カ国の代表すべてが、明確に社会主義的変革に向かった労働運動を目指していました。新しい階級的労働運動が全世界で無数に始まっている。それが、現実にこの資本主義体制をくつがえす力となってつながり始めている。ここにこそ可能性があります。
 その7カ国の代表が、「11月集会を支援し、共同の闘いとして組織化する」という決議をあげました。今年の11月集会は国際連帯という意味でも爆発的に力を発揮していく新たな出発点になります。そのためにも、われわれが1万人ぐらいの労働者を集める力を持たなかったら問題にならない。われわれが力を持てば、すべての闘いが一緒になって前進できるという関係にあるんです。

 三里塚は労働組合自身の課題

 ――11・1集会と一体で10・11三里塚集会への大結集が求められています。
 田中 大恐慌情勢と表裏一体で三里塚は開港阻止決戦以来の正念場に入りました。あらためてもう一度、三里塚闘争が日本階級闘争に持っている意味を全国の仲間に訴えなければいけないと思っています。少なくとも数千人の逮捕者を出し、生命を奪われた仲間も出しながら国家権力と正面から激突し、43年間も非妥協で闘ってきた闘いは世界にもありません。
 動労千葉は、ジェット燃料貨車輸送阻止闘争などをとおして直接的にも反対同盟と“車の両輪”として労農連帯闘争を展開してきました。この闘いの中で5人の組合員が解雇になってますから、文字どおり一心同体で闘ってきましたし、三里塚闘争の位置をもっともっと高めたいという思いはずっとありました。
 ――「三里塚闘争は動労千葉自身の闘いだ」と訴えてこられました。
 田中 労働組合は本来、農民闘争やさまざまな市民運動・住民運動と広く連帯し、自らの闘いとしてともに闘えるのは当然のことですが、開港を目前にした77年の年頭会見で当時の福田赳夫首相が、「労使正常化」と「成田開港」を打ち出しました。労働運動を骨抜きにしてつぶし、他方で三里塚闘争をつぶして成田を開港するということです。その背景は74〜75年恐慌です。
 動労千葉は、この渦中でジェット燃料貨車輸送阻止闘争に立ち上がりました。この闘争を巡って動労本部から統制処分を受け、本部からの分離・独立闘争を闘うところまで行きました。われわれがジェット燃料を運ぶのかどうかが直接的に問われたわけだし、福田発言に明らかなように、開港による三里塚闘争の解体と労働運動の変質・解体攻撃は一体でした。実際、「労使正常化」路線のもとで労働運動の体制内化が一気に進みます。労働運動自身の問題だったんです。ジェット燃料輸送の当事者としては、この問題から身をそらしたら労働組合としてはつぶされる。中途半端に闘ってもつぶされる。団結を守りぬくために徹底対決する道を選んだわけです。
 ――動労カクマルは、そこで退いた。
 田中 そのとおりです。実際の闘いが始まった瞬間に動労本部は裏切った。そこから急坂を転がるように転落し、国鉄分割・民営化の手先にまで成り果てたんです。逆に動労千葉は、ジェット闘争と分離・独立闘争を闘いぬいた団結があったから国鉄分割・民営化攻撃と闘いぬけたんです。
 今、この開港時以来の決戦が来ています。この大恐慌下の歴史的決戦の中で三里塚闘争がどうなるのかは日本の階級闘争、労働運動を左右する位置を持っています。
 何よりも市東さんの農地を巡る闘いが決戦化しています。現闘本部裁判も年内結審が策動されています。11月集会の爆発と10・11三里塚現地闘争は一体だと強く訴えたいですね。
 ――臨時国会では改憲・戦争を巡る問題も焦点になります。
 田中 11月集会への1万人結集は、改憲・戦争の攻撃と正面対決する闘いでもあります。
 6月11日に憲法審査会規程が決まり、自民・公明はもう委員を選んでます。民主党が委員を選べば動き出す。もう一歩危機が深まれば直ちに事態は動き出します。自衛隊のソマリア沖派兵が強行され、海賊対処法が成立し、北朝鮮のロケット発射を巡っては現実とかけ離れた恐怖があおられ、迎撃態勢という事実上の「宣戦布告」が行われました。
 10月臨時国会が始まる中で11月集会が開催される意味は大きいですよ。戦争を止める力は、労働者の団結した力にしかありません。これも11月集会の大きな課題です。
(写真 前列に並び決戦の先頭に立つ決意を表明する動労千葉の執行部。発言者は新副委員長の大竹さん【9月28日 DC会館】)

 スローガンを具体的闘いに

 ――われわれにいま問われている課題は。
 田中 去年の11月集会では、「今こそ“生きさせろ!”の声を真正面から上げ“ゼネストが必要な情勢だ”と各職場に帰って闘いを組織しよう」と訴えました。これに全国の仲間が必死に応えてくれて、ストを始めとする無数の闘いが展開されました。この経験はすごく大事で、無尽蔵の教訓に満ちています。まずは一人でもこの状況に抗して立ち、資本や当局、体制内派幹部たちが支配する職場で階級的労働運動をつくろうという挑戦が始まった。
 問われていることは、ここからもう一歩飛躍して無数の労働者と結びつくことです。体制内派との闘いは職場の労働者の獲得戦です。資本・当局、そして体制内派の支配とそのイデオロギーの中で多くの労働者があきらめさせられ、労働者には力がないと思わされ、労働組合なんてこの程度の存在だと思わされてきました。体制内派との闘いとは、こういう現場労働者との格闘でもあります。自らの体制内的あり方を日々打ち砕き、未来と展望を語り、現場の労働者に信頼され、「こいつにならついていく」という存在に飛躍しないといけない。スローガンは明確です。「民営化・労組破壊粉砕」「道州制絶対反対」「派遣法撤廃」「改憲・戦争反対」。それを単なる立場表明にしないで具体的な闘いをどうつくっていくか。この出発点に立つところまで前進してきたわけです。
 労働者が飯も食えなくなり、他方で、腐りきった労働組合によって労働者の団結が破壊されています。もう一歩進めば、間違いなく労働組合が戦争の先兵になる。この現実の中で、マルクス主義や階級的原則を貫くことは大変なことです。だいたいは体制内派に転落していく。現場の困難に負けて日和ったり、ひとりよがりになったり、失敗も大いにあるだろうし、そこからもう一度マルクス主義の原則に戻って……と繰り返しながら進むしかない。この中で鍛えられ、全軍を率いる労働運動のリーダーが現場労働者の手でつくられていく。この困難の中にこそ可能性があるんです。
 動労千葉自身も、いま再び問われてます。組織拡大闘争の一定の前進を切り開いたがゆえに猛烈な反動がきています。今までのあり方ではこれ以上前に進めない。動労千葉も完成されたものじゃないわけですから、現場との関係、資本との関係の中で指導部が日々問われ、方針を形づくっていく必要がある。その繰り返しの中で路線を鍛え、時代を見据え、問われている課題を明確にしてきました。10・1ストを新たな出発点に、さらなる組織拡大闘争に突入します。これが資本に最も大きな打撃を与えるし、1047名解雇撤回への一番の近道だと思っています。簡単ではないですがここに挑むしかないと決意しています。
 われわれが1万人の労働者を結集する力を持てば、どれほどの可能性が広がるかはもう見えています。なんとしてもやりきろうじゃないですか。1万人の結集に向かって全力疾走しましょう。

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週刊『前進』(2410号4面1)(2009/10/05 )

 綱領草案 革命的共産主義者同盟全国委員会

 わが党の目的

 (一)

 労働者階級(プロレタリアート)の解放は、労働者自身の事業である。この解放は、資本主義社会の全面的な転覆によって達成される。そして労働者階級の階級的解放は同時に、階級社会のもとでのあらゆる抑圧・差別からの人間の解放、すなわち普遍的な人間解放である。
 労働者階級は、生産の担い手であり、社会の真の主人公でありながら、資本主義のもとでは一切の生産手段・生活手段を奪われて資本の賃金奴隷となる以外に生きることができない。そこでは、人間の根源的な活動である労働は資本の自己増殖の手段となり、労働者は人間ではなく労働力商品として扱われている。プロレタリア革命とは、労働者階級が資本家階級(ブルジョアジー)の支配を打ち倒し、ブルジョア国家権力を粉砕してプロレタリア独裁を樹立し、資本家階級の私有財産としてある社会的生産手段のすべてを団結した労働者のもとに奪い返して、自らの手で全社会を再組織することにほかならない。それは賃労働と資本の関係を廃止すると同時に、一階級による他階級への抑圧と搾取そのものを終わらせ、社会の諸階級への分裂をなくし、本来の共同性を人間の手に奪い返すものとなる。
 われわれ革命的共産主義者同盟の目的はただひとつ、この労働者階級自己解放の闘いの全面的な貫徹とその完全な勝利にある。すなわち、資本主義・帝国主義の完全打倒=プロレタリア世界革命の完遂と階級社会の廃止、真の人間的な共同社会=共産主義社会の建設である。

 (二)

 この革命は、現代においては反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命としてのみかちとられる。
 レーニンが規定したように、帝国主義は資本主義の最高の発展段階であるが、そのもとでは資本主義の矛盾は著しく激化し、帝国主義戦争と大恐慌の爆発はともに不可避である。帝国主義の時代はプロレタリア社会主義革命の時代そのものである。
 1917年のロシア革命は帝国主義打倒のプロレタリア世界革命の突破口を切り開き、現代世界は資本主義から社会主義への世界史的過渡期に突入した。だが一国社会主義論をもってマルクス主義・レーニン主義を破壊し、ロシア革命を変質させたスターリン主義は、国際労働者階級の世界革命完遂への闘いを裏切り、圧殺して、逆に帝国主義の世界支配の補完物となり、帝国主義の延命を支える巨大な反革命へと転落した。このスターリン主義は、旧ソ連・東欧の崩壊をもってすでに歴史的に破産したが、完全に打倒されたわけではない。中国は今日、アクロバット的な資本主義化政策によって経済大国化しているが、その本質は反プロレタリア的な残存スターリン主義そのものである。さらに、スターリン主義による社会主義・共産主義の歪曲、とりわけマルクス主義の核心である労働者自己解放の思想の否定と解体は、今日なお世界の階級闘争に害毒を流し続けている。プロレタリア革命を完遂するためには、帝国主義の打倒とともに、スターリン主義を完全打倒する第二の革命をやりぬいて、真のマルクス主義を労働者階級の手に全面的に奪い返して闘うことが不可欠である。

 (三)

 この目的を実現するために、プロレタリアートは、自らを独自の政党(革命的労働者党)に組織して闘うことを必要とする。プロレタリア革命は、階級対立の中から自然に成長して実現されるものではなく、自らの歴史的使命を自覚したプロレタリアートによるブルジョアジーの打倒・労働者階級の政治権力樹立という、目的意識的な闘いをとおして初めて達成される。
 われわれはさらに、資本の支配を全世界的に覆すための労働者階級の国際的な軍勢の一員となって闘う。そして帝国主義各国および全世界の闘う労働者との階級的連帯と団結のもとで、まずは自国のブルジョアジーを打倒するために全力を挙げて闘う。

 革命情勢の成熟

 (四)

 プロレタリア世界革命を実現する歴史的条件はすでに圧倒的に成熟している。今日の世界大恐慌の爆発は、労働者階級が総蜂起して、最末期の危機にのたうつ資本主義・帝国主義を最終的に打ち倒す時が完全に来ていることを示している。
 ロシア革命後、1929年大恐慌から第2次大戦を経て21世紀の今日に至る歴史は、危機を深める帝国主義が、スターリン主義の裏切りに助けられることで労働者階級の相次ぐ革命的決起を圧殺し、延命に延命を重ねてきた歴史である。だがそれは、資本主義・帝国主義の危機と腐敗をさらに極限まで推し進めるものであった。とりわけ労働者階級の怒りを体制の内側に改良主義的に吸収することによって資本の支配を維持しようとしてきた戦後の国家独占資本主義政策は、その矛盾と破綻を1974〜75年恐慌として爆発させた。1980年代に本格化する新自由主義政策は、この帝国主義が行き着いた最後のあがきであった。それは資本のむきだしの弱肉強食の論理で全社会を覆いつくし、労働者階級への無制限の搾取の上に経済のバブル化・投機化を大々的に推進し、民営化による公教育や医療などの解体によって社会全体を荒廃と崩壊のふちに叩き込んだ。そして、一握りの帝国主義ブルジョアジーが他の一切の人民を犠牲にして莫大な富を手中にする状態をつくりだしてきた。
 今日の世界大恐慌は、その新自由主義の全面破産の結果であり、過去1世紀にわたって積み重ねられた全矛盾の爆発である。新たな延命の道などもはやない。今や大恐慌をプロレタリア革命に転化することだけが、大失業と戦争(核戦争を含む)の破局を阻み、労働者階級はもとより全人類を破滅への行進から救い出す唯一の道である。全世界に巻き起こる労働者や農民の「生きさせろ!」の叫びを、今こそ現実の革命に転化する時だ。

 (五)

 一切のかぎは、資本の支配のもとで徹底した分断と競争にさらされている労働者が、この分断を打ち破って階級としてひとつに団結して立ち上がることにある。この団結の発展の中に、奪われてきた人間本来の共同性が生き生きとよみがえってくる。これこそが労働者階級のもつ本当の力である。社会を変革する真の力はここにある。
 今日の資本主義・帝国主義は、資本のはてしない増殖運動の結果として、巨大な生産力とともに、資本主義の墓掘り人であるプロレタリアートを全世界に膨大に生み出している。万国の労働者が団結して決起するなら、資本主義社会を転覆して共産主義社会の建設に直ちに着手する諸条件はすでに完全に成熟しているのだ。

 革命の核心問題

 (六)

 プロレタリア革命をやりぬくためには、労働者階級はまず、ブルジョアジーの手から政治権力を奪取して、自らを支配階級に高める必要がある。プロレタリア革命は本質的に暴力革命である。ブルジョア独裁の国家権力を打倒して労働者階級が打ち立てる新しい国家は、プロレタリアートの独裁である。
 プロレタリア独裁の樹立は、ブルジョアジーの抵抗を完全に打ち破るために必要であるだけではない。労働者階級がこの革命をとおして旧社会の汚物を一掃し、階級社会を廃止し、共産主義社会を建設する能力を実際に獲得していくためにこそ必要である。
 したがってそれは、ブルジョア国家の特徴である巨大な軍事的・官僚的国家機構を暴力的に破壊・解体し、それを全人民の武装を始めとした全く別のもの(コミューン型国家、自らの死滅を準備する国家)に置き換えていくところから出発する。労働者階級はそのもとで、自分たち自身を一人残らずプロレタリア独裁権力の直接の担い手へと高め、生産を再組織し、社会の全問題を団結して解決していく力を身につけていく。さらに農民を始めすべての勤労人民をも労働者国家の共同の担い手として獲得し、組織して、諸民族の対立をなくし、都市と農村の対立をも究極的に止揚し、差別も抑圧もない社会を現実につくりだすために闘うのだ。
 これこそ、労働者階級が、1871年のパリ・コミューンの経験、1905年や1917年のロシア革命におけるソビエト(労働者・農民・兵士代表評議会)樹立の経験をとおして、歴史的につかみとってきた共産主義社会実現への道である。

 (七)

 革命の勝利にとって決定的なのは、労働者階級の党の建設である。マルクス主義を歪曲したスターリン主義は、党を、現実の労働者階級の外部に、階級の上に立つ特別の集団として位置づけてきた。だが『共産党宣言』も言うように、プロレタリアートの党は、労働者階級全体の利益から切り離された利益をもたない。また特別の原則を立てて、その型に労働者階級の現実の運動をはめ込もうとするものではない。労働者階級はその闘いをとおして、自らの力で党をつくりだす。党とは、労働者階級の権力樹立とそれをとおした共産主義の実現を直接に目指す共産主義者の政治的結集体である。したがって党は、労働者階級の一部であり、その階級意識を最も鋭く体現する最高の団結形態であり、最も鍛え抜かれた階級の前衛である。
 この党建設は、資本との絶対非和解を貫く労働者階級の階級的団結の形成を一切の軸にすえて闘う中でこそかちとられる。現代においては、何よりも、闘う労働組合をよみがえらせることと一体で形成・確立されるものである。
 労働者階級は党をつくりだすことで、自らを一個の政治勢力として登場させる。党は階級闘争の先頭に立ち、その中でつねに労働者階級の部分ではなく全体の利害を代表し、運動の現在だけでなく未来を体現し、社会革命の諸条件とプロレタリアートの歴史的使命を全階級の前に正面から提起して闘う。労働者階級はこの党を中心にすえて、資本家階級とその国家権力によって加えられるあらゆる圧殺攻撃を打ち破り、労働組合を基礎とした階級全体の団結を強化し発展させ、権力奪取のための一斉武装蜂起に向かって、その勝利に必要な一切を意識的・計画的に準備していくのである。この党はしたがって、本質的に非合法・非公然の党として、同時にマルクス主義の党、世界単一の労働者階級の党として建設される。

 (八)

 こうした党を建設し、労働者階級の革命的な階級形成をかちとっていく上で最も重要なことは、労働組合の存在と役割である。労働組合の革命的役割を復権することこそ、マルクス主義をよみがえらせる闘いの核心である。
 労働組合は、労働者が団結して資本と闘う武器であり、労働者階級の最も基礎的な団結形態である。第1インターナショナルの決議「労働組合、その過去・現在・未来」は、「労働組合は、資本と労働のあいだのゲリラ戦のために必要なのであるが、賃労働制度そのものと資本の支配を廃止するための組織された力としてより一層重要である」と提起した。すなわち、労働組合は、党の闘いを媒介として、職場生産点における資本との日常的な闘いをとおして個々の労働者を階級として団結させ、革命の主体として打ち鍛える「社会主義の学校」(マルクス)である。そしてその団結の力をもって、職場の支配権を資本家階級の手から実力で奪い取り、社会的生産を支配していく力を獲得する。この労働者階級による職場生産点の支配とその全社会的な拡大こそ、ブルジョア国家権力の打倒=プロレタリア革命の勝利を保障する決定的条件である。
 さらに労働組合は、プロレタリア独裁を支える〈党・労働組合・ソビエト>という三つの柱の戦略的一環を形成し、全労働者にとっての「共産主義の学校」(レーニン)となり、階級対立の廃止と共産主義社会建設への前進を切り開いていく土台となる。
 帝国主義とスターリン主義のもとではしかし、資本に飼いならされた労働貴族や体制内改良主義の支配のもとで、労働組合の革命的役割は否定され、組合は逆に資本の労働者支配を支える一手段に変質させられてきた。この現実を現場労働者の決起をもって打ち破り、その本来の姿を圧倒的によみがえらせることが今こそ求められている。

 21世紀革命の課題

 (九)

 今日、全世界の労働者に求められているのは、大恐慌と戦争への対決である。その最大の焦点は、労働組合と労働運動をめぐる革命と反革命との激突にある。
 大恐慌の爆発は、帝国主義戦争を不可避とする。この戦争は、労働者の階級的団結が徹底的に破壊され、労働組合が資本家階級の行う戦争に率先協力する機関に変質させられることによって可能になる。これが第1次大戦と第2次大戦の歴史的教訓である。今まさに全世界で、帝国主義の戦争と民営化・労組破壊攻撃に対して絶対非和解で闘うのか、これに屈服するのかという形で、労働組合と労働運動の進むべき道をめぐる一大分岐と激突が始まっている。それは同時に、プロレタリア革命に恐怖して登場してくるあらゆる反革命勢力、ファシスト勢力との激突である。ここで労働者階級が屈服せずに断固として闘いぬくならば、闘う労働組合と階級的労働運動を全世界的規模でよみがえらせ、労働者階級による権力奪取への道を直接にこじ開けるものとなる。

 (一〇)

 この闘いは同時に、帝国主義とスターリン主義のもとで抑圧民族と被抑圧民族に分断されてきた労働者階級が、プロレタリアートとしての国際的=階級的団結を回復していく闘いである。民族・国籍・国境を越えたプロレタリアートの階級的団結こそ、帝国主義による侵略戦争・世界戦争を実力で阻止し、プロレタリア世界革命を現実にたぐり寄せるものである。

 (一一)

 資本主義・帝国主義の打倒は今や、農民を始めとした勤労諸階級・諸階層の人民にとって、生き続けるためのきわめて切実な要求となっている。農業・農民問題の真の解決はプロレタリア革命に課せられた大きな課題であり、農民の革命的決起は、プロレタリアートの勝利を決するうえで決定的な位置をもっている。プロレタリア革命における労農同盟の巨大な意義を明確にして闘う。

 (一二)

 国際帝国主義の最弱の環は日本帝国主義である。
 経済大国日帝の実体は米帝の世界支配によりかかった脆弱なものでしかない。日本の帝国主義としての最大の破綻点は、戦後憲法体制下の労働者支配の危機性と、安保・沖縄問題、すなわち日米安保同盟関係の矛盾と危機にある。世界大恐慌下でその矛盾と危機はいよいよ爆発点に達していく。これが生み出す巨大な情勢を日本革命の勝利に転化することは急務である。
 今日すでに日本帝国主義は体制的危機に陥っている。そのため日帝は、帝国主義侵略戦争への体制を強化し、安保・沖縄攻撃、改憲攻撃、民営化と道州制、労組破壊の攻撃を強めてきている。しかし、日帝は今や財政破綻国家であり、その政治支配体制は崩壊的危機にひんしている。戦後革命期以来、最大の革命的情勢が到来したのである。今や一切は、帝国主義のもとで戦争・失業・搾取・収奪・病苦・虐殺の地獄の苦しみに突き落とされるのか、それともプロレタリア革命によって日本帝国主義打倒、日帝国家権力打倒を闘いとり、社会主義への道を切り開くのか――ここにかかっている。この戦争か革命かの帰趨は、すぐれて労働組合・労働運動をめぐる攻防での労働者階級の勝利にかかっている。
 資本家的政治支配、階級支配が解体的動揺に陥る中で、天皇制は帝国主義ブルジョアジーの反革命的結集のシンボルとなる。労働者階級はプロレタリア革命の一環として、天皇制の一切の形態を粉砕し、根こそぎに一掃する。

 (一三)

 日本革命の勝利は、朝鮮半島の南北分断打破・革命的統一をめざす朝鮮プロレタリアートの闘いと連帯し、また中国スターリン主義打倒をめざす中国プロレタリアートの闘いと連帯してかちとられる。そしてこの勝利は、帝国主義の総本山であるアメリカ帝国主義の打倒へ向けたアメリカ労働者階級の歴史的決起と結合して、今日の大恐慌をプロレタリア世界革命の勝利に転化する突破口となる。

 (一四)

 われわれの基本精神は、マルクスとエンゲルスが『共産党宣言』の末尾に記した次の言葉にある。
 「共産主義者は、自分たちの見解と意図を隠すことを軽蔑する。共産主義者は、自分たちの目的が、これまでの一切の社会秩序の暴力的転覆によってしか達成されえないことを、公然と宣言する。支配階級よ、共産主義革命のまえに震えあがるがよい! プロレタリアは、この革命において鉄鎖以外に失うものは何もない。プロレタリアが獲得すべきは全世界である。万国のプロレタリア、団結せよ!」 
 2009年 秋

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週刊『前進』(2410号5面1)(2009/10/05 )

 革共運動の50年 新たな飛躍

 綱領草案は現代の「共産党宣言」だ

 反帝・反スターリン主義の旗のもと大恐慌をプロレタリア世界革命へ

 

(写真左 1959年11月27日、60年安保改定阻止闘争の突破口を開いた国会デモ。全学連と労働者2万人が国会に突入し構内を埋めた)
(写真右 1967年10月8日、佐藤首相の南ベトナム訪問阻止闘争。滑走路目前の羽田弁天橋上で装甲車を奪い革共同旗が翻った)

 

(写真左 1969年1月、東大安田砦死守戦の先頭に立った中核派。安田講堂のバルコニーから機動隊の攻撃を迎え撃った)
(写真右 1981年3月、動労千葉は成田空港へのジェット燃料貨車輸送の期限延長に抗議、三里塚反対同盟と連帯して5日間のスト)

  1959年9月、本紙『前進』創刊号の巻頭論文で、革共同の創立者であった本多延嘉同志は、「反帝国主義・反スターリン主義の旗のもと、革共同全国委員会に結集せよ」という熱烈な呼びかけを発した。それから50周年を迎えたこの秋、革共同は、第25回拡大全国委員会総会を開催して綱領草案を採択し、革命的共産主義運動の新段階突入を宣言した。この綱領草案を高く掲げ、プロレタリア世界革命へ進撃しよう。

 労働者自己解放の思想

 革共同が25全総で採択した綱領草案は、階級的労働運動をよみがえらせるための全党の同志の白熱的実践がついに闘いとった地平である。それは、革共同の半世紀にわたる苦闘の結晶である。と同時に、何よりも06年の党の革命以来の労働者同志を先頭とした革命的労働者党建設の闘いの決定的前進こそが、綱領草案を生み出すことを可能にした。
 まさに全党の同志が、自らの階級的実践と熱烈な討議をとおして、ここに21世紀のプロレタリア世界革命を闘いとる綱領を共同して創り上げたのだ。
 わが革共同は、この綱領草案を、全世界のプロレタリアートの前に現代の『共産党宣言』として提出する。そして、資本主義社会の全面的な転覆と真の人間的な共同社会=共産主義社会の建設に向かって、世界の労働者階級が団結して総決起する時が来たことを公然と呼びかける。この綱領草案のもとに、革命的共産主義者としての生死をかけた団結を闘いとること、世界単一の革命党の建設を真っ向から提起し、その最先頭で闘うことを宣言する。
 綱領草案は四つの章と14の項目で構成される。その一つひとつが、プロレタリア革命とは何か、労働者階級の根底的解放はどのようにして達成されるか、そのためには何が必要かを、原理的に、かつきわめてシンプルに提起している。
 これらはすべて、マルクス主義の核心問題である。だが19世紀の思想の単なる焼き直しではない。労働者階級の党である革共同が、今日の資本主義・帝国主義に対する動労千葉労働運動を先頭とした必死の闘いをともに担いぬくことをとおしてつかみ直し、発展させてきた到達点である。文字どおり自らの血と汗で闘いとった、「生きたマルクス主義」がここにある。
 綱領草案の意義と内容については、『共産主義者』162号に収録された25全総の第2報告をぜひ参照していただきたい。最大のポイントは、以下の四つの点に集約される。
 第一に、マルクス主義の核心中の核心である労働者階級自己解放の思想を全面的によみがえらせたことである。
 綱領草案は、「労働者階級(プロレタリアート)の解放は、労働者自身の事業である」という言葉で始まっている。資本主義社会を転覆する力は労働者階級自身の中にある。資本の支配のもとで一人ひとりバラバラにされ、互いに分断・対立・競争させられてきた労働者が、階級としてひとつに団結する中に、賃金奴隷の鉄鎖を根底から断ち切る力が生まれてくる。そして労働者階級の解放は同時に、階級社会を最終的に廃止して、あらゆる搾取と差別・抑圧からの全人間の解放を実現する道を開くのだ。ここにプロレタリア革命の本質がある。
 この労働者階級自己解放の思想はしかし、ロシア革命を変質させたスターリン主義のもとで長い間、否定され解体されてきた。逆に、現実の労働者には社会を変える力などないという、労働者階級への蔑視と不信がまかりとおってきた。これを真っ向から打ち破って、労働者階級こそ唯一の革命的階級であることを宣言し、その歴史的使命を明らかにしたのが綱領草案である。
 第二に、「反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命」を、現代革命の唯一の綱領として全世界の前に再提起したことである。
 革共同はすでに50年前、世界革命の放棄とマルクス主義の歪曲によって帝国主義の延命に手を貸してきたスターリン主義の反革命的本質を見抜き、帝国主義打倒とともにスターリン主義打倒を公然と掲げて出発した。プロレタリア革命は世界革命であることを明確にすると同時に、「労働者国家無条件擁護」を掲げるトロツキー教条主義と闘って、スターリン主義体制打倒の第2革命の必要性をはっきりさせ、反帝・反スタの綱領的立場を確立した。
 今日、旧ソ連・東欧の崩壊に続く、残存スターリン主義・中国や北朝鮮の危機のはてしない深まりは、スターリン主義の歴史的破産を完全に示している。だがそのスターリン主義はまだ完全には打倒されてはいない。むしろ今日の大恐慌下、労働者階級の革命的決起に恐怖し、帝国主義者と一体となってその圧殺に真っ先に動き出しているのが日本共産党などのスターリン主義だ。今こそ反帝国主義・反スターリン主義を徹底的に貫いて、プロレタリア世界革命の実現に突き進もう。

 労働組合の革命的役割

 第三に、プロレタリア革命は暴力革命であり、プロレタリア独裁の樹立こそ革命の核心問題であることを明確にしたことである。
 労働者階級は、自らの解放をかちとるためにはブルジョア国家権力を打倒して、自分自身の政治権力を打ち立てなければならない。それは、議会を通じた政権交代などでは断じてない。蜂起したプロレタリアートは、現在の国家機構を徹底的に粉砕して解体した上に、これまでの国家とはまったく異なる新しい型の国家をプロレタリア独裁権力として打ち立てる。そのもとで、資本家階級の私有財産とされてきた社会的生産手段の一切を労働者階級の手に奪い返し、共産主義社会の建設に向かって全社会を再組織していくのだ。
 今日、連合はもとより日本共産党や社民党も、塩川一派も、資本主義救済に走るあらゆる潮流がこぞってこのことを否定し、革命への敵意をむきだしにしている。革共同は、今やスターリン主義の発生はレーニン主義にあるなどと言い出した塩川一派の転落と敵対を断じて許さない。1871年のパリ・コミューン、1917年のロシア革命が切り開いた道を断固として進む。そしてレーニンとボルシェビキ党が挑戦して最後までやりぬけなかった闘いを、われわれの手で完遂する。
 第四に、プロレタリア革命における労働組合の革命的役割を明確にし、労働組合をめぐる闘いの決定的意義を、マルクス主義の原点に立ち返って明らかにしたことである。
 労働者階級は、プロレタリア革命をやりぬくために自らを独自の党に組織する。党は労働者階級の一部であり、その最高の団結形態であり、最も鍛えぬかれた前衛である。革命は、この党が労働者階級全体を獲得し、全労働者の団結とその一人ひとりの自己解放への爆発的な決起を引き出すことによって勝利する。そのためには、党と労働組合の結合が不可欠である。
 労働組合とは、労働者が団結して資本と闘う武器であり、労働者階級の最も基礎的な団結形態である。労働者は資本の無制限の搾取と日々闘って自分自身と家族の生活を守りぬくために、労働組合を必要とする。だが労働組合は、資本との日常的なゲリラ戦を闘うために必要なだけではない。賃金奴隷制そのものを廃止し、資本の支配を打ち倒すための労働者階級の組織された力として、より決定的な意義をもつ。
 労働組合のこの本来の姿はしかし、帝国主義とスターリン主義の支配のもとで徹底的に否定されてきた。労働組合は労働者の経済要求の改良主義的実現のための組織であり、労働組合と革命運動を結びつけるなどとんでもないという考え方が、逆に労働運動の「常識」として横行してきた。労働組合はもはや労働者が資本と闘う武器でさえなくなり、一握りの労働貴族が資本の手先となって現場労働者を支配する手段にまで変質した。
 この現状を真っ向からぶち破って、闘う労働組合の本来の姿を全世界的によみがえらせる中にこそ、21世紀のプロレタリア世界革命をたぐり寄せる最大の戦略的課題がある。この闘いを、最先頭で切り開いているのが動労千葉労働運動であり、11月労働者集会に結集する全国・全世界の闘う労働者・労働組合なのである。
 今日、世界大恐慌が爆発し、新たな侵略戦争・世界戦争の危機が深まる中で、労働組合と労働運動をめぐって革命と反革命との大激突が闘われ、その成否が革命の成否を決する情勢に入っている。綱領草案は、この問題を綱領的次元でとらえ返し、現代におけるプロレタリア革命の核心問題として位置づけたのである。このことは、革共同がついに到達した歴史的地平である。

 半世紀の闘いの到達点

 25全総の開催と綱領草案採択は、革共同半世紀の闘いの到達点であり、新たな巨大な飛躍への出発点である。
 革共同の創立以来、この50年間をわれわれは、反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命の旗を高く掲げ、社・共に代わる革命的労働者党の建設をめざして一心不乱に闘いぬいてきた。60年安保闘争、70年安保・沖縄闘争、大学闘争や三里塚闘争など日本階級闘争の最前線に一貫して立ち続け、闘いを最先頭で牽引(けんいん)してきた。日帝権力による組織絶滅型の大弾圧を獄内外の団結によって断固としてはねのけ、反革命ファシスト集団・カクマルの白色襲撃との20年にわたる血みどろの内戦をも戦いぬいて、完全勝利をかちとってきた。
 こうした様々な試練をくぐりぬける過程で自らの内部に生じた誤りやゆがみも、労働者同志の決起を先頭に、闘いの中でのりこえてきた。そして今日、動労千葉労働運動の不屈の前進と結合し、綱領草案の発表をもって、党建設の新段階に突入したのである。
 われわれは今や、自らの党としての「途上性」に自分自身の手で終止符を打つ。そして本物の革命的労働者党として、プロレタリア世界革命の勝利に責任をとる共産主義者の党として、一点のあいまいさもなく立ち切ることを宣言する。そして職場生産点を始めとしたあらゆる闘いの現場で全責任を引き受けて闘う中でこそ、そこで明らかになる自己の未熟さや弱点と徹底的に対決し、のりこえ、飛躍につぐ飛躍を実現しながら進むのだ。
 日本と世界の労働者、とりわけ青年労働者と学生に訴える! 今こそ革共同の旗のもとに結集し、21世紀革命の実現という前人未到の課題に向かってともに総決起しよう。最後に勝利するのはわれわれだ。ともに闘おう。
(写真 2008年11・2労働者集会の後、都心デモの先頭に立つ動労千葉と韓国民主労総ソウル本部とアメリカILWUローカル10などの労働者)

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週刊『前進』(2410号5面2)(2009/10/05 )

 革命的共産主義運動の略年表

 【前史】

1955年7月 日本共産党6全協
1956年3月 ソ連共産党20回大会で「スターリン批判」/10月 ハンガリー革命
1957年1月 革命的共産主義者同盟創立
1958年〜59年 東大、早大など日共大学細胞で、スターリン主義との闘いに次々勝利
1958年夏 第1次分裂。トロツキー教条主義との闘い/12月 共産主義者同盟(ブント)結成

 【革共同全国委員会の歴史】

1959年8月 第2次分裂。トロツキー教条主義と闘い、革共同全国委員会結成/9月 全国委員会機関紙『前進』創刊
1960年4月 マルクス主義学生同盟結成。ブントとともに安保闘争の先頭に立つ
1961年1月 マルクス主義青年労働者同盟結成/3月 ブントの革命的部分が革共同に結集/夏 革共同第1回大会
1962年9月 革共同第3回全国委員会総会(3全総)。戦闘的労働運動の防衛と創造、地区党建設、革命的統一戦線について決定。動労千葉労働運動の原点/年末から翌春 3全総にたじろぎ、黒田と松崎らカクマル派が逃亡
1964年 原子力潜水艦横須賀寄港阻止闘争
1965年 日韓闘争(日韓条約批准阻止闘争)/8月 反戦青年委員会結成
1966年8月 革共同第3回大会
1967年2〜7月 砂川基地拡張反対闘争/10月 10・8羽田闘争。羽田、佐世保、三里塚、王子の「激動の7カ月」 
1968年10月 米軍タンク車輸送阻止の新宿闘争(騒乱罪適用)
1969年1月 東大安田砦攻防戦。68年以降、日大・東大など全国大学闘争が高揚/4月 沖縄闘争(破壊活動防止法扇動罪適用。本多書記長ら逮捕)/10、11月「第1の11月決戦」。「沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」を掲げて学生と労働者が武装闘争に決起
1970年6月 安保闘争。革命的左翼が社・共を上回る大衆的な決起/7月 闘う中国人青年からの糾弾を受け「連帯戦略」を形成(7・7自己批判)
1971年2〜9月 三里塚軍事空港粉砕の土地強制収用阻止闘争/11月 沖縄返還協定批准阻止の「第2の11月決戦」(再度の破防法適用)。11・14渋谷暴動闘争で、後に星野文昭同志にデッチあげ殺人罪で無期懲役攻撃(現在獄中35年)/12月 関西でのカクマルの武装襲撃で中核派の2学生虐殺(12・4反革命)。二重対峙・対カクマル戦に突入
1973年9月 革命的報復戦の開始
1975年3月 カクマルによる本多延嘉書記長虐殺(3・14反革命)。3・14報復戦に突入。「先制的内戦戦略」を確立
1977年8月 動労千葉地本がジェット燃料貨車輸送阻止闘争に突入
1979年3月 動労千葉が動労本部から分離独立
1981年 第5回大会。先制的内戦戦略フェーズU(第2段階)に転換。国鉄・三里塚決戦に全面的に突入
1985年10月 三里塚2期着工阻止決戦/11月 国鉄分割・民営化反対で動労千葉がスト突入。中核派が11・29浅草橋戦闘
1986年5月 迎賓館ロケット弾戦闘。権力は革共同壊滅の「5・7宣言」体制発動/10月 「10月の挑戦」と爆取弾圧粉砕の闘い
1989年7月 長谷川英憲氏が都議に当選
1990年 天皇・三里塚決戦
1991年5月 5月テーゼ路線への転換
1994年6月 マルクス主義基本文献学習シリーズの刊行開始
1995年秋 19全総
1997年12月 20全総。清水丈夫議長―天田三紀夫書記長の最高指導体制を公表
1999年11月 闘う労働運動の新しい潮流の形成へ3労組呼びかけの11月労働者集会始まる
2001年 第6回大会。黒田=カクマル完全打倒の勝利宣言
2003年 新指導路線/11月 日韓米の国際連帯闘争始まる/12月 新生マルクス主義青年労働者同盟結成
2006年3月 関西の労働者同志を先頭に「党の革命」に突入
2007年1月 階級的労働運動路線打ち出す/7月 7月テーゼを発表/秋 塩川一派が7月テーゼと階級的労働運動路線に敵対し革共同から逃亡/12月 新生関西党員総会を開催、労働者指導部を軸に新体制確立
2009年7月 サンフランシスコ国際労働者会議/9月 25全総開く
 マル学同1000人、マル青労同1000人建設へ、世界革命勝利へ驀進中!

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週刊『前進』(2410号7面1)(2009/10/05 )

 安全破壊のJR体制打倒へ

 JR西日本 事故調報告の改ざん画策

 この責任逃れが民営化の正体

 05年4月のJR西日本・尼崎事故をめぐり、前社長の山崎正夫らJR西日本幹部が、国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会(現・運輸安全委員会)の委員と密会し、鉄道事故調査報告書の改ざんを求めていた事実が発覚した。山崎らは、国鉄OBの事故調委員に働きかけ、事故現場にATS(自動列車停止装置)が設置されていなかったことや、懲罰的な日勤教育が事故原因となったことなどを、事故調の報告書から削除させようと画策した。事故の責任の一切を現場労働者に押しつけ、卑劣な責任逃れを図る山崎らの姿に、国鉄分割・民営化の正体が現れている。
(写真 動労千葉と5・27臨大闘争弾圧被告団を先頭に尼崎事故現場まで怒りのデモ【4月25日】)

 首切りの張本人たちが結託

 JR西日本と密通して情報を漏らした事故調の委員は山口浩一と佐藤泰生。佐藤は同委員会の鉄道部会会長の地位にあった。これら委員と接触し、報告書の改ざんを求めたJR西日本の幹部として、山崎のほか、東京本部副本部長の鈴木喜也、安全推進部元担当部長の前田昌裕らの名前が挙がっている。また、事故対策審議室の室長でもある副社長の土屋隆一郎は、部下に事故調委員との接触を指示していた。まさに、会社ぐるみの組織的な事故調査報告書の改ざん工作だ。
 事故調委員の山口や佐藤は、事故調の審議状況を逐一、JR西日本に伝えるとともに、最終報告書案のコピーまで手渡していた。コピーを入手した山崎は、山口に「新型ATSが整備されていたら事故は防げた」という記述の削除を要求、これに応じた山口は事故調で、「後出しじゃんけん的であり、科学的でない。カットしたほうがいい」と主張した。
 尼崎事故の責任を問われ起訴された山崎は、社長辞任後も取締役に居座り、今回の事態が発覚してなお、「被害者対応、安全性向上」担当の取締役にとどまるとうそぶいている。何が「安全性向上」だ! 山崎らがやってきたことは、事故の全責任を運転士に押しつけ、自らの責任逃れを図ることだけではないか。
 事故調報告書の改ざん工作に関与したJR西日本幹部や事故調委員らは、すべて国鉄幹部として1047名の首を切った張本人だ。「稼ぐ」を絶叫し、安全を無視した無謀なスピードアップを強行した揚げ句、107人の命を奪う大惨事を引き起こしながら、その真の原因を押し隠し、責任を労働者に転嫁して自らは経営幹部の地位にしがみつく。そのおぞましいあり方は、日勤教育に象徴される強権的労務支配=労働者の階級的団結の解体と、安全の根本的な破壊の上に成り立っている国鉄分割・民営化体制を、必死になって護持しようとしたことから必然的になったのだ。
 山崎だけでなく、井手正敬、南谷昌二郎、垣内剛ら歴代のJR西日本社長にも、労働者の実力で事故の責任を絶対にとらせなければならない。

 事故の真相隠す国交省も同罪だ

 国土交通省も同罪だ。国鉄OBの事故調委員とJR西日本の改ざん策動の上に作成された事故調報告そのものが、国鉄分割・民営化と規制緩和を強行した国交省(旧運輸省)の責任を押し隠している代物だ。事故調報告は、軽量化車両やボルスタレス台車の問題などにも一切言及していない。
 事故現場となった半径304bの急カーブは、97年3月の東西線開通のために無理やり造られた。当時、鉄道本部長だった山崎は、このカーブの危険性を十分に認識しながら、無謀な高速ダイヤを維持するために、ATSを設置しなかった。
 福知山線の電車運転士は、時速約120`で高速走行し、このカーブの手前で時速70`へと急速にスピードを落とす「サーカス運転」を強いられてきた。こうした「魔の急カーブ」自体が事故の原因だ。

 解雇撤回貫き11月大結集へ

 JR西日本は、事故を逆手にとって強権的労働者支配を打ち立てようと躍起になっている。現場労働者には運転士を外した「106名の犠牲者」への黙祷(もくとう)を毎日強制し、事故現場での献花や立哨を業務命令でやらせ、「反省文」まで書かせている。
 山崎起訴後、新社長に就任した佐々木隆之は、「作業の工夫などで、効果を落とさず安全投資を削減することは可能だ」と言い放った。
 現にJR西日本では、今年2月20日の山陽本線・明石−西明石駅間での下請け労働者の触車死亡事故に続き、9月25日、山陽本線・尼崎駅付近で下請け会社の青年労働者が保線作業中、貨物列車にはねられ重傷を負う事故が起きている。
 この現実の中で、JR連合・西労組や国労西日本本部ら体制内派は、JR西日本が策定した「安全基本計画」に基づき業務に取り組むとして、一層の屈服を誓っている。
 他方、国労5・27臨大闘争弾圧被告団を先頭とする闘う国鉄労働者は、尼崎事故弾劾を真っ向から掲げ、JR資本と激突してきた。その闘いが真価を発揮する時が来た。
 こうした攻防の最先端で、動労千葉は10月1日、幕張車両センターでのストライキに立った。
 動労千葉は、JR東日本が00年に打ち出した合理化計画「ニューフロンティア21」以来、検修・構内の外注化を8年にわたり阻むとともに、青年労働者の結集をかちとってきた。これは、反合・運転保安闘争路線が生み出した勝利だ。合理化との闘いは資本との非和解的激突となる。その闘いを、動労千葉は資本にとって最弱点をなす安全問題を徹底追及することにより果敢に貫いてきた。
 これを憎悪したJR東日本は、動労千葉の拠点=幕張車両センター本区から組合役員を排除する組織破壊攻撃をかけてきた。動労千葉は、この攻撃への総力を挙げた反撃をたたきつけたのだ。
 さらに動労千葉は9月30日、東京高裁で運転士登用差別事件の逆転勝利判決をかちとった。
 大恐慌下でJRは、一層の外注化・合理化に乗り出している。JR総連、JR連合や4者4団体派を取り込んで、1047名闘争を解体し、労働者の階級的団結を破壊し去ろうと策している。この攻撃はさらなる事故の続発を不可避とする。
 これと根底的に対決する闘いは、不屈の精神で職場から反合・運転保安闘争を巻き起こすことだ。1047名解雇撤回を貫くことだ。11・1労働者集会1万人結集を何としてもかちとり、JR体制打倒へ進撃しよう。

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週刊『前進』(2410号7面2)(2009/10/05 )

 新幹線仙台駅で死亡事故

 全職場で反合・運転保安闘争を

 9月10日、JR東日本・東北新幹線仙台駅構内で、カ−ブを描く線路上のトロリー線(電気が流れる架線)張り替え作業中の下請け会社の労働者が、またも工事中の事故で殺された。死亡したのはJRの下請け会社「日本電設工業」(筆頭株主はJR東日本)の55歳の労働者だ。絶対に許すことはできない。
 事故が起きたのは深夜帯の午前1時40分。新幹線のトロリー線を約1・5`にわたり古いものから新しいものに張り替える作業中のことだった。
 事故の直前、工事用車両がなんらかの原因で緊急停止し、巻き取られた古いトロリー線がゆるんだ。その結果、古いトロリー線が仮吊りのハンガー(吊り金具)から外れて跳ね上がり、作業中の労働者の胸部を強打、労働者の体は弾き飛ばされた。その労働者は救急車で病院に運ばれたが、同日早朝に亡くなった。
 事故の直接の原因は、本来取るべき安全上の措置が取られていなかったことにある。トロリー線がカーブしている場合、ハンガーが外れたら強い引長力で直線になろうとして跳ね上がる。これを防止するためには、「曲引き金具」(ハンガーが外れても跳ね返らないように横からトロリー線をはさんで防止するもの)を取り付けなければならない。しかし、その措置は省略されていた。
 作業の効率化を図るという名のもとに徹底した利潤追求を強行し、列車運行を最優先して作業を急がせるJR資本と直営下請け会社の体質が、悲惨な事故をまたも発生させたのだ。
 こうした重大事故が起きたにもかかわらず、JRは同日未明に工事を再開し、何事もなかったかのように新幹線を平常どおり始発から走らせた。
 この事故の責任の一切はJR資本にある。国鉄分割・民営化以来JRは、利潤第一主義で鉄道輸送の根幹にかかわる安全業務を徹底的に外注化してきた。とりわけJR東日本は、「ニューフロンティア21」以来、JR各社の最先頭で外注化・大合理化を強行した。
 その結果、下請け労働者は絶え間なく虐殺され続けている。昨年9月には、東北本線・黒磯駅構内での感電死亡事故と八戸線・侍浜−陸中夏井間での触車死亡事故が立て続けに起きた。JR全体では、分割・民営化以来330人以上の下請け労働者が殺されている。これがJR資本の本質だ。
 JR東日本は、責任逃れのためこの事故について対外的には一切発表していない。マスコミもまったく報道せず、JRによる労働者虐殺を闇(やみ)に葬り去っている。
 資本の手先と化した労組幹部には、事故を社会的に暴露し、職場からの闘いで資本に安全を強制するつもりなどまったくない。JR総連・東労組は「死傷事故ゼロ」をペテン的に掲げた「グループ経営ビジョン2020−挑む−」の実施を要求しているありさまだ。
 国労東日本本部に至っては、事故についていまだ何の態度表明もしていない。JR東日本と包括和解を結んだ国労東日本本部は、労働者が殺されても抗議の声ひとつ上げることもできなくなっている。これが4者4団体派の裏切りの現実だ。
 その対極で動労千葉は10月1日、幕張車両センターにおけるストライキを断固貫徹した。
 今こそ動労千葉に続き全職場で反合・運転保安闘争に立とう。現場労働者の満身の怒りで、安全を根本から破壊したJR体制を打倒しよう。11・1集会1万人結集でその突破口を切り開こう。

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週刊『前進』(2410号8面1)(2009/10/05 )

 キャンパスに渦巻く怒りを10・16法大闘争へ

 全国学生1000人で日比谷に登場しよう

 “全世界で学生の大反乱を!”

 マルクス主義学生同盟中核派法大支部

(写真 4・24法大集会)

 カリフォルニアでスト

 全国学生は、11・1日比谷に1000人の隊列を登場させよう!
 世界大恐慌をプロレタリア革命へ! 昨秋以来の未曽有の大恐慌は、歴史的に蓄積された資本主義のあらゆる矛盾を暴き出し、労働者・学生の資本主義・帝国主義打倒への激しい怒りを呼び起こしている。その怒りは、8・30衆院選によって一気に解き放たれた。自民党政権を打ち倒し、帝国主義世界支配体制の崩壊と新自由主義の破産をブルジョアジーどもに突きつけた。そして、民主党・連合政権の振りまく「幻想」などで、もはや労働者階級の怒りの決起を押しとどめることはできない。8月30日に噴出した怒りを体制内的に収斂(しゅうれん)させるのではなく、この社会の根底的な変革に向かってどこまでも発展させる道こそ11・1労働者集会への1万人決起だ!
 巨大な歴史変革のうねりの中で、全国の大学キャンパスで「この時代に大学・学生はどうあるべきか、何をなすべきなのか」「時代をいかに見るべきか」と学生が政治討論を求め、行動と展望を求め、労働者階級とともに決起を開始している。学生の未来は、労働者階級の解放の中にこそある。11月集会に結集してくる世界的なランク&ファイル潮流、階級的労働運動との結合が決定的だ。
 体制内的制動をぶち破る11・1への1万人結集が、大学・教育をわれわれの手に取り戻す展望を開く。いつの時代も、歴史を前進させ未来を切り開くのは学生であり青年だ! 300万学生の団結に無限の可能性がある。キャンパスに渦巻く怒りと結合し、全国学生は11月1万人結集の最先頭に立とう!
(写真 カリフォルニア・バークレーで歴史的決起! 【9月24日】)

 大学・教育の民営化反対!

 全世界的に学生の大反乱が始まっている! 9月24日、アメリカ・カリフォルニア州全域の公立・州立大学で、学生が教職員とともに授業ボイコットとストライキに立ち上がった! 実に45年ぶりの歴史的事態だ。そして掲げられているスローガンは「トップからカットしろ!」「総長の首を切れ!」「大学の民営化反対!」「大学を取り戻せ!」「教育を無料にしろ!」「私たちが大学をつくる!」だ。
 なぜ学生反乱が巻き起こったのか? 大恐慌と大失業が学生を襲っているからだ。シュワルツェネッガー州知事とオバマ政権のもとで、「州財政の破綻」を口実にして教育破壊がガンガン進行している。教育予算の削減、大学職員の解雇、教授・講師の給与カット、学費の32%値上げ、学生の無権利化が激しく進んでいる。一方で、学費が払えない学生をカードローン地獄にたたき込み、軍隊に引っ張り出してイラクやアフガニスタンの戦場に送り込む。大恐慌が学生にもたらしているのは、教育の全面的な切り捨てであり、戦争そのものだ!
 カリフォルニアの学生決起は「戦争と民営化」に対する怒りの爆発であり、「オバマ幻想」をぶち破る偉大な闘いであり、帝国主義打倒−世界革命への号砲だ。そして、米西海岸におけるILWU(国際港湾倉庫労組)や教育労働者の闘いと一体となって、法大闘争と11月労働者集会につながっている。
 カリフォルニアの学生スローガンは、国境を越えて法大闘争と一体化している。全学連と文化連盟が法大闘争3年半の中でかちとってきたすべてが、全世界を獲得し団結させていく力をもち、勝利の展望を示している。
 法大闘争は絶対反対を貫いて法大当局と闘う中で、新自由主義大学の破産しきった姿をすべて暴き、逮捕・処分を恐れず仲間との団結のみに依拠して闘う力を示し続けてきた。4・24法大1500人集会を爆発させ、動労千葉の呼びかける6・15労学共闘1200人集会にまで発展した。法大解放は、4大産別を先頭とする階級的労働運動との結合にこそ展望があることを実践の中でつかみとってきたのだ。
 今こそ、法大生そして全国学生が11・1労働者集会結集の先頭に立つ時だ! 動労千葉のように資本と非和解で闘ってきた法大生こそが、11月集会に大結集しよう!

 無罪判決で解放感充満

 8・30で示された怒りは、キャンパスにこそある。キャンパスで新自由主義(民営化と団結破壊)への怒りを大衆的に爆発させることが、11・1への学生1000人結集の道だ。
 11月集会への大結集運動をとおして、学生が労働者階級自己解放の闘いに展望をつかみとる中で初めて、学生は団結を回復し、キャンパスの怒りと結合できる。
 08年5・28「暴行」デッチあげ弾圧裁判における無罪判決の獲得(09年9月14日)という歴史的大勝利によって、暴力ガードマンの星と正木を法大から追放した! 9月開講以来、キャンパスには解放感と勝利感が満ちている。連日法大生と核心的な討論が巻き起こり、11・1への結集が始まっている。新自由主義大学・法大と徹底非和解で闘い、11・1への1万人結集へ攻め上るための最大の決戦として、10・11三里塚現地集会への大結集と一体のものとして10・16法大闘争を爆発させよう!
 10・16法大闘争の核心は第一に、獄中で闘う文連三役に続くリーダーをつくり出す闘いだ。
 08年5月20日、文化連盟は恩田君の処分に対して怒りを爆発させて決起した。その決起は、処分攻撃をものともせずに09年4・24大闘争にまで上りつめていった。監獄のようなキャンパスを突き破って法大生が決起を開始することに、法大当局は死ぬほど恐怖している。法大闘争は、常に闘う主体を生み出しながら発展してきた。10・16をもってキャンパス最深部からの法大生の決起をつくり出そう!
 第二に、10・16法大闘争は、法大当局の掲げる「施設管理権」なるむき出しの資本の論理との全面対決だ。
 「施設管理権」とは、増田総長と理事会が大学を全面的・独裁的に支配するという宣言だ。これまでも法大当局は、「営業権」をもってビラまき・情宣活動を禁止し、「教育に望ましい環境を享受する権利(の侵害)」をもって闘う法大生への処分を断行してきた。これらすべてが資本家の金もうけの論理そのものではないか! 支配と分断の論理そのものではないか! いったい誰のための大学なのだ!
 「大学の主人公は学生だ!」のスローガンを掲げて、法大闘争は闘われてきた。ブルジョアジーの「施設管理権」と「学生の自治・団結」がキャンパスで激しく対立し、大学と教育を学生自身の手に奪い返す闘いが法大闘争の真骨頂である。
 9・14無罪判決は、「施設管理権」を使ったデタラメな弾圧の論理を粉々に粉砕している。いよいよ学生反乱の時だ!
 第三に、10・16法大闘争から自主法政祭規制に対する大反乱を巻き起こす! 今年の自主法政祭に対して、法大当局は全面的な規制をかけてきている。「仮登録制度」を導入し、企画を大学当局が全面管理しようとしている。すでに文化連盟所属サークルの企画が何らまともな理由も示されることなく禁止されている。また、飲酒規制が狙われている。
 「自主法政祭」に法大当局が我が物顔で介入してくること自体が、法大生の誇りと団結に対する挑戦だ。怒りはキャンパスに充満している。法大当局は、闘う法大生を暴処法弾圧で獄に閉じ込めただけでは安心できず、今度は3万法大生の団結の場である学祭すらもつぶそうとしている。だが、結局は学祭を自由にやらせることすらできないほどに法大生の力におびえているのだ。8学生奪還の闘いと自主法政祭規制への怒りは一つだ!
 第四に、10・16法大闘争は、新たな処分を阻止していく闘いだ。法大闘争は、処分粉砕攻防をとおして当局と絶対反対で闘い、学生の団結を強化してきた。この10月、「3カ月停学」中の洞口朋子さんに対する追加処分が狙われている。処分策動を粉々に粉砕していく10・16闘争としてかちとろう! 
 第五に、10・16法大闘争は、獄中8学生奪還の闘いだ。いよいよ10月5−7日、獄中8学生の大裁判闘争が始まる。不当逮捕以来約半年、8学生は意気軒高と獄中闘争を闘いぬいている。獄中とキャンパスの団結はますます深まっている。無罪を獲得した力を武器に、さらに法大当局と国家権力を追いつめ、大衆的な決起に転じていく裁判闘争として闘おう。初公判闘争から10・11―10・16−11・1の大爆発へ!

 獄中8学生と団結して

 最後に、10・16法大闘争は、11月集会に向かって、あらゆる体制内的なイデオロギーと徹底的に闘い、決別する党派闘争・路線闘争だ。
 民主党・連合政権の登場の中で「幻想」が振りまかれている。すべての怒りを「政府に対する請願・要求運動」にねじ曲げ、体制内に取り込む一方で、闘う勢力に対して襲いかかってきている。
 「国鉄1047名解雇撤回!」を掲げた11・1集会こそ、日本労働者階級の未来をかけた最大の党派闘争の戦場だ。4者4団体派が民主党・連合政権への「お願い」路線をとり、解雇撤回を投げ捨て、国鉄分割・民営化に対する23年の闘いの地平を売り渡し、闘う勢力をつぶそうとしている。
 体制内勢力との党派闘争を熾烈(しれつ)に闘う中でこそ、労働者・学生の根底的なエネルギーが引き出されてくる。
 大学キャンパスでこそ、激しく党派闘争を闘おう。「学生には力がない」「弾圧されれば運動は前進しない」――こうしたイデオロギーとの全面対決だ。3年半の法大闘争は、体制内イデオロギーと徹底的に闘って前進してきた。日共・民青、当局派学生、体制内サークル執行部との路線闘争に勝ちきり、原則を貫く中で闘いを発展させてきた。獄中の文化連盟執行部も、体制内的執行部と対決・決別する中で、闘う主体としての核に飛躍していった。
 さらに、5月暴処法弾圧に屈服した勢力が「闘っても勝てない」と言って8学生の闘いに泥を塗り、屈服を居直り、闘う法大生の決起を押しとどめる役割を果たしてきた。
 しかし法大闘争は、獄中8学生と一体となって暴処法弾圧を打ち砕き、体制内勢力の屈服・転向をすべて暴き、勝利してきている。闘いが前進すればするほど党派的・路線的分岐は激化する。この攻防に勝ちぬき、11・1日比谷野音に1万人−学生1000人の大結集を! その力で300万学生を獲得し、8学生を取り戻そう!
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 日程 10・16法大集会
★飲酒規制、企画つぶしを許すな!
 自主法政祭を学生の手に取り戻そう!
★獄中8学生を今すぐ釈放しろ!不当処分を撤回しろ!
10・16法大集会
10月16日(金)昼休み 
法政大学市ケ谷キャンパス
呼びかけ 文化連盟 3・14法大弾圧を許さない法大生の会

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