ZENSHIN 2010/03/22(No2432 p06)

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週刊『前進』(2432号1面1)(2010/03/22 )

 国鉄闘争勝利の全国大運動を 動労千葉呼びかけ

 沖縄基地撤去・安保粉砕 新たな闘いへ

 “労働者の団結が戦争とめる”

 3・20イラク反戦7周年のデモに1880人

 次は3・28三里塚で鳩山政権を撃て

3・20ワーカーズアクション・イン渋谷。4波のストライキで闘う動労千葉を先頭に、長蛇のデモ隊が渋谷の街を進んだ。「解雇撤回!」「基地撤去!」「鳩山打倒!」のかけ声がとどろいた。沿道からも青年労働者、学生がデモに加わった

 特別アピールと感動の連帯発言

 3月20日、「イラク反戦7周年全世界一斉デモ、ワーカーズ・アクションin渋谷」が代々木公園に1880人の労働者・学生を結集し闘いぬかれた。(次号続報)
 全学連の倉岡雅美副委員長と広島の教育労働者の司会で集会は始まった。冒頭、JR東の検修外注化阻止などで4波のストを打ち抜いた動労千葉の田中康宏委員長が特別報告。与党と4者4団体など体制内派指導部が国鉄1047名解雇撤回闘争を奴隷的な「解決案」で終わらせようとしている現状を弾劾し、「87年の分割・民営化に次ぐ重大事態だ。23年の闘いの結論が国労解散とはあり得ない。動労千葉はこの局面で絶対に国鉄闘争の火を消してはならないとの全国運動を呼びかけたい」と提起した。
 さらに動労水戸の石井真一委員長が、「われわれは春闘ストに突入した。200人が自殺に追い込まれた分割・民営化の総括が問われている。カネで闘いを終わりにするなど許さない」と訴えた。
 国労秋田闘争団で鉄道運輸機構訴訟原告の小玉忠憲さんが、「われわれ闘争団有志は『解決案』をキッパリ拒否すると通告した。不当解雇の責任はJRにはないと、裁判も取り下げろと、これらを全部認めたらカネをくれてやるということだ。ふざけるな! おれたちは徹底的に闘う!」と激しい怒りを表明した。
 さらに沖縄北部合同労組の労働者が4・28〜5・15沖縄闘争への総決起を訴え、「民主党・連合政権は、普天間移設先を辺野古陸上か勝連沖(ホワイト・ビーチ)に決定すると報道された。鳩山政権と体制内派は沖縄の労働者人民の敵だ。日米安保粉砕、基地撤去、労働運動の力で辺野古移設をぶっ止めよう。動労千葉労働運動で労働者が主人公の沖縄を取り戻そう」とアピール。
 次いで全学連訪米団が、「法大闘争を世界に伝え、カリフォルニア全州ストのような大衆闘争を組織するリーダーになる目標で訪米した。アメリカの学生たちが『団結した学生は負けない』と私たちと同じスローガンで闘っていた。団結は海を越え一つになった!」と熱烈に報告した。
 三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長は、「三里塚も決戦だ。生活道路を廃道にして、市東孝雄さんの住居を空港の中に取り込んでしまう攻撃が切迫している。だが労働者・農民・学生の正義の抵抗闘争は必ず勝利する」と、3・28三里塚全国集会への参加を訴えた。
 さらに百万人署名運動事務局長の西川重則さんが「戦争に反対する私たちの思いは一つだ。5・15沖縄闘争に私たちも参加する」と述べた。闘う弁護士戦線からは、憲法と人権の日弁連をめざす会の森川文人弁護士が、「日弁連会長選挙で選出された新体制は司法改悪を延命させ、裁判員制度にも反対しない”ケレンスキー内閣”だ。5月18日に裁判員制度廃止の全国集会へ」と訴えた。獄中35年、無実の星野文昭同志からのメッセージが読み上げられた。
(写真 全国の闘う青年労働者・学生を先頭に熱気の集会をかちとり”団結がんばろう!”で2010年決戦の必勝を誓った【3月20日 代々木公園】)

 基調報告と熱烈な決意に大高揚

 基調報告は千葉の医療労働者だ。「資本家たちは生き残りをかけて国鉄1047名闘争を終わらせようと必死だが、戦争も民営化も、非正規職化の攻撃も首切りも、止めるのは国会ではなく現場の闘いだ。資本主義の危機は労働者の危機ではない。労働組合をよみがえらせ団結すれば勝てる。世界のすべてを資本主義から取り戻そう」の提起に満場の拍手が応えた。
 動労千葉で強制配転と闘う青年労働者、動労西日本の山田和広副委員長、全逓の青年労働者、自治体労働者、神奈川の教育労働者、関西の青年労働者代表の金属労働者、医療福祉労働者を代表して東京北部の精研労組、法政大学文化連盟の斎藤郁真委員長から熱烈な決意表明が行われた。
 最後に織田陽介全学連委員長が「革命こそ歴史上最大の大衆闘争だ。労働者、学生、農民の組織を作ろう。国鉄と沖縄を軸にして労働運動の多数派を取る」と締めくくり渋谷デモに打って出た。

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週刊『前進』(2432号1面2)(2010/03/22 )

 動労千葉・動労水戸がスト突入

「貨物定昇廃止を許さないぞ!」。動労千葉と支援がJR貨物本社に向け何度も怒りのシュプレヒコール(3月19日 千代田区)

 動労千葉 貨物定昇廃止に第4波

 動労千葉は19日、「貨物定昇廃止・ベアゼロ攻撃打破!」を掲げて春闘第4波の貨物ストに決起し200人の組合員・支援の結集でJR貨物本社(千代田区飯田橋)への抗議行動を貫徹した。
 10年連続ベアゼロの上に今年は定期昇給ストップ、ボーナス3カ月! 
こんな回答がどうして許せるか! 
 JR貨物の地上勤務者は午前8時半から怒りのストに入った。午後1時から全水道会館で「スト貫徹!総決起集会」が開催された。田中康宏委員長は「定昇廃止攻撃は、乗務手当廃止を含めた賃金制度全面改悪の始まりだ」と厳しく弾劾した。現場組合員からも「定昇廃止は青年の未来を奪う大攻撃。性根を据えて闘おう」と怒りと決意に満ちた発言が続いた。
 さらに貨物本社前に移動し、繰り返し怒りのコールをたたきつけた。法政大の倉岡雅美さんが連帯アピール、動労千葉争議団の中村仁さんが1047名闘争解体策動をきっぱりと弾劾した。最後に大竹哲治副委員長が3・20、3・28決起を呼びかけ締めくくった。

 動労水戸 外注化白紙撤回 昇級差別打破へ

 動労水戸は、春闘ストライキに突入し3・20闘争に結集した。石井真一委員長が19日夕から、勝田車両センターの組合員12人が20日朝からストに入った。「10春闘勝利―将来に希望が持てる賃上げを」「検修外注化白紙撤回」「1047名解雇撤回」「昇級差別打破」を掲げた闘いだ。
 石井委員長は3・20集会の壇上から、「動労水戸は運転士登用差別の攻撃に基本的に打ち勝った。しかし、国鉄分割・民営化から23年間、動労水戸の組合員というだけで1回も昇級はない。このような昇級差別の攻撃を絶対に粉砕する。1047名闘争の解体を許さない」と闘争宣言を発した。運転士登用差別の攻撃に昨年4波のストで全面勝利してきた地平の上に立ち、分割・民営化で奪われたものすべてを取り戻していく新たな闘いに入ったのだ。
 動労水戸は19日、「10春闘ストライキ総決起集会」を水戸市民会館で開き、平成採獲得―組織拡大に一丸となって打って出ることを確認した。辻川慎一副委員長は、「全組合員が心を一つに団結して立ち向かうこと、新たな仲間が結集することが最大の反撃だ。昨年の闘いでわれわれはその力をつけた。この組合に誇りをもって若い人を獲得しよう」と訴えた。
(写真 ストを闘い渋谷の街をデモする動労水戸)

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週刊『前進』(2432号1面3)(2010/03/22 )

前進速報版から 前進速報版から

▼広島で「日の君」強制反対のビラまきに弾圧▼法大当局による倉岡さんへの停学1年処分弾劾▼第2次国鉄決戦勝利へ、郡山集会

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週刊『前進』(2432号2面1)(2010/03/22 )

 戦後労働運動の偉大な指導者 中野洋同志を追悼する

 あなたの足跡と信念受け継ぎ労働者階級解放まで闘い抜く

 天田三紀夫

(一)

  中野洋同志!
あなたが先頭に立って担い、闘いぬいてきた動労千葉労働運動は、帝国主義が大恐慌に突入する中で、6000万労働者階級を獲得するまさにその前夜を迎えています。階級的労働運動がこれからますます力を発揮し、階級的団結を基礎に全世界を獲得しようとしている時、あなたの逝去はあまりにも早すぎました。
数年間の闘病をものともせず、獅子吼(ししく)してわれわれを励まし、階級的原則で導き、最後まで生きて生きぬき、勝利をめざして闘いぬいてきた階級の最高指導部の不屈の闘魂が、この地上から奪われたことはあまりにも無念です。
革命的共産主義者同盟はしかし、この試練を必ずのりこえ、あなたが求めてやまなかった労働者階級解放の闘いを、あなたとともに必ず実現することを霊前に固く誓います。
戦後労働運動を指導したあなたの偉大な足跡は、労働者階級解放闘争がある限り絶対に消え去ることはありません。常に闘う労働者階級の中に生き続けます。あなたがわれわれに残してくれた数々の労働運動の教訓を心から肝に銘じ、階級的労働運動の不屈の前進をかちとっていきます。
 (写真 2001年4・2春闘スト総決起集会で) 

(二)

  中野洋同志!
階級の指導部としてのあなたの闘いは、国鉄分割・民営化反対闘争を当時1100人の動労千葉組合員とともに闘った時に、指導者として最も偉大な力を発揮しました。
第2次大戦後の戦後革命期を労働運動の体制内化によって突破し延命した日本帝国主義は、70年代中期の恐慌を突破するために新自由主義をふりかざし、1980年代、第1次国鉄分割・民営化攻撃をもって襲いかかってきました。その先兵に松崎を先頭とした動労カクマルがいました。この資本・日帝権力と動労カクマルの二重の反革命と対決し、動労千葉は激しい闘いに決起しました。大量首切りと組合つぶしの国家的不当労働行為に対し、全組合員は数波のストライキ闘争で反撃し、処分を恐れず、団結破壊を許さず、職場支配の主導権をとり続け、労働組合の団結を強化して闘い続けました。
この動労千葉の国鉄分割・民営化絶対反対の決起によって、闘いの拠点が防衛され、1047名闘争が生みだされ、国鉄決戦は永続化し、今日の本格的な階級的激突を準備する闘いとして発展してきました。
これは、動労千葉労働運動が日帝・JR資本と闘って闘いぬいて、団結を維持し強化してきた階級的労働運動の革命的実践でした。この闘いは、資本との絶対非和解の闘いを貫くことによって逆に労働組合の団結を守り、発展させた闘いとして、戦後労働運動の限界を突き破った壮絶な闘いでした。だからこそ今日、多くの青年労働者や、世界の闘う労働者の心を国境をも越えてとらえているのです。 

(三)

  闘いの日々の中であなたが身をもって実践したことは、党と労働組合の闘いの結合、一体性を実現することでした。労働組合は経済闘争、党は政治闘争というような、戦後労働運動の内部に色濃くあったスターリン主義的、社会民主主義的組織論の突破でした。すなわち、党とは労働者階級の党であること、この党は労働運動・労働組合運動の大地にしっかり根を張った党であること、この党は労働組合の闘いを基礎にして建設され、検証されて発展することをはっきりさせたのです。
そしてこの闘いは労働組合の革命論的意義をはっきりさせる闘いでした。『甦る労働組合』であなたは、「労働組合は労働者階級の団結と社会全体の転覆の準備の手段」というマルクスの規定を復権させました。動労千葉労働運動によるその実践は、党と労働組合を対立させてきた戦後労働運動の壁を根本的に突破した闘いでした。
党と労働組合の一体的前進をかちとるためのあなたの不動の決意は、生きたマルクス主義の確立に向けられました。それは、動労千葉労働学校の開校へのエネルギーとなってほとばしりました。
あなたは毎回の開講あいさつで、いかに多くのことをわれわれに語り、教えてくれたことか。労働学校講師を務めるための毎回の準備をとおして路線的研鑽(けんさん)に励む姿をいかに身をもって示してくれたことか。この労働学校はすでに第10期を迎えようとしています。この過程でいかに多くの闘う青年労働者群像が層として生みだされてきたことでしょうか。労働学校で学んだ青年労働者は今や、階級闘争の最前線で資本との非和解的闘いを24時間・365日実践しています。
青年労働者の動労千葉への信頼と決起は、6000万労働者階級の指導部建設と一体で進行しました。あなたはいつでも青年労働者の決起に想いを走らせました。青年労働者が労働運動・革命運動の中軸を担うこと、この限りない青年労働者への階級的期待に多くの青年労働者が応え、次代の階級闘争・労働運動で責任をとる力を育んでいます。これほどの階級闘争への貢献はありません。階級的労働運動の本格的な前進が、あなたの心血を注いだ力で実現されています。 

(四)

  また、あなたの生涯をかけた闘いは革命的共産主義運動の歴史そのものでした。同時代をあなたとともに闘い、駆け抜けてきたことをあらためて誇りに思います。
1960年代の、戦闘的労働運動の防衛と地区党建設を軸とする3全総―3回大会路線に胸を躍らせ、寝食を忘れて活動した日々。職場闘争を基礎に反戦青年委員会運動が大学闘争と一体になり、70年安保・沖縄決戦の大爆発へと驀進(ばくしん)したダイナミックな日々。70年決戦に敵対しファシストとして純化したカクマル反革命との命がけの死闘。80年代の国鉄分割・民営化決戦を始め、日帝権力による労働運動・革命運動圧殺攻撃と全力で闘って打ち破った地平。スターリン主義の崩壊とマルクス主義再生の闘い、90年代の5月テーゼの物質化へ向けた必死の闘い。
とりわけ、91年5月テーゼとその物質化は中野同志の力をぬきに考えられません。5月テーゼこそ、革命的共産主義運動のレーニン主義的オーソドキシーへの転換点・飛躍点でした。それは革共同の中に色濃くあった政治決戦主義を突破し、労働者階級自己解放というプロレタリア革命の核心問題を一切の土台に据えて、すべての課題を整理し再構成していくことでした。
しかしこの闘いは長期の強靭(きょうじん)な闘いを必要としました。労働者階級の党、マルクス主義の党の建設は、職場生産点でのひたむきな階級的実践、階級的労働運動指導部の建設、階級の大地での検証を必要としたからです。単一のボルシェビキ党建設は、指導部自身が労働運動の現場に頭から突っ込むことを求めました。
それは、一切の敗北主義を突破し、労働者階級への限りない信頼の上に、労働者階級を解放の主体として再確立していく闘いでした。帝国主義やスターリン主義に屈服して労働運動と労働者階級への絶望を組織する傾向との非妥協的闘いであり、「血債主義」との決別の闘いでした。06年の「党の革命」が労働者同志の革命的決起として実現できたのも、この5月テーゼの物質化への長期・不屈の闘いの実践があったからでした。
中野同志の、階級の指導部としての断固たる態度が党と階級を鼓舞し、労働者階級と労働運動に対する敵対を粉砕することを可能にし、階級的労働運動の前進に限りない力を与えてくれたのです。革共同の綱領草案を生み出した最深の力もここにありました。
中野同志はまた、本山闘争に階級的歴史的位置づけを与え、11月集会と3労組共闘の発展を常に位置づけてきました。とりわけ動労千葉労働運動が身をもって切り開いた三里塚闘争との労農連帯の確立や、09年に全面的に開花した国際連帯闘争の画歴史的な発展は、戦後労働運動の限界を突き破るいまひとつの大きな突破口でした。 

(五)

  中野洋同志!
あなたの膨大な著書は、そのすべてが労働運動活動家の必読書です。それは労働者が社会の主人公であることを論じ、労働者階級の階級的団結こそが資本との闘争に勝利できることを明らかにし、階級的労働運動をよみがえらせることが社会変革の核心であり、さし迫った課題であることを明らかにしました。われわれの決意は鮮明です。労働組合をめぐる全ブルジョア勢力、体制内派との激突に勝利し、全世界を獲得するために総決起します。
中野洋同志!
大恐慌、大失業と戦争の時代に深々と突入した中で、階級闘争は激しく発展し、支配階級は分裂し抗争しています。ブルジョアジーは、動労千葉労働運動が6000万労働者階級と結合し発展することに何よりも恐怖しています。さらに動労千葉の民営化絶対反対の闘いは国際階級闘争を牽引(けんいん)し、国際階級闘争もまた民営化絶対反対の国際的団結を求めています。これから全世界で大失業と戦争、民営化と労組破壊に対する嵐のような決起が本格的に発展しようとしています。
帝国主義は、生き延びるために新自由主義の極限的攻撃にますます訴えてきています。それは国鉄労働運動解体攻撃です。これに対し、「国鉄決戦に勝利しプロレタリア世界革命へ」の闘いがうなりをあげて開始されました。
検修外注化攻撃と1047名闘争解体攻撃との闘いは、この激突の最先端です。この攻撃は本質的に動労千葉への組織破壊攻撃です。あなたは、息を引き取るその間際まで、この攻撃を甘く見るな、しかしこれとの対決の中にこそ日本労働運動再生の最大の好機があるのだと叫んでいました。われわれは、外注化阻止決戦の絶対勝利を闘いとるとともに、新たな1047名闘争の巨大な陣形と運動の創造と発展をかちとる段階に突入したことを厳粛に確認します。
第2次分割・民営化阻止決戦の爆発をもって、階級的労働運動の闘いの拠点を防衛し、国鉄労働運動全体、4大産別を先頭とする全産別に闘いを拡大し、現下の階級決戦に勝利します。動労千葉労働運動の核心的路線である「反合・運転保安闘争」を貫いて、勝利へ向かって闘っていきます。
大恐慌、大失業と戦争の時代の闘いは始まったばかりです。〈党・労働組合・ソビエト>の一体的で本格的な発展へ、プロレタリア革命勝利の日に向かってともに闘うことを霊前にお誓いし、野辺の送りの言葉とします。

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週刊『前進』(2432号3面1)(2010/03/22 )

 動労千葉、怒りの第3波スト

 館山派出廃止・組織破壊に反撃 “外注化4・1実施は阻止した”

館山検査派出廃止を許さないぞ! 外注化阻止! 全支部の総決起で抗議集会を開催し怒りのシュプレヒコール(3月13日 館山検査派出前)

 動労千葉は3月12〜14日、「館山検査派出廃止反対! 外注化阻止!」を掲げ春闘第3波ストライキに決起した。木更津・館山・鴨川の検査派出で働く組合員がストを貫徹し、全支部総決起で木更津・館山での抗議闘争に立ち上がった。
 JRは3・13ダイヤ改定で館山検査派出廃止を強行し、そこで働く動労千葉組合員を強制配転した。館山駅での折り返しや始発列車が相当数あるので、07年の館山運転区廃止以降も検査派出は運転保安上、不可欠な職場として残された。今回のダイ改でこの館山検査派出まで廃止したのだ。
 これは検修全面外注化攻撃そのものだ。職場を奪い、安全を投げ捨て、金もうけ一辺倒で地方を切り捨てるJRに対して組合員は怒りを爆発させた。抗議行動での発言には「外注化を絶対に止めてやるぞ」「組織拡大で決着をつけてやる」という敵愾心(てきがいしん)がみなぎった。

 木更津運輸区に70人が抗議行動

 3月12日午後5時から木更津運輸区前で、70人が抗議行動を行った。ストに入った組合員を先頭に、弾圧態勢をとる当局を完全に圧倒する怒りの抗議闘争となった。
 木更津支部の山中茂男支部長は「会社は館山派出からの配転に関して、事前の希望調査すらせず一方的に配転を強行した。あまりにふざけている! 会社は動労千葉の組織を破壊することしか考えてない。14日までのストを貫徹し組織拡大闘争に全力で決起する」と怒りを込めて訴えた。
 JR千葉支社は第3波スト直前の3月11日に、「社員のみなさんへ」と題する業務掲示を張り出した。内容は「スト破りはするな」「休日勤務はするな」「勤務変更に応じるな」などの発言をしたら「就業規則に基づき毅然(きぜん)とした対応をする」という処分恫喝だ。だが、安全を根底から崩壊させ、職場を奪う検修全面外注化に対して労働組合がストで闘い、「スト破りをやるな。ともに闘おう」と呼びかけることはあまりにも当然だ。これを「パワーハラスメントを受けた」と当局に泣きついて処分・弾圧を要請しているJR東労組こそ、労働者の風上にも置けない恥知らずだ。
 抗議行動では、館山・木更津・鴨川の検修職場で働く組合員らがマイクを握って、館山派出の廃止と組織破壊攻撃に怒りの声を上げた。
 翌13日は午後1時に全支部の組合員と支援130人が館山駅前に結集し大抗議行動を展開した。

 館山検査派出前130人が集会

 強風をはね飛ばし、乗客や市民にJR資本の犯罪性をアピールした。「採算がとれない」と特急を次々と削減するJRに、地元の人たちも怒っている。大部隊の登場は市民の注目を集めた。
 続いて検査派出(旧館山運転区)前に移動して抗議集会を開催した。
 本部の長田敏之書記長は「館山派出廃止は検修外注化と一体だ。鉄道業務も安全運行も投げ捨て”もうかればいい”という会社のやり方を絶対に許してはならない」と提起。幕張支部の山田護支部長は「当局はスト破りの業務命令も出せなくなっている。スト破りを拒否して動労千葉に加入することを恐れているからだ。組織拡大をかちとり、外注化阻止の先頭に立つ」と宣言した。
 貨物支部の代表は「貨物は10年連続ベアゼロ。その上、定昇ストップ、ボーナス年間3カ月なんてふざけんじゃない! 一切は国鉄分割・民営化から始まった矛盾だ。外注化阻止、1047名闘争と一体でJR体制を打倒しよう」と発言。動労千葉争議団の高石正博さんは「4者4団体は『金さえもらえば1047名闘争を終わらせていい』という姿勢だ。それでJRの現実が変わるのか。われわれの首を切ったのはJRであり東労組。会社を追い詰め、解雇撤回をかちとる」と語った。

 “組織拡大実現へ闘いぬこう”

 動労千葉を支援する会、坂野陽平全学連委員長代行が熱烈な連帯のあいさつを行った。
 総括を提起した田中康宏委員長は「この間の闘いで、われわれは当局と東労組を完全に圧倒し、検修業務全面外注化の4月1日実施を完全に止めた! 千葉においてわれわれは2001年から足かけ10年にわたって外注化を阻止してきた。この地平に圧倒的確信を持とう。検修外注化攻撃に対して東労組や国労の中でも怒りの声が沸騰している。みんな動労千葉の言っていることが正しいと思っている。だから当局はひたすら動労千葉への組織破壊攻撃をやるしかなくなっている」と外注化阻止闘争の到達点を明らかにした。そして「この攻防に勝ちぬき、社会に渦巻く怒りをここに総結集した時、時代は動く。組織拡大こそが勝負を決める。全力で闘いぬこう」と訴えた。
 検修外注化提案から5カ月、動労千葉は労働組合の闘いで会社の外注化計画そのものを吹き飛ばすという過去に前例のない闘いに挑戦し、JR東日本の職場全体を揺るがしている。猛然と闘う動労千葉に続こう。
(写真 【上】ストに入った組合員を先頭に木更津運輸区門前で抗議闘争に決起【3月12日】。【下】大量に動員された職制を圧倒する大抗議行動に地元住民の圧倒的注目が集まった【3月13日 JR館山駅前】)

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週刊『前進』(2432号5面3)(2010/03/22 )

焦点 大恐慌と中国経済の危機

 資産バブルやインフレ化

 世界大恐慌の深化・発展の中で、中国経済が新たに危機を深めている。ギリシャ・EUの財政破綻と信用不安に続き、中国経済の危機は、大恐慌の次なる火点だ。
 確かに表面的には、中国は「金融危機をいち早く克服した」と言われ、世界経済回復の牽引(けんいん)車になることを世界のブルジョアジーから「期待」されている。これだけの大恐慌のもとでも、主要国の中では唯一8・7%増という高成長を維持した。
 だがこれは、そもそも「8%成長」は中国の至上命題で、それなしに中国経済は立ち行かない。この特異な経済構造のために、大恐慌で輸出が大きく落ち込んだ分、大規模な景気刺激策とインフラへの公共投資で穴埋めして、高成長を維持したにすぎない。しかも頼みの輸出が本格回復しない中で、10年度も「8%程度」の成長を維持するために、前年を約11%も上回る、過去最大の8兆4500億元(約110兆円)の積極予算を組もうとしているのである。
 だがすでに中国経済は、不動産バブル・住宅バブルの状態であり、インフレの台頭も懸念されている。一方で過剰生産の問題が深刻であり、中央と地方を合わせた財政赤字も、1兆500億元と過去最大に膨らもうとしている。
 今回の全人代で、温家宝首相は「投資主導・投資頼み」の高成長政策に限界と破綻がみえる中で、内需拡大、消費底上げ、新産業育成など「経済発展方式の転換」を打ち出した。だが「8%成長」の生命線を維持するために積極財政はやめることができず、また利上げや人民元相場の切り上げといったバブル対策にも、本格的な踏み込みはできないのが現実である。
 しかも、人民元がドルに対し事実上固定されていて、旧来型輸出産業が延命し、新産業への転換なども進まない。市場にあふれ出たマネーも輸出企業にとどまり、また不動産に流入してすでに異常な資産バブルが発生している。労働者の超低賃金により、個人の購買力や消費の伸びも脆弱である。
 こうした中で、所得格差は拡大の一途だ。都市の可処分所得は農村の3・3倍であり、収入上位10%と下位10%の所得格差は88年の7・3倍から07年には、実に23倍に拡大した。09年はさらに拡大している。温家宝は全人代で「所得分配制度の改革」を打ち出したが、高額所得層からの税の徴収は困難を極める。腐敗が深刻な中央・地方官僚や、資本家階級など既得権益層の抵抗が強いからだ。
 中国の残存スターリン主義体制のもとで、こうした中央・地方官僚や資本家層と労働者の階級矛盾、少数民族の貧困や民族抑圧の矛盾が、いよいよ激化している。ここ数年、年間10万件ものストライキや暴動が起こっている。賃上げ要求など労働争議は、09年1〜9月で51万9千件に上った。
 今や中国経済は、保護主義や人民元切り上げ問題をめぐる米帝との争闘戦の深刻化のもとで、バブルの破裂、インフレの爆発、財政赤字拡大などの危機、さらには階級矛盾と民族矛盾の激化をはらんでいて、大恐慌の最大火点の一つである。中国やアジアに殺到して大恐慌脱出の「展望」を夢見る世界のブルジョアジーの幻想は、粉々に打ち砕かれるだろう。

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週刊『前進』(2432号5面4)(2010/03/22 )

焦点 “有事核持ち込み容認も”

 日米密約報告が狙うもの

 3月9日、外務省の有識者委員会が、日米政府間の「密約」に関する調査報告書を岡田外相に提出した。@1960年安保改定の際、核の配備を事前協議の対象とするとしたが、核搭載艦船の寄港はその対象外とする「討論記録」、A同じく60年安保で、朝鮮有事の際の米軍出動は事前協議の対象外とする「議事録」、B69年佐藤・ニクソン会談での沖縄への核再持ち込みに関する「合意議事録」、C71年6月、沖縄返還協定調印の前に、沖縄返還に伴う原状回復補償費の「肩代わり」をめぐる非公表の「議論の要約」。この4点について調査・報告したものだ。
 いずれもすでに米側では情報公開で明るみに出て、密約があったことは周知の事実だった。一部は当事者も認めたにもかかわらず、外務省と歴代の政府は国会答弁などで頑強にそれらの文書の存在そのものを否定してきた。民主党・連合政権は、これまでの戦後自民党政治を否定し、「対等で緊密な日米同盟関係」をつくるために、この密約問題を使ったのである。
 もとより、外務省の関係者でつくられた有識者委員会は、密約を徹底的に暴き、断罪しているわけではない。「広義の密約」とか「密約とは言えない」などの表現で、基本的にはごまかしている。
 レーニンがロシア革命において、「秘密条約の破棄」を宣言し実践したように、秘密外交の中に帝国主義強盗どもの戦争と侵略と金銭取引の実態が隠されている。特に、ここで問題になっている密約は、主として日本政府が核兵器持ち込みの実態を労働者人民から覆い隠すことが目的だった。それは60年安保闘争、70年安保・沖縄闘争を始めとする労働者人民・学生の闘いの爆発に日帝がどれほど追いつめられ、恐怖していたかを示している。
 では鳩山政権は、より民主的に、核兵器と安保同盟から脱却するために密約を「暴いた」のか。否、まったく逆だ。日米争闘戦の激化のもとで、敗戦帝国主義的現実からの脱却、「対等な日米同盟」の再編・形成に向けたあがきを行っているのだ。「核」の問題をもっとオープンにどんどん議論して、核武装の道を開こうとしているのだ。戦争のできる国、憲法改悪に向かって、自民党にはできなかったことをやろうということだ。すでに17日の衆院外務委員会で、岡田外相が「将来的に有事には持ち込みを容認する事態もあり得る」との考えを表明し、「非核三原則」見直しに動き出した。
 だが、労働者階級人民の反戦・反核の意識と闘いは、簡単に一掃されてしまうようなものではない。そこには階級矛盾が絶対的に存在する。まさに日米安保は戦後の最大の階級矛盾と階級対立の最焦点である。同時に、日米の最激突点が沖縄と沖縄基地の存在、その現実であるということがあらためて突きだされているのだ。
 密約問題は、民主党・連合政権の思惑を超え、逆に労働者階級の怒りの炎に油を注ぐものとなる。それは普天間基地「県内移設」に対する怒りを増幅する。今こそ、沖縄米軍基地撤去・日米安保粉砕の新たな革命的爆発をかちとるべき時だ。それは、大恐慌下の安保・沖縄闘争、さらには改憲阻止闘争の発展を切り開く闘いだ。

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週刊『前進』(2432号6面4)(2010/03/22 )

 法大裁判に集まろう!

★暴処法裁判
第11回公判 3月25日(木)午後1時30分
 東京地裁429法廷
★5・29デモ弾圧裁判@グループ控訴審
判決公判  3月30日(火)午後1時30分
 東京高裁
★4・24集会弾圧裁判(論告)
第13回公判 4月20日(火)午後1時30分
 東京地裁429法廷
 ※いずれも12時半に傍聴券配布所へ

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週刊『前進』(2432号6面5)(2010/03/22 )

 日程 迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧差し戻し審

 3・24最終弁論に結集を!
 3月23日(火)午前10時 東京地裁429号法廷
 3月24日(水)午前10時 東京地裁429号法廷
 両日とも午後までの全一日公判
 午前9時30分までに傍聴券配布所に集合してください

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