ZENSHIN 2010/09/13(No2455 p06)

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週刊『前進』(2455号1面1)(2010/09/13 )

 青年労働者を先頭に11月へ

 連合指導部を打倒し闘う労働組合の再生を

 公務員制度大改悪と道州制=国家改造攻撃に総反撃しよう

 「東アジア共同体」構想を打ち砕け

 全学連大会は、全国の闘う学生の自己解放的決起で感動的成功をおさめた。それを受けてさらに、青年労働者を先頭とした「派遣法・非正規雇用撤廃!」「労組青年部の力を総結集しよう」の闘いが、11月労働者総決起に向け画然と開始されている。4・9政治和解の大反革命を打ち砕いて、9・28鉄道運輸機構訴訟の再開控訴審闘争が、いよいよ東京高裁大法廷で始まる。大恐慌の激化と北朝鮮侵略戦争の切迫情勢下での、10・10三里塚現地大集会に総決起しよう。国鉄全国運動の発展と11・7労働者集会1万人結集へ、ひたすら組織し、組織し、組織し抜こう。

 大恐慌の激化と労働者の決起

 11・7労働者集会1万人結集に向かう現下の内外情勢は、世界大恐慌の激化、深化・発展を基底に、危機と激動を深めている。
 その第一の最大の特徴は、大恐慌の震源地であるアメリカ帝国主義の底知れぬ危機の新たな深まりだ。9月3日に発表された8月の米雇用統計は失業率が9・6%に上昇した。超低賃金の労働者を含めた実質的な米失業者は2800万人におよび、米自動車産業の被解雇者は30万人に達する。特にデトロイト市の失業率は50%を超えて、住む所も、食べ物もない労働者家族が急増している。
 9月8日、グアムへの無人偵察機の配備が暴露された。これは世界戦争体制の強化であると同時に、無人機に頼るしかない米軍の崩壊的危機をも示している。イラク侵略戦争での米兵死者はすでに4400人に達し、それ以上に「軍隊内の自殺、他殺、飲酒運転等の死亡」(米陸軍報告書)が多いのだ。2010年度の米軍事費は約7千億jで歳出の42%にのぼり、米財政危機を加速させている。

 日・仏・南アでストが爆発

 第二の特徴は、大恐慌下で世界でも日本でも、公務員労働者をめぐる階級的激突が始まり、労組を先頭に、ゼネストの爆発を軸とした大反撃がまき起こっていることだ。
 フランス全土で9月7日、今年最大の大ストが爆発した。年金支給年齢の引き上げ(受給開始年齢を現在の60歳から62歳に、満額受給年齢を65歳から67歳に)、これと一体である新規課税の攻撃に、運輸、教育、司法、医療、国営・民営のメディア、金融関係、自動車、石油関連の労働者など、公共・民間両部門の労働者が一日ストを打ち抜き、全国200カ所で大デモが闘われた。
 南アフリカでは130万人の公務員労働者が、8月18日から約3週間にわたってストを闘い抜いた。ストの中心になっている公立病院では「たとえストで患者が死亡しても、それは政府の責任だ」と、労組のスト防衛隊が南ア国防軍と対峙。スト支援のデモが各地で連日闘われて、1994年の南ア民主化以降の最大の闘いとなっている。
 日本では、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部のストが、「大阪府内の建設現場で工事が止まる事態」に発展し、ゼネコンとブルジョアジーを震え上がらせている。これは日帝の代表的なスーパーゼネコンとの死活をかけたすさまじい攻防だ。労組を軸とした自己解放的な決起で関連業界にも波及・拡大し、組合側優位で勝利に向け、団結を固め闘い抜かれている。
 これは体制内指導部の「資本や国家と闘っても勝てない」という敗北主義を打ち破り、11月に向けて全労働者を励ましている。

 11・7大結集のうねりを!

 「11・7全国労働者総決起集会への賛同と参加のお願い」が、このストを闘っている関西地区生コン支部と、全国金属機械労組港合同、国鉄千葉動力車労働組合、および国鉄闘争全国運動からすでに発せられている。この呼びかけ文こそ、11月集会組織化の最大の武器だ。あらゆる職場にこれと集会チケットを持ち込み、今こそ11月1万人大結集運動のうねりを、猛然と巻き起こそう!

 国鉄全国運動を全職場で組織

 呼びかけ文は冒頭で、13回目を迎えた11月労働者集会と、4・9政治和解攻撃と闘う国鉄全国運動の二つの力を固く結合して、今年の11・7を「日本労働運動の再生に向けた出発点」にしようと訴えている。
 そのためにまず第一に、4・9政治和解の大反動と対決し、「すべての労働者の権利と未来をかけ、労働運動復権に向けた最大の課題として、国鉄闘争全国運動を全国の職場・地域に組織する」ことが決定的だ。
 4・9反革命は「国鉄分割・民営化25年問題」を突破するための日帝の大攻撃だ。一方で保育公務員30万人の首切りを始め、公務員労働者360万人の全員解雇と再雇用=9割非正規化という公務員大攻撃と道州制・国家大改造であり、他方では「東アジア共同体」=アジア侵略の攻撃だ。民主党・連合政権の「新成長戦略」こそ、国鉄分割・民営化を一度に10個やるような大攻撃だ。これと全面対決する闘いが、国鉄全国運動と今年の11・7労働者集会である。
 今春4月1日からのJR東日本の検修業務全面外注化が、動労千葉の5波のストを軸とした現場労働者の怒りの爆発により阻止された。しかし追いつめられたJR東会社は、JR総連・東労組や国労本部を先兵に、検修全面外注化の9月実施を新たに策動している。
 だがこれは逆に、青年労働者を獲得する絶好機だ。平成採を始めこの攻撃に怒るすべての国鉄労働者を全国運動に獲得しよう。改憲阻止の闘いをも含む「2012年決戦」へ、11・7から1年間の闘いが始まるのだ。

 非正規職撤廃は死活的要求

 第二に、大恐慌下で「正規・非正規、官・民の分断を打破して職場から闘いを組織する」ことだ。派遣法・非正規職撤廃は、今や階級的労働運動の戦略的課題だ。2千万青年労働者と怒りを共有し、組織化へ闘おう。
 その最大の攻防点はJR青年労働者をめぐる闘いだ。JR東日本東京支社だけでも契約社員はすでに800人、正社員と同じ24時間拘束の泊まり勤務を毎月8〜9回こなしても、手取りは月収16万円だ。正社員登用試験の合格率は3割台で、途中で病気退職する青年が続出している。こうしてJR東会社は人件費を8年前から1225億円削減し、経常利益を1632億円も増やした。そしてJR東日本執行役員25人の08年度平均給与は3800万円で契約社員の実に20倍。しかもこれを許しているのが、年収2千万円という連合幹部を始めとした体制内指導部なのだ。

 戦争・改憲に怒り大結集を

 第三に、資本主義の行き詰まりが改憲と戦争の危機となって襲いかかっている現実に対決し、「改憲・安保・沖縄・政治反動に対する怒りの声を結集」して闘うことだ。
 米韓合同軍事演習の連続的な強行や、「金正日体制崩壊」で切迫する北朝鮮侵略戦争情勢と、沖縄米軍基地問題とは、11月APEC・日米首脳会談をいよいよ焦点化させている。こうした中で11・7労働者集会は、反戦闘争を闘う労働運動をよみがえらせ、新たな安保・沖縄闘争の巨大な爆発を切り開く闘いだ。戦争と改憲を実体的に阻止する三里塚農民の闘いや裁判員制度反対運動を始め、戦争・改憲と政治反動に対する広範な怒りの声を、11・7労働者集会にこそ大結集しよう。
 第四に、「労働者の国際連帯闘争を大きく発展させる」ことだ。日米韓の国際連帯は年々深まり、さらにブラジル、ドイツとの交流へと拡大してきた。今年の11・7集会は、民主労総労働者大会と同日開催であり、ソウルでのG20粉砕闘争として11月訪韓闘争が闘われる。国際連帯の格段の飛躍を実現しよう。
 千葉法相が強行しているのは死刑執行だけではない。今ほど民族・国籍・国境を越えた労働者の共同闘争が力を発揮する時はない。圧倒的多数が非正規職労働者である在日・滞日外国人労働者との団結こそ、11月労働者集会が掲げる派遣法・非正規職撤廃への道であり、敵の分断支配を打ち砕く闘いだ。横浜APECを見据えた治安弾圧、難民申請者の入管収容所への収容・再収容=退去強制攻撃を強める民主党・連合政権を打倒しよう! 11月1万人の大結集をかちとろう!
 職場闘争、物販闘争と「動労千葉を支援する会」づくりの三つの方針を全力で実践し、青年労働者を先頭に、すべての仲間の主体性、能動性、自己解放性を思う存分発揮して、11月1万人決起へ進撃しよう。
 北朝鮮侵略戦争の切迫下に、巨大な反戦政治闘争でもあるのが10・10三里塚闘争だ。労農同盟と軍事空港絶対反対、農地死守・実力闘争の勝利をかけて総決起しよう。

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週刊『前進』(2455号1面2)(2010/09/13 )

 9・28鉄道運輸機構訴訟へ

 和解拒否の闘争団が裁判再開

 国労秋田闘争団の小玉忠憲さんを原告とする鉄道運輸機構訴訟の控訴審が9月28日午前11時から、東京高裁第14民事部(西岡清一郎裁判長)で行われる。同日夕方には、東京・文京区民センターで「国鉄闘争勝利!鉄運機構訴訟控訴審報告集会」が開かれる。この日の一日行動に総結集しよう。
 小玉さんは屈辱的和解を拒否し、解雇撤回へ不屈に闘い抜いている。その闘いは、裁判闘争においても徹底的に貫かれる。これは、動労千葉争議団の鉄建公団訴訟と並んで、1047名解雇撤回を貫く重要な闘いだ。
 鉄道運輸機構訴訟は、今年3月に裁判長の交代に伴う更新手続きが行われた後、政府が4・9政治解決案を提示、4者4団体がこれを受け入れる中で、審理は停止状態になっていた。4者4団体は6月28日、最高裁で和解に応じ、同訴訟では小玉さん以外の原告は訴えを取り下げた。
 4者4団体路線のもとに行われていたこれまでの裁判は、結局は和解を求めるものでしかなかったのだ。国鉄分割・民営化と1047名の解雇を真っ向から弾劾する闘いはいつしか打ち捨てられ、国鉄改革法や「採用差別についてJRに使用者責任はない」とした03年12月の最高裁反動判決、わずか550万円の慰謝料しか認めなかった鉄建公団訴訟判決に屈服する形で、裁判は進められてきた。
 だが、9月28日の再開第1回目の裁判は、これまでとは画然と異なる新たな裁判闘争のスタートになる。
 和解を拒否した4人の国労闘争団員(小玉さんのほか、鉄建公団訴訟原告の羽廣憲さん、成田昭雄さん、石崎義徳さん)は、4者4団体路線に従う旧弁護団を全員解任し、新弁護団を選任して、新たな闘いに入っている。新弁護団は、国労5・27臨大闘争弾圧裁判を闘う弁護士を中心に、現在20人の弁護士によって編成されている。これまでの裁判方針を根本的に転換し、階級的原則に立脚した裁判闘争を貫徹する強力な布陣が敷かれたのである。
 民主党政権と鉄道運輸機構、JR資本は、4・9政治和解で国鉄1047名闘争を跡形もなくたたきつぶそうとたくらんだ。だが、そのもくろみはものの見事に粉砕された。和解を拒否した国労闘争団員の不屈の決起は、支配階級を確実に追いつめている。鉄道運輸機構や裁判所は、絶対反対派の闘争団がいかなる闘いを展開してくるかと身構え、恐れをなしている状態だ。

 大法廷埋める圧倒的結集を

 9月3日、小玉さんと10人の弁護団が、東京高裁で行われた進行協議に臨んだ。この場で、9月28日の裁判は大法廷の東京高裁101号法廷で開かれることが確定した。また、この日の裁判では、右陪席裁判官の異動に伴い、原告と弁護団が更新意見の陳述を行うことも決定された。
 小玉さんと弁護団は、この意見陳述で、和解を徹底的に弾劾し、解雇撤回まで闘う意志を全面的に明らかにする方針だ。
 他方、同じ9月3日には、鉄建公団訴訟の3原告と弁護団が、最高裁に上告理由補充書と3原告連名の陳述書を提出し、新たな闘いに踏み出した(関連記事2面)。
 和解を拒否した4原告の闘いは、国鉄労働者や国鉄闘争を支援してきた100万人の労働者に感動と勇気を与えるに違いない。心ある労働者は誰しも、「不当労働行為による解雇にはあくまで解雇撤回で闘うべきだ」と思っている。4人の国労闘争団員による裁判闘争を徹底的に活用して膨大な労働者の中に分け入り、国鉄全国運動のさらなる発展をかちとろう。
 民主党・連合政権は360万人公務員労働者の首切りに向けて公務員制度改革に着手し、JR資本は国鉄分割・民営化25年を前にいったん頓挫した外注化攻撃に再び乗り出そうとしている。
 解雇撤回を貫く新たな裁判闘争は、これらの攻撃と根底的に対決する闘いでもある。
 9・28裁判に、大法廷を埋める圧倒的な結集をかちとろう。この闘いを跳躍点に11・7労働者総決起集会1万人結集に攻め上ろう。

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週刊『前進』(2455号1面3)(2010/09/13 )

 全学連運動の大衆的復権誓う

 全学連第71回定期全国大会が9月9、10日、東京・文京区民センターで開催され、全学連運動の歴史的大前進が切り開かれた。1年生、初参加者も多数結集し、11・7全国労働者総決起集会への1万人大結集と、学生自治会の大衆的復権へむけた歴史的な挑戦が始まった。
 大会初日は、織田陽介委員長と坂野陽平委員長代行が議案を提起し、活発な討論が行われた。織田委員長は、法大闘争の勝利の地平を明らかにし「ついに全学連の真の復権に着手する時がきた。大衆的な学生自治会を建設し、壮大なエネルギーを発揮して闘おう」と宣言、大恐慌と対決して世界を根底的に変革しようと熱烈に訴えた。法大闘争報告に立った文化連盟の斎藤郁真委員長も「法大当局をぶっとばす。それが学生自治会建設だ」と喝破した。1年生や初参加者も次々と発言した。
 また、三里塚反対同盟の北原鉱治事務局長、動労千葉の越川幸夫執行委員、法大弾圧裁判弁護団の藤田正人さん、革共同の代表が初日に来賓あいさつを行った。(詳報次号)

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週刊『前進』(2455号1面4)(2010/09/13 )

前進速報版から

▼難民に自由を!と叫び東京入管収容所にデモ行進
▼ギリシャで民営化反対の交通スト
▼フランスで年金制度改悪反対の闘いが爆発
 集会要項 10・10全国総決起集会
第3誘導路粉砕! 団結街道廃止許すな! 現闘本部の破壊を阻止し、市東さんの農地を守ろう! 軍事空港建設粉砕・改憲阻止!
10・10全国総決起集会
10月10日(日)正午 成田市東峰 反対同盟員所有畑
主催/三里塚芝山連合空港反対同盟
【会場への行き方】成田駅からタクシーで「東峰十字路」まで2500円。車は成田インターから国道295号線、日航ホテルの所を左折し小見川県道、東峰十字路近くへ。

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週刊『前進』(2455号1面5)(2010/09/13 )

鉄道運輸機構訴訟

 9・28再開控訴審闘争

 □控訴審傍聴 9月28日(火)午前11時〜12時 東京高裁101号法廷
 □JR東日本本社前行動 午後1時半〜 新宿駅南口
 □国鉄闘争勝利!鉄運訴訟控訴審報告集会
 午後6時開場 文京区民センター 3F大ホール
 主催/国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回を共に闘う国労の会

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週刊『前進』(2455号5面1)(2010/09/13 )

 米日韓の軍事演習許すな

 対北朝鮮・中国で実戦さながら

 沖縄・横須賀基地撤去へ

 韓国哨戒艦沈没事件を口実に、7月下旬から米韓合同軍事演習が連続的に行われている。これは北朝鮮―中国侵略戦争の策動だ。沖縄は米軍機が飛来し、まさに「戦場の島」となっている。9月5日から予定されていた黄海での合同演習は台風のため延期されたが、演習は年末まで断続的に続く。米日韓の北朝鮮侵略戦争策動を粉砕し、日米安保粉砕・米軍基地全面撤去へ闘おう。
(写真 攻撃機を満載した核空母ジョージ・ワシントン。欧州・中東の戦争に出動し多くの人民を虐殺した)

 史上最大規模の侵略大演習

 ここでは横須賀を母港とする米原子力空母ジョージ・ワシントンを軸として、7月25日から28日まで日本海で行われた米韓軍事演習の内容を暴露・弾劾する。
 演習は、参加人員8000人、艦艇20隻、航空機200機で史上最大の米韓合同演習として行われた。
 ジョージ・ワシントンを旗艦(指揮艦)としてイージス駆逐艦マックキャンベルとジョン・S・マケイン、ラーセンなど5隻の駆逐艦、潜水艦、そして韓国からはアジア最大の揚陸艦独島などが参加した。
 演習では各艦船のレーダーがコンピューターを通して艦隊全体が巨大なひとつの目を持って、広範な作戦範囲内にある北朝鮮・中国の航空機や艦船の動向をすべて掌握し、警戒・監視しながら作戦行動した。
 ジョージ・ワシントンの指揮所では米韓両軍の司令官が協議しながら空母からの艦載機の離発着を指揮し、攻撃・爆撃態勢をとった。
 演習にはステルス戦闘機F22ラプターが参加した。F22ラプターはステルス機能を生かし北朝鮮の警戒をかいくぐって領内に侵入し、堅固な地下施設破壊のために作られた小口径爆弾SDBで核施設の破壊を狙う。北朝鮮本土の爆撃を想定しているのだ。
 F22は通常グアムにいるが、米韓合同演習のために沖縄に飛来してきていた。F22の航続距離は3000`、作戦半径700`。空中給油機を伴って訓練した。中国への戦闘行動が可能だ。
 演習では、侵入してきた北朝鮮潜水艦を撃退する訓練、空母護衛訓練、対空射撃訓練、対艦射撃訓練など北朝鮮侵略戦争の実戦訓練が行われた。
 北朝鮮の潜水艦に対する作戦というが、北朝鮮侵略戦争が対中国戦争へ発展することを想定した演習だ。空母を米韓両軍の戦闘機が護衛する訓練などは、中国が開発中という「空母キラー」と呼ばれる対艦弾道ミサイルを想定したものだ。
 なお海上自衛隊員4人がジョージ・ワシントンに乗り込み、米韓合同演習に参加したことは重大だ。民主党の長島昭久防衛政務官が必死にねじこんだものだ。米日韓一体の戦争体制づくりを狙っている。

 核空母Gワシントンが主軸

 ジョージ・ワシントンは、排水量10万4178d、全長333b、原子炉2基(120万`ワット)を搭載し、士官・兵員3200人、航空要員2480人が乗艦し、搭載機は85機だ。
 92年就役以来、ボスニア・ヘルツェゴビナ侵略戦争、イラク戦争など、ヨーロッパや中東でさまざまな戦争に出動し艦載機が空爆作戦を実施、多くの労働者人民を虐殺してきた。その空母が08年9月から横須賀に配備された。
 横須賀を母港とする空母は、朝鮮半島や台湾を柱に東アジア全体から中東、アフリカ東海岸までの広大な海域・地域を作戦範囲としている。
 横須賀を母港とした最初の空母であるミッドウェーは91年のイラク・中東侵略戦争に参戦した。次の空母インディペンデンスは96年の台湾危機の際に二つの空母戦闘群のひとつとして派遣された。98年1月にはイラク情勢緊迫のもとで急きょペルシャ湾に派遣された。
 次の空母キティホークはアフガニスタン侵略戦争参戦のために01年10月に艦載機を15機搭載し横須賀を出港、北アラビア海でアメリカ軍特殊部隊約600人と約20機の米陸軍ヘリの発着基地となった。
 03年1月、イラクへの侵略戦争のためにキティホークは横須賀を出港した。キティホークの艦載機は、3月20日開始したイラク侵略戦争で3000回以上出撃し、90万d近い爆弾を投下しイラク人民多数を虐殺した。
 そして現在、横須賀を母港とする原子力空母ジョージ・ワシントンは、北朝鮮侵略戦争のための米韓合同演習の主力として参加し、北朝鮮侵略戦争そのものを仕掛けようとしている。
 米帝は、世界支配のために朝鮮戦争、ベトナム戦争、アフガニスタン戦争、イラク戦争などの侵略戦争を全世界で展開してきた。その最大の前方展開の基軸が日米同盟であり、その最大の拠点が沖縄の米軍基地であり、また米空母の唯一の海外母港が横須賀基地だ。米空母は米帝の世界軍事支配のための血塗られた動く核基地である。

 中国漁船長逮捕を弾劾する

  米韓合同軍事演習に対して中国スターリン主義が強烈に反発し、対抗的な軍事演習を行っている。米帝はこの間、対北朝鮮政策としては中国を利用する6カ国協議で対応してきた。北朝鮮の核武装化を6カ国協議の枠の中で抑え込む政策だ。しかし、北朝鮮危機が激しく進行し、韓国哨戒艦「天安」沈没事件が勃発した。韓国のイミョンバク政権は、これを絶好の口実として「北朝鮮の仕業」と断じて北朝鮮への戦争的危機をあおった。朝鮮半島は一触即発の戦争危機に陥った。
 米韓日は国連などあらゆる機会をとらえて北朝鮮の孤立化を図った。北朝鮮の崩壊を促進する戦争戦略「5030」を発動している。
 ところがこの戦争戦略は、実は対北朝鮮のみならず対中国戦争としてもあるのだ。米韓合同演習は、実は対中国戦争として構えられている。
 ジョージ・ワシントンは、8月16日にベトナム沖で、米ベトナム合同軍事演習を行った。ここには西沙諸島、南沙諸島の領有権をめぐるベトナムと中国との対立がある。ここに米帝が対中国の軍事的観点から介入した。
 北朝鮮をめぐり、ベトナムをめぐり米帝の対中国戦争をみすえた対応が激しく始まっている。とりわけ北朝鮮問題は中国にとって死活的な課題となっている。いわば中国の勢力圏としてある北朝鮮が帝国主義によって切り取られる問題であり、中国スターリン主義の崩壊につながりかねない問題である。
 そこに9月7日、釣魚台(尖閣列島)付近で操業する中国漁船が海上保安庁に連行され、船長が逮捕される事件が起きた。日米共同演習シナリオで次の文言がある。
「中国が尖閣列島の領有権を主張したり、その周辺の海域で漁船が領海侵犯をしたりして日本の巡視艇に体当たりをするなどして……」。これが周辺事態法の発動から対北朝鮮―中国戦争に発展するとシナリオ化されている。米ベトナム合同演習、米韓合同演習と一連の、日帝による対中国の戦争行為として9・7中国漁船船長逮捕が行われた。徹底的に弾劾しなければならない。
 横須賀基地では多くの労働者が働いている。基地機能の死命は基地労働者が握っている。
 07年11月、全駐労は大幅賃下げなどに抗議して2波にわたる全国統一ストライキを打ち抜いた。労働者が社会のすべてを動かしており、労働者こそ社会の主人公なのだ。職場で労働者が職場闘争を闘い、反戦闘争を闘い、階級的団結をうち固めていくことが、戦争策動を打ち破り、戦争の元凶=帝国主義を打倒する最大の力だ。
 国鉄・沖縄決戦で菅と小沢を打倒しよう。北朝鮮・中国侵略戦争反対、米韓合同軍事演習粉砕、沖縄基地撤去、横須賀基地など全米軍基地を撤去しよう。辺野古新基地建設を絶対に阻止しよう。
 原子力空母の横須賀基地母港化2周年に抗議する9・25横須賀闘争を戦闘的に闘おう。
 〔宇和島洋〕
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空母母港化37周年、原子力空母ジョージ・ワシントン横須賀母港化2周年抗議、配備撤回を求める

9・25神奈川県集会

9月25日(土)午前11時開会 11時50分デモ出発
横須賀市「ヴェルニー公園」(旧臨海公園)
主催・神奈川平和センター、三浦半島地区労

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