ZENSHIN 2011/02/21(No2476 p06)

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週刊『前進』(2476号1面1)(2011/02/21 )

 今こそ解雇撤回・外注化阻止を

 国鉄型解雇と朝鮮侵略戦争狙う 絶望的危機の菅政権打倒しよう

 国際連帯で3・20反戦大デモへ

(写真 2・16【選別・解雇】を忘れるな!1047名の解雇撤回を誓う=2月16日 東京・錦糸町)

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週刊『前進』(2476号1面3)(2011/02/21 )

「切り回し道路粉砕!」全学連が総決起

 2月14日早朝に「三里塚で切り回し道路への切り替え強行」との急報を受け、全学連は全力で現地に結集し反対同盟とともに弾劾闘争に立った(記事3面)

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週刊『前進』(2476号1面4)(2011/02/21 )

前進速報版から 前進速報版から

▼米公務員労働者の闘いが爆発▼エジプト労働者がスト・職場占拠、自主管理の闘いに突入▼エジプトに続き全学連と受験生が大合流

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週刊『前進』(2476号3面1)(2011/02/21 )

 今春「日の丸・君が代」闘争へ

 反動判決への回答は不起立の拡大と闘う労働組合の再生だ

 菅政権支える日教組本部打倒を

 革共同教育労働者委員会

 「戦争を内乱へ」準備の時代勝負は労働組合めぐる闘い

 東京高裁は1月28日、予防訴訟(国歌斉唱義務不存在確認等請求訴訟)の控訴審で一審判決を覆す不当判決を出した。原告らの処分の事前差し止め請求を「訴訟として適切でない」と門前払いした上で、「日の丸」に向かって起立し「君が代」を斉唱することを求めた都教委の「10・23通達」を「学習指導要領に沿ったもので合理性がある」と断定した。都教委の「日の丸・君が代」強制を正当化するまったく理不尽な判決だ。
 しかしこの判決は、絶対に屈しない現場労働者の闘いに追い詰められた国家権力が業を煮やして出さざるを得なかったものであり、本質的に破綻したものだ。裁判への幻想は吹っ飛び、闘いは原点に引き戻された。
 そもそも「日の丸・君が代」と労働者は絶対非和解の関係だ。それを教育労働者が職場闘争で国家権力に突きつけているのが不起立闘争だ。戦時下に突入した今日も依然として継続され、労働者の力で「世論二分」状態を強制している。権力の方がギリギリと追い詰められているのだ。
 2004年春の東京における不起立闘争の爆発を見て、動労千葉の故中村栄一書記長は「動労千葉の援軍だ」とエールを送ってくれた。わが教育労働者委員会は以来7年余り、不起立闘争を、闘う労働組合をよみがえらせる闘いと位置づけて、その先頭で闘ってきた。
 チュニジアに続きエジプトで革命が爆発した。いずれも官製労組と対決して組合運動を再建してきた労働者が中軸を担っている。日本でも11・23情勢下でいよいよ「侵略戦争を内乱へ」を準備する時代に突入した。すべては労働組合をめぐる闘いにかかっている。
 反動判決への回答は東京と全国での不起立の拡大だ。それをとおした闘う労働組合の再生だ。今春の卒業式・入学式で現場労働者の怒りと意地と底力を見せつけよう。

 「10・23通達」うち破ってきた現場労働者の7年余の闘い

 絶対譲れない原点を貫いて

 「日の丸・君が代」には2千万人を超えるアジアと日本の労働者の生命と生活を奪ってきた血塗られた歴史が刻み込まれている。だから教育労働者は戦後一貫して「日の丸・君が代」が学校現場に持ち込まれることに反対してきた。
 文部省とのパートナー路線に転落した日教組本部は、新自由主義教育改革の積極的担い手の道を突き進み、「日の丸・君が代」反対の職場闘争を投げ捨てた。しかしその後も現場では粘り強く職場闘争を闘ってきた。
 それを処分と解雇の恫喝で圧殺しようとしたのがファシスト石原東京都知事だ。イラク戦争が始まった2003年、石原は「東京から日本を変える」と叫んで「10・23通達」を発出した。連合路線の組合執行部は腰砕けになり、口では反対を言いながら「職務命令が出たら仕方ない」「処分されたら経済的な不利益が生じるから」と屈服し、闘いを投げ出した。
 その現実を踏みしだいて現場労働者が主人公になって切り開いたのが、不起立闘争だ。子どもたちを戦場に送り出したい教育労働者など一人もいない。絶対に譲れない日教組運動の原点を現場労働者が守り抜き、新たな職場闘争を始めたのだ。

 勝負どころは職場の闘いだ

 06年9月の予防訴訟一審判決は教育労働者の怒りの決起がもぎとったものだが、それは同時に闘いの中に裁判闘争への幻想を生み出した。以降、裁判勝利のために不起立を抑え込むという転倒した方針が頭をもたげ、不起立を「思想・良心の自由」を守る個人の闘いと主張するにいたり、それが運動の論理に押し上げられてしまった。
 しかしこれは、労働者の団結を内側から破壊する思想であり、教育の権力支配を団結の力で打ち砕くという職場闘争を否定する路線である。
 われわれはこの路線と対決し、「不起立で団結しよう」という階級的労働運動路線を確立し、一貫して不起立を呼びかけて闘ってきた。

 絶対反対貫き団結をつくる

 都教委が反対闘争をつぶすために必死になって進めてきたのが、労働者の分断攻撃だ。
 「できれば処分を受けたくない」という労働者の思いにつけ込んで、不起立しそうな教職員を会場外に閉め出し、闘いの現場から引きはがした。卒業学年の担任を会場外に追い出すことはできないため、他県に例のない累積過重処分で解雇をちらつかせ、強制異動の報復人事を乱発して、闘う主体をつぶしにかかった。「3年で反対運動をつぶす」というかけ声のもとで手段を選ばぬ攻撃が続いた。
 しかし絶対反対を貫く労働者の固い意志と正義の前に追い詰められたのは都教委の側だった。08年春、「根津公子さんを解雇するな」と迫った連日の都庁での追及行動は完全に都教委を圧倒した。この団結の力で懲戒免職も分限免職も打ち砕いた。
 そして「強制にはみんなが反対だ」という確信と仲間への信頼をバネに毎年新たな不起立者が登場した。根津さんを先頭に「絶対反対」を貫いて闘い続けていることが、現場労働者を鼓舞し、激励してきたのだ。踏んばり抜けば事態は変えられるということを実証してきたのが、この7年余りの東京での闘いだ。

 青年の決起が始まった!

 教育の民営化が進む今の学校現場は戦場さながらの状況だ。非正規職の激増、長時間労働の日常化、業績評価制度と査定昇給、パソコンによる労務支配、主幹・主任教諭など新職導入と職階制賃金による分断支配、学力テストの導入による競争の激化、免許更新制など。誰もが失職の不安の中で働いている。
 この重圧の中で、新規採用者の自死、精神疾患と病休と早期・中途退職者の激増、過労による現職死亡が生み出されている。職場ではすでに労働者が殺されている。とりわけ青年には矛盾が集中し、闘わなければ生きられない現実に置かれている。
 教育労働者の誇りをかけた不起立は、苦闘する青年労働者の心をつかみ、全国で青年教育労働者の不起立が始まっている。「40秒間でこれほど管理職に打撃を与える痛快な闘いはない!」――これが青年労働者の気持ちだ。不起立は労働者としての誇りを取り戻す自己解放の闘いなのだ。
 不起立闘争は新しい価値を生み出しながら階級的団結をつくり出す闘いとして前進している。

 不起立は戦争協力拒否闘争

 都教委は今も職務命令を出さなければ教職員を「日の丸・君が代」に従わせることができない。職務命令を出し続けても依然として不起立者を抑え込むことはできない。しかも「日の丸・君が代」への起立・敬礼・斉唱を「国家忠誠儀礼」だと堂々と主張できず、職務命令違反の「服務事故」に仕立て上げて処分を続けている。これまた都教委の脆弱(ぜいじゃく)さを示すものだ。
 裁判所は「通常想定される儀礼的所作に当たる行為」という言葉で起立斉唱の強制を正当化し始めた。こうして問答無用に強制することこそ、儀式による刷り込みで愛国心を植え付けた戦前と同じだ。
 不起立は二度と戦争を許さないという労働者の反戦意識に根ざす抵抗闘争だ。その行動には道理があり、階級的な正義がある。都教委が不起立を抑え込むことができないのは当然なのだ。

 現場の怒りと呼吸し時代の要請に応え組合権力奪取へ

 菅民主党政権を支持する日教組本部は今やまったく求心力を失っている。公務員制度改革を「公務員の労使関係が変わる」と美化し、積極的に首切り・賃下げ攻撃に手を貸し、非正規職を激増させる「定数改善計画」を持ち上げてきた。政権交代時には「免許更新制をなくす」と大宣伝しながら、廃止どころかよりひどい「3段階免許制度」を導入しようとしている。裏切りもいいところだ。組合組織率が過去最低になったのは当然の結果だ。
 しかし現場労働者は闘う労働組合を死活的に求めている。民主党政権支持が首切り、賃下げ、非正規化、組合破壊の道であることが誰の目にもはっきりしてきた今、すべては現場の怒りと呼吸して闘う労働組合をよみがえらせることにかかっている。民主党政権と一体化した日教組本部は打倒あるのみ。その機はいよいよ熟している。
 教育労働者委員会こそこの時代の要請に応え、闘う労働組合をよみがえらせる先頭に立とう。
 1月22日から開かれた全国教研集会で日教組本部は、参加が決まっていた組合員を「民主党政権を批判したから」という理由で排除した。2008年の東京の「日の丸・君が代」強制反対のレポート却下に始まった排除と統制は、ついに一切の本部批判を禁圧するところまで来たのだ。不起立闘争は、こうした日教組本部の屈服と腐敗を誰の目にもはっきりさせる闘いでもあった。
 われわれは、すでに不起立闘争の中で「教育の民営化、学校の軍事化」と対決する路線をつくり出し、闘いを開始し、闘う団結をつくり出してきている。非正規職撤廃の闘い、業績評価闘争、官制研修を打ち破る闘いで、口先の批判ではない自前の闘いを切り開いている。組合権力への本格的な挑戦を開始している。今こそ仲間づくりへ思い切って踏みだそう。

 愛国主義・排外主義うち砕く

 すでに戦時下に突入している。菅政権は領土問題や11・23の韓国と北朝鮮の砲撃戦を機に、また名護新基地建設強行のために、すでに実戦発動体制に移行しつつある。今春の不起立闘争は、3・20イラク反戦・エジプト革命連帯闘争の決定的な一環だ。
 大恐慌下で日本でも300万人もの若者が生きることさえ困難な状況に置かれている。不安定雇用と失職の恐怖が「秋葉原事件」を、就職難が「貧困による徴兵」を生み出している。自衛隊は全国1700の高校で採用説明会を行い「校内募兵」を始めている。怒りを抱えた若者が田母神元空幕長ら右翼ファシストの「日の丸」デモに駆り出されている。われわれが苦闘する青年労働者の前に登場し、労働者の団結を呼びかけることが時代を決するのだ。
 不起立闘争は労働者学生が排外主義に動員されていくことを打ち砕く戦略的な闘いだ。

 国境を越えた国際連帯闘争

 不起立闘争は国境を越えた労働者の国際連帯をつくり出した決定的な闘いだ。募兵官追い出し闘争を闘うアメリカの教育労働者は瞬時にその意義を理解し、日米教育労働者の国際連帯が始まった。労働者の国際連帯で戦争を止めるという生きた関係をつくり出し、「教育の民営化、学校の軍事化」との対決という共通の課題で共闘をつくり出している。既成の労働組合から権力を奪取し闘う組合をつくるという同じ目的に向かって、海を越えた団結をかちとっている。
 労働者階級は国際的な存在であり、未来ではなく今ただちに民族・国籍・国境を越えた団結は可能なのだ! これが戦争を阻止する力だ。

 国鉄闘争担い労組の再生へ

 国鉄闘争全国運動を呼びかけた動労千葉は、国鉄分割・民営化絶対反対の原点に立ちきり、分割・民営化以降も「外注化阻止! 非正規職化反対!」を掲げて不屈に闘い続けている。1047名解雇撤回闘争を闘いながら、外注化やライフサイクル強制配転にストライキで反撃に立ち上がっている。
 動労千葉は「展望というのは原則を曲げずに必死に闘う中からつかみとっていくもの」「執行部の腹構えが一切を決する」「攻撃をはね返すのは現場の力」という原則を打ち立て、労働運動の再生に向かって日々前進している。
 この精神と実践から大いに学び、動労千葉の闘いに続こう。
 国鉄闘争全国運動を大きく広げ、大恐慌に立ち向かい、大失業と戦争の時代に勝利する労働運動を全労働者の団結でつくり出そう!

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週刊『前進』(2476号3面4)(2011/02/21 )

 三里塚裁判傍聴を

◎市東さん行政訴訟
 2月22日(火)午前10時30分 千葉地裁

◎市東さん農地法裁判
 2月22日(火)午前11時10分 千葉地裁 (同日に同じ法廷で連続して開かれます)

◎団結街道裁判
 3月1日(火)午前11時 千葉地裁

◎鈴木さん一坪裁判
 3月10日(木)午前10時30分 千葉地裁
 ※傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合を

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週刊『前進』(2476号5面1)(2011/02/21 )

 エジプト革命と連帯し3・20に反戦大デモを

 ムバラク打倒で革命は第2段階

 大恐慌下に蜂起が全中東に波及

 エジプトの労働者は2月11日、ムバラクをついに打倒した。歓喜の嵐、夜通しの祝祭がカイロ・タハリール広場から全国のあらゆる職場、地域に広がった。力関係は逆転した。旧政権の大小の手先の責任を追及し、打倒する闘いが各地で繰り広げられている。蜂起は全中東に拡大し(地図参照)、帝国主義の中東石油支配・世界支配体制の崩壊を近づけている。

 労働者のスト・職場闘争が全国で爆発

 11日のムバラク打倒は、1917年ロシア革命でいえば2月革命だ。壮大なドラマの第一幕は大勝利で閉じられた。さらにプロレタリア革命完遂に向けた本格的な大激突はこれからだ。
 11日、ムバラクに代わった軍最高評議会が「文民政権までの移行に責任を取る」と発表した。
 だが、エジプト軍こそムバラク体制そのものだ。軍幹部は米軍に訓練され、日常的に親密な関係だ。アメリカの対エジプト軍事援助は年間13億jで、対イスラエル援助に次ぐ。軍は政府と企業の利権を牛耳り、軍へのコネとワイロがすべてを支配してきた。そして今も軍は「非常事態法撤廃」「政治犯全員釈放」の要求を拒んでいる。
 二人の軍最高幹部と会談した青年活動家の統一戦線の二人の代表によると、「軍最高評議会は、10日以内に改憲案を作成する。そしてそれを2カ月以内に国民投票にかける」という。軍最高評議会が革命の解体・大弾圧を準備していることは明白だ。だが、ムバラク打倒で勝利の確信を深めた労働者階級は全国で職場の組織化・団結の強化拡大を進めている。
 これまで労働者の闘いはビラまき一つでも理由なしの逮捕・拷問、「行方不明」にされる危険があった。だが1月25日からの蜂起は機動隊と公安警察関係者の襲撃を市街戦で粉砕し、地域の武装自衛組織を組織し、動員を数百万人に拡大してムバラクを辞任に追い込んだ。労働者階級はまだ国家権力を奪取できていないが、支配階級もすぐには攻勢に出られないという力関係をもぎり取ったのだ。労働者は今、解放感あふれる闘いをあらゆる所で開始している。
 「職場をタハリールに」を合言葉に、職場を組織化し、ストライキ、職場占拠、職場権力の奪取に入っている。弾圧や利権・腐敗の手先への責任追及、打倒の闘いが全土で爆発している。
 国有のエジプト航空では社長が追放された。カイロでは、独立労組である不動産税徴税官労組を始めとする数百人が、官製労組=ETUF(エジプト労働組合総連合)本部前でETUFの解体、幹部追放を要求した。ETUFは、石やガラスビンを投げつけてきたが、労働者に包囲され、憲兵隊(軍警察)によってようやく救い出されるありさまだ。
 また最大の国有銀行、NBEの労働者がストに突入し、本社前に非正規職労働者が結集して封鎖し、正規職化を求めた。他の国有銀行の労働者もNBEストに続いた。中央銀行も14日には全銀行に閉鎖を指令せざるをえなくなった。エジプトの新自由主義政策の核心部分が停止したのだ。
 マスコミでも、最大の新聞社アルアハラムや国営ナイルテレビなどで労働者が職場権力・編集権を奪い取り、各地のストライキを自由に報道している。国営石油・ガス会社の労働者は賃上げと非正規職の正規化、「イスラエルへのガス輸出停止」を求めてストに突入した。
(写真 ストに突入した石油・ガス労働者【石油省前 2月14日】)

 米帝の中東支配と石油独占は崩壊へ

 世界の基軸国アメリカ帝国主義は、中東石油地帯の支配、石油独占支配で成り立ってきた。
 世界大恐慌の中で、アメリカ帝国主義はますます石油支配にしがみつかざるをえない。基軸通貨ドルが風前のともしびになっているからだ。ドル体制の最後の望みの綱が石油支配なのだ。
 石油がドル建てで取引されている現状が崩壊すれば、すでに信用が失墜しているドルを誰も持ちたがらない。世界の基軸通貨で無くなるのだ。果てしない大恐慌に落ち込むことは必至だ。アメリカの中東支配こそ石油のドル建て取引の命綱なのだ。その中東支配の要がエジプトだ。
 73年、エジプトのサダト政権は、ナセル前政権の国有化政策、国内産業保護政策を「門戸開放」政策に大転換した。関税大幅引下げ、補助金等の廃止、外資導入だ。その結果、77年、失業の急増と価格の暴騰で食糧暴動やストライキが爆発的に拡大した。こうした闘いを軍と公安警察による大量逮捕、拷問、虐殺によって弾圧し続けたのが、サダトとその後を継いだムバラクだった。
 エジプトは、他の多くの国に先駆けて新自由主義化を強行したのだ。
 こうしてサダト政権がアメリカ資本と親密になったことによって、政治的同盟関係もつくられていった。78年の米、イスラエル、エジプト間のキャンプデービッド会談でつくられた同盟だ。
 従来はアラブ諸国への侵略者・大虐殺者であるイスラエルに対しては、アラブ国家である限りどんな反動政権でも「敵」として扱わざるをえなかった。だが、サダト政権は、公然とイスラエルとの同盟=共犯関係に踏み切ったのだ。
 これを引き継いだムバラク政権は、PLO(パレスチナ解放機構)指導部の屈服を引き出し、闘いを分裂させ、イスラエルを支えてきた。そして、イスラエルと共同で現在のガザ地区封鎖を行っている。
 このキャンプデービッド体制という中東全体の労働者人民の闘いを抑え込んできた堤防がついに決壊の時を迎えたのだ。
(写真 イエメンの数千の学生と弁護士。「ムバラクの次はアリ【サレハ大統領】だ!」【首都サヌア 2月14日】)

 国際的団結の力で労働者権力樹立を

 新自由主義のグローバル化によってエジプトで大量の労働者階級が生み出されている。そして人口の4割もが1日2j以下の生活を強いられている。このエジプト労働者の解放は、諸野党の文民政権に移行することではけっしてかちとれない。ブルジョア民主主義や民族主義への依存は「十分な成果があがらない」から駄目なのではない。それは根本的に不可能な道であり、労働者階級を血の海に沈める反革命の道なのだ。
 ソ連スターリン主義は52年のナセルらのクーデターの後、ブルジョア民族主義を代表するナセル政権を支持し、労働者の大弾圧をもたらした。中国スターリン主義もナセルやインドネシアのスカルノらを支持し、65年9月のインドネシアクーデターで300万人の労働組合員や共産党員の大虐殺を招いた。まして、大恐慌で資本主義が断末魔の叫びを上げている今、ブルジョア民主主義、民族主義の「解決」が許容されるはずがない。
 「労働者階級の解放は労働者自身の事業」である。労働者階級こそ、徹底した革命性を持っている階級だ。
 06年、07年、マハラの繊維労働者はムバラク政権の極限的な弾圧を打ち破り、ストライキで勝利した。そして「08年4月6日ゼネスト」を呼びかけ、マハラ食糧暴動闘争は、その規模も戦闘性も組織性も、タハリールに直接つながっている。
 労働者階級が独自の勢力として圧倒的に前面に立ち、ヘゲモニーを握り、職場の団結を基礎に武装自衛体制を強化し、兵士・下級将校を獲得して、軍解体を進め、中間的諸階層をも吸引すれば必ず勝利できる。
 また、労働者階級は、全世界ひとつの階級だ。
 エジプト労働者がすさまじい弾圧と激動をくぐりぬけてきたのも、エジプトが米帝・戦後世界体制の戦略的核心だからだ。帝国主義の全体重がエジプト労働者階級にのしかかっていたのだ。逆に言えば、エジプト労働者の闘いは帝国主義の根幹を揺るがす。だから、全世界の労働者の命運と直結している。
 すでに、エジプト革命はパレスチナ人民の闘いを激励し、イスラエルを窮地に追い込んでいる。
 そして中東全域、特に湾岸協力会議(GCC)の石油輸出国――サウジアラビア、クウェート、アラブ首長国連邦、バーレーン、オマーン、カタール――の一角、バーレーンで大規模な蜂起が始まった。決定的だ。エジプト革命とGCCは、直接に人的つながりがある。GCC諸国の労働者の8割が移民、出稼ぎであり、技術者、教員、公務員など、エジプト人労働者なしにGCC諸国は成り立たない。多くのエジプト人移民がいる欧州やアメリカとも直接の人的つながりがある。
 既成野党勢力とではなく、世界の労働者との団結こそ現実的であり、エジプト革命勝利の道だ。
 日本の労働者は、新自由主義の世界的総攻撃の突破口である国鉄分割・民営化を打ち破る国鉄闘争全国運動と職場の圧倒的な組織化でエジプト労働者と団結できる。米軍の中東展開は日米安保なしには不可能だ。米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒の闘いでともに勝利しよう。世界革命の道を突き進もう。
 〔村上和幸〕

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週刊『前進』(2476号6面1)(2011/02/21 )

 日程 2011年国際婦人デー闘争
【東京集会】
3月5日(土)午後0時30分開場、1時開会 終了後デモ
アットビジネスセンター池袋駅前別館
主催 3・8国際婦人デー行動実行委員会

【関西集会】
3月5日(土)午後5時〜5時45分 近鉄八尾駅前で大街宣
       午後6時30分〜8時30分 集会 八尾プリズムホール4F
主催 婦民全国協・関西ブロック、労組交流センター関西女性部

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週刊『前進』(2476号6面3)(2011/02/21 )

 法大裁判に集まろう!

 ★5・28暴行デッチあげ控訴審(判決)
  第8回公判 2月28日(月)午前10時
  東京地裁429号法廷
  9時30分に傍聴券配布所に集合

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