ZENSHIN 2012/01/01(No2518 p12)

ホームページへ週刊『前進』月刊『コミューン』季刊『共産主義者』週刊『三里塚』出版物案内販売書店案内連絡先English

週刊『前進』(2518号1面2)(2012/01/01 )

新年特別号目次

国鉄決戦と反原発・反失業でプロレタリア革命を切り開け 革共同政治局の2012年1・1アピール 9〜12面
高山俊吉弁護士の新年メッセージ 3面
三里塚は市東さんの農地守る決戦の年 4面
東日本大震災現地救援対策本部のアピール、NAZEN織田陽介事務局長の訴え  5面
青年労働者座談会 職場で勝負して労組拠点を作る  6、7面
新自由主義と闘う国際連帯、星野文昭同志の新年メッセージ 8面

 ---------------------

 おことわり
 本紙は本号を新年特別号(12n)として1月1日付で発行し、1月2日号、9日号は休刊とします。次号は1月16日に発行します。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2518号1面3)(2012/01/01 )

 日程 1・15革共同中四国政治集会

 労働組合とマルクス主義を復権し人類史わかつ2012年階級決戦へ
 1・15革共同中四国政治集会
 2012年1月15日(日)正午開会(11時半開場)
 広島市東区民文化センター1Fスタジオ1(広島市東区東蟹屋町10-31)
 基調報告 秋月丈志
 決意表明 マル青労同/マル学同中核派
 主催/革命的共産主義者同盟中国四国地方委員会

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2518号1面4)(2012/01/01 )

前進速報版から 前進速報版から

▼群馬県桐生市で「原発なくてもエエジャナイカ大行進」200人がサウンドデモ▼中国・烏坎(ウーカン)村の闘い、周辺に拡大
◎休刊中の最新ニュースは『前進』速報版に随時掲載します。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2518号3面2)(2012/01/01 )

 動労千葉 千葉転も指名ストへ

 庁舎前で意気高く突入集会

 新運輸区開設は5月に延期

 動労千葉は、JR東日本による銚子運転区廃止―佐倉・銚子運輸区新設に反対し、強制配転のための線見訓練を拒否する指名ストライキを継続している。12月20日からは千葉運転区支部組合員も指名ストに突入した。
 19日には千葉運転区支部が、運転区庁舎前でスト突入集会を開催した。指名ストに突入する8人の支部組合員を先頭に、他支部の仲間も多数結集して新たな闘いへの突入を意気高く宣言した。
 あいさつに立った大野茂支部長は「会社は今にいたるも新運輸区の要員数すら示していない。こんな中で、ただただ『訓練をやれ』なんてことが許せますか! 会社は、次のダイヤ改定は3月17日に行うが、新運輸区開設は5月に延期すると提案してきた。まともに会社を運営する能力もないということだ。強制配転なんか絶対に許さない。組織破壊を許さない。千葉運転区支部は徹底抗戦で闘い抜く」と闘争宣言を発した。さらに「この攻撃はローカル線の切り捨てでもある。銚子支部とともに動労千葉の最先頭で闘う」と述べた。支部乗務員分科会の代表も「強制配転に反対し一致団結して闘う」と決意を示した。
 本部を代表してあいさつした田中康宏委員長は「明日から新たな闘いが始まる。すでに、この攻撃は破綻を始めている。会社がいったん提案した第一級の施策がまともに実施できないなんて前代未聞だ。理由は『震災で新庁舎建設工事が遅れている』なんて言っているが、こんなものはうそっぱちだ」と述べた。加えて「会社は京葉車両センターでの構内運転業務一部外注化についても『近々、訓練を始めたい』と言って、いよいよ外注化を強行する構えを見せている。来年4月には検修業務の全面外注化を狙っている。こんなことは絶対に許さない。基地再編と外注化に反対し、年末年始を返上して闘う決意だ」と述べた。
 庁舎門前に指名ストに突入する8人の組合員が勢ぞろいし「明日、自分が一番手としてストに入る」「本人の希望も聞かず転勤を前提とした訓練をやらせるなんて許せない」と次々と決意表明を行った。
 続いて銚子支部の渡辺靖正支部長が「11月に12人、12月に17人が指名ストを貫徹した。われわれは負けるわけにいかない。動労千葉の威信をかけて闘う」と述べ、幕張支部、木更津支部、千葉機関区支部、動労千葉を支援する会の代表が連帯あいさつ。「ライフサイクル」で千葉駅に強制配転されている北嶋琢磨青年部長は「どれだけ人をあっちこっちへと配転するつもりなのか。どんだけ無駄な金を使ってんだよ。そんな金があるなら駅輸送職をきちんと養成して、おれを運転職場に戻せ!」と庁舎前に並ぶ管理者に怒りをたたきつけ「ストに入るみなさん、頑張って下さい!」と元気にエールを送った。最後に全員でシュプレヒコールを行い決起集会を締めくくった。
(写真 「運転基地再編、強制配転を許さないぞ!」。千葉運転区庁舎前でシュプレヒコール【12月19日】)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2518号3面3)(2012/01/01 )

 動労水戸定期大会 “さらに青年組織する”

 11年の勝利の自信にあふれ

 動労水戸は12月17日、水戸市内で第30回定期大会を開いた。野田政権が原発事故の「収束」を宣言し、JR東日本が常磐線の原ノ町−相馬間の営業運転再開を打ち出す緊迫した情勢の中で開かれた大会で、動労水戸はさらなる組織拡大を軸とする2012年の運動方針を確立した。
 2011年、動労水戸はJR東日本による被曝労働の強制と闘い、青年労働者の組合加入をかちとる巨大な勝利を切り開いてきた。大会に結集した組合員は皆、この地平への自信に満ちあふれていた。
 冒頭、石井真一委員長があいさつに立ち、「23歳の青年が動労水戸に加入したことで汚染車両の検修を止めた。彼の決起を勝田車両センターの組合員が一丸となって支えた。彼に続く青年を組織する闘いを全職場で展開しよう」と訴えた。
 さらにJRが常磐線の原ノ町−相馬間の営業運転を12月21日に再開しようとしていることを弾劾し、「野田が原発事故の安全宣言をした。ふざけるな。JRは安全キャンペーンの先頭に立って、毎時0・5マイクロシーベルトの高線量の中での被曝労働をやらせようとしている。車両をメンテナンスする設備も整っていない中での運転再開は、運転保安上も絶対許せない。JRと東電のウソを徹底的に暴いて闘う」と戦闘宣言を発した。また、福島県内のいわき地区での闘いの強化と3・11福島県民集会(郡山)への総決起を訴えた。
 また、来年4月に向けて検修外注化と新人事・賃金制度の導入が焦点になっていることを指摘し、「これとの闘いを組織拡大のチャンスに転じよう」と呼びかけた。さらに、運転士登用差別最高裁判決の完全履行と昇進昇格差別粉砕の裁判闘争について、「国鉄分割・民営化にリベンジするだけでなく、新たに加入した青年への昇進差別を許さず、青年の未来を切り開く闘いとして取り組む」と提起した。
 常南交通労組や茨城県地域連帯労組を始めとした茨城県内の労働組合、動労総連合の清水匠執行委員、星野さんを取り戻す会が連帯のあいさつ。全学連の斎藤郁真委員長も駆けつけて、動労水戸と連帯し闘いぬく熱い決意を表明した。
 経過報告を行った国分勝之副委員長は、1年の闘いを総括して「新生動労水戸としての第一歩を踏み出した」「労働者がどう生きていくかの回答がわれわれの闘いの中にある」と断言した。
 高野安雄副委員長が情勢を、木村郁夫書記長が運動方針案を提案し、@国鉄闘争全国運動を軸とする1047名解雇撤回闘争、A検修構内全面外注化阻止−反合・運転保安確立の闘い、B一切の不当労働行為根絶の闘い、C反原発・被曝労働粉砕の闘い、D12春闘、E反戦・政治闘争、F地域における共闘の強化、GJR総連解体−組織強化・拡大の闘い――という2012年の運動方針を鮮明にした。
 討論では、いわき地区での闘いの強化や高放射線下での労働の強制との闘い、検修外注化を巡って率直で真剣な議論がかわされた。
 運動方針を満場一致で可決、無実の星野文昭さんを奪還する特別決議と大会宣言を採択した。閉会のあいさつに立った辻川慎一副委員長は「青年の組織化に向けて次のステップに進もう」と訴えるとともに、反原発闘争について「労働者・農民は原発事故の現実から逃げられない。いわきの地元に根付き、現場の声を代表する労働組合に飛躍する」と強調した。
 こうして動労水戸は、2011年の闘いの勝利の上に、2012年の決戦態勢を築き上げた。
(写真 動労水戸大会であいさつする石井委員長【12月17日 水戸市】 )

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2518号3面4)(2012/01/01 )

 動労西日本 契約社員制度撤廃を

 定期大会で運動方針確立

 12月18日、動労西日本は岡山市内で第4回定期大会を開催した。国鉄闘争全国運動の呼びかけ人の矢山有作さんと大野義文さん、動労総連合の君塚正治委員長、国労の現場組合員が駆けつけ、岡山からも多くの労働組合の仲間が参加し、非正規職撤廃・組織拡大の方針を満場一致で決定した。
 大江照己委員長は、「一番大きな闘いとして山田和広副委員長の解雇撤回闘争がある。中労委でどんな結果が出ようと行政訴訟も辞さず闘う。これは動労西日本だけの闘いではなく全国の非正規雇用の労働者に訴えかける闘いだ。動労西日本が躍り出る時代が到来した」と提起。来賓あいさつで君塚さんは、「われわれは国鉄闘争全国運動で新自由主義・資本主義と闘う。動労千葉の千葉運転区支部長は『非正規職撤廃も外注化阻止も労働者を代表した崇高な闘いだ』と言っている。その位置づけで、きっちり闘ってほしい」と発言。
 山田副委員長は運動方針提案で「組合員の総団結で組織強化・拡大を実現しよう!」と提起。具体的方針としてJR西日本の契約社員制度撤廃・雇い止め解雇撤回に取り組むことを確認した。
(写真 動労西日本の大会で壇上に並んだ組合員【12月18日 岡山市】)

 国鉄全国運動の大野さんが講演

 大会終了後、同じ会場で岡山マスカットユニオンの定期大会と大野さんの講演会が行われた。
 講演会で大野さんは、「一人の解雇も許さないのが労働組合だ。労働者は仲間との連帯の中でしか生存権と尊厳を守れない。本来、労働契約は期間を定めないのが基本だ。しかし、資本家は短期雇用契約で解雇制限の適用を免れている。有期雇用は違憲だ。恒常的な残業は8時間労働の原則を否定し、団結権を否定する。資本家によるいじめやセクハラ、パワハラ、過労死や過労自殺は企業犯罪だ。労働のあり方そのものを問う視点を」と提起し、活発な質疑応答が行われた。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2518号3面5)(2012/01/01 )

 福島集団疎開裁判 却下決定許すな

 子どもらに内部被曝を強制

 福島地方裁判所郡山支部(清水響裁判長)は12月16日、「ふくしま集団疎開裁判」で集団疎開の申し立てを却下する決定を出した。この裁判は郡山市の小中学生14人らが郡山市を相手に、被曝から身を守れる環境で教育を実施することを求めたものだ。今回の決定は、子どもたちの被曝と「緩やかな殺人」を公認するものであり絶対に許されない。
 決定の最大の問題点は「年100_シーベルト未満の放射線量を受けた場合の癌(がん)などの晩発性障害の発生確率に対する影響については、実証的に確認されていない」として、100_シーベルト以下では子どもたちを避難させる義務は生じない、としたことだ。申立人側は、100_シーベルト以下でも晩発性症状が起きるとして、チェルノブイリ事故の例とも対比しながら証拠をいくつも提出した。ところが裁判所はその証拠調べを一切しなかった。郡山市側は“1_シーベルト以上でも大丈夫”という証拠を自分から出したわけでもない。それなのに“100_シーベルト以下ならOK”という結論だけを強引に押しつけたのだ。
 しかも今回の決定は、子どもたちの「生命身体に対する具体的に切迫した危険性があるとは認められない」とまで断定した。数年、あるいは何十年も経て白血病やがんなどが発症した時に初めて「危険性」を認めるというのか。それでは遅いではないか! 晩発性の健康障害、とりわけ内部被曝の危険性を完全に無視抹殺する極悪の決定だ。
 この裁判で意見書を提出した医師の松井英介さんは著書『見えない恐怖/放射線内部被曝』の中で、広島・長崎の被爆者の内部被曝問題をとりあげ、原爆症認定訴訟で裁判所が内部被曝を認めざるをえなかった事実を強調している。これまで裁判所ですら公認してきたことを、福島地裁郡山支部は今回、覆したのだ。“子どもたちは内部被曝で死んでもかまわない”と言っているに等しい。八つ裂きにしても足りないやつらだ。
 また、申立人側がチェルノブイリ事故と比較をして避難の必要性を論証したのに対し、裁判所は決定で一言も触れていない。郡山市中心部のほとんどで空間線量が年5_シーベルトを上回っている。これはチェルノブイリ事故では強制避難地域に当たる。郡山市と裁判所はこの事実を無視し“避難という申し立ては認められない。代替手段として転校の自由がある”と言いなして逃げた。申立人は裁判の中で転校や避難が多くの労働者市民にとってどれほど困難であるかを具体的に明らかにしてきた。いま緊急に求められているのは個人の転校の自由ではなく強制的な避難なのだ。裁判所は、このすべてを無視した。
 チェルノブイリ事故での全真実が今こそ説き起こされなければならない。清水修二・福島大副学長は、チェルノブイリを訪れた上で“福島はチェルノブイリほどひどくないので安堵(あんど)してよい”と言っている(12・15産経)。チェルノブイリをゆがめて福島の現実をもゆがめる策動を絶対に粉砕しよう。
 この決定に対し弁護団長は、米国ヴァージニア憲法3条の「革命権を有する」という文章を引用して次のように述べている。「私たちは2世紀以上前のアメリカ独立革命の人権宣言の初心・原点に帰って、『子どもを粗末にするような国は廃炉にするしかない。未来は子どもを大切にする国作りの中にしかない』ことを宣言する」と。福島の子どもたちの被曝をめぐって革命が問われているのである。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2518号4面5)(2012/01/01 )

 日程 三里塚 2012年新年旗開き、裁判

2012年新年旗開き
1月8日(日)
◎敷地内デモ 午前10時30分 東峰十字路北側開拓組合道路
◎団結旗開き午後1時 レストラン「ハナマサ」(成田市並木町大久保台219)主催 三里塚芝山連合空港反対同盟三里塚裁判傍聴を!
 -----------------------
 三里塚裁判傍聴を!
◎団結街道裁判1月17日(火)午前10時30分 千葉地裁
◎市東さん耕作権裁判1月23日(月)午前10時30分 千葉地裁
(傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2518号5面1)(2012/01/01 )

 再稼働阻止・全原発廃炉へさらに闘う

 3・11福島県民集会の大成功へ

 被災地の労働者は先頭に立つ

 生きぬくために闘う!東日本大震災現地救援対策本部

 3・11東日本大震災と福島原発事故の発生以来、被災地で闘いの先頭に立ってきた「生きぬくために闘う!東日本大震災現地救援対策本部」より、新年のメッセージが寄せられた。被災地の労働者人民の怒りを共有し、3・11福島県民集会の大結集へともに闘おう。(編集局)
(写真 11・6全国労働者総決起集会を終えて、街頭に飛び出した被災地・宮城や福島の労働組合・労働者のデモ隊列【日比谷】)

 労働組合の大動員を!

 全国の『前進』読者のみなさん! 生きぬくために闘う!東日本大震災現地救援対策本部よりアピールを送ります。
 一番強く訴えたいことは、東日本大震災から1年を迎える3月11日に郡山市で開催される福島県民集会を大成功させようということです。3月11日までの2カ月余りが勝負です。ここに福島現地―被災地を先頭に巨万の結集をかちとることが2012年の闘いの展望を切り開きます。3カ月決戦にこだわって職場・地域で反原発闘争を徹底的に闘いぬきましょう。
 3・11に向けて、原発事故の張本人=国家と資本との激突が極点に達しようとしています。野田首相の「事故収束宣言」は、福島県民棄民化と原発再稼働に突進するという宣戦布告です。事故責任をとらず、賠償を打ち切り、子どもたちに被曝を強制し、福島の怒りの決起をたたきつぶすこと狙うものです。3・11集会の大結集で「事故収束宣言」を完膚なきまでに打ちのめし、原発再稼働の野田政権を打倒しましょう。その力で全国54基すべての原発の停止・廃炉を強制しましょう。
 3・11集会の先頭に労働組合を登場させることが救援対策本部の最大の任務です。11・6全国労働者総決起集会にオルグしたすべての仲間に、全国各地で再稼働阻止を闘うすべての仲間に「3・11福島」を今日から全力で呼びかけましょう。9・19明治公園の6万人結集を超える「99%」の結集を実現しましょう。

 五つの拠点建設めざし

 私たちは労働組合を軸とする五つの拠点を打ち立てる闘いに入りました。五つの拠点とは@4大産別(国鉄、自治体、教労、郵政)を軸とする階級的労働運動の不抜の拠点、A新自由主義大学と対決し福島決戦に責任をとる学生自治会、BNAZEN(すべての原発いますぐなくそう全国会議)福島を先頭とする反原発闘争の全人民的拠点、C新たな農漁民の闘いとの結合、D医療特区攻撃と闘い放射線被曝から子どもたちの命と健康を守る医療拠点です。
 これらは3・11直後には想像もできなかった方針です。壮大ではありますが、けっして手の届かないものではないこの方針を具体的に打ち出していることが、2011年の最高の到達点です。
 私たちは主体的力量から方針を立てるのではなく、労働者民衆が生き抜くための要求から方針を立て、実践して、闘う団結を拡大することで今日の地平に到達することができました。だから恐れるものは何一つありません。仲間をとことん信頼して壮大なイメージを持って2012年の闘いを切り開きましょう!
 なぜ拠点建設にこだわるのか? 大恐慌下の大震災という未曽有の情勢の中で、資本の攻撃が最も集中するところに反撃の拠点を打ち立てようということであり、拠点攻防に死活をかけて勝利することが全民衆の生きぬくための団結を組織する道だからです。
 原発事故収束キャンペーンと一体で進む復興特区攻撃の核心は、ライフラインを担う4大産別の労働者を大資本が制圧することをとおして、被災地全体を資本の独裁的支配下に組み敷くということです。だからこそ4大産別の職場における労組攻防は最も激しく火を噴いています。ここから逃げずに労組拠点を守り拡大することに2012年の闘いの成否がかかっているのです。

 4大産別で職場闘争を

 仙台市役所における人員削減―合理化は、人手不足と震災業務による多忙化の中で仙台市職労のかけがえのない仲間の命を奪いました。仙台市職労の仲間が発した「仲間を失い悔しい。仲間の命を守るのが労働組合だ」という訴えこそ、「労働組合はいったい何のために、誰のためにあるのか?」という根源的な問いへの回答です。現地救援対策本部は仙台市職労の現場組合員と固くスクラムを組んで、大震災下の人員削減、被災地丸ごと民営化と闘います。
 JR当局が原発事故収束キャンペーンの最悪の先兵になっています。常磐線・久ノ浜駅―広野駅間の運転再開に続いて、相馬駅―原ノ町駅間の運転再開が強行されました。これに対する動労水戸のストライキこそ、被災地でともに闘う私たちへの最強の援軍です。さらに国労郡山工場の被曝労働を許さない職場闘争、3・11福島県民集会の先頭に立つ福島県教組の闘いが、被災地から闘う労働運動をよみがえらせる展望を明々と照らしています。震災解雇を撤回させ組織拡大をかちとってきたみやぎ連帯ユニオン、福島合同労組を先頭に、震災解雇、9割の労働者の非正規職化と対決する合同労組運動の発展を切り開きましょう。

 福島大・東北大を闘う大拠点に

 反原発を闘う学生自治会建設が決戦局面に突入しました。全学連の仲間が、福島大学に学生自治会を建設するという決断をもって、福島大学集会と原発担当相・細野豪志弾劾の闘いを敢行しました。福島大生がこの闘いの先頭に立ち、被災地の労働者民衆を限りなく激励しています。この闘いと一体で、東北大学学生自治会の新執行部が反原発を真っ向から訴えて樹立されました。「内部被曝は気にしなくて大丈夫」と宣伝する石井慶造らを放射能対策アドバイザーとして福島市に送り込み、東北電力会長が参画する「総長選考会議」で選出された里見進新学長体制のもと、原発再稼働と復興特区攻撃の先頭に立つ東北大学当局を許さず、福島大―東北大に闘う学生自治会の強固な拠点をつくり出しましょう。
 原発事故は大地と海を汚染し、農漁民の生業を破壊しました。これに加えて農地強奪・漁業権剥奪(はくだつ)を通じた農地・漁港の大規模集約、大資本参入が行われようとしています。TPP(環太平洋経済連携協定)による農漁業の破壊が重畳的な攻撃として加えられています。原発事故で生きる糧を奪っておきながら、いったい何という仕打ちか! 新自由主義と非和解的に闘う農漁民の闘いに学び、ともに原発事故・復興特区・TPPと闘う強固な団結をつくり出します。
 3・11福島県民集会に向けて、原発事故に怒りを燃やす全民衆を組織するNAZENの存在が決定的です。原発反対を長年担ってきた仲間、子どもを持つ母親・父親、3・11以降闘いに飛び込んだ青年・学生、あらゆる職業・年齢の仲間を結集するNAZENを、反原発運動の全国拠点としてつくり出しましょう。子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの仲間とともに、福島とガッツリつながり、すべての原発を今すぐなくしましょう!

 子どもを守れ!診療所を福島に

 福島の仲間と全国の闘う医師から子どもたちの命と健康を守るための診療所建設のアピールが発せられました。アピールは「診療所をつくることは、みんなの団結で命を守り、医療を取り戻すたたかいであり、すべての原発をただちに停止、廃炉にし、核も原発もない社会をつくる運動そのものです」と訴えています。「こういうことのためなら人生をかけてもいい」という声が全国から続々寄せられています。
 野田政権の「事故収束宣言」により、避難の権利と賠償を拒まれた多くの仲間が、子どもたちの健康を心配し悩みながらも福島にとどまって生活しています。山下俊一・福島医大副学長らの進める医療特区構想は、36万人の子どもたちを「被験者」としてモルモットにし、放射能による健康被害を隠蔽(いんぺい)するものです。子どもたちのよりどころとなる医療施設を一刻も早く建設しようではありませんか。全国から基金運動へのご協力をお願いします!
 「労働者の力で被災地を救援しよう! すべての原発を廃炉に! 震災解雇を許さない!」。現地救援対策本部結成以来のこの三つのスローガンで、2012年も生きぬくために団結を求め、自己解放的に闘います。ともに歴史の扉を押し開きましょう!

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2518号5面2)(2012/01/01 )

 福島と連帯し全国で行動を

 NAZEN織田陽介事務局長の訴え

 原発・放射能のない古里に

 昨年は8月5日のNAZEN結成以降、本当に多くのみなさんに支えられて、ヒロシマ・ナガサキ・ビキニからフクシマへと連なる闘いを歴史的につなげ、全国の怒りと闘いを広くつなげ、大胆な若いエネルギーを原動力に運動を進めてくることができました。この場をお借りして、あらためてお礼を申し上げます。
 チュニジア―エジプトから幕を開け、ついに戦後世界体制の中軸であるアメリカにまで火をつけた2011年の世界的な闘いが、本年ますます鮮明に強く広く前進することは、想像に難くありません。3・11以降の緊迫した情勢と、福島のお母さんやお父さん、さらには若者たちが立ち上がる新しい時代の到来を受けて、必死の思いでNAZENを立ち上げたことの意味と責任は本当に大きいと実感しています。
 2012年、反原発運動の課題は困難なものばかりです。しかしこれに真正面から立ち向かう中にこそ希望があります。
 野田政権の「ステップ2の終了」宣言、20_シーベルト基準と被曝の強制はすべて、原発再稼働・輸出に向かって福島の怒りを抑えつける攻撃です。福島におけるあらゆる攻撃が住民同士の分断としてあり、分断を許さず団結して闘うことが一番大切なことです。どうしてもあきらめられない、子どもたちの未来を守らなければならない、やむにやまれぬ福島の思いと闘いを守りぬきともに闘うこと。避難をはじめ、県民の命と尊厳も放射能の除去も全原発の廃炉もすべて闘い取る、「原発と放射能のないふるさと」を政府・東電の責任で実現させるまで徹底的に闘うこと。これが一つ目の課題です。
 具体的には福島と連帯して全国各地で再稼働を阻止する行動を組織し、広範な統一戦線をつくり出すことです。政府・福島県・県立医大・財界・マスコミが一体となった「放射線医療特区」「県民健康管理センター」の構想は、福島県民をモルモットにして資本の食い物とする、新自由主義のグロテスクな延命策です。この攻撃に対して福島の子どもたちの健康と尊厳を守るための診療所建設の実現へ闘うことです。さらに民衆のあらゆる英知を結集して、金もうけを優先する社会における「不可能」を突破して、科学と医療分野における放射能との闘いを具体的に前進させたい。

 あらゆる闘いと連帯して

 課題の二つ目は、TPPや沖縄、消費増税や改憲、派遣法問題、すべてが画然と矛盾を現す中で、あらゆる闘いとの連帯をつくるために闘うことです。原発反対の闘いを長年続けてこられた方々や、沖縄の反基地闘争などとの関係で、NAZENが運動の若さを理由に不勉強でいては、運動を分断させることになります。福島の人びとが「沖縄の気持ちがわかった」と口々に語っています。子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの佐藤幸子さんは「お金を大事にする人たちと、命を大事にする人たちの闘い」という言葉で沖縄との連帯を表明しました。原発事故が暴露した資本主義社会の真の姿に真正面から立ち向かうことがあらゆる運動との連帯の力だと考えます。

 幅広い人びととつながる

 三つ目は、ますます広い人びとを運動の中に迎え入れることです。新自由主義の中で団結と誇りを日々破壊されている悔しさ、痛み、怒りが社会を、とりわけ若者を覆っています。この思いにかみ合う言葉や行動方針、アプローチの仕方を追求していくことです。求められているのは「仲間のために闘う」義理・人情です。幅広い人たちの能力や表現力を備え、人間的な温かさと強さを持った広い運動と組織をつくり上げていきたい。
 最後に労働者のみなさんに訴えたい。やはり労働組合を現場組合員の手に取り戻すことにかけたい。世界大恐慌という帝国主義の破綻は、賃労働と資本の関係のみならず、国家と全民衆の関係でも矛盾を爆発させ、それゆえ「日本を守れ」という国家主義と紙一重のイデオロギーをも抱えながらダイナミックに闘いが始まっています。これを階級的に牽引(けんいん)できるのは、職場における資本への階級的怒りを組織的に体現した階級的労働組合をおいてほかにありません。
 3・11福島県民集会や署名の取り組みを放棄する連合指導を職場から吹き飛ばす闘いが求められています。JR東日本は常磐線の原ノ町駅―相馬駅間の開通で再稼働と避難地域解除攻撃の先頭に立っています。動労千葉や動労水戸、郡山を先頭とした国労のみなさんの闘いを結集して、これと対決する具体的な闘いを組織したい。そして現場の組合員の手に、もしくは労働組合すら知らない未組織の青年労働者たちの手に、労働組合を取り戻す方針をともに考えつくっていきたい。
 私たちは昨年、坂井留吉さん、吉田義久さんという世界に誇る反核の闘士を失いました。彼らの遺志を引き継ぎ、私自身未熟ながら、事務局長として精いっぱい責任を取る決意です。激動に生きる苦闘と喜びをともにかみしめ、強く信頼し合い闘いましょう!
(写真 6万人が参加した9・19反原発デモでは、エネルギッシュなNAZENのデモ隊が全体を牽引した)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2518号5面4)(2012/01/01 )

 11・6集会ビデオが完成

◆DVD26分
◆頒価500円
◆注文先 動労千葉 千葉市中央区要町2-8DC会館
 TEL 043-222-7207
 FAX 043-224-7197
 Eメール doro-chiba@doro-chiba.org

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2518号7面1)(2012/01/01 )

 新刊紹介 国際労働運動 2月号

 革命の波が中国にも

 大恐慌は、米帝没落・EU解体・日帝脱落・中国バブル崩壊へ向かって深化している。帝国主義間・大国間の争闘戦の激化は、中国スターリン主義から経済成長と政治的軍事的安定の条件を奪い、バブル経済を破綻させつつある。
 米帝は対中国対峙・対決に踏み切り、TPP(環太平洋経済連携協定)による中国包囲と中国の軍事戦略である「接近阻止戦略」の破壊に乗り出している。中国は対米対抗的な軍事・外交政策を強めているが、国内の社会建設の矛盾が深まり、労働者階級人民の怒りの決起に直面している。中国にも革命の波が押し寄せているのだ。
 第1章は、大恐慌の深まりによる不動産バブルの崩壊で、中国のバブル経済が破綻に突き進んでいることを暴露している。
 第2章は、中国スターリン主義の軍事における対米対抗が帝国主義世界戦争への道の促進であり、国際階級闘争に対する反革命であることを明らかにしている。
 第3章は、新自由主義攻撃に対する労働者階級のめざましい決起が中国革命を求めて発展していることを生き生きと描いている。
 翻訳資料は「死をもたらす医産複合体」。独占資本が生命をも商品化し命を奪う医療現場の実態を調査、著作『死をもたらす独占』を出版し、暴露したハリエット・ワシントンへのインタビュー。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2518号8面1)(2012/01/01 )

 新自由主義と闘う国際連帯

 金正日の死去で朝鮮半島をめぐる激動と緊張が一気に高まる中、新自由主義と闘う階級的労働運動がいよいよ情勢を決する時代となった。社会に充満する怒りと結びつき、一つに束ねる力が階級的労働運動だ。動労千葉を軸に11月労働者集会で結合した日韓米労働者の国際連帯を推し進めよう! 2012年、反原発・反失業、外注化阻止・非正規職撤廃の闘いで団結をさらに拡大・強化しよう。

 韓国 非正規職撤廃を
 整理解雇撤回かちとった韓進労働者と“希望バス”

 外注化で殺された非正規職

 12月9日午前0時半すぎ、仁川空港とソウル駅を43分で結ぶコレイル空港鉄道で線路の凍結防止作業をしていた労働者6人が列車にひかれ、5人が死亡、1人が重体という大事故が発生した。6人は下請け労働者、2年ごとに契約を更新する非正規雇用だった。40〜50代のベテラン技術者だが賃金は月190万ウォン(約13万円)以下。
 空港鉄道は「線路作業に対する現場監督と指示などすべての責任は下請け業者が受け持っている」と居直り、警察は13日、列車運転士(39)と3人の下請け業者職員の拘束令状を請求した。最寄り駅を出発後、時速80`を超える運転席から作業中の労働者を発見したが直ちに警笛を鳴らさなかったことが「機関士安全規則」順守違反(!)だというのだ。
 この路線は、97年に民間投資誘致事業として始まり、07年3月に金浦空港−仁川空港間で暫定開通したが収益が上がらず、09年11月に韓国鉄道公社(コレイル)が買収。ホジュニョン社長は就任早々5115人の定員を削減し、施設維持・補修業務の外注化に着手した。その結果、人員不足と安全性低下による事故が頻発していた。
 9日、鉄道労組は「空港鉄道事故は無差別外注化など構造的問題が引き起こした」と弾劾声明を発した。動労千葉は72年船橋事故で高石運転士を守り抜いた。今こそ労組の真価が問われている。
(写真 “希望バス”で訪れた人びとでにぎわう85号クレーン【6月12日 釜山】)

 85号クレーン籠城309日

 97年に韓国がIMF(国際通貨基金)管理下に置かれて以降、民主労総の闘いは整理解雇と非正規職化との闘いだった。イミョンバク政権はこの4年、むき出しの新自由主義攻撃を推し進め、労組破壊と民主労総解体に躍起になっている。
 連綿と続く現場労働者の闘いは2011年、歴史的に勝利した。それが釜山の韓進(ハンジン)重工業での整理解雇撤回闘争だ。
 1月6日、キムジンスク民主労総釜山本部指導委員が韓進重工業・影島(ヨンド)造船所の85号クレーンに登って高空籠城(ろうじょう)に突入。400人の整理解雇を撤回せよと要求した。キムジンスクさんは82年、21歳で韓国初の女性溶接工として韓進重工業に就職、労働運動に身を投じて26歳で解雇された。この85号クレーンは03年に当時の韓進重工業支会長が整理解雇撤回を掲げた129日間の籠城闘争の末に自ら命を絶った場所だ。
 「キムジュイク支会長がしたくてできなかったこと、勝利して自分の足で降りていく」と宣言した彼女は、その宣言通り309日間という驚異的な籠城闘争を貫徹し、クレーン中間部でキムジンスクさんを死守した組合員らとともに11月10日、自らの足で降り立った。この勝利は全労働者を奮い立たせた。
 このキムジンスクさんの闘いに感動し、彼女に会いに行こうと「整理解雇のない世の中、非正規職のない世の中のための希望バス」が生まれた。6月11、12日の第1次希望バスから10月まで希望バスは第5次に及んだ。キリュン電子闘争を始め非正規闘争を支援してきた詩人のソンギョンドンさんらが発案し、双龍自動車、バレオ空調コリア、才能教育などの労働者が合流した。労働者、宗教者、芸術家、市民らが全国から駆けつけた。特筆すべきはこれまで労働運動と縁のなかった青年や学生たちがこぞって参加したことだ。新自由主義が生み出したひずみ、その中で積もり積もった怒りがキムジンスクさんの闘いと出合って解き放たれた。

 資本に屈した執行部と闘い

 309日間の闘いは、闘いを資本に売り渡し生き延びようとする労組執行部との闘いだった。
 6月27日の籠城闘争破壊の強制執行も、前日に支会執行部が会社側が提示した「会社正常化後に解雇者優先雇用」案に合意したことに乗じた暴挙だった。さらに9月、チェギリョン支会長は「94人(解雇者)のために1400人(非解雇者)の生存権が脅かされている」という壁新聞を張り出し、会社にすり寄った。組合員らは「94人の解雇者の問題は、工場の中にいる1400人に直結する問題だ。会社は今後、さらに外注化を進め、非解雇者も遠からず雇用問題にぶつかる」と執行部を批判した。
 組合破壊攻撃を打ち返し、10月14日、全組合員809人中786人が投票し、433票で闘う執行部=チャヘド支会長を打ち立てた。解雇者と非解雇者の分断を許さず団結した現場組合員の意志が結実した結果だった。
 そして労組は11・10暫定合意案をもぎり取った。「完全には満足していない」とキムジンスクさんが言うように解雇者の復職は1年後、資本との闘いはむしろこれからだ。2011年、韓進闘争は新自由主義に苦しむ全人民的な怒りを糾合し、新たな闘いの地平を切り開いた。断固この道を進もう!
 (室田順子)

 アメリカ 占拠から革命へ
 TPP・労組破壊と闘う港湾労組軸に階級が団結

 12・12西海岸全港湾を封鎖

 昨年、動労千葉を軸とする日本の階級的労働運動は、アメリカ階級闘争の最も大衆的に支持された闘いと固い信頼関係をかちとった。ILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル21(第21支部)のダン・コフマン委員長が11・6労働者集会に参加した。そして同労組を守るために立ち上がった巨万の12・12西海岸港湾封鎖と結合した。
 これは、動労千葉が組合員の団結に徹底的に依拠して10年にわたって外注化を阻止し続け、昨年8月30日の集会で「外注化・非正規職化・偽装請負との闘い」の路線を圧倒的に打ち出したことで切り開かれた。外注化・非正規職化・偽装請負との闘いは、それ自体が団結強化であり、国際連帯だ。
 また、外注化阻止はTPP(環太平洋経済連携協定)阻止と不可分一体であり、TPP推進者=伊藤忠・EGT(穀物輸出ターミナル)と闘うILWUローカル21との共同闘争だ。
 アメリカでも外注化が新自由主義の労組破壊の切っ先だった。80年代以来、UAW(全米自動車労組)など基幹産業の労組破壊のため、外注化を進め、それを突破口に工場閉鎖・移転=全員解雇に突き進んだ。94年に発効したNAFTA(北米自由貿易協定)は外注化、工場国外移転をさらに促進した。
 UAW指導部は外注化・FTA(自由貿易協定)に職場の闘いと国際連帯で反撃するのではなく、「雇用を守るため」として組合側から譲歩を提案する路線をとった。国外の労働者との賃下げ競争をあおったのだ。「譲歩」は逆に解雇を促進した。
 特に08年リーマンショック後、UAW指導部の裏切りは労働者の怒りの的になった。GM(ゼネラルモーターズ)とクライスラーの倒産・再編でUAW組合員が大量解雇された。指導部が30年間言ってきたことがすべてウソだったのだ。UAWが「倒産回避のための大幅譲歩」の協定に署名した直後、政府と資本はGMを倒産させ、大量解雇と年金・医療剥奪(はくだつ)を強行したのだ。
 大証券会社・大銀行はさらに露骨だ。「自己責任」「競争原理」を30年間大宣伝してきたやつらが、サブプライムローンなどの投機・詐欺商法が破綻したとたん、8000億j規模の救済資金を2回も受け、直後に経営者のボーナスを倍増、3倍増している。
 こんなやつらが労働者を解雇や住宅差し押さえで路頭に迷わせている。単なる自由競争ではなく、露骨な犯罪と国家財政投入で格差をつくり出しているのだ。
(写真 オークランドのオキュパイ集会の中心に「港湾を封鎖し港湾労働者を支援しよう!」の横断幕。中央左はILWUローカル21のコフマン委員長【11月19日】)

 ウィスコンシン州議会占拠

 エジプト2月革命はアメリカ帝国主義の中東石油支配の戦略的要を突き崩し、全世界の労働者階級を鼓舞激励した。
 その直後、ウィスコンシン州の公務員労組破壊立法に反対する州議事堂占拠闘争が始まった。「マディソン(州都)をタハリール広場に!」を合言葉に10万人が議事堂を包囲し、教職員組合は山猫ストを行った。
 戦後アメリカでは山猫ストは異例中の異例だ。労働協約期間内の争議行為を禁止することが協約で規定されていることを盾にして労組指導部はランク&ファイル(現場組合員)のストへの動きを圧殺してきた。
 ウィスコンシンの闘いはアメリカ戦後労働運動の常識を覆した。全米にインパクトを与え、ILWUローカル10は連帯港湾封鎖を行った。
 だが、体制内指導部は闘いの拡大を必死に抑え込んだ。ウィスコンシンの闘いは、既成指導部によって州議会議員のリコール運動=民主党支持運動へとねじ曲げられ、公務員労組破壊立法の発効を許してしまった。

 ウォール街のオキュパイへ

 ここでアメリカ全体の先頭に立ったのが、西海岸ワシントン州ロングビュー港のILWUローカル21の闘いだった。
 TPPを推進する巨大穀物独占資本=EGTのILWU労組破壊攻撃に対し、ローカル21は徹底的に職場の実力闘争を貫き、ウィスコンシンで突き当たった壁を突破した。これに激励されてウォール街占拠(オキュパイ)運動が9月から急速に拡大した。
 マスコミは占拠運動を「具体的要求がない」と批判する。
 だが、全米の労働者が熱烈に叫ぶ「われわれは99%だ」は、1%に代わり99%が社会の主人公になるべきだということだ。圧倒的多数の労働者大衆が革命を要求している。ウォール街占拠のホームページは「唯一の解決は世界革命」と大書している。オークランドには「コミューン」の旗が翻っている。
 未組織労働者、非正規職、失業者も多い占拠運動が「ILWUローカル21を守れ」の一点で団結し、12・12西海岸港湾封鎖に決起した。労働者自身の革命的力によって闘えば、あらゆる怒りを一つにできることが証明されたのだ。
 反原発・国鉄闘争で国内的・国際的な労働者階級の団結を拡大・強化しよう。  (村上和幸)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2518号8面3)(2012/01/01 )

 2・5徳島刑務所包囲へ

 獄中37年、無実の星野文昭同志(65)は71年11・14沖縄返還協定批准阻止・渋谷暴動闘争のデッチあげ殺人罪で無期懲役となり、徳島刑務所で不屈・非転向の獄中闘争を闘っている。09年11月27日に第2次再審請求。10年8月に検察官に開示させた証拠の中から無実の新証拠が発見されるなど、星野同志と家族、再審弁護団、全国24の星野救援会を先頭に全力で奮闘中だ。昨夏、暁子さんを先頭に訪米し、アメリカにも救援運動が広がった。2月5日、全国労組交流センターと星野全国再審連絡会議の共催で闘われる徳島刑務所包囲闘争に全国から集まろう!

------------------------TOPへ---------------------------