ZENSHIN 2012/06/25(No2541 p06)

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週刊『前進』(2541号1面1)(2012/06/25 )

 7・16反原発10万人デモへ

 再稼働・大増税・戦争の野田打倒

 JR検修外注化絶対阻止へ国鉄労働者の反乱・総決起を

 6・10文京シビックホールを埋めた1800人の熱気と感動は、10・1JR外注化阻止決戦の歴史的号砲となった。職場からの新自由主義との激しい闘いの報告、「闘えば勝てる」「労働組合を再生できる」という確信が、日本階級闘争を新たな段階へと押し上げた。資本家階級の忠実な先兵として日帝・野田政権は、原発再稼働、消費大増税、改憲・戦争へとなりふり構わず突き進んでいる。野田打倒の巨大な階級的激突が始まった。6・10の勝利の地平から直ちに、7・16反原発10万人大集会(代々木公園)と6〜7月国鉄決戦に総決起しよう。国鉄と反原発でとりわけ青年労働者を圧倒的に獲得・組織しよう。大恐慌と3・11情勢下で、プロレタリア革命勝利を切り開くために、革共同への圧倒的な夏期カンパを訴えます。
(写真 再稼働反対集会に福井県民を先頭に全国から2200人が参加【6月17日 福井市中央公園】)

 労働運動の再生に展望

 日帝・野田政権が大飯原発再稼働を最終決定し、消費大増税を民自公の3党合意で強行しようとしているその重大情勢の煮つまりのただ中で、6・10国鉄闘争全国運動集会は圧倒的に闘いとられた。6・10集会が感動と熱気の中で実現し、切り開いたものは何か。
 第一に、2012年の前半戦の闘い、とりわけ3・11福島(郡山)と4・1JR検修・構内業務外注化阻止を頂点とする歴史的な勝利の地平を引き継ぎ、職場生産点でのこの間の激しい実践を土台にして、10・1JR外注化阻止決戦への戦闘宣言を発したことだ。
 それは、革命的共産主義運動にとってひとつの「金字塔」であった2012年1〜5月の闘いの地平をさらに拡大し、結集したすべての人に新自由主義と闘う階級的労働運動の勝利の確信と実践的指針を与えるものとなった。6・10集会に横溢(おういつ)した圧倒的な勝利感、激しい職場の実践の報告は、階級的団結を拡大すれば新自由主義は打ち破れると、誰もが実感させられるものだった。
 「闘う労働運動を復権できる条件は十分ある」と言い切った田中康宏・動労千葉委員長は、10年におよぶ外注化・非正規職化をめぐる闘いの勝利を総括し、動労千葉以外のすべての労組が外注化に白旗を揚げる中で、動労千葉は「こんなものは結べない」と直ちに決断したと述べた。そして「外注化を認める協定を結んだ組合の労働者だけ再雇用する」という資本の攻撃に対し、組合員の雇用の確保のために必死に奔走し、「再雇用されなければ生活に困るんだ」という組合員と激しく討論しながら、必死に闘いをやりぬいた結果、職場全体が外注化反対になったと語った。
 さらに、3・11大震災と原発事故で何十万人、何百万人もの人がこの国の本質に気づいた、これだけのいい条件があるのだから闘う労働運動を復権することは断じて不可能ではないと、熱烈な確信をもって宣言した。
 決定的なのは、新自由主義の核心的攻撃である民営化・外注化・非正規職化を、動労千葉は11年間にわたって阻止し、団結を守りぬいたことだ。動労千葉は、新自由主義の凶暴な攻撃に労働組合の復権・再生の闘いをもって対決し反撃するならば、これを打ち破ることはできるということを身をもって示したのである。
 第二に、6・10集会は、全国・全戦線で国家権力・資本との激しい攻防が闘われ、動と反動が入り乱れる中で、これと真正面から対決し、闘って、闘って、闘いぬき、いよいよ団結を固めて前進することでかちとられた。

 職場闘争の実践に輝き

 何よりも1047名闘争つぶしの2010年4・9政治和解をはね返し、「国鉄闘争の火を消すな」を合言葉に懸命に闘いぬいてきた国鉄闘争全国運動の先頭で、外注化・非正規職化、被曝労働強制と全力を挙げて闘いぬいてきた動労千葉・動労水戸−動労総連合の闘い。またこれと一体となって、和解を拒否して闘う国労闘争団員を守りぬき、国労の戦闘的伝統を自ら担い、「自分らこそ国労だ」と解雇撤回・外注化阻止に向け闘ってきた国労共闘と「共に闘う国労の会」の存在。
 さらに国労郡山工場支部を始めとする被災地・福島の闘い、鈴木コンクリート工業分会や郵政非正規ユニオンの決起、医療センター明け渡し裁判で全面勝利した八尾北・西郡、三里塚、沖縄の闘い、そして法大暴処法弾圧の無罪判決をかちとり、ついに京大同学会を再建した学生戦線、さらに弁護士戦線など、全戦線での奮闘がひとつになって結実した。
 そこに示されたものは、職場闘争そのものの力であり、職場の団結によってすべてをひっくり返し獲得していく力である。「本物の労働運動がここにある」(鎌倉孝夫さん)と言わしめた感動と確信が、6・10集会でつくり出され、さらに拡大しようとしているのだ。6・10の圧倒的な高揚感、大衆性、誰もがすぐ納得できるわかりやすさは、職場闘争の実践がつくり出したものだ。そこに労働組合の持つ団結の「輝き」と求心力がある。
 6・10集会とその全内容をとおして労働組合がよみがえり、再生を開始している。したがって新たな飛躍・変革の課題もまた職場生産点の実践の中にある。とりわけ新自由主義攻撃が吹き荒れる4大産別には、体制内労働運動と4・9反革命を食い破る階級的労働運動復権の可能性が満ちあふれている。
 国鉄闘争を軸に、国鉄と反原発を結合し、原発再稼働と消費大増税に走る野田政権と大阪の橋下反革命の打倒へ、新たな価値創造的な闘いを4大産別を先頭に、全産別・全職場と全戦線で圧倒的に推し進めよう。その当面する最大の闘いが7・16反原発10万人大集会と7月国労大会決戦だ。

 全労働者の共通の課題

 第三に、6・10集会の最も決定的な確認点は、会場を埋めた1800人の勝利への決意、全産別で新自由主義攻撃と対決し外注化・非正規職化、被曝労働を許さない闘いの決意は、同時に日本の労働者階級すべての共同共通の決意であり課題だということだ。
 今後の日本階級闘争は、7・16反原発10万人デモから今秋10・1JR外注化阻止決戦と11月総決起へ、外注化阻止・非正規職撤廃と再稼働阻止・全原発廃炉、被曝労働拒否へ、激しく火を噴いていく。そしてそのすべてが差し当たってこの6〜7月決戦として収斂(しゅうれん)され、決着していくのだ。
 JR東日本会社は、5月末から6月にかけてJR総連・東労組、国労東日本本部、そして動労総連合との一連の団交で、「業務委託については10月1日実施を考えている。不退転の決意で進める」と明言した。しかも動労総連合との団交では、「9月30日まで外注会社に技術・経験がなくとも、10月1日に契約すれば業務委託ができる体制が整うので、委託できる」と公言した。
 JR東日本の検修職場、約5千人の労働者とその家族、下請け・孫請け会社を含めれば数万〜10万人におよぶ労働者・家族、とりわけ青年の未来を奪ってでも、金もうけのためには外注化を強行するというのだ。
 しかも許し難いことに東労組・カクマルと国労本部が競ってこの外注化攻撃に早々と屈服して妥結に走っている。東日本の検修職場、総合車両センター(工場)・車両センター、その関連派出のすべてで東労組や国労本部の屈服・妥結への怒りが煮えたぎっている。
 本社団交はひと区切りついたが、勝負はこれからだ。「JRの検修外注化に対し、工場全体で団結し勝てたら、でっかいものが生まれる」(国労郡山工場支部・橋本光一さん)。動労千葉が身をもって示したように、労働組合が反撃すれば対抗関係をつくることができる。決戦のすべてを引き受ける覚悟と準備を整え、6〜7月を断固闘おう。

 圧倒的な夏期カンパを

 6〜7月国鉄決戦と並ぶ当面する最大の闘いは、代々木公園で行われる7・16反原発10万人大集会だ。
 この闘いは、昨年の9・16明治公園6万人集会、今年の3・11郡山2万人決起を超える、原発再稼働阻止・全原発廃炉に向けた歴史的な闘いとなる。しかも7・16は、日帝ブルジョアジーの階級利害を全面的に体現して絶望的に凶暴化する野田政権の原発再稼働、消費大増税、沖縄への垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ配備の攻撃に怒りを爆発させ、野田政権打倒へと攻め上る歴史的大闘争だ。
 6・10集会の全地平を発展させ、すべての職場生産点から、青年労働者を反原発で獲得・組織し、代々木公園へ根こそぎ大結集しよう。10万人の大集会とデモ自身が労働者にとって巨大な政治的経験となる。ここからいまひとつ時代を変える闘いが始まる。時代が確実に変わる。7・16へ全力で闘おう。
 債務危機の爆発を引き金とする欧州恐慌を先端に、今や「二番底」に転落した世界大恐慌と3・11情勢下で、労働者が勝利する最深の力は労働組合の拠点建設であり、それと一体の組織拡大と党建設だ。そのための夏期一時金カンパ闘争が今こそ死活的となっている。だからこそ最後に、闘う労働者の総決起による革共同への圧倒的なカンパを熱烈に訴えます。

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週刊『前進』(2541号1面2)(2012/06/25 )

 2200人が福井県庁を包囲

 6・17再稼働決定に激しい怒り

 

(写真 〈上〉原子力発電に反対する福井県民会議の中嶌哲演さんがデモの先頭に〈下〉学生・青年を先頭に進むNAZENのデモ隊列に注目が集まった【6月17日 福井市】)

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週刊『前進』(2541号1面3)(2012/06/25 )

前進速報版から 前進速報版から

▼在留カード粉砕へ法務省デモ▼大間原発の地元で反対集会▼NAZENナガサキが九電に抗議▼日系・村田製作所の広州工場でスト

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週刊『前進』(2541号1面4)(2012/06/25 )

【要項】さようなら原発10万人集会

 さようなら原発10万人集会
 東京・代々木公園 イベント広場・ケヤキ並木・サッカー場
 7月16日(月曜日/休日)
 午後0時15分〜オープニングコンサート
 0時55分〜メイン集会(2時まで)/1時30分〜パレード出発
 呼びかけ人 さようなら原発1000万人市民の会

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週刊『前進』(2541号3面1)(2012/06/25 )

(写真 オスプレイ配備阻止へ5200人 オスプレイ配備に反対し5200人が結集した宜野湾市民大会。沖縄労組交流センターと全学連はビラまきなどで新自由主義と対決する新たな沖縄闘争を呼びかけ、参加者の圧倒的な注目を集めた【17日】)

 「第二の沖縄戦」に行き着く オスプレイ配備絶対阻止を

 革共同沖縄県委員会

 6月17日に開かれた「普天間飛行場へのオスプレイ配備等に反対し、固定化を許さず早期閉鎖・返還を求める宜野湾市民大会」は5200人が宜野湾市海浜公園野外劇場を埋めた。「事故が起きてからでは遅い」「一致団結して宜野湾市を守ろう」「ニジティン ニジティン ニジララン(耐えても耐えても耐えられない)」。日帝・野田政権は原発再稼働の強行と消費大増税、そしてオスプレイ配備−辺野古新基地建設を強行しようとしている。これを再び三たびの県民大会と全島ゼネストで打倒するまで、やむことのない沖縄の労働者階級人民の闘いの始まりだ。

 新自由主義と対決する沖縄闘争が5・15で開始された

 「空飛ぶ棺桶(かんおけ)」「空飛ぶ恥」とまで言われている垂直離着陸輸送機オスプレイ。4月にはモロッコで訓練中に墜落し4人が死傷。米が行った環境審査(レビュー)の結果を防衛省が沖縄県に報告した6月13日には、空軍仕様のオスプレイ(CV22)がフロリダ州で墜落し5人が負傷した。この危険な代物を普天間だけでなく嘉手納にも配備しようとしていることが判明した。絶対に配備を阻止しなければならない。
 重要なことは時代認識だ。最末期の帝国主義が世界大恐慌のもとでのたうち回り、新自由主義が劇的な破産を開始する中で、生きるために新しい社会の創造へと全世界の労働者階級人民が不退転の闘いを開始している。米帝は新軍事戦略を発動し、中国・北朝鮮への世界大戦レベルの侵略戦争へ踏み切ろうとしている。日帝は「動的防衛力」へと転換し南西諸島の自衛隊を強化しようとしている。その行き着く先は帝国主義戦争であり、「第二の沖縄戦」だ。
 これらは福島県民200万人を高放射線下に留め置き、日々刻々と被曝を強制していることと表裏一体だ。どちらも「安全だ」とほざいている! 米日帝は自らの延命のために福島県民を棄民化し、未来のすべてを奪おうとしている。そして140万沖縄県民を戦場にたたき込み、「捨て石」とすることを決断した。これが最末期の帝国主義による新自由主義の破産した姿だ。オスプレイは1980年代から開発が始まった新自由主義を象徴する産物だ。配備との闘いは沖縄への新自由主義攻撃との攻防なのだ。
 求められていることは世界大恐慌と3・11情勢下での新自由主義と対決する沖縄闘争の路線と勝利の方針だ。それを「復帰」40年の5・15沖縄闘争を総括する中からつかみたい。

 3・11情勢下の全階級的テーマ

 「復帰」40年5・15沖縄闘争の総括の第一の点は、1960〜70年代の「復帰」闘争、とりわけ72年5・15ペテン的返還体制との闘い(「復帰」以降40年の闘い)を新自由主義との対決としてとらえ返し、沖縄闘争論の路線的整理と飛躍の挑戦を開始したことだ。
 「復帰」闘争とは米軍支配=「基地の島」という非人間的な現実への怒りが爆発し、それが日本の施政権下(いわゆる「平和憲法」=日本国憲法)に帰ることを要求した全県民的・全人民的大運動であった。
 この「本土復帰・基地撤去、基本的人権の尊重」等々の願いを逆手にとってペテン的返還を強行することに対して、われわれは「沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」を打ち出した。そして72年5・15「返還」を「5・15体制」と規定し、あくまでも「沖縄奪還」を掲げて「復帰」以降の現実との対決を開始した。
 70年代とは74〜75年恐慌を歴史的転換点として新自由主義攻撃が全世界に拡大を開始した時代だった。基軸帝国主義・米帝の歴史的没落と帝国主義戦後世界体制の危機が時代背景としてあった。
 「5・15体制」下の沖縄の現実はどのようなものだったか? 「復帰」以降の基地労働者に対する大量解雇攻撃と労働運動の「本土並み一体化」のかけ声のもとで、米軍政下で沖縄の労働者が闘い取ってきた既得権が剥奪(はくだつ)された。「基地の島」の護持を至上命令として開始された「沖縄振興開発計画」による大失業攻撃が、沖縄を「基地の島」だけでなく「大失業の島」「非正規雇用の島」へと急速に変貌(へんぼう)させた。すべては新自由主義攻撃だ。カクマルとの厳しい内戦も新自由主義の先兵との闘いだった。
 今年の5・15闘争は「新自由主義との対決」が全階級的テーマとなった。このことが「牧青」(全軍労牧港支部青年部)の闘いへの社会的注目として表れた。新自由主義と対決して勝利する路線を沖縄の階級闘争と労働運動の歴史からよみがえらせようという思いが、「牧青」と「解雇撤回・基地撤去」の闘うスローガンを沖縄の労働者階級の闘いの中によみがえらせた。世界大恐慌と3・11情勢下の沖縄闘争として、「新自由主義と対決する沖縄闘争」が開始されたのだ。

 国鉄闘争全国運動の前進がフクシマとの連帯を開いた

 総括の第二の点は、路線的整理と飛躍を可能にしたのは、沖縄県党を「国鉄闘争を闘う党」として建設する立場だった。フクシマと沖縄との連帯が今年の5・15闘争のメインスローガンだったが、この連帯を実現した根底には国鉄闘争全国運動・沖縄の戦略的な前進があった。
 フクシマと沖縄の怒りが一体とはどういうことか? 新自由主義攻撃はすべての労働者階級人民に対する攻撃であり、だからこそ国鉄全国運動の拡大が階級的労働運動をよみがえらせ、その力が新自由主義を最後的に崩壊させる。国鉄全国運動が日米安保体制の最大の要である原発(核兵器製造工場)と基地(核基地)に対する内外からの決起をつくり出し、全原発の廃炉と全基地の撤去を可能とするのである。
 4・9反革命と対決して国鉄闘争全国運動・沖縄を結成し、職場・地域に動労千葉を支援する会を結成し、物販闘争を軸に職場闘争を積み重ねてきた力、その路線的な勝利ということである。

 階級の指導部をつくり勝利開く

 総括の第三の点は、階級の指導部建設への挑戦とその戦略的前進だ。労働運動を前進させ、階級闘争の指導部を職場生産点の闘いの中から建設する。この前進が新自由主義攻撃のもとでの沖縄闘争=安保・沖縄闘争の前進と勝利を切り開く。われわれは「復帰」闘争以来の歴戦の同志から新自由主義攻撃下で闘いを開始した青年労働者まで、層として階級の指導部の建設に勝利しつつある。
 主要産別と拠点地域での「動労千葉を支援する会」の結成と、「非正規職撤廃!」を掲げた青年労働者を先頭とする闘う労働組合の結成は、国鉄闘争全国運動・沖縄が生み出したものであり、この中から階級の指導部が育まれていることは決定的だ。沖縄の労働運動の歴史的な戦闘性を継承し、さらに階級的に発展させられるのは、もはやわれわれだけである。
 先に述べた「牧青」の闘いの「特異性」とは、街頭での武装した闘いにだけあるのではない。青年労働者が分会単位でがっちりと職場支配権を握り、全軍労本部も支部も青年部の突出した闘いに統制処分などをかけることのできない力関係を形成したことにあった。職場支配権をめぐる米軍と体制内執行部との激闘の中から青年労働者のリーダーを膨大に輩出しながら闘われたのが牧青の闘いだったのだ。
 職場生産点の闘いの先頭に立とう。最大の武器は動労千葉物販だ。それが最も有効な職場闘争だ。物販から「動労千葉を支援する会」建設と会員の拡大に挑戦しよう。
 さらにこの地平に立ち沖縄の学生運動の再建への確かな手応えをつかみつつある。京大の全学自治会同学会の再建は沖縄の学生への最大の激励だ。この闘いに続こう!

 基地労働者を先頭に民営化・外注化・非正規職化と闘おう

 闘いの路線と方針は鮮明だ。オスプレイの配備と辺野古への新基地建設強行は沖縄の労働者階級の闘いの圧殺なしにはなしえない。その最大の激突点が基地労働者の存在と闘いである。それは、「復帰」前後に基地労働者にかけられた大量解雇攻撃を見ても明らかだ。
 AAFES(米国陸軍および空軍が共同運営する福利厚生組織)への7月1日からのパート導入攻撃は、基地労働者への外注化と非正規職化、労働組合(全駐労)破壊攻撃だ。米軍は、パート導入反対の全駐労の署名活動を禁圧する新たな攻撃を開始している。
 そもそも米日帝は一貫して基地労働者を「労働法の適用除外」という「不安定」な労働者として固定化しようとしてきた。それに対して、全軍労闘争を継承して存在する全駐労は曲折を経たとはいえ、基地労働者の団結形態とその潜在的な戦闘性を守り抜いてきた。これを突き崩す最後的な攻撃が開始されようとしている。解雇攻撃と「非正規職化」攻撃に対し、「解雇撤回・基地撤去、外注化阻止・非正規職撤廃」を掲げて動労千葉派を闘いの中から組織し、新たな階級の指導部を膨大に生み出すことが勝利への道だ。
 基地労働者の闘いは沖縄のすべての労働者の課題でもある。沖縄の労組組織率は全国最低、非正規職の比率は全国最高となっている。新自由主義攻撃の核心は労働組合破壊=団結破壊にあり、それは外注化・民営化と非正規職化の凶暴な推進によって貫徹される。この攻撃が「復帰」以降執拗(しつよう)にかけられてきた。基地労働者を先頭に沖縄の労働者階級がここを打ち破ったとき、「基地の島」は「革命の火薬庫」に転ずる。
 さらにTPP(環太平洋経済連携協定)も一体の攻撃だ。TPPは沖縄の農業とりわけ基幹作物であるサトウキビを壊滅させる(県内耕作地に占める収穫面積は32・6%、農家数は80・3%を占める)。特に離島などではきわめて深刻な事態をもたらす。サトウキビの農業生産額に占める比重は、県全体では15・8%なのに対して宮古圏域は43%を占めている。
 TPPは離島の切り捨てにとどまらず、宮古・八重山など先島諸島への自衛隊配備と一体の大攻撃だ。フクシマと連帯した沖縄の農民の闘いもまた新自由主義との闘いであり、「基地の島」の根底的変革の闘いである。
 新自由主義と対決する沖縄闘争の勝利は国鉄決戦の勝利と一体だ。10・1JR外注化阻止決戦を全力で闘い勝利しよう。すべての沖縄の労働者は革共同沖縄県委員会に結集してともに闘おう!

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週刊『前進』(2541号3面2)(2012/06/25 )

 夏期カンパ闘争でともに革命勝利を開きましょう

 6・10で反撃開始

 すべての『前進』読者のみなさん。革共同は、革命的激動期と勝利の時代の到来に際し、重大な決意を込めて絶大な夏期カンパを心から訴えます。
 民主党・野田政権は、6月16日に大飯原発再稼働を最終決定し、他方で消費税引き上げの自民・公明との合意を取り付けました。野田は「原発を止めたままでは日本の社会は立ちいかない」「国民生活を守ることが、私がよって立つ唯一絶対の判断の基軸」とぬけぬけと言い放ちました。ふざけるな!
 3・11原発事故以降、被災地では16万人もの人びとが避難生活を強いられ、福島の子どもたちは日々、命の危険にさらされている。2千万人と言われる労働者がワーキングプアにたたき込まれ、明日をも知れない生活を送っている。日本の社会を徹底的に壊し、「国民生活」を破壊したのは国家であり、東電ではないか! 「1%」のブルジョアジーのために労働者は死んではならない! 死すべきは新自由主義・野田政権です。
 今日、野田政権は、JR東日本を先兵にして一度は破綻したJR総連との結託体制を修復し、10・1全面外注化強行で国鉄闘争をたたきつぶそうとしています。しかし、この大反動をぶち破る大反撃が、6・10国鉄闘争全国運動集会への1800人の団結をもって開始されたのです。
 「国鉄闘争の火をさらに大きく」(動労千葉・田中康宏委員長)、「ここに本物の労働運動がある」(鎌倉孝夫さん)、「非正規でも労働組合をつくれば有期雇用、解雇と闘える。私たちの団結は無限大」(鈴木コンクリート分会)。階級的団結の力で新自由主義を打倒することは絶対にできる。労働現場における不屈の実践が集会の高揚感と確信を生みだしたのです。
 八尾北医療センター労組の闘い、大阪市の自治体労働者・教育労働者の闘いは、新自由主義の先兵である「維新の会」橋下・大阪市長をうち倒せることを全階級に示しました。そして、国労郡山工場支部をはじめとした被災地の労働組合の闘いは、フクシマの怒りと結びついてあらゆる人民が決起する水路を切り開いています。
 国鉄闘争と反原発闘争を一体的に推進し、外注化・非正規職化・被曝労働と闘う階級的労働運動をよみがえらせること、ここにこそ、新自由主義を打倒する道があります。党と労働組合が固く結びつき一体的に発展することを通して、労働者階級と農民・漁民などすべての人民が一つになってものすごい力を発揮できるのです。革共同は、今年前半期の創意に満ちた格闘を通して、労働者階級の党、青年の党として本格的に登場する意欲と確信に満ち満ちています。
 だからこそ、心から訴えます。激しい階級攻防から必然的に求められる飛躍を成し遂げるために、必要な資金を革共同にぜひ寄せてください。この夏〜秋、革共同は、動労千葉を先頭とする国鉄労働者とともに10・1JR外注化を絶対に阻止し、国鉄闘争全国運動を発展させるために総力で闘います。
 7・16原発再稼働阻止の10万人決起と、福島の命と団結のよりどころとなる診療所を建設するために心血を注ぎます。闘う労働組合をよみがえらせ、橋下打倒の大闘争を猛然と巻き起こし、改憲攻撃阻止に決起します。法大闘争での無罪判決と京大全学自治会同学会再建の快挙を成し遂げた学生運動の歴史的爆発をかちとります。そして、現代の特高警察との死闘戦に打ち勝ち、革命に勝利できる非合法・非公然の党を強力につくり上げます。

 団結し総決起を

 階級的団結こそ、新自由主義と闘う労働者階級の最高の力です。新自由主義への怒りを、党と階級の団結と総決起に転ずる闘いこそ財政闘争です。それは労働者党を労働者自身の手でつくる歴史的事業そのものです。夏期カンパ闘争に立ち上がろう。
 6月29日に一時金支給を控える公務員労働者のみなさん。襲いかかる公務員バッシングとリストラ、賃金削減攻撃の中だからこそ、今こそ根底的怒りをもって決起しましょう。民間基幹産別の仲間も含め、10万円単位の思い切ったカンパを訴えます。
 一時金もなく常日頃から雇い止め解雇の不安の中で闘っている非正規職の仲間のみなさん。自分たちの力で党をつくって資本家を打倒する以外に労働者の生きる道はありません。そのために、仲間たちにも呼びかけ、可能な限りのカンパを寄せて下さい。
 JR外注化と原発再稼働をめぐるこの夏〜秋の闘いこそ、新自由主義を打ち倒しプロレタリア革命の勝利の扉を大きく開く正念場です。夏期カンパ闘争でプロレタリア革命勝利を切り開こう!

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週刊『前進』(2541号5面1)(2012/06/25 )

 7・8三里塚現地闘争へ

 農地死守!労農連帯の力で市東さんの耕作地を守りぬけ

 江波 敏之

 6・10大集会は、国鉄闘争を軸に新自由主義と闘い、労働組合を革命的に再生して、プロレタリア世界革命を引き寄せる歴史的集会としてかちとられた。この集会で三里塚芝山連合空港反対同盟の萩原進事務局次長は、農地死守の決戦と7・8現地緊急闘争への決起を訴えた。野田政権の6・16大飯原発再稼働決定は、反原発の巨万のうねりを押しとどめようとする一大反革命だ。欧州恐慌は全世界に波及し、日帝経済を締め上げている。激動情勢を三里塚から切り開く7・8現地闘争に総決起しよう。
(写真 3月25日、デモ到着地の市東さんの畑で「この畑を実力で守りぬく」と全員で誓った【成田市天神峰】)

 再び実力阻止の大決戦に

 大飯原発再稼働を断じて許すことはできない。ここに突き出されたのは、人びとに被曝と被曝労働を強制する新自由主義攻撃そのものだ。われわれは福島の怒りに連帯し闘うことを決意する。
 野田は「原発再稼働の後は消費税とTPP(環太平洋経済連携協定)」などと公言し、自公はこれを後押しして疑似的大連立で反動を激化させているが、再稼働への暴走に人民の怒りは一層高まっている。非正規職化と闘う青年労働者の決起、資本による大学支配と闘う京大同学会の再建は青年・学生の闘いの新たなうねりを告げている。
 この情勢と一体で、三里塚闘争は農地強奪を実力阻止する71年以来の決戦局面に突入した。
 市東さんへの農地強奪攻撃の凶悪さに心底から怒りがこみ上げる。成田空港会社(NAA)が底地を買収した農地の「貸借契約の解約」(小作耕作権の解消)という形をとっているが、農民殺しそのものである。取り上げの対象は市東さんの耕作地の6割以上、出荷場、トラクターなどの農機具置き場、堆肥(たいひ)場、かんがい用井戸の設備など一切合財だ。土地収用法に基づく強制収用との間には1ミリの差もない。
 その農地裁判が、5・28証人尋問をもって緊迫した段階に入った。千葉地裁民事第3部・多見谷寿郎裁判長は、月1回のめちゃくちゃな期日指定で年内にも証人尋問を打ち切る姿勢を露骨にし、来春判決に向かって強権的な訴訟指揮を強めている。法廷では、明け渡し農地の位置をめぐる偽造の発覚や敷地外農地の無許可取得などNAA請求の根本を揺るがす攻防に発展した。だが、この裁判は、破綻した土地収用委に代わり、裁判所が農地強奪の代替機関として働く国策裁判だ。予断はまったく許されない。
 さらに、第3誘導路工事は、旧小見川県道(取香2号線)を地下道化し開通させた。来春3・31供用開始を至上命令とし、危険な橋梁(きょうりょう)工事を強行している。そもそも暫定滑走路は予定地内に東峰部落を抱え込む欠陥構築物だが、付随する誘導路もまた未買収地に制約され構造的欠陥を抱えている。追いつめられたNAAは東峰・天神峰で入会林破壊などのむちゃくちゃな工事を強行してきた。
 その人権破壊・農民殺しの「論理」は新自由主義に基づいている。「グローバル経済のもとでの国際競争力の発展」「増大する航空需要に対応する空港整備の促進」。土地強奪を居直る国交省とNAAのこうした恥知らずな主張を許すな。
 成田空港は労働者、農民、人民の実力闘争で二十数年もの遅延を強いられアジア・ハブから陥落した。LCC(格安航空)の誘致と、人命を度外視した規制緩和は、危機に立つ空港・航空資本の延命策だ。
 7・8現地闘争の訴えは、これらに敢然と立ち向かう農民の戦闘宣言そのものである。

 TPP・農業破壊許すな

 7・8現地闘争に向け、三里塚闘争の重要性について3点訴える。
 第一に、「国策」「公共事業」に対して、「絶対反対」で闘うことの圧倒的な正しさである。
 6・16原発再稼働決定は、「国策」なるものの反人民性と暴力性を満天下に示した。福島原発事故から1ミリの解決も収束もないまま、大阪・橋下と関西広域連合の「変節」(正体暴露だ!)に助けられて決定が強行された。「国民生活のため」「地元が了解」などはまったくの欺瞞(ぎまん)だ。原子力ムラの利権構造、その買収と脅迫、地域経済破壊によるがんじがらめの支配は成田と酷似している。
 成田空港の閣議決定は、東海村で初の商業用原子炉が稼働した1966年のことだが、これは高度成長が限界を迎えた65年不況と表裏の関係だ。戦後初の建設国債による公共投資は、むつ小河原開発などの巨大地域開発(69年新全国総合開発計画)、列島改造と70年代の原発ラッシュを生み出した。この資本の延命とアジア侵略のインフラとしての成田空港、核武装のための原発と核燃サイクルは「国策」そのものなのだ。
 国家は公の装いをもって「公共性」をつくりだす。しかしそれは、人間の共同社会を実現するための公ではない。その本質は資本の自己増殖運動だ。それは虚構の電力需要、虚偽の航空需要さえも生みだす。そのために労働者は搾取され、農業は収奪の対象とされたのだ。この国家=公はまた、改憲・戦争攻撃と一体である。
 46年の闘いで「国策」の反人民的本質を撃ち、「空港絶対反対」を貫く三里塚闘争の基本原則の今日的意義は明らかだ。
 第二に、TPPに象徴される新自由主義攻撃に対して、「労農連帯」で闘うことの決定的意義である。市東さんの農地決戦は、この闘いを圧倒的に切り開く。反原発、反TPP、三里塚連帯を掲げる全国農民会議が被災地福島で発足したことの意義は決定的である。
 新自由主義は、市場原理の徹底の名のもとで民営化と規制緩和を推し進め、これの妨げになるものを徹底的に攻撃する。その攻撃の柱は、労働運動解体攻撃とともに、「効率化」を叫んでの農業切り捨て、大企業の農業参入である。政府統計でもここ20年で総農家数は半減し、農業収入を主とする主業農家は36万戸に激減した。農水省はこれを「14万経営体」にまで落とし込む計画だ。まさにこの状況は、2009年の農地法改悪で促進された。
 農地法が本来は農地と農民の権利を守るためのものであるにもかかわらず、その農地法を使って農地を取り上げようという常軌を逸した攻撃は、この農業切り捨て政策の一環である。市東さんの農地をめぐる攻防は、まさに全農家が直面する状況の縮図である。
 野田が消費増税に続いてもくろむTPP参加表明は、分割・民営化による国鉄労働者バッシングと同様の農業バッシングから始まった。そのTPPは、農業にとどまらず、医療、保険、福祉、雇用から食の安全に至るまで、すべてを米帝の利害のもとに再編し、労働者人民をさらに過酷な競争に駆り立てるものだ。
 「新自由主義と闘う労働運動、国鉄闘争と、われわれ農民の置かれた立場は同じであり、これを動労千葉とともに築きあげた労農連帯のもとで、断固として打ち破ろう」(6・10国鉄集会における萩原進さんの発言)
 第三に反戦・反核の砦(とりで)としての三里塚闘争を、さらに強化し発展させよう。
 南スーダンPKO(国連平和維持活動)で自衛隊の戦闘車両が成田空港を使って輸送されている実態が暴露された。有事の軍事徴用は言うまでもなく、成田空港はPKO派兵と兵站(へいたん)の出撃基地としてすでに恒常的に機能している。
 米帝の対中国政策は北朝鮮・アジアの危機的情勢を加速度的に深めている。帝国主義のブロック化と争闘戦激化の中、野田政権は日米同盟に深々とのめりこむ道を選択した。これに乗じた石原都知事の釣魚台略奪策動などの反革命的突出、アジアの資源と領土をめぐる争闘戦の中で、沖縄基地強化の攻撃が激化している。
 「安全宣言」の矢先にオスプレイが墜落事故を起こした。沖縄・岩国の猛反対にもかかわらず、野田は普天間配備を強行しようと全力をあげている。三里塚闘争は本土における反戦・反核、反基地闘争の拠点として、沖縄と限りなく連帯して闘うのだ。

 全原発廃炉の闘いと一体

 

三里塚闘争が労働者人民とともに切り開き堅持してきたものが生きる、その時が来た。「国策」に対する「絶対反対」「農地死守・実力闘争」の闘争原則は、非和解的に激化する階級闘争と全原発の廃炉までやむことのない反原発闘争の中にしっかりと息づく。TPPにまで行き着いた労働者階級と農業・農民の生存を脅かすまでの収奪は、「労農連帯」の今日的意義を鮮明に突き出している。それはプロレタリア世界革命を引き寄せる戦略的闘いである。
 3・11の大震災と福島第一原発事故から1年、再稼働阻止・全原発廃炉の闘いはいよいよ巨万の決起を生みだし、日帝ブルジョアジーは大恐慌と経済・財政危機に揺らぎながらますます反動化し、闘いは先鋭化する。三里塚闘争の新たな農地決戦は、この新情勢のもとで闘われている。市東さんの農地決戦、農地を守る大運動を、そのダイナミズムの中で発展させよう。
 全国農民会議に戦闘的農民の大結集を! 長期不屈の連続決戦へ。6・25農地裁判から7・8現地闘争を総力で闘い、情勢を切り開こう!
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【要項】7・8三里塚現地闘争、三里塚闘争裁判
 市東さん農地裁判勝利 第3誘導路工事粉砕
 7・8三里塚現地闘争
 ●7月8日(日)午後1時30分
 ●成田市東峰 萩原進さん所有の畑(天神峰・市東さん宅南側の東峰開拓組合道路沿い)
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 三里塚裁判傍聴を!
 ◎市東さん行政訴訟・農地法裁判
 6月25日(月) 午後1時30分 千葉地裁
 (傍聴券抽選のため1時間前に集合)

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週刊『前進』(2541号5面3)(2012/06/25 )

 “新自由主義粉砕・橋下打倒!”

 7・1関空闘争へアピール

 全国で闘う仲間のみなさん、7月1日、泉佐野現地で開く関西空港反対全国闘争への参加を呼びかけます。
 今年の7・1関空闘争は、第一に、大阪市長・橋下打倒の大闘争であり、新自由主義攻撃との一大決戦だ。日帝は、大破産している関空会社を延命させるために7月1日、大阪空港と経営統合し、投資ファンドに売却しようとしている。その手先を買って出た橋下・維新の会、千代松・泉佐野市長に対する怒りが高まっている。
 新自由主義は全世界ですさまじい危機に陥っている。ユーロ崩壊の危機が切迫し、米帝の没落は深化し、日帝の危機もすさまじい。この危機が関空攻撃を激化させ、公務員360万人首切り、労働者全体に対する非正規職化、大幅賃下げ攻撃を激化させているのだ。
 第二に、労働者、住民の団結を拡大し、関空を廃港に追い込む闘いを拡大することである。
 1986年、中曽根がつくった関空会社は、資本家をもうけさせるためにつくった「民活会社」であり、国鉄分割・民営化と一体の新自由主義政策の始まりであった。関空という総額2兆9千億円もかけた最大の事業で工事関係資本がぼろもうけし、あとには1兆3千億円の借金が残された。関空と伊丹空港の経営統合は、1兆2千億円(現在)もの借金を抱え実質的に倒産している関空会社を延命させるために、首切り、外注化・非正規職化を一層促進する攻撃である。また倒産会社からもうけをひねり出す「ショック・ドクトリン」的なやり方である。
 関空島では1万5千人の労働者が常時働いており、24時間「労働監獄」的な状況を強いられ搾取されている。そうした中でもうがまんできないと労働者が立ち上がっている。関空労働者こそ、関空を廃港に追い込む主体だ。
 LCC(格安航空)の進出は、労働者に非正規職化、低賃金、強労働を強いる新自由主義政策そのものである。関越自動車道で起きた格安高速バス事故と同様、もうけのために労働者と乗客の健康・命を奪う許しがたい資本である。
 第三に、自治体労働者、民間労働者を先頭に闘う労働組合をよみがえらせ、住民の団結を拡大し、関空闘争を発展させる闘いである。
 泉佐野市は、関空関連事業で資本を大もうけさせた。残った借金1300億円を市職員と住民に押しつけてきた。これに対し、ついに怒りの決起が始まった。
 千代松市長は、橋下・維新の会系の市長で、「市の命名権を売却する」募集を6月1日から始めた。市の名前を金で売り飛ばすというこの攻撃には、労働者も高齢者も子どももみんな怒っている。5月29日には突然「岩手県の不燃がれきを受け入れる」と発表した。昨年は職員給与を8〜13%削減し労働者に真っ向から敵対した。今年は職員基本条例、こども園構想に反対して労働者と住民が闘っている。
 泉佐野市の現状は、関空で作った状況(借金など)そのものである。これらデタラメな攻撃に対し、市職員は民間労働者とともに闘いを開始し、千代松を孤立させ、追いつめている。関西労組交流センターはともに闘って前進している。
 泉州住民の会は、4月29日に総会を成功させ、関空を廃港に追い込む闘いを発展させることを決定した。また関合労泉州支部と泉州地区党は、住民の会とともに全力で闘っている。
 市職労=日本共産党の裏切りを徹底的に批判しなければならない。市職労は、千代松市長に対し「労使の信頼関係を回復してほしい」と哀願する屈服ぶりで、新自由主義とまったく闘えない。「子ども・子育て新システム」反対署名を集めても、目の前で進められる「こども園」導入に対し、自分たちの「雇用を守る」ために「反対」と言えず、ビラも出せない。連中は、屈服すればするほど労組解体に踏み込んでくるのだ。
 さらに震災がれき受け入れにも反対できない。
 これに対し、われわれの闘いによって市職労=日共をのりこえて闘う労働者たちが出てきた。泉州地区党は、絶対反対の路線のもと労働者が立ち上がる情勢を切り開いてきたのである。
 自治体労働者の決起こそ、情勢を決定的に変え、関空闘争を勝利させる原動力である。
 第四に、7・1闘争は福島・被災地、三里塚、沖縄の闘いと一体で前進し、関空の軍事空港化を阻止する闘いである。
 われわれは一貫して関空の軍事空港化に反対して闘ってきた。大恐慌情勢は戦争情勢でもある。米政府は08年、「北朝鮮侵略戦争」を想定した作戦計画「5055」の改定のために空港と港湾の調査をしていたことが明らかになった。すでに調査は済んでおり、いつでも軍事使用できる状態であると見なければいけない。関空の軍事空港化を止めるのは、関空労働者、自治体労働者、周辺労働者の闘いである。
 7・1闘争は、関空の米軍基地化を阻止する闘いである。三里塚、沖縄と連帯して7・1闘争を闘おう。
 (革共同泉州地区委員会)

(写真 昨年の7・3闘争。デモ終点の海岸から関西空港に向かって「軍事空港化反対! 廃港!」を叫ぶ)

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 関空・伊丹経営統合反対! 関空の軍事空港化絶対反対! 不燃がれき受け入れ阻止! 橋下、千代松を打倒しよう!
 関西空港反対全国集会
 7月1日(日)午後1時集合、1時半開会
 泉佐野市末広公園コミュニティひろば
 集会の後、デモします。
 主催 関西新空港絶対反対泉州住民の会
    関西労働組合交流センター

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週刊『前進』(2541号6面5)(2012/06/25 )

 星野同志ビデオ国賠 沈黙決めこむ国に怒り

 証拠「預けた」違法性を追及

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 次回裁判は7月31日(火)10時20分から、527号法廷で開かれる。

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