ZENSHIN 2013/04/29(No2582 p10)

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週刊『前進』(2582号1面1)(2013/04/29 )

 4・26自治労スト、労働組合再生へ突破口

 賃下げ絶対反対へ全国で立つ

 外注化と非正規職化やめろ

 安倍打倒の本格的決戦に突入

  4・26自治労全国ストライキ闘争は、歴史を開く感動的な決起としてかちとられた。全国で一斉に1時間ストや職場集会、ビラまきなどが行われ、安倍打倒の本格的決戦へ決意が固められた。闘いはこれからだ。安倍政権による改憲の先取りというべき地方公務員賃金7・8%引き下げの暴挙に対して、公務員労働者が誇りをかけて闘う時が来た。「怒っていいんだ。闘っていいんだ」。青年労働者を先頭に積もり積もった職場の怒りが解き放たれ、労働組合の闘う団結が急速によみがえりつつある。10・1JR外注化阻止決戦と3月ストに至る激闘がかちとった国鉄決戦の地平は4月ストライキ闘争として一気に拡大した。4大産別先頭に外注化阻止・非正規職撤廃、賃下げ絶対反対の5〜6月大闘争を闘い安倍打倒へ進もう。

(写真 賃下げを絶対阻止する! 4月26日、仙台市職労の仲間は市役所本庁舎で100人が結集する早朝集会をかちとった)

 青年労働者の怒りが爆発

  ●仙 台
 4・26自治労全国統一闘争指令のもと、仙台市職労の仲間は市役所本庁舎で100人が結集する早朝集会をかちとった。 ある支部では、支部ニュースで”この賃下げを許したら、今年の新採は入職してたった数カ月で賃下げです。私たちが何もしなかったら、安倍政権は一気に攻撃をかけてきます。今でさえ、深夜に及ぶ残業で心身をすり減らしているのに、仙台市はますます『ブラック企業』化し、外郭職員を含むすべての労働者が有無を言わせぬ賃金カット攻撃にさらされるようになります。職場の主人公はわれわれであることを示しましょう!”と早朝集会への参加を訴えた。
 いくつかの支部は、本部は4・26ストの先頭に立ってほしいと要求し、組合員と議論しながら4月26日を迎えた。
 全国の83万自治労組合員とともに賃下げ絶対反対を貫き、新自由主義と闘う労働運動を登場させる新たな一歩を踏み出した。

(写真 愛媛県庁前に宣伝カーを横付けし、県職労がビラ配布と並行して時間前集会。賃下げへの怒りに満ちた発言が続いた)

 ●愛 媛
 愛媛県職労は、県庁前での早朝集会と全庁舎・主要職場ビラまきを行った。
 7時半、県庁前に執行委員が集まり、宣伝カーを横付けして20人で集会を開始。自治労愛媛県本部の若宮委員長、愛媛県職労の宇都宮委員長が賃下げ絶対反対の決意を表明し、集会では怒りの発言が次々と出された。
 庁内ビラまきから帰った組合員からは「すごく反応が良かった」「頑張ってくれと言われた」「もっと訴えの内容を入れていかなければ」と感想が出された。
 さらに執行委員が県内の主要職場を訪問し、愛媛県職労機関紙を配布し、賃下げ絶対反対の闘いのスタートを切った。
 ●横 浜
 自治労横浜本部執行部は、24日の団体交渉での総務局長の「現時点では削減を考えていない」とする回答をもって、スト方針を倒した。
 何か状況が変わったのか。むしろ安倍政権の側は労働組合破壊の攻撃を強めている。これに対する反撃が4・26全国統一ストだ。労組交流センター自治体労働者部会の仲間は始業時から1時間ストを打ち抜く決意を固めた。そして4・26当日福祉職場で働く仲間とともに始業時からの1時間のストに決起した。
 4・26統一行動へ向けて何回も職場集会が開催された。実に10年ぶりと言われる朝立ち・ビラまき行動も取り組まれた。02年に登場した横浜市長・中田宏による激しい公務員バッシングは職場を萎縮させた。頭を下げ声を上げないことが当たり前のように思わされてきた。今回、支部執行委員が門前に立ったことが職場の雰囲気を変えた。
 26日急きょ開催した支部昼休み報告会では組合員から「交渉結果、内容に単純に喜べない」「今後も攻撃が来る」「こんなに一生懸命働いているのにひどい」という声が上がった。労働者の怒りがあふれ出し、みんなの怒りが一つになる。この力が組合を変え社会を変える。連日の職場や組合内での激突と闘いの中に、党と労働組合の一体的建設の前進がある。

(写真 加須市役所通用口に組合旗を立てて早朝集会とビラまき。始業のチャイム後も続けられた)

 ●埼 玉
 加須(かぞ)市職では、通用口に組合旗が立てられ、腕章をした組合員が支援者に「ご苦労様です」と声をかけながら次々集まり、20人余りがビラをまき集会を行った。始業のチャイム後も続き、団結ガンバローと拳を上げた。さいたまユニオンと婦人民主クラブ全国協埼玉支部が支援激励行動を行った。
 越谷市職は「地方公務員賃金削減反対! 4・26全国統一行動」という大きな幕を庁舎の壁に張り出し、青年を先頭に十数人がマイクでの訴えとビラまき行動に決起。青年部準備会は独自のビラを発行し訴えた。出勤してそのままビラまきに加わる青年もいた。さいたまユニオンと星野絵画展・越谷実行委員会が支援行動に立った。

(写真 自治労倉敷の真備【まび】支所前での7.8%賃金削減反対総決起集会に組合員と地域の労働者が参加)

 ●倉 敷
 自治労倉敷では、8時から「7・8%削減反対総決起集会」がもたれ、組合員と地域の労働者が参加した。集会では百本委員長が、「今回の賃金下げを絶対に許してはならない。闘いはこれからだ。ストライキで闘おう」と訴えた。
 自治労倉敷は、各職場で討論を重ね、前夜には総決起集会を開催し、賃金削減に対する青年の怒りの声が上がった。

 労働者の誇りと生活かけ

(写真 橋下市長による組合つぶしと対決する現場の激しい怒りを体現して職場集会【大阪市庁舎前】)

 ●大 阪
 大阪市職では、早朝の職場集会が各地で開催された。橋下市長による組合つぶし・団結破壊と対決して職場集会が開催されたこと自体が現場の怒りの激しさの表れであり、3〜4月の国鉄を軸とした外注化阻止の闘いと2・24橋下打倒集会が切り開いた地平である。
 4・26ストライキに向けて、激しい怒りの声が大阪市職本部に対してたたきつけられた。
 「7・8%の賃下げは生活をめちゃくちゃにする。この間、副業をした仲間や税金滞納に追い込まれた仲間が重処分の対象にされている。市バス運転手は20%も賃金をカット、現業労働者の最大25%カットに本部が合意するなど許せない」「今ストライキをやらずに何のための組合なのか」
 市役所本庁、全区役所などにビラが配布され、とりわけ民営化・外注化の対象となる職場から怒りの声が寄せられた。
 ●東 京
 江戸川区を始め宣伝行動が取り組まれ、東京北部では精研労組、東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会など地域の労組がともに区役所前でビラまきを行った。「極限的な多忙化や7・8%賃下げ攻撃は医療労働者への攻撃と同じ新自由主義攻撃だ。ひとつになって闘おう!」。精研労組は春闘ストライキに決起し支援連帯を求めて独自のチラシを作成して登場した。鈴コン分会は「ストに連帯して来ました」と元気にビラまき!
 庁舎前には支援の赤旗が翻り、全体がストに入ったような雰囲気だ。参加者は「ストに入る攻防を闘い抜いて地域共闘としてやり抜いた。達成感がある」と感想や意気込みを語り、労働者としての一体感がかつてなく高まる行動となった。 

 5月スト−6・9国鉄大集会へ

 4・26全国統一行動は、文字通り全国の闘いとなった。北海道、新潟、栃木、茨城、千葉、長野、静岡、愛知、京都、滋賀、奈良、兵庫、広島、徳島、福岡、沖縄をはじめ自治体労働者を先頭とする全国・全産別の総決起の闘いである。
 大恐慌と大争闘戦の情勢に追い詰められた日帝・安倍政権の絶望的な賃金破壊・雇用破壊の階級戦争に立ち向かおう。4・26自治労統一ストライキ闘争方針が全国の単組・職場で必死に訴えられ、闘いが組織されていった。職場に怒りは充満している。その怒りに火を付ける時が来たのだ。
 「労働者は闘っても勝てない」「ストライキを闘う力がない」。言い古されてきた敗北と屈服の思想を、マルクス主義の思想と時代認識・路線を武器に徹底的に議論し宣伝し、現場の怒りの先頭に立って行動を起こし打ち破る闘いが始まった。
 賃下げ絶対反対のストライキの貫徹をめぐり、当局や体制内労組幹部によるスト圧殺策動との白熱的な攻防となった。ここで、党が職場の全労働者の怒りを体現し組織してストライキで闘い抜ける労働組合をつくり出せるかどうかが問われた。
 すでにこの激闘の中で、「ストライキで闘わない自治労連は許せない」と脱退届を出して、自治労の労働組合に加盟してきた労働者が生まれている。けっしてこれまでの自治労組織が選ばれたのではない。真に闘う労働組合が求められているということだ。
 労働組合を拠点として打ち固め組織する階級的指導部の建設と強力な労組活動家集団の形成が焦眉(しょうび)の課題となった。職場細胞と地区党建設、産別委員会建設が一切の土台だ。機関紙拡大がいよいよ決定的課題になった。何度もストに立ち上がる動労千葉・動労水戸に徹底的に学ぼう。労組交流センターの組織拡大や動労千葉を支援する会、国鉄闘争全国運動の活動が大きな力を発揮する時だ。
 それは、労働者が労働者階級としての自信と誇りを取り戻していく闘いだ。公務員労働者は、長年にわたって積み重ねられてきた賃下げと人員削減、民営化・外注化・非正規職化と超長時間労働のもとで、懸命に仕事をしてきた。さらにその上に、政府の強権で労働者の誇りの一片すら奪う大幅賃下げの暴挙に対して、たまりにたまった怒りが根底から解き放たれる時が来た。外注化阻止・非正規職撤廃、被曝労働拒否の闘いの中で、動労千葉・動労水戸がつくり出しつつある新たな反合理化・運転保安闘争の路線を自らの産別・職場で実践しよう。
 闘いはまだ始まったばかりだ。労働者の怒りはこんなものではない。階級的労働運動の発展でプロレタリア革命の勝利を開こう。闘う5・1メーデーから自治労5月ストライキを闘い抜き、6・9国鉄闘争全国運動大集会の成功をもって、安倍打倒に攻め上ろう
(写真 ひとつになって闘おう! 地域の労組が自治体労働者とともに区役所前でビラまき【東京北部】)

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週刊『前進』(2582号1面2)(2013/04/29 )

前進速報版から 前進速報版から

▼尼崎闘争/事故居直るJR西日本に怒り▼動労水戸不当労働行為粉砕裁判▼NAZEN杉並、高円寺で解放感にあふれ反原発デモ

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週刊『前進』(2582号1面3)(2013/04/29 )

【要項】5・18沖縄集会、5・19平和とくらしを守る県民大会

沖縄を「基地の島」から国際連帯の島へ! 新自由主義と闘う労働者の国際連帯で安保・沖縄闘争の勝利へ!「復帰」41年
 5・18沖縄集会
5月18日(土)午後6時開場 琉球新報ホール(那覇市泉崎)
主催 「復帰」41年 5・18沖縄集会実行委員会(呼びかけ 国鉄闘争全国運動・沖縄)

関連企画 午後4時 国際通りデモ(県民広場出発)
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5・19平和とくらしを守る県民大会
5月19日(日)午後2時 宜野湾市海浜公園野外劇場(沖縄県宜野湾市真志喜) 主催 沖縄平和運動センター

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週刊『前進』(2582号2面3)(2013/04/29 )

 5・8裁判闘争に大結集を

 動労千葉鉄建公団訴訟 結審策動を打ち破る大攻防

 強制出向無効確認訴訟 偽装請負の実態暴く証言に

 動労千葉鉄建公団訴訟控訴審と、動労総連合の強制出向無効確認訴訟の二つの裁判が5月8日、それぞれ東京高裁、東京地裁で開かれる。前回を上回る傍聴闘争への大結集を熱烈に訴えたい。

 JR東海の葛西を証人調べしろ

 動労千葉鉄建公団訴訟控訴審は、口頭弁論3回目にして最大の山場を迎えている。第2回口頭弁論で東京高裁第12民事部の難波孝一裁判長は、あろうことか「論点は出つくしている。もういいでしょう」と述べ、次回での審理終結を予告した。原告と傍聴者は「真実を握りつぶすのか!」と激しく裁判長を弾劾した。
 昨年の6・29一審判決は、原告の動労千葉争議団員が当初はJR採用候補者名簿に載っていたこと、国鉄分割・民営化に反対する動労千葉や国労などの組合員を排除するために不採用基準が策定されたこと、これを直接指示したのが当時の職員局次長・葛西敬之(現JR東海会長)だったことを認定した。そして「名簿不記載基準が策定されなければ、原告らは採用候補者名簿に記載され、その結果、JR東日本に採用されたはず」とまで言明したのだ。
 これらは、不当解雇から二十数年の時を経て、動労千葉鉄建公団訴訟で初めて認定された事実だ。この真実に目を向けることなく、1人の証人も調べずに審理を打ち切ることなど許されない。
 なにが「論点は出つくした」だ。国鉄分割・民営化の真実は、いまだ明らかになっていない。一審で不法行為と認定された不採用基準策定が、具体的にいつ、どこで、誰によって行われたのかも闇の中だ。その中心中の中心にいた首切りの張本人=葛西を法廷に引きずり出して、すべてを白状させる必要があるのだ。
 広範な人びとの呼びかけで始まった解雇撤回・JR復帰を求める10万筆署名運動は、「首切り自由を許すな!」「国鉄闘争の火を今こそもっと大きく!」を合言葉に、新たな広がりを生み出している。4・26ストに向かう自治体職場の中でも、「50人中、47人が協力してくれた」(ある交運職場での取り組み)など多くの署名が集まった。
 不当解雇から26年、解雇撤回の原則を不屈に貫いてきた国鉄1047名闘争が、いよいよ輝きを増し、その本来の力を解き放つときが来ている。解雇と賃下げへの怒り、民営化・外注化・非正規職化への怒り、改憲・戦争への怒りのすべてを結びつける基軸こそ国鉄闘争であり1047名解雇撤回闘争だ。
 この間、韓国の公共運輸労組連盟(15万人)が組織としてこの署名に取り組むことを決定した。公共運輸労組連盟は、公共、運輸、社会サービスの労働者を組織する民主労総の大産別だ。1980年代以降、世界を席巻した新自由主義攻撃に負けることなく、26年にわたって立ち向かい続けてきた1047名闘争は、世界的に見ても希有(けう)な存在なのだ。
 だからこそ東京高裁は、具体的内容には一切踏み込まず、問答無用に審理を打ち切ろうとしているのだ。これは安倍政権下での雇用破壊、賃金破壊の攻撃と一体であり、その国家意思を体現した大反動だ。
 5月8日には口頭弁論の前に署名提出行動も行われる。連休返上で10万筆署名運動を推進するとともに、大傍聴闘争で東京高裁を追いつめよう。
 強制出向無効確認訴訟は、昨年10月1日にJR東日本が強行した検修・構内業務外注化で下請け会社に出向させられた動労総連合の組合員53人が出向の無効確認を求めた裁判だ。5月8日には、動労水戸の石井真一委員長が、半年間の闘いを通して明らかとなった外注化のでたらめきわまりない実態を証言する。

 職場闘争と一体で外注化粉砕へ

 何よりもこの裁判が、外注化・強制出向粉砕の職場闘争と一体で闘われていることが重要だ。
 動労総連合を先頭とする外注化阻止闘争は、この2〜3月闘争でさらに大きな前進を切り開いた。十数年間にわたって止めてきた外注化が強行された現実と向き合い、組合員どうしの厳しい分断を打ち破ることは並大抵ではなかった。3月ストを打ち抜き、強制出向者をJR本体に取り戻すまで闘い抜く決意を固め、外注化阻止決戦の第2ラウンドの出発点を打ち固めたのだ。
 またこの半年間の闘いで、JR東日本が業務委託しているグループ会社が、労働基準法も守らない違法企業であることが白日のもとに暴かれた。違法企業への出向命令は無効だ。
 また、下請け会社には鉄道業務を受託する技術も経験もなく、実質的にはすべての委託業務をJR東日本が指揮・命令していることも、ますます明白になった。ストライキ対策のために、毎日、毎朝、検修・構内業務を細切れで発注する「日々発注」という卑劣なやり方こそが偽装請負の最たるものだ。
 違法な業務委託と偽装請負をあくまで居直るJR東日本との闘いは、経団連による労働規制全面撤廃との最先端の攻防点だ。
 連合を始めとする既成労働組合の屈服・容認、先兵化によって社会全体に蔓延(まんえん)した業務外注化と、それに伴う偽装請負こそ、職場の団結を破壊し、労働者から誇りを奪い、安全を破壊してきた元凶だ。
 動労総連合を先頭とする外注化阻止闘争は、資本による合理化攻撃、民営化・外注化・非正規職化攻撃と闘い抜くことができなかった戦後労働運動の限界を現場から突き破る挑戦であり、新自由主義と闘う新しい労働運動を登場させ、労働者の資本への怒りを根底から解き放つ決定的な闘いなのだ。
 闘う労働運動の復権に向けて5・1メーデー闘争、JR貨物本社への抗議闘争を全力で闘い抜き、5月8日の二つの裁判に全力で集まろう。この闘いをステップに、国鉄闘争全国運動6・9全国集会の圧倒的な成功へと突き進もう。

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週刊『前進』(2582号5面1)(2013/04/29 )

 4・25法大解放闘争 6学友を不当逮捕

 学生運動の前進に恐怖した弾圧

 怒りの集会とデモを貫徹

(写真 文化連盟委員長の武田君ら6学生の逮捕という大弾圧を敢然とはね返し、法大生を先頭に全国学生が法大包囲デモを貫徹した【4月25日 東京・千代田区】)

 4月25日、法政大学文化連盟が呼びかけ「不当処分撤回! 大学の主人公は学生だ! 4・25法大解放総決起集会&法大包囲デモ」が闘われた。
 これに対し、警視庁・国家権力は斎藤郁真全学連委員長、武田雄飛丸文化連盟委員長をはじめ6人の学友を不当逮捕する大弾圧を強行した。午前11時半頃、法大市ケ谷キャンパス付近で東北大学学生自治会委員長の青野弘明君をまず令状逮捕。さらにデモ出発の直前、封鎖されたキャンパスから法大生が全国の学生との合流を続々と開始するや、突然機動隊が襲いかかり、殴る、蹴る、地面に引き倒すなどの暴行をはたらいたあげく、5人の学生を逮捕したのだ。また同日午後、学生の個人宅をはじめ全国で一斉に家宅捜索を行った。
 キャンパスを1千人が実力で解放した昨年の10・19法大解放総決起集会に対する露骨な報復弾圧であり、その中心を担った武田君らへの許し難い狙い撃ち逮捕だ。
 さらに、全国の大学で前進する学生自治会建設の闘い、昨年の京都大学同学会の再建とそれに続く広島大学自治会再建の闘いに恐怖し、国家意思をむき出しにして襲いかかってきたのだ。そのことは広大の学生自治会準備会代表・百武拓君を青野君に続き令状逮捕したことからも明らかだ。
 さらには、安倍政権と国家権力はこうした全国学生の闘いが、4・26自治労全国ストと一体となって爆発することを心底恐れ、今回の弾圧に手を染めたのだ。まさに、すべての労働者人民への改憲を先取りした階級攻撃であり、絶対に許すことはできない! すべての学生と労働者人民の未来をかけ、この弾圧を絶対に打ち破ろう!
(写真 デモ終了後、暴処法弾圧裁判控訴審を闘う増井真琴君がマイクをとり、法大当局と国家権力を弾劾)

 青野君と百武君の奪還を

 4・25法大集会・デモは、国家権力の弾圧をはね返して打ちぬかれた。
 武田君は昨年10月、法大当局が開催した原発御用学者・大久保利晃(放射線影響研究所理事長)の講演会に抗議したことを理由に当局から無期停学の処分を受けた。また武田君は文化連盟委員長として、新自由主義大学の極限的腐敗と学内規制の一方的強化に抗議し、全法大生の先頭で声を上げてきた。この武田君への不当処分に対して、この間、処分撤回を求める署名が続々と集まった。その力が「一人の仲間も見捨てない! 大学の主人公は学生だ」という全国学生の声となり、4・25法大集会・デモとして爆発したのだ。
 この日、法大当局は法大生のデモ参加を妨害するため、朝から正門前を封鎖し、中央広場を立ち入り禁止とした。武田君は昼休み開始と同時にマイクをとり「正門を開けろ!」と要求、さらに学内から鈴なりになって正門前に注目している多くの法大生に「一緒にデモに行こう!」と力いっぱい呼びかけた。これに追いつめられた法大当局は、国家権力との意思疎通のもと、武田君らを警察に売り渡したのだ。
 「仲間を返せ!」「警察帰れ!」――機動隊の暴虐きわまる襲撃に文化連盟の学生が弾劾のコールを始めると、キャンパスから見ていた法大生が続々と正門前に結集した。ビラやネットで知ったという他大学生や高校生も合流してきた。この大量決起に恐怖し、焦った国家権力は不当にもデモ隊の周辺を機動隊の壁で囲み、デモ出発まで威圧し続けるという暴挙を重ねたのである。だが、こんなことで学生の怒りを押しとどめることはできない! デモ隊は国家権力の威圧をものともせず、市ケ谷の街に怒りのコールを響かせた。夕方には全国学生集会が開催され、不当逮捕された仲間を必ず取り戻す決意を全員が打ち固めた。
 文化連盟と全学連は昨年以来、10・19法大解放集会の爆発をはじめ、京都大学や東北大学で学生自治会建設をかちとり、福島大学における原発反対・御用学者追放の闘いを前進させてきた。これに続き、広島大学における自治会再建への挑戦と沖縄学生運動の歴史的決起が始まった。
 また、この闘いの前進の中で、全学連の新たな指導部が次々と登場した。4・25で不当逮捕された仲間はいずれも、法大および全国の大学で自治会建設の先頭に立ってきた若きリーダーたちだ。彼らのアピールが掲載された本紙2578号の「新入生歓迎特集」は、新入生の中にどんどん持ち込まれ、圧倒的な共感を生み出している。今回の弾圧は、こうした全国学生運動の破竹の進撃に対する、安倍政権と国家権力の恐怖にかられた治安弾圧である。
 青野君、百武君をただちに奪還しよう。全学連と文化連盟は、新自由主義にトドメを刺し、安倍政権打倒の先頭に立つ。
(斎藤全学連委員長、武田文化連盟委員長ら4人の学生は4月26日夕方に奪還された!)

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週刊『前進』(2582号5面7)(2013/04/29 )

【要項】三里塚裁判、法大暴処法弾圧裁判第3回控訴審闘争

 三里塚裁判傍聴を!
 ◎第3誘導路許可取消裁判
 5月13日(月)午前10時30分 千葉地裁
 ◎天神峰ヤグラ裁判
 5月21日(火)午前10時30分 千葉地裁
 (傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合)
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 法大暴処法弾圧裁判 第3回控訴審闘争
 5月9日(木)午後1時30分
 東京高裁
 (傍聴券配布のため30分前に裁判所脇に集まってください)

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週刊『前進』(2582号6面1)(2013/04/29 )

 青年は新宿メーデーへ!

 闘う労働組合とスト復権し非正規職撤廃・安倍打倒を

 マルクス主義青年労働者同盟

 4月26日、青年労働者を先頭とする全国の自治体労働者は、安倍政権による暴力的賃下げ攻撃に歴史的な第1波の統一行動で反撃を開始しました。しかし私たちの怒りはこんなもんじゃない。闘いはこれからです。闘う労働組合とストライキを復権し、真の労働者党をつくり出そう。5・1新宿メーデーに大結集し6・9国鉄大集会へ、職場からの決起で安倍政権を打ち倒そう!

 JR貨物の賃下げと闘う

 自治体労働者と、その関連も含めれば1千万人もの労働者に対する7・8%もの一斉賃下げは、公務員労働者への全面攻撃をとおした全労働者への賃下げと「準正社員」化=10割非正規職化の攻撃です。同時に地方自治破壊=改憲・戦争国家化の攻撃です。「公務員バッシング」という分断攻撃をのりこえ、4・26から賃下げ絶対阻止へさらに立ち上がろう。闘いに決起した労働者の怒りと闘いは御用組合幹部の思惑も吹き飛ばし、社会の根底的変革までやむことのない決起がついに始まりました。これまで下げられてきた賃金と労働者としての団結と誇りを、安倍とブルジョアジーから奪い返そう!
 新宿メーデーを呼びかけている動労千葉・動労総連合に対する、JR貨物の賃下げ攻撃はこの公務員労働者への攻撃と完全に一体です。それは全労働者への賃下げであると同時に改憲・戦争の攻撃です。JRが日本帝国主義の戦略資本として、全労働者への賃下げと労働組合解体、改憲・戦争攻撃の最先兵となっているのです。
 貨物には、帝国主義戦争の根幹をなす軍事物資輸送という重要な役割があります。近年、航空や自動車での物流が拡大し、実際に鉄道輸送の需要も減ってきています。国鉄分割・民営化当時から「安楽死させる」と言われてきたのがJRの不採算部門であるJR貨物なのです。しかし、巨額の税金を投入してまでその延命を図るのはなぜか。新自由主義としては切り捨てたいにもかかわらず、帝国主義としては貨物輸送がなければ戦争はできないからです。国鉄分割・民営化は国鉄労働運動解体という一点で、この矛盾を持ったまま強行されました。この日帝とJRが抱え続けてきた矛盾が、世界大恐慌という資本主義の崩壊の中で爆発しているのです。
 JR貨物の破綻は国鉄分割・民営化は失敗だったということを明らかにします。それは同時に、国鉄分割・民営化以来、労働者を襲ってきた全面的な外注化・非正規職化攻撃に対し「団結して闘えば勝てる」という展望を全国、全世界の労働者に示すのです。この27年間にわたる国鉄闘争こそが「4・26ストライキ情勢」を切り開いたのです。だから日帝とJRはJR貨物を破綻させるわけにはいかず、そのツケのすべてを労働者の賃下げに転嫁しようとしているのです。
 これに対し動労千葉・動労水戸は、JR貨物と東日本という分断をのりこえてひとつに団結し闘っています。JR貨物賃下げ粉砕の闘いは全労働者への賃下げ、非正規職化、首切り阻止の闘いであり、国鉄分割・民営化という新自由主義攻撃にとどめを刺す闘いであり、切迫する朝鮮侵略戦争を阻止する国際連帯の闘いでもあるのです。
 原発再稼働阻止・全原発廃炉の闘いの土台にも国鉄闘争が確固として存在しています。動労水戸の被曝労働拒否の闘いは、ついに放射能汚染列車K544の運用策動を完全に粉砕しました。この闘いは電力9分割と電産労働運動の解体―戦後労働運動の限界をのりこえる歴史的な闘いです。ついに「全原発を止める労働運動」が登場しようとしているのです。国鉄分割・民営化と3年前の4・9政治和解をものりこえて闘ってきたからこそ、動労水戸はこのような闘いがやり抜けるのです。
 国鉄決戦−1047名解雇撤回闘争の勝利こそが労働者階級の全面的な勝利を切り開きます。動労千葉・動労総連合とともに5・1新宿メーデーを闘いとろう。国鉄(JR)を先頭に自治体・郵政・教育の4大産別・全産別の職場で労働者の怒りと団結した姿を登場させる闘いの先頭に立ち、全国・全世界の労働者に6・9国鉄闘争大集会への大結集を呼びかける号砲を打ち上げよう。

 安倍「成長戦略」と対決

 1〜4月の日帝・安倍政権とブルジョアジーの攻撃を見すえるなら、安倍の掲げる「アベノミクス」が世界的な資本主義の崩壊の中で行われている絶望的な最後の延命策であることは明白です。
 全世界で資本主義体制は崩壊のふちにあります。日帝・安倍政権とブルジョアジーは世界大恐慌と争闘戦時代に突入する中で追いつめられ、あがき、もがいています。
 「黒田マジック」「異次元金融緩和」といわれている日銀の金融政策は国債(国の借金)の7割を日銀が引き受けるというギリシャと同じ財政破綻・債務不履行(デフォルト)へ突き進む破滅的政策です。そして6月に策定される安倍政権の「成長戦略」の核心は解雇・賃下げの自由化=「雇用の流動化」であり、医療・社会保障制度の徹底的な解体です。TPP参加、さらに鉄道、原発、水道や医療のパッケージ輸出を始めとする成長戦略の柱は、資本に対する全面的な規制緩和であり、その中心が労働規制の全面撤廃です。
 また「アベノミクス戦略特区」なるものの中で猪瀬直樹東京都知事がぶち上げた「都営交通24時間化」は全社会的な8時間労働制の解体攻撃としてもあります。こうして長時間労働と低賃金が強制され、「競争力強化」の名のもとで労働者の生活と安全が根本から破壊されようとしています。
 こうした金融・通貨、貿易などの争闘戦と一体のものとして安倍政権は改憲と戦争の攻撃を激化させています。とりわけ北朝鮮・中国へのすさまじいまでの戦争挑発をもテコとした戦時体制への突入攻撃が激しく行われています。
 こうした中で、3月末をもって膨大な労働者が雇い止め・解雇されました。4月以降、この矛盾が労働者の生活破壊と同時に、人員不足から来る職場の安全の崩壊という形で、私たちが思っている以上の規模で激しく進行しています。それを必死でカバーしようとする結果、事故が起きる。それはすべて労働者の責任にされる。青年労働者をはじめとした労働者階級の怒りは沸点に達しています。この怒りを、労働者が分断ではなくひとつに団結し、生活も安全も社会そのものも崩壊させられている根本に対してたたきつける時なのです。
 安倍政権の危機を引き寄せているのは新自由主義政策ですが、その延命のためには、また新自由主義攻撃を絶望的に激化させる以外になく、労働者の雇用と賃金、職場と社会の安全を破壊しまくっているのです。このように絶望的にもがく安倍政権を、5・1メーデーを突破口に5〜7月の闘いで打倒しよう。

 6・9国鉄集会に集まろう

 5・1メーデーを突破口とする5〜7月安倍打倒の闘いにあたって、1〜4月、私たちが切り開いた地平をあらためてはっきりさせよう。
 私たち以外は誰も、どの労組も政治党派も昨年の10・1JR外注化阻止決戦を闘いませんでした。私たちが10・1を闘い抜き、外注化阻止・非正規職撤廃のJR―全産別の大反乱を巻き起こす中で4月ストライキ情勢をもつくり出し、確実に安倍を追いつめてきたのです。
 なぜ今、経団連やブルジョアジーは必死になって“偽装請負を合法化しろ、解雇規制を撤廃しろ、8時間労働制を解体せよ”と絶叫しているのか? ここには彼らが国鉄分割・民営化で絶滅したはずの国鉄闘争が存在し、こうした労働法制を解体できなかったこと、そればかりか、大恐慌情勢の中でこの国鉄闘争を土台にして全産別でこれに続く闘いが広がり始め、4月ストライキ情勢が生み出されてしまった。だからこそ、彼らは4・26ストライキに震え上がっているのです。
 私たちは、外注化・非正規職化・解雇に対する絶対反対を柱にして、職場のすべての労働者が団結できる反合理化・運転保安闘争路線の確立に向け、あらゆる努力と実践を全職場で闘ってきました。一つひとつは確かに小さなものかもしれない。しかし、それらはJRを最大の戦場としながら、確実に職場における労働者の怒りを引き出し、闘うことの圧倒的な正義性と展望を示し、合同労組や拠点労組の組織拡大もかちとっています。何よりも闘いをとおして「これからも不屈に『解雇撤回・原職復帰』で闘うことこそ、闘う労働組合の復権と全労働者の未来をかけて闘う、労働者としての当たり前の姿だということを証明していきたい」「絶対にあきらめず不屈に闘う姿が多くの労働者を獲得する絶好のチャンスが到来」(本紙前号「闘いは進む」)という生きた時代認識をつかみ取っていることが決定的です。こうした闘いが『前進』紙面に生き生きと躍動し始めています。『前進』を活用し、拡大しよう。機関紙を武器にして党と労働組合を一体的に建設しよう。
 歴史的な4・26統一ストライキの地平から安倍の絶望的な新自由主義をさらに追いつめよう。動労千葉の闘いに学び、拠点労組を軸にして、同じ地区における労組の闘いや、産別を越えた共闘をつくりだそう。
 点から線へ、さらに面−地域全体へと網の目に外注化・非正規職化阻止を闘う労働組合を拡大しよう。地区党のもとで「時代認識と路線」で一致し、資本と非和解的に闘い拠点労組と地区党を一体的に建設しよう。
 マル青労同・マル学同、そして革共同に結集し、ともに5・1新宿メーデーから6・9国鉄全国運動大集会を大爆発させ、プロレタリア世界革命へ突き進もう!

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週刊『前進』(2582号6面5)(2013/04/29 )

【要項】 5・1新宿メーデー

 公務員賃金7・8%引き下げ粉砕! 賃金破壊・首切り自由を許さない!
 民営化・外注化・非正規職化阻止! 今こそストライキと国際連帯を!
 闘う労働運動の復権をめざす
 5・1新宿メーデー
 ▼JR貨物本社抗議闘争
 賃金削減絶対反対! 国鉄分割・民営化のツケを労働者に転嫁するな!
 正午 JR新宿駅東南口集合(午後1時まで)
 ▼デモ
 午後2時 新宿中央公園「水の広場」(新宿区西新宿2―11)
 午後2時30分 デモ出発
 ▼集約集会
 民営化・外注化阻止! 非正規職撤廃! 国鉄1047名解雇撤回へ
 10万筆署名運動を推進し、6・9国鉄闘争全国運動大集会へ総結集を!
 午後3時30分開場 3時45分開会
 新宿文化センター(新宿区新宿6―14―1)
 よびかけ 動労千葉・動労総連合

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週刊『前進』(2582号10面2)(2013/04/29 )

 25日 現代自動車非正規職蔚山工場占拠闘争の記録

 パク・チョムギュ著 広沢こう志訳

 2010年11月15日から12月9日、韓国の現代自動車ウルサン工場の社内下請けの非正規職労働者が、正規職化を求めて25日間の工場占拠ストライキに立ち上がった。著者のパク・チョムギュ氏は、金属労組の団体交渉局長としてろう城現場で寝食をともにし「日記に書いた」。そして、できあがった一冊の本が『25日』。その本がついに4月1日、動労千葉国際連帯委員会の翻訳で労働者学習センターから発行された。
 2010年7月22日、「2年以上勤務した現代自動車社内下請け労働者は不法派遣であり正規職である」と大法院(最高裁)判決が出た。「われわれは正規職だ!」と勢いづいた非正規職の青年労働者たちが労組に結集、11月15日、600人が第1工場ろう城ストライキに突入した!
 以来25日、全州工場、牙山工場を含め1800人がともに闘った。最後までろう城現場を守った249人の戦士たちが誇り高く語る。「第2、第3の占拠ストをやり、非正規の『非』の字を聞いただけで会社の膝がガクガクするような闘いをやりましょう」「すごく誇りに思います」
 この本の1ページ、1ページがストライキが生み出すきらきらと輝く体験で埋め尽くされている。「25日間の幸福な時間は終わった」。しかし今もウルサンの非正規職労働者が鉄塔の上で190日を超えて闘っている。
 今、すべての同志、すべての労働者に読んでほしい一冊だ。
    ◇
労働者学習センター発行、A5判240頁。頒価1000円、10冊以上は800円。注文先は労働者学習センター(電話043−222−7207)

(写真 蔚山第1工場の組合員たち。ろう城を解くにあたり最後に撮影した【2010年12月9日】)

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