ZENSHIN 2013/06/17(No2588 p06)

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週刊『前進』(2588号1面1)(2013/06/17 )

 国鉄解雇撤回10万署名に総力

 外注化粉砕・全原発廃炉・改憲阻止へ

(写真 会場を埋めた1800人が4カ月決戦の勝利に向け団結ガンバロー【6月9日 文京区】)

 “闘う労働運動を復権させる” 6・9集会に1800人

 

「国鉄闘争30年の歴史の中で最大の正念場を迎えた。持てるすべての力を尽くして4カ月の決戦を闘おう!」――国鉄闘争全国運動が呼びかけた6・9全国集会が、東京・文京シビックホールを埋める1800人の結集で熱気あふれる大成功をかちとった。今年前半の各職場での豊かな実践と前進が次々と報告され、その先頭に、動労千葉争議団と国労闘争団を先頭とする現場国鉄労働者が立った。「国鉄1047名解雇撤回」の大義と「民営化絶対反対、外注化阻止・非正規職撤廃」の現場での闘いががっちりと結びつき、動労千葉鉄建公団訴訟判決日(9月25日)までの4カ月間決戦に一丸となって突入する総決起集会となった(発言要旨2、3面)。

(写真 集会の最後にインターナショナルを大合唱、熱気あふれる集会を締めくくった)

週刊『前進』(2588号1面3)(2013/06/17 )

 訂正

 前号1面6・2反原発闘争記事の「中国電力伊方原発」は「四国電力伊方原発」の誤りでした。

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週刊『前進』(2588号1面4)(2013/06/17 )

前進速報版から 前進速報版から

▼6・2反原発闘争(記事と動画)▼民主労総の公共部門労働者2万人が総決起大会▼5・23東日本狭山集会 新組織結成へ熱い思い

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週刊『前進』(2588号2面1)(2013/06/17 )

 白石事件は敵の焦り 9・25解雇撤回判決獲得へ4カ月決戦を

 国鉄闘争の火をもっと大きく 6・9集会での発言

 

(写真 国鉄闘争勝利! 外注化阻止・非正規職撤廃! 闘う労働運動の復権に向けて新たな闘いへの突入を参加者全員が決意し、団結ガンバローを三唱【6月9日 東京・文京シビックホール】)

国鉄闘争全国運動の6・9全国集会は、文京シビックホールを埋める1800人の結集でかちとられた。1047名解雇をめぐる国家的不当労働行為の真実が明るみに出され、国鉄闘争が正念場を迎える中で、全参加者が動労千葉鉄建公団訴訟判決日の9月25日まで4カ月決戦を闘う決意を固めた。集会での各発言を紹介します。(編集局)

 反合・運転保安闘い組織拡大を

 国鉄闘争の反転攻勢で労働組合は復権できる 動労千葉委員長 田中康宏さん

 私たちは国鉄闘争を絶対に継続し、反転攻勢に打って出る決意です。
 安倍政権が「成長戦略」を発表しました。キーワードは「民間活力の爆発」――全面的な民営化を労働者に強制するということです。結局、支配階級は国鉄分割・民営化の原点に帰ったんです。だけど、この二十数年間、民営化や規制緩和、社会保障解体という政策は全部破綻したんです。安倍政権の掲げるアベノミクスも改憲・戦争も全部破綻すると確信しています。問題は、その時に闘う労働組合が存在しているかどうかです。
 国鉄闘争も正念場です。昨年6・29判決を書いた白石裁判長が突然更迭・左遷されました(白石事件)。これは単なる司法反動ではなく、階級意思の表れです。
 この過程で、「国鉄改革3人組」の責任者だった井手正敬(元JR西社長)と御用組合幹部との座談会の記録を見つけました。国鉄労働者の全員解雇・選別再雇用が可能になったのは、「国鉄とJRは別法人」というペテンがまかり通ったからです。さらに安全策をとって「名簿を作ったのは国鉄。JRはその名簿を採用しただけで、1人も選別していません」とすることで、誰にも首切りの責任が及ばずに全員解雇ができる。これが国鉄分割・民営化でした。
 ところが当時、国鉄当局がJR設立委員長の斎藤英四郎に「私たちが選別基準を作ったら不当労働行為になるから、斎藤さんが作ってほしい」と議論していた、そして斎藤の指示で葛西が作ったと井手は語っている。すべてが国家的不当労働行為であったことが、26年たって明るみに出ようとしています。
 これからが勝負です。外注化に立ち向かうことができることを示せば、労働組合は復権します。今必要なのは、一つひとつの職場から新たな時代の反合理化闘争、団結を回復する解雇撤回闘争をつくり上げることです。
 高裁判決が9月25日。おそらく最高裁判決が来年の春。この数カ月の過程にこれまでの努力のすべてを注ぎ込みましょう。動労千葉は、外注化を強行された職場から必ず立ち上がります。組織拡大を絶対に実現します。解雇撤回闘争を絶対に投げ捨てません。今日を新しい出発点として、ともに闘いましょう!

 ついに明かされた国家的不当労働行為の真実 動労千葉顧問弁護団 葉山岳夫さん

 昨年6月29日、東京地裁・白石哲裁判長が動労千葉鉄建公団訴訟で出した判決は、90年清算事業団解雇の撤回を認めない点では不当ですが、名簿不記載基準作成と、原告らの名簿からの削除を不当労働行為と認定したことは画期的でした。この基準さえ作られなければ原告らはJR東日本に採用されたはずであるとも認定しました。原告らの清算事業団送りは無効であり、JR東日本に採用されたものとして扱い、JRに復帰させるべきなのです。
 この基準策定には葛西敬之国鉄職員局次長が直接関与していました。さらに控訴審の最中で入手した新証拠では、設立委員会委員長の経団連会長・斎藤英四郎が、当時の国鉄総裁室長・井手正敬や葛西と会って基準作成を指示し、葛西が作成したという事実が明らかになりました。この不当労働行為でJR不採用とされた全員は当然、JRに採用されることになります。
 一審判決に至る8年間の裁判闘争、とりわけ4・9政治和解の大反動攻撃以降の裁判闘争にとって国鉄闘争全国運動は大きな支えとなりました。安倍超反動政権によるアベノミクスは崩壊を開始しました。JRは戦略資本として崩壊寸前の日本帝国主義を支え、アジア侵略の先兵となろうとしています。葛西は原発推進を叫んでいます。この中での国鉄決戦、国鉄裁判闘争のもつ意義は重大です。難波裁判長がいかなる判決を出そうともこれを粉砕します。

 解雇撤回

 物販と10万署名で全国回る 動労千葉争議団長 高石正博さん

  高裁の第1回目の裁判で難波裁判長が「まだこんな裁判をやっていたのか」と言った。これで彼がどういう判決を出すのかわかった気がします。これをなんとしてもひっくり返していきたい。
 私はこの1カ月間、広島、新潟、長野、そして沖縄へ行って昨日帰ってきました。裁判の中身を訴え、こんなことがあってはいけないんだと訴えてきました。9月25日までに10万筆の署名を集め、前進していきましょう。
 私はいろんなところでみなさんの協力を得ながら話をしてきました。そして、各地方からどんどん署名が集まっています。僕たちにもこれだけのバックがいるんだと思いました。どんな判決が出ようとも最後の最後まで貫徹して、初心を忘れずに闘っていきたいと思います。

 労働者が一つになれば勝つ 動労千葉争議団 中村仁さん

 われわれがなんで闘っているのかというと、不当に解雇されたからです。解雇は絶対許さない、この一点で労働者がひとつになることが、われわれに求められていることだと思います。
 国鉄分割・民営化に反対する時、当時の動労千葉委員長の中野さんは、労働者に大同団結を求めて闘いに決起しました。大同団結とは労働者がひとつになるってことです。それを私たちは物販でみなさんに訴えてきました。労働者がひとつになっていたら、原発を54基も造らせなかった。国鉄分割・民営化もなかった。われわれはこのことを踏まえて、そして次に進むんです。
 9月25日の高裁判決まで突き進むこと、みなさんにお願いする物販と署名で闘うことがすごく重要です。みなさんも一人ひとり職場で闘っていると思います。ひとつになりましょう。資本を倒しましょう。われわれが勝つ時代に来ていると思います。

 全人生かける決意で闘う 国労秋田闘争団 小玉忠憲さん

 国鉄の分割・民営化から26年がたちました。しかし私たちは断じて負けてはいません。
 昨日、マルクスの書いた『共産党宣言』を読み返してみました。あらゆる社会の歴史は階級闘争の歴史であること、労働者階級は失うものはもうこれ以上何もない階級であること、そして国境・民族を超えてひとつであること、団結すれば絶対勝てるんだということが熱烈に書かれてありました。そしてその最後の締めくくりの言葉は「万国の労働者、団結せよ!」です。
 私たち国労闘争団は全人生をかける決意で闘っております。

 

 

 日帝打倒まで怒り収まらぬ 国労小倉闘争団 羽廣憲さん

 私たちの怒りは一度も消えることなく、この26年間、いやもっと長い期間怒り続けています。この怒りは日本帝国主義を打倒するまで収まりません。本当のガチンコ勝負というのは、そこまで行き着くものだろうと思います。そのためには、もう終わっているアベノミクス、もがいているアベノミクスを茫然(ぼうぜん)と見るんじゃなくて、われわれの団結した力で、力ずくで安倍を倒す、これ以外に解決の方法はないと思います。
 まだまだ私たちは少数です。しかし、絶対反対の大多数をわれわれはつかむことができる位置にいることを確認したい。まだまだ闘いはこれからです。私は勝つまでやめません。ともに闘いましょう。

 10万筆署名の達成へ奮闘を 自交総連北海道地連書記長 杉本一郎さん

  昨年の動労千葉鉄建公団訴訟6・29判決で、不採用基準そのものが違法行為である、不当労働行為であるという判断が出されました。それなら解雇撤回・原職復帰が原則だと掲げて、高裁あての署名運動を取り組んできました。5月8日の時点で1万6958筆を東京高裁に提出したと報告されています。9月25日の判決に向けて、10万筆の署名を集めようと各地で奮闘が続いています。
 現在、署名数で2万1694、個人・団体338、韓国より1398の署名が届いています。さらに奮闘して目標達成まで集めましょう。署名活動の一つひとつが労働組合をよみがえらせ、階級的労働運動を再建することにつながります。敵を打倒し、私たちが権力を取って、私たちの世の中を実現することをこの国鉄闘争で実現しましょう。

(写真 外注化職場での激しい攻防を壇上から生々しく報告する動労千葉・山田護幕張支部長)

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週刊『前進』(2588号3面2)(2013/06/17 )

 共同に絶大な夏期カンパを

 職場に闘う労働運動つくり出し本物の労働者階級の革命党へ

 すべての労働者のみなさん!
『前進』読者のみなさん! ついに労働者階級が勝利する時代が来ました! 革共同はこの時代の到来に心躍ると同時に、厳粛で真剣な思いを込めて、2013年夏期カンパをお寄せくださるよう心から訴えます。
 1047名解雇撤回!国鉄闘争全国運動6・9全国集会は「民営化と外注化、非正規職化と闘おう!」「今こそ国鉄闘争の火をもっと大きく」を掲げ、1800人で圧倒的に成功しました。とりわけ5月8日の東京高裁・難波孝一裁判長による動労千葉鉄建公団訴訟の結審強行という重大事態に際して、9月25日判決までの4カ月決戦を宣言しました。革共同はこの4カ月決戦の先頭に立ち、革命的共産主義運動50年のすべてをかけて闘い抜く決意です。
 この4カ月決戦とは第一に、国鉄分割・民営化の真実を6千万労働者階級、2千万青年労働者の前に徹底的に暴き、新自由主義を打ち倒す階級的労働運動を社会全体に復権させる闘いです。
 JR西日本の元社長・井手正敬(尼崎事故の責任者!)は2000年に行われた御用組合幹部との座談会で、1987年の国鉄分割・民営化=JR設立の直前に、当時のJR設立委員会委員長・斎藤英四郎(当時経団連会長)の直接の指示で国鉄職員局次長・葛西敬之(現JR東海会長)が不採用基準を作成したことを明らかにしています。これまでJRが主張してきた「JRは国鉄が作った採用候補者名簿に記載された全員を採用したのだから、名簿記載に不当労働行為があったとしてもJRに責任はない」という虚構が根本からひっくり返る大事態です。
 これが暴かれるのを心底恐れた東京高裁・難波は5月8日、動労千葉鉄建公団訴訟の事実調べを一切拒んで、結審を強行したのです。また裁判所・国家権力は昨年6月29日、同訴訟の東京地裁判決で不当労働行為を認定した白石哲裁判長を、この3月に突然左遷しました。
 「1047名解雇の責任は、直接JRにある」「すべては資本の責任」――この真実が暴かれた時に、国鉄分割・民営化以降吹き荒れてきた新自由主義26年の、青年労働者の半数が非正規職で今日さえも生きていけない現実、未来も奪われたJRを始めとする青年労働者の現実への根底からの怒りが噴き出すことは間違いありません。
 動労総連合や国労郡山工場支部が切り開いてきた外注化阻止・非正規職撤廃、被曝労働拒否の闘いと1047名解雇撤回闘争が一体となって4大産別―全産別で階級的労働運動が復権していく時代を切り開く最高の武器を、日本の労働者階級は長い闘いの中でついに手にしたのです。
 4カ月決戦とは第二に、国鉄闘争の勝利、階級的労働運動の復権を推進軸に安倍政権の「成長戦略」を打ち砕く大決戦です。
 今や世界大恐慌とそのもとでの超金融緩和競争の中で、危機を深める帝国主義は労働者階級人民総体に対する極限的な搾取を強化しながら、国家間対立を激化させています。
 この中で日本帝国主義・安倍政権は、商品・資本市場、資源、勢力圏をめぐる大争闘戦時代への突入に翻弄(ほんろう)され、敗北し、「世界最悪のリスク国家」に転落しています。この一切の矛盾を、憲法改悪と辺野古新基地建設、原発や鉄道、水道などのインフラパッケージ輸出、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加、公務員賃金引き下げ、医療と社会保障の全面的な解体、民営化と10割非正規職化などで労働者人民に押しつけて延命しようとしているのです。大阪市長・橋下徹や東京都知事・猪瀬直樹はこうした攻撃の最悪の先兵です。絶対に許せません。
 しかしこれらの攻撃はすべて必ず破綻します。何よりも国鉄と福島を先頭に全産別・全職場から労働者の怒りが沸き上がっています。
 ふくしま共同診療所建設と3・11反原発福島行動13は、激しい党派闘争の中で「フクシマの怒り」を解き放ち、原発再稼働の策動と真正面から対決した歴史的な闘争でした。さらにそれは4月自治労ストや、5・1新宿メーデー闘争でJR貨物の賃下げを阻む勝利、さらに5月沖縄闘争へと発展し、安倍と資本家階級を追い詰めています。
 6月都議選・7月参院選への労働者階級の回答は、「階級的労働運動の復権で安倍・猪瀬・橋下を打倒しよう!」ということです。革共同は労働者人民の怒りと一体となり、その先頭で闘います。
 4カ月決戦とは第三に、階級的労働運動の復権と一体で本物の労働者党、階級の指導部を建設し、プロレタリア世界革命をたぐり寄せる大決戦です。
 新自由主義が激しく崩壊を始めた現代社会で、労働者人民が人間らしく生きるためにはプロレタリア世界革命に勝利する以外にありません。
 私たち革共同は「社会党や共産党をのりこえる本物のプロレタリア革命党」を目指して1957年に結成されました。その50年を超える歴史は本物の労働者階級の革命党となるための格闘の連続でした。60年安保闘争、70年安保・沖縄闘争を闘い、破防法適用と反革命カクマルによる党壊滅攻撃を全党・全階級を挙げた決起で打ち破り、今日の情勢を切り開いてきました。さらに私たちはこの間、とりわけ国鉄闘争を解体し、革共同を分裂させるために内閣情報調査室・公安調査庁のスパイとして20年近く活動していた極悪分子・荒川碩哉を摘発・粉砕する画期的な大勝利を切り開きました。
 この中であらためて振り返れば、2006年の「党の革命」は、こうした国家権力の革共同破壊策動を根底から粉砕し、労働者党員が革命的労働者党建設のために蜂起した決定的な闘いでした。私たちは労働者同志を先頭に、「時代認識と路線」で徹底的に団結する中央―細胞、地区党の建設、非公然・非合法体制の建設をもって勝利し、今日の情勢を切り開いてきた確信と誇りを一層打ち固め、燃え立っています。
 革共同は「国鉄闘争の党」「階級的労働運動の党」「青年・学生の党」として、獄中38年の星野文昭同志を絶対に奪還する党として、こうした闘いのすべてをとおして、労働者の国際連帯を実現する世界単一のプロレタリア世界革命の党に飛躍するために闘い抜きます。
 最後に訴えます。4カ月決戦勝利の一切の土台は、労働者一人ひとりが財政闘争に立ち上がることです。機関紙『前進』を軸に労働者党建設を自ら担い、守り、発展させることは、労働者階級と人間的解放のために闘うすべての人びとの事業です。社会の真の主人公である労働者が自らの解放と未来をかけ、現在の生活を削ってでも革命のためにカンパすることは、それ自身、国家権力と資本家階級に大きな打撃を与えるものです。
 安倍政権と資本家どもに怒るすべてのみなさん! とりわけ青年労働者・学生のみなさん! 革共同に夏期カンパをお寄せくださるよう、心から呼びかけます。

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週刊『前進』(2588号3面3)(2013/06/17 )

【要項】7・3動労総連合 出向無効確認訴訟

 外注化粉砕! 偽装請負弾劾!
 検修業務をJR本体に戻せ!
 動労総連合 出向無効確認訴訟
 7月3日(水)午後2時
 東京地裁527号法廷

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週刊『前進』(2588号4面1)(2013/06/17 )

 7・14三里塚全国集会(千葉市)へ

 市東孝雄さんの農地を守れ7・29農地強奪判決阻止を

 緊急3万人署名を貫徹しよう

 7・14集会まで1カ月を切った。農地決戦への臨戦態勢を宣言した三里塚芝山連合空港反対同盟は、農地強奪判決を阻止する緊急3万人署名を何としても達成すべく一斉行動に立ち、全国に呼びかけている。三里塚闘争は、危機にのたうつ安倍政権を打倒する新たな闘いに突入した。1800人が結集し9・25鉄建公団訴訟高裁判決までの4カ月決戦への突入を宣言した6・9国鉄集会の大高揚を引き継ぎ、7・14全国集会(千葉市中央公園)−7・29農地裁判判決に総力で結集しよう。

 産業競争力会議が「3本目滑走路」案

 4月17日に開かれた安倍内閣の産業競争力会議で、竹中平蔵主査(慶応大教授)は「立地競争力の強化に向けて」と題する報告を行い、「空港・港湾など産業インフラ強化」として成田3本目、羽田5本目の滑走路建設を提起した。また安倍内閣は、東京都心と成田・羽田の両空港を結ぶ新鉄道「都心直結線」構想を成長戦略に盛り込み、進めようとしている。こうした動きを受け、成田の地元経済団体は「暫定滑走路の3500b化、それがダメなら3本目の滑走路計画を検討すべき」と主張し始めた。
 3本目の滑走路案などは何を意味するのか。
 2007年、第1次安倍内閣はアジア市場におけるアメリカや中国への敗勢を巻き返すため「アジア・ゲートウェイ構想」を打ち出した。それは、@FTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)締結をにらんだ航空自由化と空路の充実=巨大空港整備、A全面的な航空自由化による「列島丸ごと自由化・規制緩和」、B「攻めの農業」と称する国内農業撲滅政策の三つからなっていた。
 今日、安倍内閣の掲げる成長戦略の原型がここにある。そしてアジア・ゲートウェイ構想の最重要課題として「成田の拡充」=国際空港容量の拡大が位置づけられ、「オープンスカイ」「年間発着30万回化」「3500b滑走路」が打ち出されたのである。
 三里塚闘争によって”空港政策30年の遅れ”を強制されてきた日本帝国主義は、「航空・空港政策の大転換」でその取り戻しを待ったなしに迫られていた。しかし、三里塚は敢然と闘い、オープンスカイに成田と羽田を組み込むことを粉砕して、アジア・ゲートウェイ構想を打ち砕いた。
 世界大恐慌の中で、帝国主義間争闘戦とブロック化政策にのめり込む安倍政権にとって、今再び成田の拡充と三里塚闘争破壊は不可欠であり、それが「3本目の滑走路案」なのだ。
 3500b化とは東峰地区を完全に破壊することだ。それ以外に3本目の滑走路など造る土地はない。怒りの爆発は不可避だ。3月31日に「オープンスカイ」は開始され、航空会社の参入は自由になった。同時に「撤退も自由」な激しいグローバル競争に入ったのだ。年間発着30万回化、24時間空港化は存続の絶対条件で、成田を「選ばれる空港」(NAA=成田空港会社)にできなければ、地盤沈下どころか完全に世界からたたき落とされる。
 三里塚闘争は、あらためて安倍打倒の戦略的環となった。

 反TPPの決起糾合する三里塚

 三里塚はTPP(環太平洋経済連携協定)をめぐっても、激しい激突点となる。
 TPPはアメリカ帝国主義による争闘戦であり、アジア太平洋地域のブロック化政策であり、中国への対決を貫く日米安保同盟政策だ。安倍は対米争闘戦で遅れを取らないため、TPP参加を表明するとともに安保=軍事政策上ですさまじい反動的飛躍をもくろみ、改憲攻撃を強めている。極限的全面的な生活破壊をもたらすTPPに対して労働者・農民は必ず立ち上がる。この時、反戦の砦(とりで)として改憲・戦争・成田軍事空港化の前に立ちはだかり、反TPPの農民決起を糾合して闘おうとしているのが三里塚なのだ。
 動労千葉・動労水戸は、昨年10・1外注化阻止から今春ストライキを貫き、4・26自治労スト情勢を切り開き、6・9国鉄集会の大高揚を始め階級的労働運動を推進し、外注化・非正規職化・労組破壊の攻撃を打ち破っている。
 この国鉄闘争の前進と一体で、三里塚闘争は年初以来、福島−沖縄の怒りと結びつき、市東孝雄さんの農地決戦で新たな地平を切り開いてきた。アベノミクスの化けの皮を完全にはがし、今こそ安倍打倒へ突き進もう。

 戦後最大規模の強制収用を許すな

 こうした情勢ゆえに、市東さんの農地裁判は、ますます「国策」による農地強奪と闘う決戦として白熱化している。
 あらためてこの闘いの正義性をはっきりさせよう。3代100年にわたり耕作してきた市東さんの農地は実質的な所有地であり、その耕作権は所有権に限りなく等しい権利としてある。事業認定の期限切れで土地収用法が失効した今、強権的に奪うことなど絶対に許されない。それを農地法の悪用で収用し、さらに日々の営農に欠かせない作業場や農機具置き場まで暴力的に奪い取ることなど断じて認められない。
 市東さんの農地を取り上げる策動は、9266平方bという戦後最大規模の事実上の強制収用攻撃としてかけられている。市東さんの生活と人生の一切がかかっている。同時に、安倍政権の国策と対決する労働者・農民・人民の未来がかかった闘いなのである。
 千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)での6年に及ぶ農地裁判(行政訴訟と農地法裁判を併合)で反対同盟と顧問弁護団は、耕作者である市東家に無断で底地を買収したこと、NAAによる土地特定の唯一の「証拠」が偽造だったことなどの違法・不当を全面的に暴いた。そして3月27日に結審したがその直後、さらにこの裁判の根底を揺るがす重大な証拠が明らかになった。
 民事第2部(白石史子裁判長)での耕作権裁判で4月9日に開示されたNAAの文書の中に、空港公団(NAAの前身)が1987年に作成した「南台41―9」にかかわる土地の現況図が含まれていた。その図は、NAAが土地明け渡しの根拠としてきた「同意書」「境界確認書」の図面とは異なっており、農地裁判の最大の争点であった「耕作地の位置特定の誤り」を決定付け、市東さん側の主張の正しさを証明する内容だった。もはや訴訟の前提が崩れたということだ。
 結審しても、こうした重大な新証拠で弁論が再開された例はいくつもある。しかし、弁護団の弁論再開の申し立てに対して多見谷裁判長は6月5日、一片の通知でこれを拒否してきた。断じて許せない!
 耕作権裁判でも重大な新事実が明らかになった。白石裁判長は、NAAに対して文書提出命令を出し、空港公団が南台の農地を買収した時の10点の文書を提出させた。弁護団は、「これでは不十分。秘匿文書がなお存在する」と追及してきた。しかし実は、「藤ア政吉氏ファイル」として10点以外にも多くの文書をNAAは裁判所に提出していた。それを白石裁判長が恣意的に絞った10点しか対象にしなかったのである。
 NAAの違法・不当をもっと根底的に暴く文書が間違いなくある! 千葉地裁が総がかりで証拠を隠し、NAAの手先となり農地強奪にお墨付きを与えることなど、絶対に許してはならない!
 反対同盟作成の署名リーフレットやカラービラをもっと職場・学園で広め、市東さんの農地強奪を社会問題化し、仮執行宣言もろとも農地強奪判決を粉砕する巨大な運動をつくりだそう。

 広範な怒り結集し安倍打倒の火柱を

 闘いの方針は鮮明である。反対同盟が提起する@緊急3万人署名の達成、A7・14全国総決起集会への大結集、B現地調査、交流会、援農などを通して多くの人びとが三里塚現地に集う、という三つの方針をやりきることだ。署名は6月11日現在で3645筆。まだまだ3万にはほど遠い。しかし7・14集会までに必ず実現できる。
 5・25反TPP集会で集めた署名は300筆を超え、再稼働阻止へ7500人が結集した6・2反原発集会では600筆を超える署名を得た。安倍政権への怒りが渦巻く中で、47年間国策と闘い続ける三里塚は、大きな反響を呼んでいる。必ず共感と賛同の輪を広げ、怒りをひとつにすることができる。7・14全国集会は、この怒りの結集軸となるものである。
 3・24三里塚全国集会で動労千葉の田中康宏委員長は「怒りの声は労働者も農民も社会の隅々まで沸騰点に達している。その時に三里塚闘争がこのように存在し、闘う労働組合を復権させるという僕らの努力があります。これを結合したときに歴史は動き始めます」と語った。7・14集会で、まさにこれを結合させよう。階級的労働運動を闘うわれわれこそが、市東さんの農地強奪判決粉砕の先頭に立とう。
 緊急3万人署名を大胆に農民の中に持ち込もう。全国農民会議の闘いを先頭に、全国から7・14集会への大結集をかちとろう。さらに福島−沖縄を貫いて、反戦・反基地・反原発・反TPPなど、広範な怒りを総結集しよう。新たな部落解放闘争の全国組織結成と一体で、7月14日を安倍打倒への労農学人民の総決起の日としよう。
 とりわけ青年・学生の現地への決起を訴える。裁判闘争がこれからどのような展開をたどろうとも、本質は国家権力による農地強奪=強制収用攻撃との闘いである。「農地死守・実力闘争」で国家権力と真っ向から闘い続けてきた三里塚闘争47年の真価をかけた闘いである。この決戦を担う部隊として全学連現地行動隊の強化をかちとろう。学生自治会建設の闘いと一体で学生は三里塚実力決起の先頭に立とう。
 6・9国鉄闘争全国運動集会の成功を引き継ぎ、6・30星野集会、7・14千葉集会、7・29農地裁判判決、そして8・5−8・6広島に至る連続決起で、文字通り安倍打倒の火柱を上げよう。7月14日、必ずや千葉市中央公園を埋め尽くそう。
 〔白川賢治〕

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週刊『前進』(2588号5面1)(2013/06/17 )

 「成長戦略」粉砕・安倍打倒へ闘い組織拡大・拠点建設を進めよう

 6・30星野全国集会に大結集を

 国鉄決戦が6月、反原発闘争、改憲阻止闘争と一体で安倍打倒の階級決戦の最前線に押し上がった。日帝・資本家階級と安倍政権に対して6月9日、東京・文京シビックホールに1800人の怒りがあふれ、根底から打倒の火柱が上がった。国鉄闘争30年、労働者階級の血と汗で脈々と守り抜いてきた闘いの地平の上に、ついに国家的不当労働行為の大陰謀を暴き出す4カ月決戦が宣言された。全力で闘い、勝利しよう。革命の勝利をかけて夏期カンパ闘争に総決起しよう。

 国鉄10万筆署名運動を全国の職場に広げよう

 「国鉄方式」と言われる不当労働行為・総非正規職化との闘いは、まさに今日の2千万青年労働者の生存と未来をかけた闘いだ。この闘いが命脈尽きた資本主義・帝国主義を倒す全労働者の闘いにせり上がった。
 追い詰められた安倍政権は6月都議選、7月参院選の「勝利」で改憲と賃金・雇用破壊、原発再稼働を狙うが、それは逆に労働者階級の怒りに火を付け、労働者支配の破綻へ導くだろう。
 4大産別・全産別で歯を食いしばって闘う労働者の団結力は、資本家と安倍を震え上がらせている。闘う動労千葉にはトルコの労働者を始め世界各地から連帯声明が寄せられている。プロレタリア世界革命への胎動は誰も押しとどめられない。
 4カ月決戦の成否を決める6〜7月の闘いは、6・9国鉄集会で切り開いた地平を前に進める重大な決戦だ。全産別・全職場・地域で、革命的時代認識と勝利の路線、労働者への無限の信頼をもって闘い、地をはう実践に突き進もう。
 6・9国鉄闘争全国集会には、全国の職場から闘う労働者が大結集した。この闘いの中から新しい活動家が生まれ、労働運動・労働組合は根底的な流動化を開始した。国鉄1047名解雇撤回・JR復帰の10万筆署名運動は広範に拡大している。何よりも動労千葉の反合理化・運転保安闘争路線が、民営化・外注化阻止、非正規職撤廃闘争と一体となり、職場を団結させる武器となって発展している。
 6・9集会は、国家権力・資本による労働組合破壊の大陰謀の暴露を通して新自由主義の根幹を痛撃し、全産別・全職場を揺るがしている。青年労働者を先頭とした労働者階級の深部からのふつふつとわき上がる怒りと結んで、階級的・原則的な闘いが力強く発展している。
 動労千葉鉄建公団訴訟控訴審の5・8結審の一大反動は、国鉄闘争が日帝ブルジョアジーの中枢に打撃を与えていることを示している。この闘いは、安倍政権の大反動攻撃と真っ向から激突している。10万筆署名運動、解雇撤回の物販闘争をあらためて一から職場・地域に広め、国鉄闘争全国運動、動労千葉を支援する会を職場生産点の大事な活動拠点としていこう。この闘いは、全世界の労働者との連帯を推進する闘いである。9・25控訴審判決―10・1JR外注化阻止に向かって4カ月決戦に総決起しよう。こうした国鉄決戦の煮詰まりを、それぞれの職場の団結と闘いの力にしていこう。

 労働者を犠牲にするアベノミクス葬り去れ

 アベノミクスは劇的な崩壊を始めた。「成長戦略」はこの崩壊からの延命をかけた階級戦争である。それは必ず労働者階級の怒りと闘いを根底から爆発させずにはおかない。その怒りと決起は、大恐慌の中で危機と没落を深める米帝や、大恐慌―大失業の渦中にあるヨーロッパ、さらに中国を始めとした世界の激動、国際労働者階級の不屈の決起と固く結びつくものである。
 安倍の「成長戦略」第3弾の「民間活力の爆発」なるものは、国民総所得(GNI)を1人あたり「10年後に150万円増やす」などと言ってあたかも賃金がそれだけ上がるかのようなことを言っているが、まったくのペテンだ。GNIとはGDP(国内総生産)に資本家どもの海外投資などで得た利益・利子・配当収入などを加えたものであり、とんでもないペテン的な数字である。いや、安倍の本音は、インフラ・パッケージ輸出やTPP(環太平洋経済連携協定)による市場・資源争奪戦に労働者は「企業戦士」として参戦しろ、そして資本家はコスト戦争を推進し民営化・外注化・非正規職化して労働者への収奪を進めろ、ということだ。
 「規制改革を成長戦略の1丁目1番地に」という安倍の狙いを徹底的に粉砕しよう。「国家戦略特区」による規制緩和・企業減税、インフラのPFI(民間資金活用)・PPP(官民連携)化、医療・農業などの総市場化・民営化や、原発再稼働に政府が率先して取り組むことを公言している。これらの核心には労働・雇用の破壊がある。「限定(準)正社員制度」をも使った総非正規職化、労働者派遣法の限定解除、有料職業紹介事業の規制緩和などは、戦後労働法体系と階級関係を変える改憲攻撃の先取りである。「成長戦略」を絶対に粉砕しよう。
 4カ月決戦―国鉄決戦には、全階級を獲得する広さと深さがある。生きるために団結を取り戻し、労働組合をよみがえらせることだ。労働と命を奪い返す生命活動ともいえる反合・運転保安闘争の豊かで創造的な実践であり、組織拡大・拠点建設の闘いである。

 階級的労働運動と国際連帯で改憲攻撃粉砕を

 6月都議選、7月参院選をめぐる政治情勢は大激動に入っている。これに対して、国鉄決戦、反原発決戦、改憲阻止決戦で真っ向から切り結ぼう。JRの外注化粉砕・非正規職撤廃の国鉄闘争は、9・25判決−10・1外注化との決戦として、JR東日本の東京、大宮、横浜、八王子などを軸に仕業検査・構内計画業務などをめぐり全面的に火ぶたを切っている。動労水戸を先頭とする被曝労働拒否闘争は、外注化粉砕闘争が全原発廃炉に向かう実践であることを突き出している。
 原発再稼働を絶対に阻止する労働者階級の怒りを、NAZEN(すべての原発今すぐなくそう!全国会議)の全国的建設として結集しよう。
 この国鉄闘争と反原発闘争を一体的に闘う上で、改憲阻止闘争はものすごい力を生み出す。安倍の改憲攻撃は、国鉄分割・民営化の総破綻、3・11をもって突き出された日帝の核・原子力政策の崩壊という現実に規定されている。凶暴ではあるがどこまでも絶望的で脆弱(ぜいじゃく)であり、プロレタリア革命の条件を押し広げる。6〜7月の選挙情勢は、全労働者・全人民の怒りをとことん階級的団結に引き入れていく。階級的労働運動と国際連帯の力で、安倍を改憲攻撃もろとも打倒しよう。
 実践的方針を具体化しよう。国鉄闘争支援の物資販売と10万筆署名を武器に、職場で団結をつくり出し、資本と闘おう。職場闘争の課題は山積している。組織拡大と拠点建設は直接に情勢を揺るがす。JR職場において平成採を始め関連労働者、貨物労働者を組織しよう。4大産別・合同労組を先頭に正規・非正規労働者の組織化を進めよう。この課題は、地区における細胞的な団結強化と一体であり、反合・運転保安闘争路線の確立と実践が最大の力となる。
 無実の星野文昭同志の奪還をめざし6・30星野全国集会に結集しよう。再稼働絶対阻止・全原発廃炉へ7・11NAZEN東京集会に集まろう。市東孝雄さんの農地強奪判決粉砕へ、7・14三里塚千葉集会を国鉄決戦と固く結んで闘おう。
 革命的共産主義運動と階級的労働運動を飛躍させる、胸のすくような勝利への号砲が打ち鳴らされている。国家権力中枢によるスパイを使った長年にわたる情報収集と党破壊策動に、ついに歴史的断が下った。「党の革命」が全国全世界の労働者階級の闘い、職場の闘いと直接に結び前進してきたこと――この階級的団結の力だけに依拠して、希代のスパイ・反革命分子を摘発・粉砕したのである。われわれは天をもつく怒りと、階級的団結のもつ勝利性への確信を力にして、今こそ万国の労働者の団結を宣言しよう。すべての闘う労働者・学生は、革共同へ結集しよう。
 闘う労働者党の飛躍的な強化・建設のために、圧倒的な夏期カンパを訴えます。ともに夏秋の闘いに進もう!
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 おことわり シリーズ「TPPを撃つ」は今号休みます。

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週刊『前進』(2588号5面2)(2013/06/17 )

 権力のスパイ荒川碩哉を打倒

 この歴史的な地平を強大な労働者党の建設とプロレタリア革命の勝利へ

 スターリン主義のりこえ

 6・9国鉄闘争全国集会は、2010年4・9政治和解=国鉄闘争解体攻撃を根底から粉砕する歴史的な前進を切り開いた。これと一体の戦いとして、プロレタリア革命運動の偉大な勝利がかちとられた。ついに革命的共産主義運動と階級的労働運動の統一的前進が、日帝国家権力との死闘をめぐり新たな歴史的到達地平をかちとった。
 革命的共産主義者同盟は、全世界・全日本の労働者階級に、日帝国家権力の最高中枢が放った希代のスパイ分子・荒川碩哉(ひろや、1947年生まれ)を摘発し、その階級的犯罪の全貌(ぜんぼう)を徹底的に暴き出した勝利を報告する。革共同は階級闘争史にもまれにみる極悪のスパイ分子・荒川を、階級的労働運動の地をはうような不屈の実践を通して摘発し、階級的・原則的な闘いでスパイ行為の全貌を暴き出し粉砕した。
 この日帝権力の最悪の手先は、自らの反革命的所業が暴かれる中で、6月4日、反革命の本性をむきだしにして警察に保護を求めた。この時、自らの家族を含む3人の同志を公安警察に逮捕させ、権力の懐に逃げ込んだのである。
 だが日帝権力は荒川を使ったスパイ活動が摘発・暴露された闘いに震え上がり、判断停止に陥る中で、3同志の勾留請求もできずに釈放せざるをえなかった。
 家族まで警察に売って権力の懐に逃げ込んだ荒川の反革命と極悪さに対して、われわれは煮えたぎる怒りを抑えることができない。膨大な告白文書によってすでに基本的な決着はついているとはいえ、荒川を絶対に見つけ出し、その階級的大罪にふさわしい最後の処断を下す決意である。
 今回の弾圧、そして今後のいかなる権力の取り戻し的な弾圧も、まったく無力である。われわれは、敵権力のぶざまな破産した姿を徹底的に全労働者階級の前に暴き出し、それへの怒りを結集して闘う。どのような弾圧も、徹底的に闘い粉砕することで革命的共産主義運動と階級的労働運動の豊かな実りある発展に転化できるのである。
 こうしたスパイとの闘いはこれまで、何か「革命運動の暗部」のように扱われてきた。だがそれは、スターリン主義による革命運動の歪曲と疎外、帝国主義権力への屈服の結果に他ならない。
 労働者階級と密接に結合した党が合法・非合法を正しく配置し結合してスパイ攻撃と闘うことは、スターリン主義をのりこえ、レーニンとボルシェヴィキの闘いを現代に継承し革命勝利の道を打ち固めるきわめて崇高な闘いである。労働者階級に依拠し、階級的労働運動を不屈に推進する闘いこそ、党をあいまいさなく階級性をもって打ち鍛える。党は階級によって不断に検証され、そこから党自身の絶えざる変革と強固な団結を形成し
ていく。この闘いがあればどんなスパイ攻撃も必ず粉砕できるし、それは党にとって価値創造的な闘いになるのである。
 日帝権力とその極悪な手先に対する怒りは、けっして尽きるものではない。この階級的怒りが激しければ激しいほど、それはプロレタリア自己解放の力へと果てしなく融合していく。今回のスパイ荒川の摘発・打倒の闘いの勝利をもって、ついにプロレタリア革命の勝利へ前人未到の挑戦が開始されたのである。

 内調・公調に直結していた

 荒川のスパイ活動の全貌は、すさまじいばかりである。1995年から内閣官房長官の管轄下にある内閣官房内閣情報調査室(内調)に直結し、「特別職員」のような位置づけと役割をもってスパイ活動を開始した。内閣情報調査室は、内閣府、警察庁、防衛省、厚労省、総務省などからの出向者で構成される日帝政治権力の中枢中の中枢である。〔6月7日、安倍内閣は「国家安全保障会議」設置関連法案を閣議決定した。それに連動して内閣情報調査室に「諜報員」を配置し、スパイ専門部を新設しようとしている。荒川こそ、この憎むべき策動の先取りであったのだ。今回のスパイ荒川の打倒は、この国家中枢の戦略的狙いを徹底的に暴き直撃したのだ〕
 荒川が内調のスパイとなった1995年とは、日帝の体制危機の深まりの中で日経連プロジェクト報告「新時代の『日本的経営』」が出され、政治支配・労働者支配の転換が始まった時期だった。荒川のスパイ活動の開始は、これと軌を一にしている。ここで荒川は情報提供と引き換えに毎月多額の「報酬」を受け取ることになった。それは今年まで続き、荒川はその金のすべてを隠匿してきた。
 こうした中で、さらに2000年から01年にかけて、荒川は公安調査庁(公調)とも直結し、ここからも多額の金銭を受け取ってきた。なんと荒川は内調と公調の二つのルートを同時進行させ、党の内部情報から全国の情報、さらに「新左翼諸党派」、体制内労働運動に至るまで情報網を張り、情報の分析までやってみせ、それを高く売りつけていたのだ。荒川のスパイ活動は、内閣情報調査室とは18年間に7人の担当者が引き継いで行われ、公安調査庁とは13年間に4人の担当者が引き継いで行われた。
 革共同に奥深くスパイを送り込んだ日帝権力中枢の狙いは何か。
 第一に、戦前から戦後まで、階級政党や労働組合は直接の弾圧でつぶされるよりも、スパイなどによる分裂・分断工作、団結破壊によって自己解体の道をたどるのが常であった。また伝統的に帝国主義権力は、そのために総力を挙げてきた。
 とくに91年「5月テーゼ」以来、日帝権力は革共同の階級的労働運動路線の基軸となった国鉄闘争の解体に全力を挙げた。そのために革共同と動労千葉の解体と分断、分裂策動にのめりこんだ。国鉄闘争の継続と発展は、日帝権力中枢にとって絶対に看過できるものではなく、この闘いの壊滅に彼らは総力を挙げたのだ。荒川の数々の罪状はそのことをあらためて衝撃的に示している。
 荒川が新たに公安調査庁のスパイとなった2000年は、国鉄闘争の「4党合意」が行われ、JRの外注化という「第2の分割・民営化」攻撃が本格化した年だった。この時に荒川のスパイ活動に公調ルートが加わり、荒川はより一層「精力的」になった。また、党の内外で「5月テーゼ」に反対し動労千葉に敵対する策動も激化していった。
 この国鉄闘争破壊策動は、後には10年4・9反革命(国労本部など4者4団体派による解雇撤回闘争の政治和解・終結策動)へと至った。
 しかし、これらの敵の策動は動労千葉を先頭とする断固たる闘いによって、ことごとく破綻してきた。動労千葉の解雇撤回闘争と外注化阻止・強制出向粉砕の闘いはJR資本と日帝権力を追い詰めている。鉄建公団訴訟控訴審の暴力的打ち切り(5・8結審)や、一審判決を出した白石哲裁判長の突然の更迭(白石事件)など、いまや権力の根幹を揺るがす大闘争となって発展している。
 第二に、権力中枢の狙いは反革命カクマルを分裂させ屈服・転向させたように、革共同をも分裂させることであった。
 「革共同解体」を叫び警察と有無通じて武装襲撃を繰り返した反革命カクマルは、1980年代に国鉄分割・民営化攻撃の先兵となり、多くの国鉄労働者を自殺や退職に追い込んだ。この過程でカクマル副議長・松崎明(当時の動労委員長)は権力の完全な手先となり、警察や公調とも濃密な関係を結んだ。カクマルは1999年〜2000年にJR総連派と中央派に分裂し、今やますます日帝中枢の恥多き手先、JRの外注化の先兵となっている。革共同はこの反革命カクマルとの闘いに勝利して、今日まで闘ってきた。

 「党の革命」が敵の狙い砕く

 第三に、日帝権力中枢は、階級的労働運動路線に敵対する党内の血債主義者の動向をつかんで分析し、それを使って革共同の分裂を必死に策動した。
 血債主義こそ、労働者階級自己解放の力と闘いを否定し、労働者階級を分断し、党の団結を内側から解体するものである。それは「5月テーゼ」以来の革共同の飛躍を押しとどめ、混乱・崩壊へ落とし込めようとするものである。だからこそ血債主義・労働者蔑視(べっし)との闘いは、権力による革共同解体・分裂策動を粉砕する死闘そのものであった。われわれは06〜08年の「党の革命」によってこれに完全勝利し、それによって日帝権力中枢の党破壊策動を完膚なきまでに打ち破ってきたのである。
 「党の革命」で革共同は、労働者自己解放闘争論で武装した党、動労千葉労働運動を徹底的に実践する党に生まれ変わった。さらに大恐慌論と新自由主義論で武装し、非合法・非公然体制の本格的確立のために総決起していった。
 その後、荒川は「党の革命」に敵対した岸、水谷、石川(死亡)、藤本や、最悪の分裂主義者である塩川一派の塩川(橋本)、茂木、奥田(死亡)、さらに岩本、結柴、新城ら除名分子と陰に陽に結託し、権力の意を体して彼らをそそのかし、党の分裂・解体を策動した。これがすべて粉砕されると次に荒川は、除名分子に連なる反党分子の甘糟、奥村、浅野、本間、広瀬らとともに新たな党破壊工作、動労千葉破壊工作にのめり込んでいったのだ。
 今なお党破壊のためにうごめいている輩は、己の策動がどれほど権力を利するおぞましい反階級的な犯罪行為であるのかを、今こそ思い知るべきである。
 第四に、日帝権力中枢の狙いは星野奪還闘争の解体であった。荒川は、星野文昭同志と同じく沖縄返還協定批准阻止の渋谷暴動闘争(1971年11月)の被告として長期にわたって獄中にいた。この荒川をスパイに仕立てることで、日帝権力は星野同志をデッチあげで弾圧し、星野同志の闘いを圧殺することに総力を挙げたのである。それは、星野同志の闘いと星野奪還闘争が日帝権力を根底から揺るがす闘いだったからである。そして、何よりも獄中38年の星野同志の存在とその偉大な闘いが、日帝中枢の長年にわたるスパイ策動を粉々に粉砕してきたのである。
 第五に、敵の狙いは革共同の非合法・非公然体制の解体であった。権力は荒川を使ってこの攻撃を狙ったが、われわれはそれを完全に打ち破り、非合法・非公然体制を守り抜いた。
 レーニン以来、非合法・非公然体制を構築する闘いは、いかにスパイが潜入しようとも党の破壊を許さず、党を守り革命に勝利していく決定的な闘いである。合法・非合法、公然・非公然の闘いを正しく配置し強靱(きょうじん)に推進していくことは、革命情勢の接近下での最も核心的な革命的労働者党の任務である。

 マルクス主義と階級の団結

 さらに11年3・11(東日本大震災と福島原発事故)の経験は、再び党に一層の変革と飛躍を求めた。それは、福島の怒りと結合した労働者階級の決起を確信し、労働組合の団結を基礎に国鉄決戦―階級的労働運動をさらに白熱的に推進しようということであった。また地区党での討議と一致を総括軸にして、党と労働組合の一体的建設を全力で発展させようということであった。
 この労働者階級の生き生きとした、闘う意欲・情熱と誇りの発揚が、荒川のスパイ活動を摘発し粉砕する大きな力となったのである。
 そもそも帝国主義権力が放つスパイの活動など、初めから根底的に破産しているのだ。何よりも、スパイにも権力中枢にも、党と階級の真実は絶対に見えないのである。帝国主義権力のどんな弾圧も、スパイを使った破壊策動も、マルクス主義と階級的団結の力で武装していれば、絶対に粉砕できるのである。また、「時代認識と路線」で一致していくための絶えざる闘いは、必ず団結を育む不抜の力となるのである。
 革共同は、大恐慌と3・11情勢、新自由主義との激突の中で、国家権力のスパイ攻撃との死闘の勝利を通して、プロレタリア革命の現実性を大きく、大胆にたぐり寄せた。われわれはさらにこの死闘戦を闘う中で、労働者階級と真に結合した革命党としての躍動的力を獲得し、前進していく決意である。13年決戦を全力で闘い、国鉄決戦勝利、再稼働阻止・全原発廃炉、星野同志奪還、改憲阻止、安倍政権打倒へ進撃しよう。
 労働者同志を先頭に、大恐慌下の革命情勢を本物のプロレタリア革命に転化するために、党と労働者階級の団結をかちとり闘おう。

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週刊『前進』(2588号6面2)(2013/06/17 )

 迎賓館・横田爆取弾圧裁判被告団の訴え

 6・27差し戻し控訴審判決公判へ

 26年の闘いの最後的勝利を

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【要項】6・27迎賓館・横田爆取弾圧裁判差し戻し控訴審判決
 6月27日(木)午後1時30分開廷
 東京高裁429号法廷
 午後1時 傍聴券配布所集合
 午前11時30分〜裁判所前でビラまき街頭宣伝

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週刊『前進』(2588号6面5)(2013/06/17 )

【要項】なにがなんでも!全原発廃炉7・11東京集会

 なにがなんでも!全原発廃炉
 7・11東京集会
 7月11日(木)午後6時開場 6時30分開会
 座・高円寺2(杉並区高円寺北2−1−2/JR高円寺駅北口徒歩5分)
  ふくしま共同診療所からの報告
  被ばく労働拒否で闘う労働組合・動労水戸からの報告
 主催 すべての原発いますぐなくそう!全国会議(NAZEN)

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