法大暴処法弾圧控訴審 2・12判決、無罪死守へ 弁護団・被告が最終陳述

週刊『前進』06頁(2616号06面03)(2014/01/20)


 法大暴処法弾圧控訴審 2・12判決、無罪死守へ
 1・10 弁護団・被告が最終陳述

(写真 無罪死守へ闘う、前列左から増井君、新井君、織田君、恩田君、内海君。後列は鈴木達夫弁護団長【右】ら弁護団【1月10日 東京高裁前】)

 1月10日、法大「暴処法」裁判控訴審の第8回公判が東京高裁第12刑事部(井上弘通裁判長)で行われました。被告人は新井拓、内海佑一、織田陽介、恩田亮、増井真琴の5人です。
 この日は都知事選に立候補する鈴木達夫弁護団長を先頭にした弁護団の最終弁論と被告団が最終意見陳述を読み上げ、裁判が結審しました。
 冒頭、被告人の織田陽介君が異議を申し立てました。結審強行や警備法廷を始めとした井上裁判長の不当な訴訟指揮を弾劾し、その上で「猪瀬都知事体制の崩壊を受けた東京都知事選挙を前に、あらゆる人がその政治的立場を問われつつある。資本主義体制そのものの危機が煮詰まり、新自由主義攻撃のもとで、医療を始めあらゆる産別の民営化利権やオリンピック利権をめぐる自民党を始め腐敗した政治党派の分裂と対立が起きている。その構造を日本共産党は『オリンピックは平和の式典』と美化している。『500万人の無党派層』を抱える1000万人有権者の東京を前に、あらゆる政治党派がその検証から逃亡し、主張の展開もしない。この統治の崩壊に対して、極右的統治を求めて田母神・石原が名乗りを上げた。労働者・市民はその構造を根本から拒否するために今立ち上がり声を上げようとしている」と、都知事選決戦への総決起を呼びかけました。
 弁護団による最終弁論は42㌻(約4万字)にわたる膨大な量と内容で、完全に検事・裁判所を圧倒しました。
 最終弁論は冒頭、学生運動つぶしである暴処法弾圧の本質を明らかにした上で、大学の新自由主義化と真っ向から闘い抜いている法大闘争の正義性、そして国家権力の恐怖と世界大恐慌の中で崩壊する資本主義体制そのものとの闘いであること、そして検事の「立証」ならざる「立証」の破綻と矛盾を全面的に暴露・弾劾しました。
 とりわけ重要なのは、第4回公判で宣誓を拒否した法大OBのI君の調書を持ち出して有罪判決を裁判所に懇願する検事に対して、違法な取り調べ・恫喝で無理やり書かせたものであることを徹底的に明らかにし、文化連盟と全学連の組織破壊・団結破壊を目的とした政治弾圧である法大「暴処法」弾圧の本質を暴ききったことです。この最終弁論に検事は完全に茫然(ぼうぜん)自失となり、傍聴人の誰もが無罪を確信しました。
 被告団の最終意見陳述では、増井君の入構を禁止する看板の不当性をあらためて明らかにし、法大闘争が文化連盟新委員長の武田雄飛丸君の処分撤回闘争を通じて新たな段階に入っていること、暴処法裁判の東京地裁における無罪戦取と弾圧粉砕の地平から、全国の大学に闘いが大きく広がっていることを明らかにし、14年決戦に被告団は総決起していくと訴えました。
 鈴木弁護団長は公判後の総括集会で、裁判的には圧倒的に勝利していることを明らかにしました。その上で、動労千葉がそうであったように勝負はやはり裁判闘争の中だけでなく職場・キャンパス・街頭の闘いで決まること、そして今イギリスの「バリスタ」と呼ばれる法廷弁護士が政府による法律扶助費の削減に反対しストライキに決起していることを紹介し、弁護士が先頭に立って闘うこととともに、「首都・東京から巨大な闘いに決起しよう」と、都知事選決戦への総決起を呼びかけました。
 韓国民主労総のゼネストを始め、世界中の労働者階級人民が「命より金」の資本主義体制に対して怒りの決起を始めています。この闘いと連帯し、そして何よりも証拠開示をかちとった星野文昭さん奪還の闘いと断固連帯し、無罪をもぎり取ろう! 都知事選に勝利しよう!
 次回はいよいよ判決公判です。2月12日(水)午後1時30分から東京高裁です。ぜひ結集をお願いします。
 (内海佑一)
このエントリーをはてなブックマークに追加