都知事選を闘い2・16国鉄集会へ

週刊『前進』06頁(2617号03面03)(2014/01/27)


 都知事選を闘い2・16国鉄集会へ

(写真 解雇当該の高石さん、中村さんと田中委員長を先頭に最高裁へ署名を提出【1月22日】)

 国鉄不当解雇から27年目の2・16がやって来る。都知事選決戦の勝利を実現し、その階級的力を土台に動労千葉鉄建公団訴訟最高裁闘争で解雇撤回をかちとろう。全国3カ所で開催される2・16国鉄集会(要項1面)への大結集を訴えます。

 東京集会アピール

 最高裁での決戦に勝利し破産したJR体制打倒へ

 国鉄分割・民営化に伴うJR不採用が通知されてから27年目の2・16集会は、1047名の解雇撤回をなんとしてもかちとるための総決起の場であり、国鉄分割・民営化体制=JR体制に断を下す闘いだ。
 国鉄闘争全国運動は1月22日、最高裁に第1次分として1万7416筆の署名を提出した。その1筆1筆には新自由主義に対する労働者の怒りが込められている。9・25東京高裁判決以来、短期間で1万を超えた署名の集まりは、最高裁決戦に勝利できる展望を示している。2・16集会の成功を跳躍点に10万筆を集めきり、解雇撤回・JR復帰判決を実力でもぎり取ろう。
 1047名の国鉄労働者を解雇してつくられたJR体制は、今や根底的な破産を遂げている。その最も鋭い現れがJR北海道の安全崩壊だ。
 JR北の懲戒解雇を許すな
 1月21日、JR北海道は検査データの改ざんを理由に75人への大量処分を強行した。そのうち、昨年9月に貨物列車が脱線した函館線大沼駅を管理する函館保線所と同大沼保線管理室、函館保線管理室に所属する5人の社員は解雇された。しかも、改ざんを指示した側の保線所長や助役は諭旨解雇、上司の指示でデータ改ざんを強いられた現場労働者は懲戒解雇で退職金も奪われた。
 他方、膨大な役員報酬を手にする会長・社長以下の経営陣には減給措置がとられただけだ。
 同日、国土交通省はデータ改ざん問題でJR北海道に監督命令と事業改善命令を出したが、経営陣の進退については安全統括責任者の豊田誠常務の解任を命じただけで、「人材不足」を理由に小池明夫会長、野島誠社長らの留任を認めた。
 加えて国交省は、データ改ざんに関与した労働者を刑事告発する方針だ。なんということだ!職を奪われ監獄にたたき込まれるべきなのは、現場労働者ではなくて、JRの経営陣と分割・民営化を強行した国交省(旧運輸省)の高級官僚どもではないか! ここに現れているのは、1%の資本家の利益のために99%の労働者の生活・生命・尊厳を踏みにじる新自由主義のきわみだ。
 データ改ざんは、線路の補修が必要でもそのための人材も金もない現実の中ではびこった。分割・民営化後強行された全面的な外注化は、安全に誰も責任を取らない底なしの腐敗を生み出した。それは分割・民営化がもたらしたものだ。
 許しがたいことに国交省は、JR北海道の安全崩壊は「国鉄時代のやり方を漫然と続けたから」とうそぶいている。これこそデマゴギーの最たるものだ。安全確保に誇りをもって業務を遂行してきたベテラン労働者を解雇し、JR総連カクマルに特権を付与してきた分割・民営化こそが、今の事態を生んだのだ。
 外注化と強制出向うち砕け
 1047名の解雇を撤回させる闘いは、腐敗を極めるJR体制を根本から打倒する闘いだ。それは動労千葉―動労総連合が必死に闘う外注化粉砕闘争と一体だ。JR東日本の外注化は、必ずJR北海道と同じ事態に行き着く。外注化によって強制出向を強いられた動労千葉の青年組合員は、「外注化により自分が死ぬか、人を殺してしまうか」というところにまで追い詰められたとJRへの激しい怒りをぶつけている。その怒りは、1047名の被解雇者の怒りと根底的に通じている。
 労働者は、仲間である同僚の労働者を殺しても、殺されてもならないのだ。そんな状況を強いる資本の支配をぶち破らなければ、労働者は生きていけない。
 にもかかわらず、JR総連カクマルや国労本部など体制内労働組合幹部は、自らの資本への屈服を全労働者に強いようとしている。これは、労働者を死のふちに追いやる階級的大罪だ。もう我慢ができない。こんなやからを、1047名解雇撤回と外注化粉砕の闘いを徹底的に貫くことで打倒しなければならない。

項 東京都知事選と一体の闘い

 2・16集会は、動労千葉弁護団の鈴木たつお氏を押し立てての東京都知事選の激烈な攻防を貫くことによってこそ、その勝利が切り開かれる。
 鈴木氏は、動労総連合の1・22総行動に際し、「都知事選の核心は新自由主義との対決を貫けるか否かにある」と語気も鋭く喝破した。
 国鉄分割・民営化以来の新自由主義攻撃は、2千万の労働者を非正規職に突き落とした。過労死に至る長時間労働を強いられている膨大な労働者の怒りと結合し、それを新自由主義=資本主義打倒の行動に組織することが都知事選決戦の鍵だ。国鉄闘争の一層の発展もそこから切り開かれる。
 全世界で新自由主義への労働者の反乱が始まっている。その先頭に、韓国鉄道労働者の鉄道民営化反対のゼネスト決起がある。これは、動労千葉と民主労総との固い連帯が切り開いた情勢だ。
 「国鉄決戦の全面的爆発でプロレタリア世界革命へ」――その壮大な展望をかけて、2・16集会へ総決起しよう。

 九州集会アピール

 「和解」拒否した闘争団を先頭に解雇撤回の決戦へ

 今年の2・16を国鉄分割・民営化絶対反対、1047名解雇撤回の新たな攻勢の日としよう。
 九州では、2010年の4・9政治和解を拒否して闘う羽廣憲さん、石﨑義徳さんら国労闘争団を先頭に国鉄闘争全国運動・九州の主催で2・16集会が開かれる。
 この集会は、東京高裁9・25判決の歴史的地平を引き継ぎ、1047名解雇撤回・最高裁闘争勝利へ新たな攻勢をかける集会だ。集会の成功は最高裁10万筆署名運動に弾みをつけ、さらなる闘いに発展するだろう。
 9・25判決は、一審に続き不当労働行為を認定した。「井手文書」によって国鉄幹部とJR設立委員長が話し合って不採用基準を作った事実が暴かれ、「国鉄とJRは別法人」という虚構は打ち砕かれた。難波裁判長は「JRにも採用の自由がある」と開き直って解雇撤回を拒否したが、「JRに採用の自由がある」とは「JRに責任がある」ということだ。
 外注化・非正規職化、賃下げ、過労死という新自由主義攻撃と、秘密保護法に示される改憲・戦争の策動は、国鉄分割・民営化から始まった。
 その中心環をなすJR体制は、分割・民営化に率先協力したカクマル松崎や、4・9政治和解を推進した4者4団体などの体制内労働運動派の屈服・加担によって支えられてきた。今日、国労本部は、羽廣さんや石﨑さんらの組合員資格を抹殺しようとしている。国労組合員権確認訴訟は、労働組合はどうあるべきかを鋭く問い、国労大改革へ国労組合員の決起を呼び覚ます重大な闘いだ。
 最高裁で不当労働行為を最後的に確定させることは、国鉄分割・民営化以来の新自由主義攻撃を覆す一大突破口になる。それは、分割・民営化に屈服・加担してきた一切の勢力にすっかり恥をかかせ、労働組合からたたき出す闘いでもある。
 4・9政治和解による国鉄闘争消滅の危機は、動労千葉の決起、和解を拒否した国労闘争団の闘い、そして国鉄闘争全国運動の形成によって食い止められた。9・25判決の戦取は4・9反革命を打ち破り、反転攻勢に立つ突撃路になった。今こそ100万人の国鉄闘争勢力に分け入り、全力で10万筆署名を広げよう。
 2・16集会はJR体制打倒の総反撃をつくり出す集会だ。JR九州労(JR連合)のくびきを破り、JR九州の労働者の決起を呼びかけていくものとしてかちとる。
 JR北海道やJR貨物だけでなく、JR九州も分割・民営化の矛盾の集中点だ。「博多シティ(新駅ビル)開業」「新幹線・鹿児島ルート全面開通」「ななつ星の運行開始」などの華々しい演出にもかかわらず、鉄道事業は年間100億円の赤字を出し続け、一度も黒字化したことがない。
 JR九州は「2012年からの中期経営計画の過程で株上場(=完全民営化)をめざす」「鉄道事業外利益で鉄道の赤字を埋めた上に黒字化させる」(唐池恒二社長)と公言し、不動産や農業に事業拡大を図る一方、ワンマン運転列車の拡大、人員削減、外注化・非正規職化拡大などを進めている。そのため最近の例では、12年11月の九州新幹線事故や13年12月の鹿児島中央駅構内列車脱線事故などが起きた。
 2・16集会は、こうした劣悪な労働条件を強いられているJR九州の労働者に、動労千葉や動労水戸と連帯し、外注化粉砕・非正規職撤廃、過酷労働粉砕、JR体制打倒の決起を呼びかける集会だ。さらに韓国鉄道労働者のストライキと連帯する闘いとして闘いぬく。
 国鉄闘争全国運動・九州は、昨秋の事務局会議で月1回のJR行動を決定し、毎月、JR博多駅前宣伝戦を始めとした運動を進めてきた。2・16でこれらを集約し、闘いにさらに弾みをつけていく。九州の仲間の奮闘を支え、九州の地に闘う労組拠点を打ち立てることが絶対的な課題だ。
 2・16集会は国鉄、反原発、改憲、星野の4大決戦を軸とする新自由主義粉砕・安倍打倒の闘いであり、東京都知事選挙闘争と一体だ。2・16を成功させ、2014年決戦に勝利しよう。
 (革共同九州地方委員会)

 北海道集会アピール

 安全崩壊のJR北海道と対決し今こそ闘う組合を

 27年目の2・16を国鉄決戦勝利に向けての決定的な転換点として断固かちとろう。
 9・25判決で労働組合の役員が誰しも驚くほどの激震が走った。東京高裁も不当労働行為の認定は覆せなかった。判決は「JRによる選別の可能性」という概念を持ち出さざるを得ず、国鉄改革法23条の壁に穴が開いた。かつての2月16日、厳寒の札幌での徹夜の闘争現場を思い出す。誰が見ても国鉄とJRは一体で、地方労働委員会でも不当労働行為は完全に認定された。「なぜ解雇は撤回されないのか」という悲痛な思いを国労闘争団員や家族は抱き続けてきた。これを無慈悲に拒絶したのが改革法23条の壁だった。そこに穴が開いたのだ。4・9政治解決による沈黙はやめ、もう一度一緒に闘おうと元団員や家族に訴えたい。
 JR北海道の安全崩壊を頂点にJR体制の矛盾が噴出している。JR北海道の2代目社長だった坂本真一相談役の自殺はその激しさを示している。彼は利益優先・安全軽視の経営を推し進め、安全崩壊に最大の責任を負う人物だ。
 レール異常の発覚後、組織的な数値の改ざんも判明した。保線を一手に引き受ける北海道軌道施設が孫請け会社からリベートを受け取り、JRに上納していたことも明らかになった。さらにJR北海道は、会社の指示でデータ改ざんにかかわった労働者を懲戒解雇した。その一方で、社長以下の経営者は減給措置をとられただけだ。民営化の腐敗は極まった。
 街宣では「JRの安全問題の原因は何か」と多くの人が質問、「分割・民営化でベテランを排除したから」と答えると皆、納得する。自民党の石破は「JR北海道には抜本的な改革が必要」としながら「誰が経営しても無理だ」と発言した。なんという無責任か。
 首切りの先兵カクマルは、車両トラブルの連続に「鉄道謀略の疑いあり」と言い出した。原因が公表されたケースも「原因不明」と言い張っている。カクマルはJR総連とJR資本の結託体制に世間の目が向くことにおびえている。
 レール問題は孫請け会社の労働者の告発から始まった。使い捨て労働力として満足な技術教育も受けず、低賃金で過酷な労働を強いられていても、鉄道の安全に心を痛める現場労働者が反乱を開始したのだ。
 「不当労働行為なら解雇は撤回」という不動の確信を持つ合同労組は、上部団体から何を言われようと、国鉄闘争を闘うことは正しいという信念を貫いている。そこにはタクシー労働者として、国土交通省が安全崩壊下での運行を黙認していることへの怒りがある。
 他方、4・9政治和解以降、国鉄闘争を熱心に支援していた労働組合幹部ほど、自分の持ち場でも闘わなくなった。北教組では「日の丸・君が代」と闘ってきた支部が、今では教育委員会と一体となって不起立闘争を弾圧している。
 昨年4~6月、国鉄闘争全国運動は国鉄決戦の現状を伝え、大幅賃下げをストで阻止しようと訴え自治体職場にビラを入れた。「国鉄闘争は負けた」「終わった」が常識だった。そうではないと知った時、ある自治労の役員は「これは国との闘い。負けるわけにはいかない。動労千葉と一緒に闘います」と言った。ストに向かう非協力闘争で団結がよみがえり、組合機能も回復し始めた。
 沈黙を破って4・9を突き崩す国鉄被解雇者の決起が始まった。旭川闘争団の成田昭雄さんを始めとした1047名解雇撤回の闘いと外注化・非正規職撤廃、被曝労働拒否の闘いが基底にあり、JRの安全崩壊がその決定的な契機になった。
 JR総連は外注化・非正規化にも率先協力し、国労北海道本部は政治解決路線下でJRやJR総連と闘わず、4・9で被解雇者を切り捨てた。労働組合の名に値しない。
 不当解雇された仲間を守り抜くことは階級的団結の要であり、国鉄決戦を闘うことで階級的団結を拡大できる。その確信を現実の運動の発展として示したい。だからJRなど青年労働者の決起をつくり獲得するものとして2・16を闘う。韓国鉄道労働者の民営化反対ストが示したように、国鉄決戦でプロレタリア世界革命を切り開く決定的な飛躍点が2・16だ。
 (革共同北海道地方委員会)
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