2万票の怒りと団結して辺野古新基地建設阻止 沖縄の怒り思い知れ

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週刊『前進』08頁(2618号05面01)(2014/02/03)


 2万票の怒りと団結して辺野古新基地建設阻止を
 沖縄の労働者の怒り思い知れ

(写真 仲井真の辺野古埋め立て承認に、赤ちゃんを胸に抱いて抗議【12月27日 沖縄県庁前】)

 新自由主義つき崩した絶対反対

 1月19日に投開票が行われた名護市長選は、稲嶺進票1万9839、末松文信票1万5684という結果となり、普天間基地の名護市辺野古への移設に反対する強固な意志が示された。
 安倍政権は投票日前日の『琉球新報』『沖縄タイムス』の新聞広告に、「国・県との強い連携/安倍首相がビジョンの実現を約束」として、名護振興基金500億円、再編交付金261億円、県・国の公共事業予算は2倍増の300億円とぶち上げた。名護市長が交代すれば出す、稲嶺氏なら出さないと露骨な恫喝をかけたのだ。だが、安倍が名護市長選に前のめりになればなるほど怒りは広がり、歴史的な大差という結果になった。
 今回の名護市長選の結果は、「振興策」の神通力(振興策による沖縄の発展という幻想)がもはや労働者には効かなくなったことを示している。名護の労働者は振興策の本質が新自由主義政策であり、それが労働者の使い捨てと過労死の現実をつくり出していることを見抜き(名護市の失業率は12%を超える)、体制内指導部の制動を突き破って、怒りを投票という形で表したのだ。
 IT特区=民営化・非正規職化の新自由主義政策の最先端(モデル)でもある名護市での敗北は、福島での連敗に続いて自民・公明への大打撃となった。安倍政権の土台は崩壊している。安倍が成長戦略の柱の一つに据える「国家戦略特区」の候補地に沖縄が上げられているが、これにもあらかじめの破産が突きつけられているのである。
 一昨年の5・15闘争でわれわれは「基地の島」=沖縄に対する新自由主義攻撃との対決を訴えた。名護市長選挙ではっきりしたことは、ここに労働者の怒りの集中点があるということだ。われわれは名護の労働者と切り結ぶことができる内容を持っている。同時に名護市長選は、新自由主義政策によってしか延命できない資本主義社会の崩壊が始まったことを突き出したのだ。

 崩壊を開始した自民・公明体制

 名護市長選挙の中で顕著だったのは自民党・公明党の分裂状況だ。自民党は自身の支持層も固められず、1~3割は稲嶺氏へ流れたと言われる。
 深刻なのは公明党だ。本部と沖縄が分裂し、沖縄側は「あくまで県外移設だ」として本部方針に従わず"自主投票"とした。結果として公明票の実に7割が稲嶺氏に流れた。自民党自身もこの状況に「知事選挙さえも危ない」と言い始めた。自民党は公明票を何とかしようとあがいたが、沖縄の創価学会幹部が首を縦に振らなかったという。創価学会をも動揺させる労働者階級の怒りがあったのだ。
 そもそも「自公体制」は98年県知事選挙の中で生まれた。大田昌秀氏3選を阻止するため、それまで大田陣営にいた公明党を稲嶺恵一側に抱き込んだ。その後、全国で「自公体制」が猛威を振るった。その自公体制が沖縄・名護で崩壊を始めた。その意味はけっして小さくない。2010年代中期の階級決戦は激烈な形で幕を開けたのだ。

 労働者の怒りを都知事選勝利へ

 新自由主義政策に怒りをもって決起した名護を先頭とする沖縄の労働者階級の力が、稲嶺氏を市長に押し上げた。この労働者階級の怒りに打倒されたのは末松=自公体制だけではない。実は沖縄「革新」=社民・社大・共産もまた、沖縄の労働者階級の怒りによって打倒されようとしているのだ。だから体制内派は「保革を超えた」「オール沖縄」を旗印に「結束」し、沖縄の労働者階級の怒りが新自由主義を打倒して「基地の島」の根底的変革に進むことを押しとどめようとしている。核心問題は、沖縄で革命情勢が急速に成熟しているということだ。
 安倍政権は名護市長選のわずか2日後に辺野古移設に向けた入札を公告し、官房長官・菅は「名護市長の権限は限定されている」と繰り返し、自民党幹事長・石破は「辺野古阻止ならば普天間は固定化する」と言い放った。これらの発言は、名護市長選にいかに安倍政権が打撃を受けているのかを示して余りある。
 問題の核心は名護市長の権限にあるのではない。名護の2万の絶対反対派と140万の沖縄の労働者階級の怒りに打倒されたことを見据えることができない安倍政権の危機と脆弱(ぜいじゃく)性がそこにある。安倍政権は「市長権限」を超えて爆発する沖縄の労働者階級の怒りを、これから本当に思い知らされることになるのだ。
 2・9東京都知事選は、1・19で示された140万沖縄県民・労働者の怒りを束ねてその先頭で闘う労働者党としての挑戦そのものだ。「辺野古新基地建設絶対反対」を掲げて闘う鈴木たつお氏を押し立てて闘おう。都知事選に勝利し、5・15沖縄闘争を階級的労働運動と国際連帯闘争の力で闘い、辺野古新基地建設阻止へ全国で総決起しよう!
 (革共同沖縄県委員会)

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