生きさせろ!の闘いを ①生活保護 一層の低賃金と生活困窮

週刊『前進』06頁(2623号03面04)(2014/03/10)


 生きさせろ!の闘いを ①生活保護
 一層の低賃金と生活困窮


 安倍政権は昨年12月、生活保護法を改悪しました。生活保護申請時に3親等までの扶養義務者の資産調査を課し、さらに医療費を抑制するために医療機関に守秘義務のある「受給者の健康診断」結果を福祉事務所が入手できるようにしました。「福祉から就労へ」を掲げて、低賃金の過酷な就労を義務づける生活困窮者自立支援法も創設しました。
 改悪法は今年7月1日から実施するとしていますが、すでに昨年8月から食費や水光熱費などの生活扶助費の最大10%をカットし(3年間で670億円)、今後も医療扶助と住宅扶助を削減し、母子家庭への加算も廃止することを公言しています。安倍政権は打倒する以外ありません。

資本主義打倒へ

 生活保護受給者は第2次大戦後の1951年の200万人超から95年の88万人を底にして、今日では216万7千人に達しています。世界大恐慌と破綻した新自由主義を推し進める政府と資本家が労働者を生きられなくさせ受給者を急増させた張本人です。
 今や自治体の窓口では申請を拒む「水際作戦」がまかり通り、安倍政権はそれをさらにエスカレートさせようとしています。生活保護費の削減は労働者の「貯蓄」を奪い、一層の低賃金に追いやります。受給者の何倍もの労働者が生活保護費以下の賃金で働かざるをえなくなっています。失業や労災で働けなくなった労働者や無年金者への「不正受給」キャンペーンは、受給者を〝見せしめ〟にして労働者の怒りの矛先をそらし、団結を解体する攻撃です。こんな資本主義は打ち倒すしかありません。生活保護問題は受給者のみならず全労働者の課題です。
 自民党生活保護プロジェクト座長の世耕弘成は、「リーマンショック後の派遣村が生活保護を増大させ、財政破綻させた」などと悪宣伝しています。また、「生活保護受給世帯主の25%が生活保護受給世帯で育った」という統計を持ち出し、「貧困の連鎖の防止」を掲げています。「生活困窮家庭の子どもと保護者の学習支援・日常生活習慣確立が求められる」などと、貧困を労働者個人の責任としています。いい加減にしろ!
 「反貧困」を掲げる宇都宮健児や湯浅誠らは解雇や非正規雇用の撤廃を問題としないで、「貧困者の権利擁護」を主張しています。労働者を救済の対象としてしか見ず、資本主義への怒りを抑え込もうとするものです。
 生活保護解体は外注化・民営化、非正規職化攻撃と完全に一体です。

民営化と一体だ

 公務員の「岩盤」を崩し、ケースワーカーを非正規職化し、ハローワークで民間相談支援事業を拡大する攻撃は、生活保護解体を一層進めるものです。安倍政権は貧困者・女性・高齢者・障害者の就労促進を「生活支援戦略」として進めていますが、就労先は公的事業を民営化した職場です。それは超低賃金労働か無償のボランティア活動でしかありません。
 新自由主義は完全に破綻しています。生活保護受給者の自殺率は受給していない人の2倍、青年層では6倍です。政府が過労死の現実を隠せなくなってペテン的に「ブラック企業取り締まり法」の制定を言い出さざるをえなくなるくらい社会を崩壊させています。労働組合をよみがえらせ、労働者の団結で社会を根本からつくりかえよう。生活保護解体攻撃を打ち砕こう!
(岩崎泰明)
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制度改悪のポイント

◆改悪生活保護法
 ・扶養義務者に扶養できない理由を報告させる
 ・不正受給の罰金を最大100万円に
 ・後発医薬品の使用を原則に

◆生活困窮者自立支援法
 ・自治体に相談窓口の設置を義務付けるが民間委託も可能に
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