星野さん解放 4・12討論会へ〈下〉 全証拠開示が再審への道だ

週刊『前進』08頁(2627号08面02)(2014/04/07)


星野さん解放 4・12討論会へ〈下〉
 全証拠開示が再審への道だ

袴田さんの再審開始と身柄解放

 1966年に静岡県清水市で発生した殺人事件、いわゆる「袴田事件」の第2次再審請求で、静岡地裁は3月27日、無実の袴田巌さんの再審開始と「死刑」および拘置の執行停止を決定した。袴田さんは、検察官の抗告を粉砕し、48年にも及ぶ長期獄中からの解放をかちとった。袴田さんと家族、弁護団の不屈の闘い、さらには地域に結成された「支援する会」や日本プロボクシング協会などの広範な救援運動が、国家権力によるデッチあげ「死刑」攻撃を打ち破ったのだ。画期的勝利である。
 無実の袴田さんヘの死刑判決を維持し続けた国家権力を断じて許すことができない。まさに極悪の国家犯罪だ。
 警察・検察は、始めから袴田さんを「元プロボクサーだからやったに違いない」と決めつけ、逮捕後、毎日12時間、19日間もの拷問的取り調べを続け、「自白調書」をねつ造した。
 一審で、パジャマでの「犯行」という筋書きが破綻する中、事件から1年2カ月後、事件当時の家宅捜索でも見つからなかった5点の衣類がみそタンクから突然出てきた。多量の血痕が付着しており、それが被害者や袴田さんのものだとされたが、すべて捜査機関によるねつ造だった。
 控訴審で、5点の衣類中、ズボンは細身タイプで袴田さんは太ももがつかえてはくことができなかった。当時、袴田さんはお母さんへの手紙で「二審の焦点はなんと言っても血染めのズボンです。どう見ても私には小さくてはけそうもありません。私が問題のズボンをはく時に無罪が決定するのです」と書いている。
 ところが東京高裁は、ズボンはみそタンクの中で縮んだなどと、裁判官が勝手に決めつけ、袴田さんへの「死刑」を強引に維持したのだ。

隠された真実を暴いた証拠開示

 静岡地裁の再審開始決定をかちとった力は、証拠開示だった。証拠開示を求める弁護団の闘いに追い詰められ、静岡地検は、5点の衣類の発見時のカラー写真、その衣類のズボンを販売した会社の役員の供述調書、取り調べの録音テープなど600点の新証拠を開示せざるをえなかった。隠されていた無実の証拠の出現で警察・検察・裁判所によるデッチあげの全貌(ぜんぼう)が暴き出された。
 階級支配の維持のために無実の人間に自白を強要し、無実の証拠を隠し、証拠をねつ造して意識的に冤罪をつくり上げる。監獄に閉じ込めて命や人生を踏みにじる国家など、打倒あるのみだ。
 今回の勝利は、新自由主義が崩壊し、労働者人民の根底からの怒りが渦巻いている中で、生命・人権・団結、真実・正義を求めて闘えば、国家権力の暴力、腐敗を暴き、追い詰め、打ち砕き、勝利することができることを示している。袴田さん再審開始の勝利に続き、無実の星野文昭同志の奪還を絶対にかちとろう。

検察は写真ネガを即刻開示しろ

 今、星野再審・全証拠開示大運動がうなりを上げて国家権力を確実に追い詰めている。
 昨年12月に開かれた3者協議(弁護団、裁判所、検察の協議)で裁判所が開示を勧告し、検察官も受け入れ、開示が決まった写真33枚のネガは、星野同志の無実を明らかにする決定的な新証拠だ。
 しかし検察は、写真ネガのスキャニングに失敗したとしていまだに開示していない。さらに、民間人11人の目撃供述調書の開示も拒んでいる。
 検察は、証拠開示によって星野同志の無実が明らかになることを恐れ、証拠を隠そうとあがいているのだ。労働者人民の怒りで弾劾し、全証拠の開示をかちとろう。
 都知事選への挑戦と3月闘争の大高揚が新たな日帝権力との激突情勢を生み出している。一切が東京高裁・高検との力勝負になった。国鉄10万筆署名を全力で推進し、拠点建設、労働組合の復権をかちとろう。全証拠開示運動の全人民的発展で星野同志を奪還しよう。
 6・8国鉄集会、6・29星野全国集会に向かおう。星野さんをとり戻そう!全国再審会議が開催する4・12全国討論会に結集し、星野同志奪還の展望を押し開こう。

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全証拠開示・星野さん解放 全国討論会
 4月12日(土)午後2時開会
 渋谷勤労福祉会館第1洋室
 主催 星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議

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