星野ビデオテープ国賠 「紛失」責任問う 今こそ全証拠の開示を

週刊『前進』08頁(2627号08面03)(2014/04/07)


星野ビデオテープ国賠
 「紛失」責任問う
 今こそ全証拠の開示を


 3月31日、東京地裁民事45部(山田明裁判長)でビデオ国賠第16回裁判が開かれた。この裁判は、星野文昭同志の一審裁判の途中で、重要な証拠であるビデオテープを、裁判所が違法にも警視庁公安部に「保管委託」し、警視庁公安部がこれを「紛失」(!)したことを弾劾する裁判である。
 刑事訴訟法では、証拠品は「保管に不便」なもの以外は裁判所庁内に保管することが決められている。ビデオテープは危険物や、船舶のように大き過ぎて「保管に不便」な例外物ではない。
 ところが裁判所は、このビデオテープをこともあろうにデッチあげの張本人・警視庁公安部に「保管委託」したのである。違法は明白だ。また、警視庁公安部は証拠品を保管する場合には「帳簿をつける」ことになっているにもかかわらず、このビデオテープには「帳簿が存在しない」と言うのである。警視庁公安部の意図的な「証拠隠滅」でなくて何か。徹底的に弾劾する。
 前回の裁判で山田裁判長は、「原告(星野同志)は国(裁判所)に対して、『保管委託』したことだけではなく、『紛失』したことの責任も問うているのか」と求釈明を行ってきた。保管に責任を負っている裁判所は、預けた先が「紛失した」としても、「紛失」それ自体にも責任があることは当然である。
 藤田城治弁護士は言い逃れを許さない判例を引用して、この点を指摘した書面を提出した。法廷ではそれを要約して分かりやすく説明し、裁判長と被告にたたきつけた。
 山田裁判長は最後に、わざわざ被告の国に3点の反論を指示した。中でも見過ごせないのが、星野同志にはビデオテープの紛失に関して訴える権利はないという点についてである。国(裁判所)と都(警視庁公安部)に、「ビデオテープは原告(星野同志)の所有物ではないから、星野同志にはビデオテープに関して何の権利もない」と、ふざけた主張を繰り返せというのだ。これは紛失の責任を問わないことに道を開くものである。
 無実の星野同志には、デッチあげを暴くために、一切の証拠を見る権利がある。それを「紛失した」として証拠隠滅の責任逃れを謀るなど絶対に許さない。
 無実の袴田巌さんに証拠をねつ造して罪を着せ、48年間も日々、死刑の恐怖を強制してきた国家権力に対する怒りは地に満ちている。全証拠開示大運動を100万人の運動へと飛躍させよう。
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