1人の雇い止めも許さない 年金機構の中に闘う労組を

週刊『前進』06頁(2635号03面02)(2014/06/09)


1人の雇い止めも許さない
 年金機構の中に闘う労組を


 日本年金機構は、今年3月末に2千人以上の非正規職員を雇い止めにした。14年度末は、機構発足から5年となり、「契約更新回数4回、最大5年まで」と定めた就業規則を盾に非正規職員を大量に雇い止めしようとしている。使い捨てにされてたまるか! 職場に怒りは満ちている。09年末の社会保険庁解体による3万人近い職員の全員解雇・選別採用に続く大量解雇と団結破壊を絶対に許すな。国鉄10万筆署名を進め、解雇撤回・JR復帰の最高裁決戦と一体で、職場・分会の闘う団結を固めよう。一人の雇い止めも許さない! 怒りの声を上げ闘おう。

当局と労組が結託し2千人を雇い止めに

 年金機構労組本部は、6千人規模と予想された今年3月末の雇い止めが2千人にとどまったことをもって「当局の努力の結果として受け止める」とした。4千人について「予算の範囲内で雇用延長」したから当局は頑張ったと言うのだ。
 いったいそれでは首を切られた2千人の労働者はどうなるのか。生活の糧が奪われた悔しさ、無念さを何だと思っているのか。どうして労働組合として「一人の解雇も許さない」絶対反対の闘いの方針を打ち出し貫こうとしないのか。
 これは労働組合の根幹にかかわる問題だ。社保庁解体・年金機構設立による大量の労働者の非正規職化それ自体が、公務員労働者のいったん全員解雇・選別採用、団結破壊・労組解体の歴史的攻撃の一環だ。国鉄分割・民営化以来の大攻撃だった。その非正規職労働者に対してさらに、雇用契約期限を口実に分断・選別して2千人の首を切ったのだ。それ自体が新たな団結破壊であり、労働組合として真っ向から闘うことが求められている。
 さらに5月、当局は「有期雇用職員の無期化に関する実施方針」を発表し、14年度末で契約の終わる非正規職の中から無期雇用化の選考を行うとした。非正規職員1万4千人のうち3700人の枠内で無期化を検討するとしている。正規職員ではない。地域限定職員のことであり、給料は有期雇用時と同じだ。47都道府県にある事務センターは、全国約15カ所への集約が計画されている。そこで働く無期化労働者は、職場がなくなったら、その時点で即解雇となるのだ。
 当局は、無期化に対する期待で労働者を分断して怒りを圧殺し、大多数を雇い止めした上で選別し、限定正社員化させていつでも首にできる状態で働かせる。こんなとんでもない雇用方針を、労組本部は当局と一体となって推進しようとしているのだ。
職場から国鉄・

公務員決戦に立ち上がろう

 大恐慌と争闘戦の軍事化・戦争化の中で、国家財政危機は、資本家階級と労働者階級との非妥協的な激突の焦点になっている。安倍政権は「国家財政危機」を振りかざして、公共部門の大合理化、民営化・外注化、大増税・大衆収奪と社会保障制度解体の攻撃を激しく進めている。他方で、膨大な財政を公共事業に投入し、株価つり上げの金融政策を行わせ、福島の原発事故ではデタラメな除染事業に数兆円を出して、大手ゼネコンをもうけさせている。さらに法人税減税だ。
 国鉄分割・民営化は、自民党政治が作った国鉄赤字37兆円を国鉄労働者のせいにして強行された。しかし、赤字解消はまったくのウソだった。鉄道建設資金を国に貸した数百の銀行が膨大な金利をせしめて、駅前一等地を大企業がただ同然で手に入れ、借金はすべて一般会計に紛れ込ませて国民負担となった。公共財産の巨大資本家による私物化、国家財政赤字の拡大であり、闘う労働組合の解体、労働者の首切り・非正規職化と一体の新自由主義攻撃の本格化だった。
 6月3日、厚生労働省は公的年金の長期的な財政見通しを発表した。経済停滞や労働者人口の減少によって年金支給が「現役収入の3割台」となる場合もあると脅しつけて、年金支給年齢引き上げや減額、非正規職労働者にも負担を課す抜本的改革を早期に実行することを求めた。6月に打ち出される安倍の成長戦略「骨太の方針」を前に、一個の階級戦争として年金問題を持ち出してきているのだ。
 これが政府・財界の言う「財政再建」の正体だ。迫り来る国家財政破綻、年金崩壊は資本主義・新自由主義の崩壊の問題であり、プロレタリア革命を急速にたぐり寄せる。年金機構雇い止め阻止の闘いは、「財政再建」を掲げた公共部門大合理化・労組破壊と対決する国鉄・公務員大決戦の重要な一環だ。

外注化・非正規職化絶対反対を貫き闘おう

 社保庁解体・民営化は自治労・社保労組の体制内幹部の協力なしには実現しなかった。社保労組は民営化推進のために、分限免職処分を受けた525人の労働者を組合から排除して解雇撤回の闘いを破壊しようとした。そして再び、年金機構事務センターの集約化、業務外注化に合わせた「スムーズな」合理化、予算・人員削減=非正規職雇い止めを促進しようとしているのだ。
 08年に閣議決定された基本計画では1万人の削減が掲げられている。今でも仕事が回らない上にさらに1万人の削減とは民間非正規の低賃金労働者へ置き換えるということだ。それは年金業務の一層の破綻となる。
 現場では、無期化募集に「また誰が受かる受からないが始まる。うんざりだ」という声が上がっている。絶対反対の闘いこそが団結をつくる。御用労組幹部を打倒して、絶対反対で闘う労働組合をつくり出そう。外注化絶対反対! 非正規職撤廃! 社会保障と年金の解体を許すな! 人員削減反対・一人の雇い止めも許すな! 職場から闘いを巻き起こそう。
(革共同B県委員会)
このエントリーをはてなブックマークに追加