社会保障解体に怒りを 介護・医療・保育・年金制度の全面改悪に絶対反対で闘おう 新自由主義推進する田中区長

週刊『前進』06頁(2636号02面04)(2014/06/16)


社会保障解体に怒りを
 介護・医療・保育・年金制度の全面改悪に絶対反対で闘おう
 新自由主義推進する田中区長


 安倍の戦争・改憲、原発推進、民営化・首切り・非正規職化、大衆増税・社会保障解体への怒りを解き放ち、東京都知事選、泉佐野市議選の勝利を引き継ぎ、杉並区議補選の勝利へ総決起しましょう。

介護がボランティア事業に

 安倍政権の地域医療・介護総合確保推進法案(以下、総合推進法案)が国会で審議中です。
 総合推進法案によると15年度から介護保険給付抑制のため要支援者への訪問介護・通所介護が国から区市町村の事業に移行されます。介護費用の自己負担は1割から、一部2割になります。
 また「老後を住み慣れた家、地域で」というペテンで区市町村の地域ボランティア事業を拡大する方針です。自治体がこの事業を確保できなければ、介護を受けられない人が続出し、労働者とその家族に介護の重荷が押し付けられます。
 介護保険制度は、直行直帰・日々雇用の派遣労働など、超低賃金で劣悪な労働条件で働く非正規労働者を増やすテコになりました。有償・無償ボランティアの拡大はそれに拍車をかけます。
 介護の安全崩壊と闘う労働者とともに団結し、総合推進法案―介護保険改悪を粉砕しましょう。

病院民営化と医療の産業化

 安倍政権は4月、65歳以上75歳未満の高齢者の医療費自己負担を2倍にしました。また総合推進法案では、国が都道府県に法的権限を与え、大学病院を中心とする「地域医療構想」を作らせます。「機能分化」と称し、看護師配置が厚い重症向け急性期病床36万床のうち約9万床を慢性期病床に転換します。患者を早期に病院から追い出し、在宅医療にして、労働者家族の負担を増やそうとしているのです。
 また都道府県を先兵に国公立病院を統廃合し、将来完全に民営化しようとしています。「公設民営」や「公務員並み身分」を残している労使関係を解体し、持ち株会社の参入を狙うものです。
 成長戦略の改訂版では、都道府県ごとに医療費削減の数値目標を設定し競わせるとしています。また持ち株会社やヘルスケアREIT(不動産投資信託)に医療を明け渡そうとしています。
 安倍は「医療を成長産業に」と叫び、混合診療の大幅拡大を打ち出しました。戦後確立された国民皆保険▽診療報酬による価格規制▽紹介状なしの大病院受診自由という原則の破壊です。医療労働者を先頭に医療の成長産業化を阻みましょう。

認可保育所を取り戻そう!

 安倍政権は、子ども子育て支援新制度法に基づく新制度の15年4月発足をめざしています。すでに児童福祉法適用外の民営「幼・保連携型認定こども園」が新制度の先取りとしてつくられています。
 自治体は、待機児童解消の緊急策として「認可外保育園」をつくってきました。杉並区には区直営と民間委託の「保育室」があります。労働者家族の結婚・出産・子育てが困難になり、育児期の母親が働かざるを得なくなり、保育所需要が急増した現実につけこんだ攻撃です。
 杉並・田中区政は児童館を全廃して小学校の空き教室を使う計画を発表しました(3面参照)。
 保育の民営化も労働者にとって、いったん全員解雇・選別再雇用、総非正規職化です。不安定雇用、低賃金・過酷労働は保育の劣化と安全崩壊に直結します。利益優先の株式会社参入、非正規職化に絶対反対し「保育に欠ける子への公的福祉」としての公立認可保育所を子どもの保護者=労働者と保育労働者の団結で取り戻しましょう。

株運用で年金積立金ゼロも

 厚労省は6月3日、公的年金財政の長期見通しを公表しました。国民年金の積立金が枯渇し、現役収入に対して35〜37%の水準になるとの予測も出されました。①基礎年金の保険料支払い期間の延長(40年を45年に)②厚生年金の適用範囲の拡大③デフレ時の減額調整――という制度改革案も出されました。それでも年金給付水準の低下は避けられません。年金積立金の運用を国債中心から高リスクの株式へシフトしようとしています。株価が暴落すれば一瞬で積立金はゼロです。
 すでに支給年齢は65歳に引き上げられ、保険料負担が増やされ、支給額は昨年10月に続いて4月にも減らされました(来年4月も!)。
 「働けなくなった労働者は死ね」という新自由主義攻撃です。労働者を生かすことができない資本主義こそ死すべきです。年金削減にゼネストで反対する世界の労働者と団結しましょう。

無差別・平等に生活保護を

 安倍政権は13年8月から生活保護費を約10%削減しました。生活保護基準額削減で、約155万人いる小中学生の「就学援助」対象者の縮小や高齢加算の廃止、最低賃金制度につながることが予想されています。
 昨年12月の生活保護法改悪は、「保護から就労へ」を標語に、生活保護申請手続き段階で「3親等までの扶養義務者」調査を徹底し、医療扶助費抑制を目的に健康診断を強化しました。
 戦後の生活保護の法理は無差別平等主義であり、「いま現に生活に困窮している人」を無条件に保護する制度です。「保護から就労へ」は、兄弟姉妹やおい、めいを巻き込むことを恐れて生活保護申請を辞退させ、悪条件の不本意な就労を強制するものです。
 世界大恐慌下、生活保護受給者は史上最多の217万人になりました。生活保護受給者との分断を許さず、生活保護制度改悪と闘いましょう。
 安倍政権は4月、消費税率を8%に引き上げました。一方、現在30%半ばの法人実効税率(国税+地方税の税率)を20%台にする方針です。
 消費税増税分のほぼ全額が大型公共投資などの経済対策に投入されました。他方、ここ数年の社会保険料引き上げで実質賃金は大幅減です。
 安倍打倒・社会保障解体許すな!の闘いに立ち上がりましょう。
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