市東さんの農地を守り抜こう 3万人署名に全力で取り組み 6・25控訴審闘争に大結集を

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週刊『前進』06頁(2636号05面01)(2014/06/16)


市東さんの農地を守り抜こう
 3万人署名に全力で取り組み
 6・25控訴審闘争に大結集を

(写真 首都・東京にうって出た3月23日のデモの先頭で闘う市東孝雄さん【前列中央】)


 6・8国鉄集会の大成功をともにかちとったすべての皆さんに、三里塚現地闘争本部から、間近に迫った市東孝雄さん農地裁判の6・25控訴審闘争への総決起と3万人署名の全力での取り組みを訴えます。1〜5月闘争の切り開いた地平をさらに推し進め、2010年代中期階級決戦の一環として、三里塚闘争の巨大な発展を切り開こう。

日帝・安倍政権―国交省の第3滑走路攻撃うち破れ

 6月6日、日帝・国土交通省の「首都圏空港機能強化技術検討小委員会」(委員長・家田仁東京大学大学院教授)は、成田と羽田の容量拡大に関する中間報告を発表した。2020年の東京オリンピック開催時までに、航空管制や誘導路機能の「改善」で、成田で4万回、羽田で3万9千回の拡大を図り、2020年以降、成田、羽田両空港の「新滑走路の増設」を掲げている。さらに現在の2500㍍滑走路の1000㍍延長計画まで盛り込んでいる。
 成田の第3滑走路に関して具体的に二つの案を図示している。現在の暫定B滑走路の東側に、現行滑走路との離隔距離を変えた二つの3500㍍滑走路案を図示し、要するに、成田を4000㍍1本、3500㍍2本=合計3本の滑走路を備えた空港として整備したいという日帝・安倍政権、国交省、成田空港会社の願望がむき出しになっているのだ。
 その意図は、安倍政権による戦争と改憲、アジア勢力圏化・争闘戦のためのインフラ形成にほかならない。記者会見した家田委員長は「首都圏は日本のエンジンであり、これからアジアの活力を取り込んでいかなければならない」と述べ、成田の没落に危機感を深める地元利権団体は「日本経済再生のための喫緊の課題」などと押し出している。成田の第3滑走路建設=空港容量拡大攻撃は、大恐慌と新自由主義政策の破綻に追いつめられた日帝・安倍政権の延命戦略の一環をなしているのである。
 われわれは、この第3滑走路攻撃が、三里塚闘争破壊攻撃そのものであることをはっきりさせ、全人民の総力で粉砕することを宣言する。三里塚闘争が、日帝ののど元に食らいつき、その死命を制する巨大な闘いであることの意義を鮮明にさせよう。48年の絶対反対の闘いが、戦争と改憲を阻止する真価を発揮する時が来たのだ。

周辺住民の決起は不可避

 第3滑走路攻撃は「予定地」となる旧大栄町を中心として、地元に衝撃と怒りを呼び起こしている。2案のどちらも、反対同盟の拠点である東峰部落をはじめ、新田や吉岡(きちおか)、川上、多良貝(たらがい)、一鍬田(ひとくわだ)、五辻(いつじ)など、強制移転が迫られる家が200〜300軒にも及び、拡大する騒音地域の住民まで含めれば数千軒が深刻な生活破壊をこうむる重大な事態となる。まさに「新空港計画」が成田・三里塚地区に突如もたらされた「1966年」的情勢が生まれつつあるのだ。
 われわれは反対同盟と固く団結し、こうした周辺住民の中に分け入り、「もう一つの反対同盟」をつくり出す決意で、第3滑走路への怒りを組織し、同攻撃を計画段階で粉みじんに粉砕する。

貝阿彌裁判長の早期結審策動を実力で粉砕しよう

 6月25日に第2回控訴審弁論を迎える市東さんの農地裁判こそ、当面する最大の闘いだ。この農地裁判の爆発が「第3滑走路」攻撃との対決点も形成している。
 東京高裁第19民事部・貝阿彌(かいあみ)誠裁判長は、第2回弁論での市東さん側陳述について露骨な時間制限を課すなど、早期結審の意図をむきだしにしてきた。
 闘いの方針は何よりも、法廷内外一体となった闘いで早期結審策動を粉砕することだ。さらに法廷外で「市東さんの農地を守れ」と訴える3万人署名をなんとしても実現することだ。市東さんは「6月25日の第2回署名提出時に一層の数を実現したい」と決意を語り、協力を訴えている。職場、学園で呼びかけるとともに、街頭署名も含めた緊急の取り組みを訴えたい。
 そして6・25闘争に大結集し、高裁を包囲する終日闘争としてやりぬこう。「農地取り上げを許さない」階級的労働運動の力を示そう。6・8国鉄闘争全国運動大集会の大成功に示される国鉄決戦を軸とした労働運動の前進の中にこそ、市東さん農地死守決戦の勝利の展望があることを明確にして闘おう。
 6月9日、韓国鉄道労組ソウル地方本部のオムギリョン本部長が初めて三里塚を訪れ、反対同盟と交流した。動労千葉との労農連帯が韓国労働者との国際的団結を大きく発展させている。

市東さん農地裁判は安倍の農業破壊との最先端攻防

 三里塚闘争は市東さんの農地強奪絶対阻止の闘いを先端として、日帝・安倍政権の戦争・改憲攻撃と正面から対決する戦略的闘いに、福島・沖縄とともに、あらためて押し上げられている。動労千葉・動労水戸を先頭とした労働者階級が安倍政権打倒の闘いを前進させる中で、2010年代中期階級決戦の一翼としていよいよ白熱の度を増している。
 新自由主義による農業解体攻撃、TPP(環太平洋経済連携協定)の先取りとしての農協・農業委員会解体があり、その最大の焦点が企業による農地強奪のための農地法全面解体攻撃だ。市東さんの農地裁判はそれとの最先端攻防なのだ。
 全国農民会議を始めとする農民と労働者の同盟をさらに発展させ、安倍政権打倒へ進撃しよう。3万人署名を貫徹し、6・25闘争へ進もう。
〔三里塚現地闘争本部〕

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市東さん農地裁判
6・25控訴審闘争

 6月25日(水)午後3時開廷
 東京高等裁判所102号法廷
 午前10時30分 裁判所前集合、リレートーク
 正午 日比谷公園霞門から高裁包囲デモ出発
 午後2時30分 傍聴券交付

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