泉佐野市議選勝利の教訓 労働者の自己解放的決起を土台に闘う労組を甦らせた

週刊『前進』06頁(2637号03面03)(2014/06/23)


泉佐野市議選勝利の教訓
 労働者の自己解放的決起を土台に闘う労組を甦らせた

(写真 選挙中に泉佐野市役所前で、「市役所丸ごと民営化反対、公立保育所全廃・民営化反対、闘う労働組合をつくろう」と訴える国賀議員)

 6・8国鉄闘争全国集会の感動的勝利に結実した2014年前半決戦の戦略的路線的大前進は、2010年代中期階級決戦の革命的展望をはっきりと指し示している。この決戦のど真ん中でかちとられた泉佐野選挙決戦の勝利は、路線的一致こそが労働者自己解放の一切の原動力であることを鮮やかに指し示した。

「住民」は労働者で革命的な存在

 まず第一に、泉佐野選挙闘争は労働者階級が新自由主義に対して怒りをもって闘いに立ち上がり、自らの力で階級的な労働組合と党を一体的につくりだすことができることを鮮やかに示した。
 これまでの選挙闘争で生まれた「住民」というあいまいな考え方を全面的に転換し、すべての「住民」を労働者であると確認し崩壊する新自由主義を打倒する革命的存在としてとらえた。党が「市民」「住民」「障害者」「部落民」「女性」等々を労働者としてとらえることを通して、革命の主人公としての労働者階級の革命性・階級性をよみがえらせ、猛烈なエネルギーを解き放った。
 この労働者階級の根底的怒りを労働者組織(労働組合・婦人民主クラブ全国協・障害者組織など)に獲得しようと全力で闘い抜いた。こうした構想の中から、地域に関西合同労組を無数につくりだした。
 これは階級的労働運動路線における革命的選挙闘争を再確立する闘いであった。泉佐野選挙を労働者の階級的決起の決定的水路であると明確にして闘い抜いた。千代松市長の破滅的な新自由主義攻撃の中で、労働者全体が「『命より金』の千代松打倒」のスローガンで決起すると確信して闘った。階級的労働運動路線こそ、階級のすべてを自己解放的に生き生きと解き放つ路線であることへの確信をつかみとったことが根底にある。
 問われたのは、やはり党の自己変革だ。党が労働者階級の党として、闘いの中で自己を変革して登場したことが、勝利の核心だった。

労組巡り日共との党派闘争貫く

 第二に、日共スターリン主義との労働組合をめぐる党派闘争に勝利した。これまで日共スターリン主義によって怒りを抑えつけられてきた泉佐野市職労働者は、「自治体丸ごと民営化」攻撃の手先になり果てた元市職労委員長候補から離反し、国賀候補に雪崩をうって支持を表明した。
 労働組合をめぐる党派闘争に勝ち抜くことこそ、2010年代中期階級攻防の核心である。泉佐野選挙決戦はここで先制的に勝利した。新自由主義打倒を「労働組合をよみがえらせれば勝利できる」とはっきりさせ勝利の展望を指し示した。
 闘う労働組合には無限の革命的可能性がある。労働者の根底的怒りを解き放ち、革命までやむことのない決起を生み出す力を労働組合は持っている。この確信こそ、労働組合の拠点建設に勝利する核心であり、日共との党派闘争に勝利した核心である。

国鉄軸に新自由主義と全面対決

 第三に、国鉄決戦―橋下打倒闘争を通してつかみとった階級的労働運動路線の深化が決定的威力を発揮した。党の路線的前進の勝利である。
 9・25判決と「動労総連合を全国に」に体現された国鉄決戦の地平を受けて、都知事選決戦を「現代革命への挑戦」として闘った地平を引き継ぎ路線を深化することで勝利した。5・30〜31動労水戸スト、6・8全国集会の勝利と一体でもある。
 新自由主義批判を「千代松打倒」として戦略的に具体化し、路線を反合・運転保安闘争として、安全と誇りの問題として鮮明にしたことが重要だった。選挙決戦の中で起こった韓国セウォル号沈没事故やピーチ航空墜落未遂事件を、労働組合としてどうとらえ、いかに闘うのかを鮮明にさせたことがものすごい力を発揮した。新自由主義による「10割非正規職化」、安全破壊が一挙に労働者の認識となり階級的怒りとなった。だからこそ国鉄闘争が急速に労働者の中に入っていった。泉佐野では保育所民営化(こども園化)であり、自分たちの職場の問題として、怒りに火がついた。これを労働組合の団結として組織したことは決定的な路線的地平だった。
 第四に、党の時代認識と路線的決断が今回の勝利を切り開いた核心だ。
 「労働者階級の覚醒、革命化が巨大なスケールで起こっている」という時代認識こそ2010年代中期階級決戦を勝ち抜く一切の土台である。
 特に都知事選決戦への党の決断は、同時に泉佐野選挙闘争の転換の要になった。「現代革命への挑戦」として闘われた都知事選決戦は、労働者階級全体を獲得する闘いとして都全体の労働運動をめぐる一大党派闘争として打ち抜かれた。そこで問われたのは、党がマルクス主義を復権する闘いの先頭に立って、労働者階級の革命性を確信して闘うことであった。それは労働運動全体を獲得する闘いへの挑戦だった。
 この地平におじけづいた警視庁と大阪府警は、1〜6月決戦と一体でかちとられた泉佐野選挙闘争の勝利を押しつぶすために5・28弾圧をかけてきた。しかし、この弾圧を完全に打ち破り、逆に党と階級の団結を強化して闘い抜いている。選挙で始まった労働者階級の怒りの反乱を、さらに激しく発展させ、泉佐野・全関西で階級的労働運動と巨大な地区党を一体的に建設する闘いに着手し進撃している。
 この勝利を路線的なバネに杉並区議補選決戦に勝利し、2014年後半決戦に打って出よう!
〔革共同関西地方委員会〕
このエントリーをはてなブックマークに追加