廃道は前例なき暴挙 7・8団結街道裁判 成田市と裁判所を追及

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週刊『前進』06頁(2640号05面03)(2014/07/14)


廃道は前例なき暴挙
 7・8団結街道裁判
 成田市と裁判所を追及


 7月8日、千葉地裁民事第3部(廣谷章雄裁判長)で、団結街道裁判の弁論が開かれた。
 2010年6月、成田市は、天神峰の市東孝雄さん宅と南台農地を直線で結ぶ団結街道を夜陰に乗じて封鎖し廃道化し、その土地を成田空港会社(NAA)に格安で売り飛ばした。この裁判では、市東さんを始め三里塚芝山連合空港反対同盟が、道路廃止決定の無効確認を求めている。
 今回、被告・成田市は準備書面19の中で「本件市道(団結街道)は空港敷地内にあって、一般交通には不適当な道路だから廃止が決まっていた。市東さんの不利益は代替道路が整備されたことで回避され、廃止要件も整った」などとぬけぬけと言い放った。そして「安全と効率の向上のために第3誘導路の整備が必要と、NAAから説明された」という〝事情〟で廃止を決定したと言う。
 これまでの成田空港建設過程でも、耕作地に接する道を封鎖し廃止したことはなかった。反対同盟顧問弁護団はこの前例なき暴挙を明らかにするため、被告側に文書提出命令を出すよう裁判所に求めてきた。
 これについて裁判長は、「他の事例は関係ないだろう。本件は道路法の廃止の要件を満たしていたかどうか考えれば十分ではないか」と言ってきた。代替道路で不便なのか用が足りているかだけを争え、というのだ。
 冗談ではない! 第3誘導路建設と団結街道封鎖・廃道化は、市東さんに対する地上げ屋まがいの凶暴な追い出し攻撃だ。これが行政の裁量を逸脱した暴挙であることを証明するには、これまでの具体例との比較は不可欠だ。弁護団の猛然たる反論に押し返され、裁判長は「補充書で主張を」と言わざるをえなかった。
 さらに弁護団は、第3誘導路建設が廃道決定の「事情」にすぎないと市が言い出したことに対し、「当初は〈要件〉と主張していたはず。主張を変えるのか」と鋭く迫った。市東さんの営農妨害と追い出しを目的に造られた第3誘導路の悪質さを焦点にしたくないので、「要件」から「事情」に格下げしたということだ。弁護団は、ごまかしを許さず厳しく追及する姿勢を示した。次回期日を10月17日(金)と確認し閉廷した。
 千葉県弁護士会館で報告集会が開かれた。葉山岳夫弁護士を始め弁護団全員が法廷の解説と意気込みを語り、質疑が交わされた。動労千葉の滝口誠さんが連帯発言を行い、集団的自衛権の閣議決定を弾劾し、労農連帯で闘う決意を述べた。
 最後に司会の伊藤信晴さんが、「第3滑走路計画粉砕」を掲げた7・13三里塚緊急現地闘争への全力結集を訴えた。
 集会後、反対同盟と支援連は千葉市繁華街での街頭宣伝に立ち、農地強奪阻止の3万人署名を集めた。強い日差しのもと、汗をぬぐいながら署名に応じる人が続いた。

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【要項】
三里塚裁判傍聴を!
◎一坪共有地裁判
7月24日(木)午前10時30分 千葉地裁
(傍聴券抽選のため1時間前に集合)
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