7・13三里塚 〝第3滑走路計画粉砕〟 予定地デモに住民の共感

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週刊『前進』06頁(2641号01面02)(2014/07/21)


7・13三里塚
 〝第3滑走路計画粉砕〟
 予定地デモに住民の共感

(写真 デモの先頭に立つ北原事務局長【中央】ら三里塚反対同盟)


 7月13日、成田市天神峰で、三里塚芝山連合空港反対同盟主催による「第3滑走路粉砕」を掲げた集会とデモが行われた。時おり小雨がぱらつく中、花植木センター前の市東孝雄さんの畑を会場に、全国から185人の労働者・農民・学生・市民が結集した。おびただしい数の公安警察・機動隊の弾圧態勢を打ち破り、空港周辺を縦断するデモをやりぬいた。
 午後2時、司会の萩原富夫さんが第一声を上げた。「国土交通省の有識者会議が6月、成田空港の発着枠の4万回増と、その後の新滑走路建設計画を発表した。今こんなものは荒唐無稽(こうとうむけい)だが、われわれは地域住民にこれを粉砕するため立ち上がることを訴えよう」
 北原鉱治事務局長があいさつに立った。「反戦を貫く三里塚の闘いは50年になろうとしている。国際情勢は戦争の危機にある。住民を無視してここに3500㍍もの滑走路を造るなど絶対に許さない。親子3代の農地を戦争のための空港に奪われてはならない」
 続いて市東孝雄さんが登壇し、ひときわ大きな拍手がわいた。「第3滑走路をここに造られたらどんなひどいことになるか。それを全力で住民に訴えるのが今日の緊急闘争の目的です。沖縄・福島とひとつの闘いとして三里塚は進みます」
 連帯発言に移り、最初に動労千葉の川崎昌浩さんが立った。「第3滑走路計画は反対同盟の闘いで空港建設を阻止されてきた権力のあせりだ」。そして、CTS︵千葉鉄道サービス)の労働者2人が動労千葉に加盟したことを高らかに報告し、正規・非正規を貫く組織拡大闘争を進める決意を表した。
 関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会に続き、全国農民会議共同代表の小川浩さんが発言した。「反対同盟が闘い抜く限り、第3滑走路はできない。安倍政権は農協をつぶし農業委員会の公選制をやめ、現在の農業を解体しようとしている。全国の農民自身の闘いとして、市東さんの農地を守り抜こう」
 反対同盟顧問弁護団の発言に続き、市東さんの農地を守る沖縄の会、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部などから連帯メッセージが届いていることが紹介された。
 全学連の斎藤郁真委員長が決意を表した。「安倍政権は新成長戦略で、〝攻めの農業〟と称して農業を金もうけの道具にすると宣言した。三里塚は戦争政策と生活破壊を許さず安倍を倒す闘いだ。全学連は、全国の大学で自治会再建を推し進める」。そして法大文連委員長・武田雄飛丸君への不当起訴・勾留と、在特会に対するカウンターデモに立ち上がった一学生の不当逮捕を弾劾し、救援を呼びかけた。
 最後に事務局の太郎良陽一さんが、10・8農地裁判控訴審第3回弁論と10・12三里塚全国総決起集会への連続決起を訴え、団結ガンバローを三唱。デモに出発した。

初のデモコース

 第3滑走路予定地域とされる新田、川上、東峰を通る初めてのデモコースだ。反対同盟宣伝カーからは、北原事務局長と婦人行動隊・宮本麻子さんが、住民への熱烈な呼びかけを行った。
 舗装道路からはずれ、宣伝カーがぎりぎり通る狭い坂道を進み、生い茂る樹木を抜けて上りきると、デモ参加者の視界には、肥沃(ひよく)な土に豊かに作物が実る田園風景が広がった。2階から手を振る人や、農作業中のトラクターから笑顔で何度も頭を下げる人がいて、デモ隊を勇気づけた。「ここに巨大滑走路など造らせない」という闘志をかきたてた。晴れ上がった空のもと、暑さとも闘いながら小見川県道に出て、東峰の萩原さん宅の前を通り、東峰十字路に到着した。
 反対同盟と支援連が地域を回り、ビラを渡し署名を集め対話を重ねてきた地道な活動が、確実に影響を及ぼしている。この日のデモは、周辺住民との共同の力で、空港を怒りで包囲する本格的な闘いの開始となった。

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