外注化阻止!9・11郡山闘争へ 国労郡山工場支部 橋本光一さんのアピール

週刊『前進』06頁(2645号03面02)(2014/08/25)


外注化阻止!9・11郡山闘争へ
 国労郡山工場支部 橋本光一さんのアピール


 郡山総合車両センター外注化阻止の9・11闘争に向けての国労郡山工場支部の橋本光一さんの訴えを、「共に闘う国労の会」会報50号から転載して紹介します。全国から9・11郡山に駆けつけ、外注化阻止へともに闘おう。(編集局)
●被曝車両K544と闘った職場を外注化
 7月1日、安倍政権は集団的自衛権行使容認を閣議決定。中曽根首相は「国労をつぶし、総評を壊滅に追い込むことを明確に意識して国鉄分割・民営化をやった」「行革でお座敷をきれいにし、立派な憲法を床の間に安置する」と言った。逆に考えると、戦争・改憲阻止のためには、労働組合が強くなることが求められているのではないでしょうか。
 JR東日本は、郡山総合車両センター(=郡山工場)における機器着脱業務、主電動機大修工事の一部業務、車輪旋盤業務の外注化を10月1日に実施しようとしています。
 特に機器着脱業務は私の所属する職場であり、支部の委員長、書記長、副分会長、分会書記長がいる国労の拠点職場でもあります。そして何よりも、昨年の夏、動労水戸がストライキを断固打ち抜き、被曝労働を阻止したあのK544編成を、郡山において防護服着用で迎え撃ち、職場の運動の中で、平成採用の青年の作業除外をかちとった職場でもあります。政府と一緒になって原発を推進するJR東日本にとっては憎悪の対象であり、そこをつぶしに来たということでもあります。
●「外注化には反対」東労組組合員も表明
 しかし、この外注化には弱点があります。外注化にあたっての教育期間は7月から9月までのたったの3カ月。外注化されたら、そのうち要員数も減らされます。
 現場長が行った個人面談では次々と外注化反対の声が出されました。「機器着脱業務は、配線作業や配管作業も含むものであり、たった3カ月で覚えられるような簡単な業務ではない。覚えないまま無理に外注化したら品質や安全性は保たれない」「その証拠に、2009年に車体抜き乗せ業務が外注化された当初、様々な不具合が生じ車両の品質・安全性が低下した。そして、現在に至っても劣悪な労働環境は一向に改善されていない。今回の外注化はそれをまた繰り返すことになる。たまたま大事故にはなっていないが、なってからでは遅い。労災が起きてからでは遅い」「3カ月という教育期間中においてさえ、安全と品質が損なわれる要素がある。過去には教育実習生が起こした配線ミスで、床下機器を燃やしたこともある」などです。
 国労、東労組問わず出されたこの抗議の声に対して、現場長は「車両故障や労災が起きないように努力してもらいたい」を繰り返すのみで、まともな回答はなに一つありません。
 しかも「外注化を無理やり進めるのなら、何かあったときに責任は会社が、という覚悟あるのか」という質問に対しては、「すべて、教える人の責任でやってほしい」という答えしか返ってきません。
●ついに反撃ののろしはあがった! 9・11郡山闘争を決断!
 国労郡山工場支部は、動労水戸がストライキを決行した日、6月30日に、支部全員集会を工場門前で開催し、鉄道車両検修職場で働く労働者として、10・1外注化は絶対阻止する。職場でふんばってる東労組組合員や、頑張っている外注会社の労働者、そして心ある地域の仲間といっしょに闘い、外注化阻止に責任をとることを決断しました。長年の資本の抑圧、体制内の制動を押しのけて、ついに反撃ののろしは上がりました。7月16日には、動労総連合強制出向訴訟の森川弁護士を講師に招き、郡工支部主催の公開学習会を開催し、労組交流センターの仲間とともに学習しました。
 今回対象になっている私の職場は13人で、そのうち国労は6人です。7人の東労組組合員とともに、外注先の労働者との団結をつくる取り組みも始まっています。ストライキでCTS労働者の組織拡大をした動労千葉のように、外注化阻止の闘いをきっかけに組合も会社も超えた団結をつくりたいと思っています。
 そして、9月11日には外注化阻止の大衆闘争をやることを決断しました。組合員には年休闘争としての参加を呼びかけるとともに、内外にも呼びかけることで、社会問題化していこうと考えています。当日の詳細は決まっていませんが、「JRの安全破壊を許さない!」「郡山総合車両センター外注化阻止!9・11集会」「本町緑地に13時集合」という案内を先行してファックスしました。闘争の内容は、本格的には午後からになると思いますが、郡山工場一周デモ、集会などをやって、夕方、郡山駅前にむかって再度デモ行進をして駅前で解散としたいと思っています。
 そして、やっぱりストライキで闘いたい。ストライキを本部に要求することも執行委員会で決まっています。ストライキというのは戦術を超えた影響力があります。郡工がストライキに立ち上がったら階級的な影響力ははかり知れないと思います。
●9・11を巡り率直な議論
 郡山工場支部も、あらかじめ、組合員の強固な団結があるわけではありません。この間開かれている集会においては、率直な議論が交わされています。外注化やそれにむけた教育のデタラメさについては、一様に怒りがある一方、「ストライキについては、何年も国労はやってないからあきらめがある」「デモをやったって、周りの人は何もわからないで、うるさいと思うだけじゃないのか」「分割・民営化の時は本気でやったが、今はその時のような気持ちにはならない。今回の提起はみんな戸惑うことはあると思う」などネガな意見も多く出されました。ある意味これが国労の現状です。しかし、いっさいは執行部の意識性にかかっています。また、「外注会社の労働者の気持ちに寄り添う形で運動を進めていくこと。究極の目的は仲間を増やすこと、組織拡大、団結を強めること」といった集会での発言に示されるように、外注会社の労働者の組織化を展望しながら東労組平成採の青年に影響を与える闘いにしようという一致点をもって団結がつくられつつあることは決定的です。
●9・11が成功すれば、国労が変われば、労働運動が変われば、社会が変わる!
 郡山工場が10・1外注化阻止で爆発すれば全国の国労に波及する。そしたら国労が変わる。変わるって言ったって原型をとどめないほどぶっ壊れて、あらためてつくる的な変わり方。そうなったら、日本の労働運動全体も変わるし、そしたら世の中、社会が変わる。郡山工場の国労組合員の苦悩は、JRの現場すべてにある。郡工で突き抜けたら全国に波及する。そういう展望が内在する10・1郡工外注化阻止闘争にしたいと思います。9・11はまさに決戦です。決戦の郡山へ、総力決起を訴えます!ともに頑張りましょう。

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