闘いはすすむ 青年の職場から 合同労組 すき家でストうちぬきワンオペを廃止に追い込む 千葉 木村 真

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週刊『前進』06頁(2647号03面03)(2014/09/08)


闘いはすすむ 青年の職場から
 合同労組 すき家でストうちぬきワンオペを廃止に追い込む
 千葉 木村 真


 〝現代の蟹工船〟――すき家・ゼンショーの驚くべき実態が社会的に明らかにされた。今春に発生したアルバイトの大量退職、店舗閉鎖の事態を受け、小川賢太郎社長は労働環境の改善策を検討するための第三者委員会を設置。ゼンショーは、当たり障りのない調査報告書(以下、報告書)でお茶を濁し、「騒動」の幕引きを図った。
 しかしこの内容が、すき家で働く3万人の過酷な労働環境を「告発」する生の声を呼び起こし、青年労働者の怒りの的となっている。新自由主義経営の最先端を行くすき家で労働者の根底からの決起をつくりだそう。
●過酷きわまる労働実態
 まず報告書の内容を暴露したい。
 ①驚くべき過重労働だ。社員のほとんどが24時間連続勤務を経験。月平均の労働時間が労使協定(月45時間)をはるかに上回る109時間に上る。しかも、恒常的に月500時間以上働かされている店舗もある。これは「過労死ライン」をはるかに超える殺人的強労働だ。
 ②休日出勤の強要だ。社員の休暇が極端に少なく、休日でもアルバイトに欠員が出ればいつでも携帯電話で呼び出される。2週間自宅に帰れないといったケースもあるという。
 ③最も象徴的な深夜の1人勤務体制(いわゆるワンオペ)だ。店員の78%が「やめるべきだ」と答えている。6時間以上の勤務でも休憩はとれず、10時間もトイレに行けない。ワンオペによる強盗事件の多発や勤務後の帰宅途中における交通事故が多発している。
 ④労基署無視の法令違反だ。労基署からの是正勧告は13年度だけでも49回に上る。短時間で募集したアルバイトにも社員同様の過重労働、未成年にも深夜労働が押しつけられている。違法・脱法状態が平然と放置されているのだ。
 ⑤労使一体の労務管理だ。ゼンショーの最大労組であるZEANは、ユニオンショップの御用労働組合だ。約3カ月に1回、労使協議が行われているが、「長時間労働について具体的に申し入れた形跡はない」(報告書)。労働組合が資本と一体となることですき家は成り立っている。
●全労働者の先頭で闘う
 これらのすき家労働者への殺人的搾取、強労働に対して、全社会的な労働者階級の怒りが爆発し、ついにゼンショーは13億円の赤字に転落した。
 8月6日、ワンオペ廃止と牛丼値上げが発表された。
 ちば合同労組がストライキで要求した4項目、①ワンオペを廃止する②スト参加者を処分しない③従業員の不利益を補填(ほてん)する④非正規の時給を一律1500円に――のうち、④を除いて3項目で要求を実現させた。大勝利だ。
 小川社長は分社化し、さらに労働者を犠牲にしてのりきろうと必死だ。すき家の労働者の解雇や賃下げを許さず、全国の労働者の怒りとひとつとなり、ゼンショーを追い詰める闘いを展開するぞ。

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