地域医療・介護総合確保推進法と対決し労組拠点建設しよう 革共同医療福祉労働者委員会

週刊『前進』06頁(2647号03面02)(2014/09/08)


地域医療・介護総合確保推進法と対決し労組拠点建設しよう
 革共同医療福祉労働者委員会


 8・17集会の大成功は、集団的自衛権行使の7・1閣議決定を絶対に許さない労働者階級の怒りの表明として、全世界の労働者階級に闘う団結と連帯を求める号砲となった。そして国鉄決戦を基軸とする階級的労働運動路線こそ、安倍の戦争宣言を迎え撃ち、日帝・新自由主義を直撃する2010年代中期階級決戦の勝利の路線であることを鮮明にした。
 8・17集会は、6・8国鉄闘争全国運動大集会の歴史的成功を跳躍台とした安倍政権打倒闘争の発展であり、また、戦後労働運動を闘い抜いてきた労働者階級に対して、69年間の時を経て、根底的な社会変革をかけた運動がついに新たに生まれ出ようとしていることを示した。

階級の先頭で胸躍る歴史の最前線に立つ

 11年3・11東日本大震災―福島原発事故の大打撃とアベノミクスの破綻で、日帝は体制を根底から覆されるような情勢にたたき込まれている。
 国鉄決戦を軸とした階級的労働運動と革命的共産主義運動の闘いは、10年4・9反革命(国鉄解雇撤回闘争の反動的政治和解)をのりこえる国鉄闘争全国運動から4年の闘いを経て6・8集会の地平にのぼりつめた。国鉄決戦と反原発決戦の力強い前進が日帝・安倍政権を追い詰め、革命的情勢の成熟と労働者階級の怒りがひとつになろうとしている。そこに革共同が屹立(きつりつ)し、労働者階級と共鳴し合い、力ある勢力として登場しつつある。
 安倍政権と新自由主義は絶望的な危機に陥り、すべてを強権で押し切る以外になくなった。それが7・1閣議決定だ。
 7・1情勢は、日帝・新自由主義の断末魔のあがきと本気で闘う労働組合が真に責任勢力となる、心底からの大飛躍を要求している。身震いするような時代に一気に突入した。同志たちの血と汗と人生をかけた革共同50年の歴史をふまえた決戦に入らなければならない。戦争か革命かの時代に革命の主体として登場することを決断しよう。胸躍る歴史の最前線に立とう。

14年前半戦で安倍打倒への進撃が始まる

 2014年前半戦、私たちは国鉄決戦を基軸とする階級的労働運動の実践をもって、渾身(こんしん)の決起で飛躍した。体制内労組やすべての政治勢力と労働現場・地域を巡る激しい攻防を闘い、党派闘争を貫きながら、階級として団結し合流・獲得に向かって果敢に前進した。だからこそ唯一の責任勢力として、8・6―8・9の全原発廃炉・核廃絶の闘いを牽引(けんいん)することができた。8・9長崎での城臺美彌子さんの怒りと訴え、8・17集会への合流は、国鉄闘争を基軸とする闘う大統一戦線が全労働者階級の結集軸として発展する時代の始まりを示している。
 私たちは8・17集会へ渾身の組織化を闘った。労働者、労働組合、全国のあらゆる運動・市民団体そして個人が「安倍倒せ!」「改憲・戦争・反原発・貧困許さない」の声で共鳴し合い、怒りと憤りを編み込んだ太い一本の統一戦線を形成する土台を日比谷公会堂で生み出した。「日比谷宣言」とともに、全国で必死に闘う労働者、労働組合、そして本物の闘う運動を求める多くの人びとに勇気と展望、そして新たな結集軸を示すことができた。まさに安倍打倒への進撃が開始されたのだ。
 私たちはあらためて、全国の拠点労組の仲間、そして医療・福祉・介護現場で日々過酷な労働を強いている資本と対峙(たいじ)しながら、正規・非正規、あるいは医療・介護労働という分断を踏みしだいて、労働者の団結と連帯にすべてをかけて闘う全国の仲間に、心からの敬意と熱い連帯を込め、14年後半決戦でさらに具体的実践に突き進むことを訴えたい。
 9・11郡山工場外注化阻止の闘いの画然とした登場こそ、福島の低線量被曝、健康被害への切り捨て攻撃と真っ向から闘うふくしま共同診療所を守り抜く根底的な力になる。医療福祉労働者は、民衆と団結し国労郡山工場支部と共同診療所を守り、発展させよう。

医療と介護を破壊する民営化・市場化攻撃

 新自由主義は、全世界に大量の労働者階級を生み出し、労働者を民営化・外注化、非正規職化と恒常的な大失業、低賃金にたたきこみ、家族も持てない貧困状態に突き落とした。今や帝国主義・新自由主義は、労働力の再生産を不可能にし、生産性を低下させ、自己の存立基盤すら破壊している。同時に、帝国主義間・大国間の争闘戦の軍事化をもって全世界に虐殺、破壊、戦争の危機を生み出してきた。
 その中で日帝・安倍政権は、未曽有の体制的危機に追い詰められている。この絶望的危機の突破をかけて、①戦争・改憲への絶望的突進②新成長戦略・「骨太方針」③原発・鉄道輸出、武器輸出と並んで「医療のパッケージ輸出」に死活をかけている。「医療のパッケージ輸出」とは最新医療施設や医療機器、保険制度、人事管理まで含む日本式医療を全一体で輸出することである。
 安倍政権の医療解体・大再編攻撃は、国立病院、全社連病院の民営化=全員解雇・選別再雇用攻撃を始めとした攻防と完全に一体化し、大焦点になっている。
 国立病院機構(143病院・5万8千人)における非公務員化攻撃は、公的医療部門全体への大攻撃の始まりだ。「地域医療・介護総合確保推進法」(6月成立)は、医療法、介護保険法など19の法律を一括して改悪した大攻撃だ。「都道府県が策定する医療計画と介護保険事業計画を一体的・強い整合性を持った形で策定」するとともに、各都道府県に基金を新設するとしている。これは医療・介護保険制度を厚労省―都道府県の強権で再編し解体する歴史的攻撃だ。
 「医療から介護へ」「施設から地域へ」の名のもとに、医療機関で43万床、介護施設で30万床を削減し、医療と介護を限りなく民営化・市場化しようとしている。介護分野における「要支援1・2」の訪問介護・通所介護の地域支援事業への移行は、介護を受ける権利を奪う。特養への入所は「要介護3」以上に限定し、「サービス付き高齢者住宅」を優遇し、介護をさらに新自由主義資本の食い物にしようとしている。現場労働者の怒りの反撃は必至だ。
 医療・福祉の民営化攻撃は、新自由主義による国鉄分割・民営化攻撃と一体で進んできた。

資本・体制内勢力と闘って拠点建設進む

☆全員解雇と闘い勝利
 八尾市による八尾北医療センターの明け渡し=全員解雇攻撃に対して、八尾北労組は十数年間、絶対反対で闘い勝利してきた。労働者の基礎的団結形態である労働組合を土台に、絶対反対で闘うことを通して階級的団結の形成と、党と労働組合の一体的建設に勝利してきた。
☆就業規則改悪を撤回
 東京武蔵野病院の精研労組は、6年にわたる新自由主義経営との死闘に勝利し、就業規則の改悪・賃金カット提案を撤回させた。日本共産党との激烈な党派闘争を経て新自由主義と闘う路線を確立し、ストライキの復権と、分断を超えた階級的団結をつくり、勝利を実現した。「新自由主義による外注化・労組解体攻撃に勝利できる」――この勝利を出発点に、精研労組は本格的な拠点建設へ進んでいる。
☆組合権力へ迫る攻防
 岡山大学医学部では、大学病院を大学本体から切り離し、持ち株会社を設立して大資本に売り渡そうとする計画が秘密裏に進められていた。医療再編の要として安倍政権が「日本再興戦略の目玉」とする「非営利ホールディングカンパニー型法人」の創設を最先頭で実現しようとするものであり、地域の基幹病院から中小の医療機関、介護・福祉事業所を民営化・外注化・非正規化する攻撃だ。現場では労働組合の復権をかけ、体制内労組指導部との死闘の中で団結を拡大し、組合権力へ迫る攻防が激しく闘われている。

各地区の国鉄集会成功させ11月集会へ!

 青年を始め膨大な数の労働者が劣悪な労働条件のもとで働いている。「何年たっても非正規」「家族を養うこともできない低賃金」、事故と隣り合わせの労働、過労死寸前の長時間労働を強制されている。この現実を食い破る介護・福祉労働者の決起が激烈に始まっている。
 7・1情勢下でこそ、反合理化・運転保安闘争を貫いてきた動労千葉労働運動=階級的労働運動路線で団結を組織しよう。その実践をもって、医療福祉労働者に対する戦争協力強制の攻撃に打ちかとう。同時に産別指導部は地区党指導部として屹立し、産別・地区一体の闘いをつくり出し、細胞建設―労組権力の確立を通して階級的労働運動の拠点を建設しよう。
 今秋の各地区での国鉄集会を重視し、拠点政策を打ち立て、組織拡大に打って出よう。この組織化の過程こそ、拠点建設と地域に大胆な統一戦線を構築する闘いの第一歩だ。
 時代認識と路線に貫かれ、どんな困難にもひるまない組織だけが6500万労働者階級の闘う結集軸へと飛躍できる。労働者階級の自己解放=プロレタリア革命を実現するために、何としても11月労働者集会への1万人の組織化を実現しよう!

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