川内原発の再稼働とめよう 9・28鹿児島に全国から結集し 戦争と核武装を狙う安倍打倒へ

週刊『前進』06頁(2649号05面02)(2014/09/22)


川内原発の再稼働とめよう
 9・28鹿児島に全国から結集し戦争と核武装を狙う安倍打倒へ


 9・11JR郡山工場包囲闘争は、郡山総合車両センターの現場労働者と沿道の市民の圧倒的な注目の中で大成功した。安倍政権による9・10川内原発再稼働決定への反撃の号砲が打ち鳴らされた。動労千葉、動労水戸、そして郡山工場の労働者の闘いに体現される階級的労働運動の前進こそ、安倍打倒・全原発廃炉の展望を切り開く。9・23反原発集会(東京)―9・28川内原発再稼働阻止現地闘争の爆発をかちとり、11・2全国労働者総決起集会へ攻め上ろう。

原子力規制委が川内再稼働にゴーサイン

 3・11福島原発事故はなんら終わっていない。膨大な放射能放出によって、多数の住民が避難、仮設住宅暮らし、震災関連死を強いられ、疑いも含めて104人の子どもの甲状腺がんが見つかるなど被曝の影響が顕在化し始めている。溶融核燃料の所在すら把握できない現状。使用済み核燃料の綱渡り的移送作業。増え続ける汚染水。事故処理労働者も大量被曝を強いられている。フクシマの現実を見れば、再稼働は絶対に許されない。
 だが、原子力規制委員会は9月10日、九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)の再稼働審査について新規制基準に合致したと発表した。安倍政権は「安全性が確保されると確認された」とうそぶき、再稼働のための地元の懐柔と反対運動圧殺に乗り出している。
 しかし、避難計画など策定できないことはすでに歴然としている。住民見殺しの再稼働計画に猛反発が上がっている。行き詰まった安倍政権は、内閣府・経産省の職員を現地に派遣し、避難計画に国として関与しようとしている。それは国による労働者の徴用と被曝の強制にほかならず、絶対に許されない。7月から現地で安定ヨウ素剤が住民に配布されているが、大事故がまた起きてもいいというとんでもない犯罪行為だ。
 地震列島に原発を建設し稼働することほど無謀なことはない。火山の大噴火と連動した大地震の活動期へ入った日本。福島原発大事故をもたらした3・11東日本大震災はその恐ろしさをまざまざと見せつけた。
 最大の活断層「中央構造線」は川内原発の直近を通る。九州・沖縄地方でもマグニチュード7以上の大地震が歴史上頻発している。内陸直下型地震などによる配管破断・炉心溶融の危険性はきわめて高い。姶良(あいら)カルデラなどを周辺に抱える川内原発は巨大噴火リスク全国トップであり、火砕流・火山灰などによる致命的被害の可能性を火山学者は一斉に警告している。
 日本列島の西端にある川内原発で原発事故が起きれば、多くの放射能は偏西風に乗って日本列島に降り注ぎ、世界中へまき散らされる。「東日本壊滅」(福島第一原発元所長・吉田調書)どころか、今度は日本のほとんどの陸地・近海が放射能の直撃を受ける。住むこと、食べること、生きることなどの人間生活、生存の基盤が壊滅状態に叩き込まれるのだ。これ以上の凶悪な犯罪があるだろうか。
 川内原発再稼働ゴーサインの暴挙に対し、地元住民をはじめ全国の労働者人民の怒りが沸騰している。原発を1基たりとも動かすな! 青年労働者を先頭に、命と未来をかけ川内原発再稼働を葬り去ろう。

階級的労働運動の推進が原発廃絶の道

 再稼働絶対反対を貫くために、何よりも階級的労働運動をよみがえらせよう。
 動労水戸や郡山工場の労働者の闘いは、被曝労働を拒否するとともに、労働組合の階級的力を示し、再稼働を止め核も原発もない社会への展望を切り開いている。3・11以来、人生をかけて闘ってきた多くの人たちが今、動労水戸や国労郡山の決起の中に、「どうすれば再稼働をとめられるか」「どうすれば原発のない社会に変えられるか」という回答を見いだしつつある。
 この資本主義社会を根底で動かしているのは労働者だ。電車も原発も労働者なくして動かない。「外注化阻止・被曝労働絶対反対!」を掲げ職場から決起した動労水戸、そして郡山工場の労働者の先駆的闘いの中に、原発廃絶の道筋が凝縮されている。
 「命と安全を守る」ストライキやデモは、外注化、低賃金、過酷な被曝労働に怒りを燃やし続けてきた原発労働者・除染労働者の熱い共感を生み出している。徹底した分断を打ち破り、闘う労働組合の建設を求める原発労働者・除染労働者との歴史的合流がついに始まった。

戦争・核武装と一体の原発再稼働許すな

 川内原発再稼働阻止を、改憲・戦争を絶対に許さない、安倍政権を打倒する闘いとして闘おう。今秋から来年にかけた再稼働阻止闘争の爆発で、改憲阻止・反原発闘争を大高揚させ、2010年代中期決戦の勝利を切り開こう。
 7・1集団的自衛権行使の閣議決定は、資本の抑圧と搾取に苦しむ労働者の憤激をかつてなく高めている。社会を根底からつくり変える労働者階級の自覚と行動が、日本階級闘争の大地に急速に根づき広まりつつある。資本家階級を打倒し、すべての社会的生産手段を労働者階級が奪い返し、自らの手で全社会を再組織する。このプロレタリア革命を労働者階級に真正面から提起し、ともに全世界を獲得する歴史的闘いを開始しよう。今こそ、国鉄決戦を基軸に階級的に闘う本物の主流派として登場しよう。
 脱落日帝は、3・11─7・1を転換点とした労働者階級人民の内乱の火種を抱えたまま、死地の泥沼へと踏み込んだ。凶暴で脆弱(ぜいじゃく)な安倍は戦々恐々だ。
 大恐慌下での帝国主義間・大国間争闘戦の激化とその軍事化・戦争化のもと、安倍は帝国主義としての生き残りをかけて対米対抗性を強め、戦争国家・核武装国家へと絶望的に突進している。原発再稼働はこれと一体だ。
 原発で生産したプルトニウムを再処理工場で取り出して高速増殖炉・原発で消費するという核燃サイクル計画。このプルトニウムの需給バランスを口実に進められてきた日帝の核武装の偽装計画は、「もんじゅ」や六ケ所再処理工場の破産的行きづまりと全原発停止の中で、今やガタガタの状態だ。核兵器の材料というプルトニウムの正体も明白になっている。
 さらに日米争闘戦の激化の中、日帝のプルトニウム保有を左右する日米原子力協定の2018年期限切れが迫っている。プルトニウムにしがみつく日帝は焦りに駆られている。原発でプルトニウムを消費するプルサーマル計画の復活、そのための原発再稼働が日帝の絶対的な課題となった。
 再稼働審査申請の13原発22基のうち、先行審査の6原発10基は、高浜3号機、玄海3号機、伊方3号機、泊3号機などそのほとんどがプルサーマル実施中ないしは計画中だった原発である。日帝は川内原発を突破口にプルサーマル原発を動かし、プルトニウム保有を維持しようとやっきになっているのだ。プルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を全炉心に使う大間原発の建設再開強行もその一環である。
 日帝にとって国策の最大の破綻点と化したのが日米安保であり、原発・核燃サイクルである。その矛盾と危機のすさまじい進行は日帝を締め上げ、改憲・戦争と原発再稼働にかり立てている。
 今年の8・9長崎平和祈念式典で「集団的自衛権の行使容認は暴挙」と安倍を弾劾し、原発再稼働・輸出にも絶対反対の意志を表明した被爆者・城臺美彌子さんの声は、「ヒロシマ・ナガサキ、フクシマを繰り返すな!」の思いを共有する労働者階級人民の血叫びだ。死すべきは原発であり、資本家階級だ。
 闘う労働組合とNAZENの旗を翻らせ、地元住民・全国の労働者人民と連帯し、9・23反原発集会―9・28川内原発再稼働阻止現地闘争の爆発をかちとろう。その力で11・2労働者集会の1万人結集へ攻め上ろう。
〔河東耕二〕

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