闘う労働組合つくる本格的工作を 11・2労働者集会第2回実行委員会 田中康宏動労千葉委員長の提起

週刊『前進』06頁(2650号02面01)(2014/09/29)


闘う労働組合つくる本格的工作を
 11・2労働者集会第2回実行委員会
 田中康宏動労千葉委員長の提起

(写真 田中康宏動労千葉委員長の基調提起に真剣に聴き入る実行委員会参加者【9月21日 東京都内】)


 11・2労働者集会に向けての第2回実行委員会が9月21日、東京都内で開かれた。9・11郡山闘争の大成功を受け、実行委員会は全職場で動労千葉・動労水戸―動労総連合とともに闘う階級的労働組合をつくり出す決意を固める場になった。東京を始め全国から、各地区国鉄集会の取り組みが報告され、闘いが新たな広がりを生み出していることが示された。実行委員会で田中康宏動労千葉委員長が行った提起の要旨を紹介します。11・2集会1万人結集へ総力で闘おう。(編集局)

10・1ストライキを決断

 9・11郡山闘争は、ひとつの工場で労働組合を変革していく道が始まったということです。時代は変わった。本当にこの時代に勝負できるかがゼロから始まる。初心に帰って、初めての挑戦として11月集会をやりたい。
 JRの情勢は激変しています。動労千葉は外注化粉砕の新しい一歩を踏み出すため、10月1日にストライキを決行すると決断しました。
 闘いに踏み切らないといけない事態が次々に起きています。幕張の外注化された車輪転削という職場で、強制出向になった国労の組合員が指を落とす事故が起きました。車輪転削の職場ではこの数カ月で6、7件の作業ミスが起きていた。だけど外注先のCTS(千葉鉄道サービス)にはちゃんと技術指導する体制はゼロ。だから何が起きても放置され続けてこの事故に行き着いた。
 しかも、JRからCTSに強制出向になっている3人のベテランを10月1日付で出向解除にしてJRに戻し、去年入ったばかりのCTS社員だけで作業させるというんです。
 CTSに外注化された銚子の検査派出では、うちの組合員が列車にもぐって機器を点検していたら、列車が動き出して命からがら飛び出すということが起きた。これだって外注化の結果です。CTSの管理者は100㌔も離れた幕張にいて、電話で「もうJRと確認して電車は動かないようになってるから作業をしてくれ」って言ってきた。でも、JRの運転士には「電車を動かすな」という指示はまったく出されていなかったんです。
 10月1日からは、去年入ったばかりのCTSの労働者が構内運転をすることになった。JRだったらハンドルを握るまで最低でも4年か5年はかかっている。
 まさに際限のない外注化への突進です。

安全大崩壊と対決する

 分割・民営化体制の大破綻が始まっています。最も大きな問題は国鉄時代に採用された労働者の大量退職が始まることです。まさにこれは分割・民営化の歪みです。JRはそれを逆手にとって、国鉄採用者をいわば最終処分場に送るようなことをしようとしている。人がいないからとにかく外注化していく。これによって起きるのは安全の全面崩壊です。
 大量退職問題は全部、動労千葉破壊攻撃という形で来る。でもここで本当に立ち向かったら、分割・民営化体制を覆せる。外注化の矛盾が噴き出し、安全の崩壊が加速度的に進み、尼崎事故、セウォル号事故、大小の事故が全国で頻発する。こういう状況に対して、反合・運転保安闘争の精神で立ち向かう。それ以外にこの時代に労働運動を復権する道はない。
 闘いの柱は外注化阻止闘争になります。最大の課題は組織拡大です。動労千葉は15年間、執拗(しつよう)に外注化に対決して闘ってきた。こんな闘いは他に一つもない。外注化されて非正規職にされた結果に対する闘いはいくつかあるけれど、新自由主義が貫徹されていく過程に対して正面から闘いを挑んでいるのはわれわれだけです。
 他方で、カクマルも社民党、共産党も、完全な連合派に至るまですべてが全面崩壊にのみこまれている。闘う労働組合を一からつくり直す条件ができていると思います。
 戦争と民営化に反対する怒りの声を11月集会に総結集させたい。集団的自衛権の行使、改憲情勢に立ち向かって戦争を止めるためには、石にかじりついても闘う労働運動をよみがえらせる以外にない。反戦闘争とは人生をかけた闘いです。階級的労働運動の決定的な構成要素は戦争に反対する闘いを貫くことです。
 新自由主義攻撃が自ら生み出した社会の崩壊によって、資本主義体制そのものが崩れ落ちようとしています。この間、日本創成会議が出した896自治体の破綻という問題。学校や病院の倒産、年金、社会保障の崩壊。人間が生きていくすべが全部壊れていく。非正規職に突き落とし、規制緩和して民営化し、青年の大半を結婚できないところに突き落とした結果、国家が全面破綻する状況になった。アベノミクスなんてもう全面崩壊。だから戦争なんだ。こういう社会を変えられるのは労働者の団結した力以外にない。
 臨時国会は天下を分かつ時代の転換点、決戦です。派遣法の全面改悪、労働時間規制の解体、特区、そして来年通常国会では「戦争する国」への全面的な国家改造。われわれは噴出する怒りの声の組織者にならなくちゃいけない。その渦中に11月集会がある。

階級的労働運動復権へ

 階級的労働運動の復権をどう構想するか。これを示してくれたのが国労郡山工場支部の闘いでした。国労本部は外注化を認める協定を結んでいる。それどころか組織を解散するというところまで来た。そこに一つの支部が外注化絶対反対で組合員をまとめた。動労千葉、動労水戸、動労総連合のような国労に変えなきゃいけないと言い切って橋本光一さんはぶれなかった。それで40人をまとめた。これはオーソドックスに労働組合工作をしたということです。この工場に労働組合をつくりたい、自分の職場に闘う労働組合をつくりたいという時に何をやるのかを示してくれた。ここにいるみんなが、同じことをやるということです。
 動労千葉にCTSの労働者が加入したことも同じです。外注化が強行された後、どうしたらいいんだという議論をした。結局、外注先にも動労千葉を組織するしかないと決断したんです。
 階級的労働運動復権のひとつのイメージができた。地域の仲間と徹底的に議論して、労働組合工作に命をかけるということだと思います。
 全国各地で国鉄集会が取り組まれます。「組織的手がかりを絶対につくる」ものとして成功すれば、11・2集会は新しいものを必ず切り開くと思います。
 10万筆署名も7万筆に達しようとしています。10月末までに10万筆を集めきって11・2を「さあどうするんだ最高裁」と宣言できる集会にしたい。集会のチケット販売も全力でお願いします。

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動労千葉10・1スト支援行動
 午前11時30分
 幕張車両センター前
 (JR総武線幕張本郷駅下車)
 午後2時 総決起集会
 DC会館(JR総武本線東千葉駅下車)

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