マルクス主義の障害者解放闘争論で武装し11・2結集へ 革共同障害者解放闘争組織委員会

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週刊『前進』06頁(2652号05面03)(2014/10/13)


マルクス主義の障害者解放闘争論で武装し11・2結集へ
 革共同障害者解放闘争組織委員会

(写真 『障害者解放』第6号/発行 障害者解放編集委員会/頒価 200円)


 安倍政権の7・1閣議決定は、「戦争か革命か」の時代における日帝ブルジョアジーの生き残りをかけた階級戦争宣言だ。また6月24日に閣議決定された新成長戦略と骨太方針は、「稼ぐ力を生み出す担い手づくりとしての女性・障害者」を掲げ、労働力商品としての障害者の「活用」を公然と打ち出した。JR外注化阻止の9・11郡山闘争に続く動労千葉の10・1ストライキは、戦争と民営化の安倍に対する総反撃の号砲だ。今こそマルクス主義を土台にした障害者解放闘争論で武装し、新自由主義粉砕・安倍打倒の11・2労働者集会1万人結集を闘いとろう。

障害者・健常者は階級として団結する仲間

 障害者も健常者と同じく、資本主義社会のもとでは一切の生産手段・生活手段を奪われ、資本の賃金奴隷となる以外に生きることができない労働者階級である。しかも破綻的な新自由主義政策が多くの障害者を労働現場へと動員し、資本主義の墓掘り人として登場させている。新自由主義の分断支配の崩壊は、逆に同じ職場で働く障害者と健常者の団結をも広範に生み出している。
 〈健常者に比べて障害者は生産性が低いので低賃金でも構わない〉とする資本の分断支配と障害者動員は、外注化・非正規職化攻撃のもとで多くの労働者が低賃金・長時間労働にたたきこまれていることと表裏一体である。障害者も健常者も「生きさせろ」という意味では労働者階級としてまったく同じだ。資本の自己運動とは剰余価値の無制限の渇望(かつぼう)であり、障害者の労働もなんら例外ではない。だからこそ、障害者と健常者が分断をのりこえて団結する契機は労働現場にある。
 2013年度に全国のハローワークを通じて就職した障害者は、7万7883人(前年度比14%増)で、4年連続で過去最高を更新。障害者の雇用は、ほとんどが3〜6カ月の有期契約で、非正規雇用が圧倒的に多い。
 合同労組に結集している障害者のAさんの例がある。Aさんは工場のベルトコンベヤーで健常者と一緒に働いていた。速度が速くて仕分け作業についていけないのでブツが滞留していた。健常者のBさんは同じベルトコンベヤーでブツがたまるのを嫌がり、ときどき速度を下げてたまったブツを処理していた。ある時、Bさんの体調が悪く、いつもの速度では仕事がきついので、Aさんのペースに速度を合せて仕事をしていた。それでも仕事はまわった。障害者のAさんの速度に合わせた方が安全かつ確実に仕事ができることにBさんは気付いたのである。
 1秒でも速度を速くしたい、これは資本の論理であって労働者の都合ではない。資本の搾取と長時間労働の中で健常者もいつも万全な体調であるわけがない。ベルトコンベヤーの速度問題は、ひとつの要求として障害者と健常者は団結できる、障害者を軸に闘いをつくれることを示している。まさしく労働組合のテーマであり、反合・運転保安闘争なのである。
 労働現場において、障害者と健常者は資本に対して非和解的な存在として同じ要求を持ち、一緒に労働を担う「仲間」である。「就労支援」の名のもとに障害者を低賃金と非正規職化にたたき込む障害者総合支援法を絶対反対の闘いで粉砕できる根拠も、この労働者階級としての団結の形成にかかっている。
 重度の障害者も当然、同じ労働者階級として存在している。新自由主義のもとで、重度の障害者は資本によるあくどい収奪の対象とされる。介護・医療ビジネスのもうけの対象とみなされ、また資本はそれを通じて介護労働者、医療労働者への搾取を強める。重度の障害者と介護・医療・福祉労働者は、生きるために労働力を切り売りする以外にない労働者階級なのだ。障害者自身の介護保障(社会保障)の水準がそのままで、介護労働者の労働条件だけが悪化するというのではない。逆も然りである。介護保障も労働条件も、階級的労働運動の課題としては一体なのである。

共産主義社会建設こそ障害者解放の道だ

 障害者が労働者階級であるということは、階級的労働運動と労働組合の実践の中でこそつかむことができる。
 「労働者階級の解放とは、この資本主義的生産関係(社会関係)の転覆である。すなわち、労働者の剰余労働を資本が搾取する関係の廃止、その基礎となっている労働力の商品化の廃止、言い換えるなら賃金制度の廃止にある。そして賃金労働者にたいする搾取の廃止は、ある階級が他の階級を搾取して成り立つ社会=階級社会そのものの最終的な廃止への道を開く。そのことによって、階級社会のもとで生みだされたあらゆる差別や抑圧、分断と対立をも根絶・一掃し、全人間の解放を実現していく道が開かれる」(『現代革命への挑戦』上巻263〜264㌻)。生産関係の根底的転覆と賃金制度の廃絶に向けて、階級的労働運動が結集軸となり、労働者階級人民の団結した力を拡大・発展させていくことができる。真の人間的共同社会(共産主義社会)の樹立にこそ、障害者解放の道がある。
 これまで社会民主主義とスターリン主義の影響下にあった既成の障害者団体は、生産のあり方ではなく分配のあり方のみを問題にしてきた。「障害者にも公正な分配を」として国家・資本に生存権を要求してきたのだ。
 だが資本主義による融和政策は、今日の新自由主義の崩壊の中で、今やその破綻も明らかとなっている。大恐慌下において資本主義には余裕などまったくない。日帝ブルジョアジーは、障害者も労働力として「賃労働と資本」の世界にたたき込み、低賃金・非正規の労働力商品とすることで、自らの延命の手段にしようとしているのだ。
 今や問題にすべきなのは、搾取の廃絶なき「公正な分配」などではなく、新自由主義の攻撃と労働現場で対決することを通じて階級としての団結を取り戻し、社会的生産手段のすべてを奪い返すことなのである。このプロレタリア独裁の立場を明らかにして、初めて障害者も労働者階級であると言い切れる。逆に社民のように「分配」の問題にすり替えたり、スターリン主義のように「生産力」の問題に切り縮めれば、血債主義・救済主義・糾弾主義へと転落していくのだ。

地区党建設の先頭に立ち革命勝利へ闘う

 共同性の破壊(分断)が資本による過重労働、精神疾患、労災等の〈中途障害〉を生み出している現実に対して、階級的労働運動がこの課題を真正面に据えることで〈生まれながらの障害者〉と団結することができる。障害者間の分断もともに資本・国家と闘争することを通じて克服できる。反合・運転保安闘争を通じて労働組合の闘いを豊富化すること、すなわち階級的団結こそが障害者の最大の武器になるのである。
 障害者は労働者階級として、日常不断の資本との攻防を通じて、プロレタリア革命の勝利を実現する主体的条件を身につけていく。そして、障害者自身の課題を単に障害者だけの問題ではなく、労働者階級全体の課題としてとらえ返し、〈自分自身の解放を通して階級社会そのものを廃絶していく労働者階級の歴史的使命〉を自覚し、階級の指導部として闘いぬくということだ。
 この階級形成の核心は党と労働組合の一体的建設にある。障害者は階級的労働運動とその団結形態である合同労組やソビエトを通じて、障害者解放闘争をけん引していくことができる。自らを閉じ込める狭い「戦線主義」から脱却し、地区党建設の先頭で闘おう。
 「個別の課題は個別の課題として取り組むしか解決できない」「個別の課題はほかの誰にも理解できない」とするあり方は何ら階級的態度ではない。全戦線の課題を地区党の正面課題にすえて、党と労働組合の一体的建設に勝利し、障害者解放闘争を前進させよう。11・2労働者集会に障害者の大隊列を実現しよう!
 すべての障害者は革共同に結集しよう!

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