市東さんの農地守る 10・12集会の発言から

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週刊『前進』06頁(2653号05面03)(2014/10/20)


市東さんの農地守る
 10・12集会の発言から

控訴審で弁護団が奮闘 農民の未来かけた決戦
反対同盟事務局長 北原鉱治さん


 三里塚の闘いは50年にもなろうとしている。
 多くの逮捕者を出し、犠牲も払ってきたが、みなさんがそこにかけてくれた闘志、情熱は何ものにも代えがたい偉大なものである。
 10月8日の裁判で、弁護団はすばらしい陳述で本当によく闘い、向こうの代理人たちを一言も発することができないところに追い詰めた。三里塚は勝てる、という確信が一層深まった。
 だが、裁判だけで勝利することができないことも歴史が示している通りである。
 市東孝雄さんは単に自分の農地を守っているというだけでなく、日本農民の未来を一身に担っている。全人民の力を結集して、一審判決を覆すまで闘おう。
 今の政治をご覧なさい。だれがこのような政治にまかせておけるだろうか。このような人民を無視し犠牲にする政治を一掃し、人民自身が政治を行うようにしなければならない。そのことを三里塚は訴え続けてきた。われわれは若い学生、労働者、幼子たちのために、真剣に闘う責任がある。
 人から時々、「闘いを山登りに例えると、今何合目ですか」と問われることがあるが、「ようやく5合目に近づいたか」という感じだ。闘いはまだまだ半ばにさしかかったに過ぎない。勝負はこれからだ。
 今日一日の集会とデモを意気高く闘いぬこう。

安倍の戦争宣言許さず軍事空港を実力で阻む
東峰 萩原富夫さん

 初めてうちのおやじ(萩原進事務局次長)の遺影を集会で飾らせてもらいました。亡くなってから10カ月、おやじの闘いを引き継ぐものとしてわれわれ反対同盟事務局は、力を合わせて必死で闘ってきました。
 敵、NAA(成田空港会社)・国交省の攻撃はますます激しさを増しています。これに対して、あらためて闘いの原点に立ち返り、さらに新たな闘いを開始します。
 去る10月8日の東京高裁では200人が結集し、高裁を包囲する圧倒的なデモを行い、法廷での傍聴闘争を闘いました。市東さんの意見陳述、弁護団の緻密(ちみつ)な意見陳述をたたきつけ、千葉県とNAAの代理人たちを圧倒して一言も発せられないところに追い込みました。彼らには一片の正義性もありません。みなさんとともにこの裁判闘争に絶対に勝利したいと思います。
 国交省は、成田空港の「強化拡大策」を発表しました。今の2本の滑走路をフル回転させ、違法で危険な2本同時発着を強行し、24時間空港をめざすとしています。騒音下の住民は生活できなくなります。さらに第3滑走路建設計画を打ち出しています。
 これに対してわれわれは駅頭での情宣や、空港周辺地域への一斉行動でのべ5千軒にも及ぶ訪問を積み重ねた力によって、推進派の運動を徹底的にたたきつぶす! そういう闘いを今後ももっともっと激しく展開していきたいと思います。
 安倍政権は集団的自衛権行使の容認を閣議決定しました。絶対に許せない「戦争突入宣言」というべきものです。この情勢のもとで、成田軍事空港完成を阻む闘いが決定的です。権力に対して実力闘争で絶対反対を貫いてきた三里塚は、「反戦・反権力の砦(とりで)」として、これからも闘いぬきます。
 来春には3月4日の農地裁判控訴審第4回弁論に続き、3・29全国総決起集会を予定しております。これからも全国のみなさんのお力を借りて、ますます力強い三里塚闘争をつくっていきたいと思います。

農地裁判勝利の手応えこの地で農業を続ける
天神峰 市東孝雄さん

 この間の署名運動への取り組み、援農など、みなさん忙しい時に駆けつけていただき、本当にありがとうございました。
 東京高裁での裁判は、今のところ勝利的に進んでます。高裁というのは1回きり法廷を開いて結審というのが今までの通例でした。これが1年も続いたということは、勝利的に闘っているなということです。
 私はおやじの後を継いだわけですが、「闘魂ますます盛んなり」という言葉を集会の壇上から言って15年たちました(※)。しかしここまで闘ってこれたのは、みなさまのお力があってこそであり、一人では絶対できなかったことです。私はこれからも、この天神峰の地に住み、農業を続けていきます。そのことが自然であるというスタンスで、これからも生きていきます。
 そして「車の両輪」として長く反対同盟とともに闘っている動労千葉を始め労働者のみなさんとともに、そして国策と闘う福島・沖縄・三里塚を一つの闘いとして、意気揚々と闘いたいと思います。これからも、ご支援をよろしくお願いします。
 (※1999年3・28三里塚全国集会で孝雄さんは初登壇し、父・東市さんが好きだったこの言葉を引用して、闘いを継ぐ決意を述べた)

11・2大結集で安倍の戦争・民営化と闘おう
動労千葉委員長 田中康宏さん

 安倍政権は7月1日のクーデターに等しい閣議決定をもって、戦争に踏み出そうとしています。そして、日米安保ガイドラインの改定、教育と教育労働者に対する攻撃、朝日新聞などを焦点にした戦争に反対する言論への攻撃が続いています。
 さらに労働者に対する攻撃です。国家戦略特区に関する諮問会議の規制緩和策が出されました。安倍はこれを、「岩盤規制を打ち砕くドリルのようなもの」と言いました。全面的な総非正規職化、解雇自由で資本主義が生き延びようということです。これらはすべて社会が崩壊する兆しです。
 今、団結すれば必ず勝てるという展望を、力を持った者として示すことが必要です。そのことを三里塚反対同盟は50年近くも示してきました。
 そしてわれわれが、ここから新しい一歩を踏み出す時です。
 動労千葉はこの10月1日、業務の全面的な外注化攻撃に抗してストに立ち上がりました。動労水戸の仲間たちは、この間常磐線を原発間近まで延伸運転しようとする攻撃に対し、何度もストに立ち上がりました。本部の屈服をうち破って、国労郡山工場支部の仲間は、外注化反対闘争を職場から展開しています。
 私たちは11月2日、関西生コン支部、全金港合同の仲間と、「戦争と民営化を打ち砕く11・2全国労働者総決起集会」を開催します。韓国民主労総や、米ロサンゼルスの統一教組の仲間も結集します。「戦争を打ち砕く国際的な団結をつくる」という決意をこめた集会です。
 ぜひみなさんの結集をお願いします。

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三里塚裁判傍聴を!
鈴木さん一坪共有地裁判
 10月23日(木)午前10時30分 千葉地裁
 (傍聴券抽選のため1時間前に集合)

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