知る・考える 用語解説 プロレタリア国際主義/不当労働行為

週刊『前進』06頁(2655号05面07)(2014/11/03)


知る・考える 用語解説
 プロレタリア国際主義/不当労働行為


プロレタリア国際主義―世界の労働者に国境はない

 各国の資本家階級は昔も今も、「国益」とか「自衛のため」と言って労働者人民をあざむき、実際には自分たちの利益のために、労働者を戦争に駆りたててきた。だが労働者階級にとって他国の労働者は敵ではなく、同じ仲間であり、きょうだいだ。世界の労働者は、国籍や民族や地域、宗教、文化などの面でさまざまな違いがあっても、本質的にはまったく同じ一つの階級だ。労働者階級(プロレタリアート)にとって国境など最初から存在しない。
 労働者階級が民族・国籍・国境を越えて国際的に一つに団結して立ち上がるなら、今すぐにでも戦争を止めることはできる。それだけでなく全世界を根底から変革できる。プロレタリア革命とは世界革命だ。だからこそマルクスは「労働者に祖国はない」と言い切り、「万国の労働者、団結せよ!」と熱烈に訴えたのである。この思想がプロレタリア国際主義である。
 支配階級は愛国主義・排外主義をあおって世界の労働者を分断してきた。既成の労働運動指導部はこれに屈服し、プロレタリア国際主義の思想を自ら投げ捨ててきた。だが新自由主義とその破産は今や、この分断を根底から打ち破る歴史的条件をつくり出している。11月労働者集会の国際連帯はその突破口である。

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不当労働行為―労働組合の破壊を狙う攻撃

 資本・当局による労働組合破壊行為のこと。労働者はそれと真正面から闘うことで、労働組合の闘う団結をよみがえらせることができる。
 資本は、黙っていれば労働者への搾取を極限まで強める。好き勝手に解雇し、賃金を切り下げ、過労死や労働災害によって殺すことさえ平然とやる。労働者はこれと闘うために労働組合のもとに団結し、19世紀以来の長い血と汗の歴史をとおして、労働者の団結権と団体交渉権、争議権(ストライキ権)をもぎとってきた。日本の憲法第28条はこれらの権利を認め、労働組合法では、労働組合への加入を理由として労働者に不利な扱いをしたり、資本が労組との団交を拒否したり組合活動に介入することを禁じている。また、不当労働行為による不利益の救済のために労働委員会が設置されている。
 1980年代の国鉄分割・民営化は、資本による労働組合つぶしの全社会的な横行に道を開いた。国鉄分割・民営化自身が、国鉄労働運動の解体を最大の狙いとしてしかけられた攻撃だった。だが動労千葉の鉄建公団訴訟はこの国家的不当労働行為粉砕の闘いとして、最高裁決戦に上り詰めている。さらに東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会は、不当労働行為を許さず、解雇撤回・原職復帰の歴史的勝利をかちとった。

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