「国際テロリスト財産凍結法」阻止を 革命党と労働組合の弾圧狙う

週刊『前進』06頁(2655号06面01)(2014/11/03)


「国際テロリスト財産凍結法」阻止を
 革命党と労働組合の弾圧狙う


 今年初め、私は白血病と 安倍政権は臨時国会に、「国際テロリストの財産の凍結等に関する特別措置法案」(財産凍結法案)を提出した。これは、「国内のテロリスト指定と財産凍結」によって、階級闘争圧殺と国際連帯破壊を狙う超重大な弾圧立法だ。
 「国際テロ」などと銘打っているが、すでに「国連安保理指定の国際テロリスト」との取引は外為法などで規制されている。また、共謀罪新設とあわせて東京五輪に向けた「国内の過激な活動家」取り締まりのためと報道されてきたことからもわかるように、真の標的は革命党と階級的労働組合だ。これは新自由主義下の「新たな破壊活動防止法(破防法)」攻撃である。7・1閣議決定のもとでの一大改憲攻撃を全力で粉砕しよう。

テロリスト指定制度を初導入

 重大なのは一つに、日本で初めてテロリスト指定制度を導入することである。
 国連安保理と主要各国の指定リストを対象に加えたうえで、国連安保理決議という建前のもと、実際には国家公安委員会が国内の個人・団体を独断で指定することができる。当該に告げずに簡易・迅速に「仮指定」もでき、審査も国会承認も報告義務もなく、事務所・家屋への立入検査もできるというのだ。
 二つに、「テロ」の定義と適用対象が大幅に拡大され、実行行為不要の予防弾圧が可能となっている。
 「公衆等脅迫目的の犯罪行為」というあいまいで恣意(しい)的な概念を「テロ」と強弁、それを「行おうとし」または「助け」あるいは「将来のおそれ」、さらにその者と関係あると認められるだけで対象となる。要するに都合次第で誰でもテロリスト指定できるというわけだ。戦闘的労働組合の団体交渉なども、「身体や建造物に重大な危害を及ぼす目的」「将来のおそれ」と決めつければ対象とされかねない。

財産凍結と一切の社会活動禁止

 三つに、テロリストに指定された個人・団体は、経済・財政にかかるおよそ一切の社会活動が停止に追い込まれる。指定リストをもとに、あらゆる機関・団体・個人による支援・サービスが禁止されることで、破防法よりも圧倒的に簡単に反政府的な運動を活動不能にすることを狙うものだ。
 まず預貯金、金銭・土地・建物などの貸付・贈与などが許可制となる。事実上の取引・契約禁止と銀行口座凍結だ。口座開設や送金・振り込みはもとより自分や家族の生活のための預金引き出しすらまともにできない。ローンも組めずアパートも借りられない。周辺の人が協力した場合も警告と処罰を規定している。
 そしてこれは同じく臨時国会で狙われているカンパ禁止法改悪案などと連動する。この法案は、「テロリスト」「協力者」「二次協力者」への資金提供のみならず、あらゆる物的支援・サービスを重罰対象にしている。そうなると、指定リストをもとに、家族や友人などを含むさまざまな契約やサービスなどが禁止されることになる。
 今後、マイナンバー制度の運用開始などとあわせて、「テロリスト」「反社会的勢力」を特定し、会場使用、アパートや携帯電話の契約、保険加入、レンタカー・宅配便も利用できなくすることが想定される。およそ人として生きるための一切の社会活動をできなくさせ、運動と組織を解体していくものだ。このような形で、憲法で保障された集会やデモ・街頭宣伝、オルグすらも困難にさせ、階級闘争を破壊しようとしている。
 安倍政権は、集団的自衛権行使の「7・1閣議決定」のもと、日帝の世界的戦争展開を狙う日米安保ガイドライン改悪、非正規職化を進める労働者派遣法改悪といった労働者階級の団結破壊攻撃の決定的環として治安弾圧体制の強化を狙っている。粉砕あるのみだ。

階級的労働運動で粉砕できる!

 安倍の攻撃は、大恐慌と戦争下の国際階級闘争の爆発に追いつめられた最末期帝国主義=新自由主義の絶望的なあがきである。階級的労組拠点と非合法・非公然党の一体的建設を基礎とした労働者階級の闘いで必ず粉砕できる。
 秘密保護法と集団的自衛権行使容認に対して巨大な大衆的反撃がたたきつけられる中で4度目の共謀罪法案の今国会提出は頓挫(とんざ)した。体制内指導部の裏切りに助けられた新捜査手法導入への反撃もますます拡大している。何よりも、国鉄決戦を軸とした階級的労働運動の前進の中で、改憲阻止の階級的大運動が強力に開始された。11・2労働者集会の地平から、階級的労働運動の全国的拠点建設を推し進め、その力を基礎にして広範な大衆的反撃をかちとり、治安弾圧を粉砕しよう。
(吉澤夏樹)
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国会前行動
 11月6日(木)
 午前8時30分〜午後1時衆院第二議員会館前
 正午から昼集会
 主催 破防法・組対法に反対する共同行動

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▼破壊活動防止法 資本家の利益を貫く国家体制を維持するための革命党と革命運動に対する弾圧法。1952年制定。集会や出版など組織活動を禁止し、解散もできるとする。69年、71年安保・沖縄闘争で革共同に適用された。

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