いわき合同ユニオン 解雇撤回へ抗議行動 技術指導もせず解雇通告

週刊『前進』06頁(2656号04面03)(2014/11/10)


いわき合同ユニオン
 解雇撤回へ抗議行動
 技術指導もせず解雇通告

(写真 工場門前で「解雇を撤回しろ!」とシュプレヒコール【10月31日 いわき市】)

 10月31日、私たち、いわき合同ユニオンは、福島県いわき市常磐湯本に工場のある有機合成薬品工業株式会社に対し、青年労働者A君の解雇撤回を求める抗議行動に立ちました。
 今年大学を卒業し4月から常磐工場で働き始めたA君は、職場になじみ早く仕事を覚えようと一生懸命仕事に励んできました。ところが上司は、十分な技術指導を行わないで「仕事の覚えが悪い」「能力が低い」と決めつけ、3カ月の試用期間を一方的に延長してきました。A君は技術を身に着けようと必死で努力し、毎日早く出勤して自学自習を続け、徐々に仕事のコツをつかんできました。そんな彼の努力を無にするかのように、会社の上司は試用期間を延長する一方で技術指導の責任を放棄し続け、さらには「ここは学校じゃない。教えてほしければ授業料を払え」などと許しがたい圧力を加え、揚げ句の果てには解雇を通告してきたのです。
 A君はただちにいわき合同ユニオンに加入して団体交渉を行いました。会社は団交の席上でも「(A君は)中学生以下で改善の見込みもない」などと言い放ちました。新人を一人前に育てるための技術指導体制、教育を行うための適切な人員配置や業務量、職場環境の改善などについては、会社側の責任は当然です。ところが会社は一方的に「能力不足」を問題にして、解雇は撤回しないと繰り返しました。
 A君はユニオンの仲間とともに怒りに燃えて解雇撤回の闘いに立ち上がりました。団交翌日の朝には初めての職場ビラ配布に立ち上がり、雇用期限当日の31日夕方、駆けつけた仲間が工場門前でビラを配り、近隣の地域に宣伝カーを走らせて訴えると、工場で働く労働者や地域住民から大きな注目が集まりました。
 いわき合同ユニオン組合員や動労水戸、茨城県地域連帯労組、福島市や郡山市から駆けつけた労働者の仲間、東京から結集した仲間が、労働者として始まったばかりの人生を解雇によって破壊しようとする有機合成薬品工業に対し、激しい怒りをたたきつけました。
 終業後、職場から出てきたA君は元気そのもの。職場で彼を痛めつけて自主退職に追い込もうとした会社のもくろみは、労働者としての誇りを失うことなく胸を張って登場したA君の闘志によって完膚なきまでに打ち砕かれました。マイクを握ったA君は「有機合成は解雇によって職だけでなく保険証も住宅も奪おうとしている。奨学金の返済、どうしろというのか。明日からどうやって生きていけというのか! 解雇撤回をかちとり、管理者・社長に至るまで全員に謝罪させる! 皆さんとともに闘い抜きます!」と怒りに燃えつつも明るく意気軒高として訴えました。
 闘いは始まったばかりです。私たちいわき合同ユニオンは、A君の闘いを通して、解雇や非正規職化に怒る膨大な労働者とつながり、鈴コン闘争の勝利に学び、必ずや解雇撤回をかちとる決意です。
(いわき合同ユニオン・N)
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