動労千葉に学び団結を武器に解雇撤回・原職復帰かちとった 鈴コン闘争勝利の総括と教訓

週刊『前進』06頁(2656号05面01)(2014/11/10)


動労千葉に学び団結を武器に解雇撤回・原職復帰かちとった
 鈴コン闘争勝利の総括と教訓

(写真 11・2日比谷集会で吉本書記長が勝利を報告。こぶしをあげる鈴コン分会と支援共闘の花輪さん【右から2人目】)


 東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の4・16東京地裁勝利判決から半年後、9月30日に東京高裁で、内尾稔分会長、吉本伸幸書記長、鈴木善弘会計の3人の原職復帰(実質的無期雇用、不当労働行為をしない確約)を確定させる大勝利をかちとった。この勝利を、11・2全国労働者集会の歴史的勝利と一体で闘う武器にするために、鈴コン闘争勝利の意義を提起する。

〝俺たちは奴隷じゃない〟労働者自己解放闘争貫く

 鈴コン闘争は国鉄決戦と一体化し、その地平を全産別へと拡大した。
 第一に、労働組合の団結と職場生産点での闘いに無限の力があり、突き抜けた明るさで労働者をひきつけ確信と希望を示したことである。未組織・非正規職労働者はおしなべて無権利であり、声を上げること自体がギリギリの闘いだ。逆に怒りは激しく深い。それは既成の労働組合や政党への不信と怒りでもある。
 その中で鈴コン闘争は愚直に「俺たちは奴隷じゃない、人間だ。社長のやり方に屈服してクビを恐れて奴隷のまま生きるより、闘って活路を開こう」という労働者自己解放闘争を貫いてきた。
 分断への怒りは同時に団結を求める根源的な欲求だ。闘って展望を示すことだ。とりわけ最初に解雇された田口守組合員の解雇から2年後の急逝(きゅうせい)に、絶対に許さないと決起した1日ストライキは、鈴コン分会の生きざまそのものだ。これに恐怖して資本は解雇までしてきた。
 09年の分会結成直後から続けている職場での順法(反合理化)闘争は、あくまで職場が団結の土台であり最大の戦場であることを示した。労働者が職場の中心でありすべてを担えることを闘いでつかむことを資本は一番いやがる。外注化・非正規化され、正規・非正規に分断されている労働者の団結を奪い返し、労働者としての誇りを取り戻す闘いの土台も職場闘争と労組の団結にある。

組合つぶしと正面対決し非正規職撤廃の展望開く

 第二に、動労千葉に徹底的に学び、その背中を見て、労働者が職場で団結を唯一の武器に資本・権力に真っ向対決して勝つ道を示したことだ。
 鈴木コンクリート工業は小資本だが、1982年6月、国鉄分割・民営化攻撃の開始と一体で、国家権力が首都圏の建設交運産別職場への刑事弾圧をかけた、その最初の資本だ。当時の運輸一般の日本共産党指導部は震え上がり、裏切りと後退に走る契機となった。
 関西では今日の関西地区生コン支部が日共指導と対決して闘う労組として分岐しそびえ立ってきた。その後、鈴木資本は労組をつぶしてダミー会社の東豊商事をつくり、90年代に入ると生コン運転手を3カ月雇用の非正規にし、低賃金と無権利を強いて支配してきた。「団結させない。闘わせない」ための徹底的な分断だ。鈴コン闘争はこれを打ち破るだけでなく、組合つぶしの解雇を撤回させ、非正規職撤廃の展望を切り開きつつある。
 決定的だったのは、分会結成数カ月で激しい労組破壊攻撃をうけたが、再度団結し分会の旗を守り抜いたことだ。これが国鉄闘争と固く結びついた。目の前で労働者の中から裏切りを見るのは、直接の攻撃より何倍も痛苦だが、そこで屈したら資本の思うつぼだ。敵はそのために国家権力まで使った。そうまでして労働者を分断しなければ生きられない資本・権力の悪らつさとともに、本質的な弱さを見て取った。
 国鉄闘争は、日本帝国主義が全資本とマスコミをも総動員して国鉄を分割・民営化して労働運動総体を敗北主義のもとに沈める攻撃との対決だった。動労千葉を先頭とする1047名解雇撤回闘争と外注化粉砕闘争は今日、国鉄分割・民営化の大破産・大失敗を天下に暴いている。団結を奪われず職場で闘えば、労働者は必ず立ち上がり、資本を追いつめ勝てる希望と確信を培(つちか)ってきた。鈴コン闘争は、国鉄闘争と一つになることで、日本労働者階級が必死に守り抜いてきた階級的団結と誰もが結びつけることを確信させた。

時代認識・路線、党と労働組合の一体的建設の勝利

 第三に、時代認識と路線の勝利、党と労働組合の一体的建設の展望だ。多くの争議闘争と同じく職場生産点からの排除は究極の分断だが、階級として生き、団結の中に身を預けて闘えば、個別資本どころか資本主義・新自由主義の危機と貧弱さが見えてくる。職場にこだわり毎週社前闘争を闘いつつ連帯・共闘を拡大してきた闘いは、生コンはじめ建設交運労働者の団結、地域の団結、それを貫く国鉄闘争の勝利と完全に一つだった。
 また「3・11」の年に解雇され「7・1」の年に原職復帰した。労働者階級の怒りの決起と団結拡大への恐怖が攻撃を激化させるが、これに負けなければ重大な勝利を得られることを学んだ。
 こうして鈴コン闘争は、福島をはじめ全国の仲間、韓国民主労総とも結び、安倍政権の戦争と原発、団結解体の攻撃と対決する労働者人民の必死の苦闘と当然にも結びついた。その闘いは、帝国主義労働運動に転落しした体制内幹部をも震え上がらせている。闘う労働者の党と闘う労働組合を求める無数の労働者が現にいるからだ。
 「動労総連合を全国につくる」国鉄決戦に「非正規職撤廃」「不当労働行為を絶対許さない」闘いの質と量、団結を拡大するカギがある。鈴コン闘争支援・連帯共闘会議は国鉄闘争全国運動をも豊かにしながら創造的に前進してきた。東京西部ユニオン、合同・一般労組全国協、全国労組交流センター、そして地区党と細胞が分会と心を一つにして闘い抜いたことも誇りだ。党と労働組合は互いを強力に求め合い、階級の指導部を求める。
 鈴コン支援・連帯共闘は11月15日、勝利集会を開催し、3人の被解雇者は17日から就労する。資本は大打撃を受けつつも本質的には何の反省もない。闘いは新たなステージに入る。全国に無数の職場拠点をつくろう。

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 鈴コン分会 闘いの経過
2009年7月 組合結成
 11月 田口組合員が解雇。組合破壊攻撃と再団結
 12月 労働委員会闘争開始
2010年8月 合同・一般労組全国協議会結成。吉本書記長がその代表に
2011年8月 田口組合員が急逝
 9月 精勤・皆勤手当廃止通告
    分会全員が1日スト
 10月 分会三役に出勤停止の不当処分。社前・駅前で1週間の抗議行動
 11月 分会三役に解雇予告
    東京地裁に地位保全の仮処分を提訴
 12月 分会三役が不当解雇
2012年2月 東京地裁が賃金仮払いの仮処分決定
 7月 支援・連帯共闘会議結成
2014年4月16日 東京地裁で「解雇無効」の勝利判決
 9月30日 東京高裁で勝利和解

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鈴コン勝利・団結集会
 11月15日(土)午後6時30分開場
 豊島区民センター4階集会室
 (JR池袋駅東口徒歩5分)
 主催 鈴コン分会闘争支援・連帯共闘会議

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