〝民間労組は官公労と決別、連合分裂させよ〟 櫻井よしこが追いつめられて

週刊『前進』08頁(2659号04面05)(2014/12/01)


〝民間労組は官公労と決別、連合分裂させよ〟
 櫻井よしこが追いつめられて


 11・2労働者集会に大打撃を受けた安倍政権を完全に代弁し、11月3日付産経新聞で極右反動分子の櫻井よしこが「民間労組、官公労決別を」と題する文章を開陳している。そこで櫻井は、改憲支持を明確にした民間労組のUAゼンセンを持ち上げる一方で、自治労、日教組をののしり、「連合を分裂させよ」とわめいている。
 このことが示しているのは、日帝・安倍との最大の攻防は、労働組合絶滅攻撃との闘いであるということだ。
☆〝労働組合は戦争翼賛勢力になれ〟と叫ぶ
 櫻井は、前身であるUIゼンセン同盟が06年の組合大会で改憲支持を明確にしたことを絶賛しつつ、「連合自体はUAゼンセンの主張は置き去りにされたまま」と、連合が改憲支持を明確にできないことに焦りを募らせている。
 原発についても「電機連合側が......控えめながら前向きの姿勢を示したのに対し、古賀伸明連合会長は......『最終的に原子力エネルギーに依存しない社会を目指す』と語った」と、電機連合の主張が連合の主張になっていないことを嘆く。
 その理由として、「連合は基本的に官公労に引っ張られている」「地方組織はほとんど地元の自治労と日教組のものとなり果てた」「地方各地で、反基地、憲法改正反対運動が展開され、地元の自治労や日教組が前面に立って旗を振る」などと述べ、自治労、日教組への憎しみを込める。
 結論として櫻井は、「憲法、国防、教育など大事な問題ほど価値観が異なる相手とは折り合えない」「民間労組は連合から分かれ、再び健全な労組に立ち戻ることで、日本を自らが信ずる方向に変えていくことができる」「官公労と決別し、連合を分裂させよ」とうそぶいている。
 櫻井は、まさに危機に立つ安倍政権の意を体して、「国の危機を救うために労働組合は戦争翼賛勢力になれ」「連合を解体して分裂させろ」と叫んでいるのだ。
☆日教組、自治労を解体できていないことに焦り
 櫻井の言辞が示すものは、指導部は屈服を深めているとはいえ、自治労や日教組を解体できていないことへの安倍政権とブルジョアジーのいら立ちにほかならない。そのことによって日帝の戦争・改憲攻撃は支配階級が思いえがくようには進んでいないことに危機感を表明している。
 何よりも国鉄決戦が、労働組合の戦争翼賛勢力化と徹底的に対決している。支配階級は、国鉄分割・民営化を通して闘う労働組合を一掃することで、戦争・改憲への道を掃き清めることを狙った。ところが、動労千葉が全組合員の首をかけた2波のストライキに決起し、連合と対決する労働運動の基軸として国鉄闘争が連綿と闘われた。この国鉄闘争が国家権力によるあらゆる終息策動を打ち破り、今日、「生きさせろ」の声を上げて立ち上がる青年労働者、非正規・下請け労働者との団結をつくり出し、階級的労働運動復権の展望を力強く切り開いている。
 また、国鉄闘争の100万支援陣形と言われる自治労、日教組などの現場組合員の戦闘性は、指導部の屈服にもかかわらず日帝の戦争・改憲攻撃を根底ではね返す力となってきた。安倍は、こうした労働者階級の怒りと決起でグラグラになっているのだ。
 安倍や櫻井のような極右超反動は、労働者が闘わずに屈服する限りで居丈高(いたけだか)にふるまっているが、闘う労働組合の団結と決起の前にはきわめて脆弱なのだ。追いつめられた安倍政権の労働組合破壊攻撃を粉砕しよう。
☆国鉄決戦・公務員決戦でプロレタリア革命を
 今、日帝・安倍政権は、連合指導部や日共スターリン主義の屈服と戦争翼賛勢力化によってのみ支えられている。連合会長の古賀伸明が消費税率引き上げに賛成したことは、戦争翼賛勢力化の極致だ。
 連合の戦争翼賛勢力化を打ち破る国鉄決戦・公務員決戦がいよいよ決定的だ。その巨大な突破口は衆院選決戦への総決起によって切り開かれる。階級的労働運動の力で安倍を打倒しよう。

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