衆院選圧勝を新たな出発点に国鉄決戦で革命の突撃路開け 連合打倒し、無数の労組拠点建設へ

週刊『前進』06頁(2661号02面03)(2014/12/15)


衆院選圧勝を新たな出発点に国鉄決戦で革命の突撃路開け
 連合打倒し、無数の労組拠点建設へ


 衆院選決戦は、2010年代中期階級決戦への本格的突入の幕を切って落とした。東京8区・鈴木たつお候補を先頭とする労働者階級人民の「安倍政治を断ち切れ!」という怒りの決起は、安倍と日帝を追いつめ、巨大な革命情勢の接近への恐怖に震え上がらせた。この地平をさらに発展させ、国鉄、反原発、戦争・改憲阻止の2015年決戦に進撃しよう。「動労総連合を全国に」の闘いを軸に、階級的労働運動の拠点建設と党建設へ猛然と闘おう。

新自由主義の終わりの時代がついに来た

 衆院選が労働者階級に示したものは、全既成政党・全政治潮流の総崩壊であり、安倍・自民党政権と日帝・新自由主義の終わりの始まりだ。
 大恐慌は「恐慌の中の恐慌」へと突入している。帝国主義世界経済が総崩壊を開始し、全世界で階級闘争が激しく巻き起こっている。革命を圧殺するために、支配階級はなりふりかまわぬデタラメな政治と治安弾圧を加えるが、プロレタリアートはそれに立ち向かう中で、逆に革命の思想と路線を鍛え、団結を強化している。
 帝国主義の最弱の環である日帝・安倍と労働者人民との激突は、国際階級闘争の最先端で革命への新たなプロセスを切り開く闘いとなった。衆院選での鈴木候補の「安倍政治を断ち切れ! 労働者が主人公の社会を」「新しい労働者の政党をつくろう」という呼びかけは、全世界の労働者階級人民が生き抜き闘うための指針となった。始まった巨大な歴史選択・党派選択の時代において、決定的な希望がそこに示された。
 12月10日、安倍政権は特定秘密保護法の施行を強行した。戦争のための情報統制・労働運動解体攻撃だ。衆院選ただ中のこの日、国会前を始め全国が怒りに包まれた。終日の国会前での闘い、全国での集会・デモ、抗議声明が次々と安倍にたたきつけられた。
 沖縄では、仲井真が安倍の指示で辺野古新基地建設の工法変更手続きを県知事退任間際に承認した。退任の12月9日、仲井真は離任式もままならず、労働者が占拠し怒りで包囲した沖縄県庁から、怒号の中をたたき出された。この仲井真の姿こそ明日の安倍の姿だ。
 今や「自民党300議席超」という報道への怒りとともに、「労働者階級こそ社会の主人公だ」という自覚と決起が生み出され、ブルジョア議会制度が打ち破られている。この怒りと行動の先端で闘い抜かれたのが、衆院選・東京8区での自民党・安倍との真っ向からの激突だ。2015年決戦は、ここで開始したプロレタリア革命への本格的挑戦をさらに大胆に推し進めるものとなる。
 大恐慌の現実は、安倍のウソとデマ、まやかしを打ち砕き、安倍と日帝を決定的に追いつめている。アベノミクスは大破綻を来している。
 日銀の異次元金融緩和による1カ月で10円もの円安となり、15年3月期にはトヨタが2兆円もの純利益を上げるとの予測が流され、支配階級をわき立たせている。だが他方で、中小零細企業は軒並み倒産の危機にさらされている。首切り・大失業、さらに食料など生活必需品の値上げが高齢者や貧困世帯を始め労働者階級を直撃し、生存の危機に追い込んでいる。
 14年7〜9月期のGDP(国内総生産)の成長率がマイナス1・9%へと下方修正され、設備投資の不振が鮮明となった。そもそも過剰資本・過剰生産力が大恐慌を生み出しており、新たな設備投資などあるはずがない。来年3月の年度末にかけて、危機がさらに深まっていくのは明白である。
 財務省が発表した10月の国際収支は、貿易赤字を所得収支黒字で穴埋めする日帝の経済構造の転換を鮮明にさせた。とりわけ海外子会社から本社に戻す利益を反映する「第1次所得収支」の黒字が、10月としては過去最高の2兆186億円だ。つまり海外でもうけを得ていく以外に、日本資本主義は存立できないという危機的な経済構造なのだ。
 だからこそ日帝・安倍は、帝国主義としての延命をかけて、新たな侵略戦争の道に必死に乗り出そうとしているのだ。アベノミクスと集団的自衛権行使―改憲攻撃は表裏一体だ。安倍が言う「この道しかない」とは、今や原発・武器輸出などをテコに「死の商人」となって延命を図る日帝の大ブルジョアジーと、政治家、軍隊、そして帝国主義労働運動が一つになって、搾取・収奪のために戦争で世界を蹂躙(じゅうりん)していこうということだ。絶対に許すことはできない。

戦争・改憲で全労働運動が大流動に突入

 安倍・自民党は、16年の参院選と同時に国民投票を実施するという改憲のシナリオを描いている。2015年は、戦争・改憲、原発再稼働、消費増税、そして何よりも労働法による規制の全面撤廃と全労働者の非正規職化、労働運動解体攻撃との大激突となる。安倍政権とともに新自由主義を打倒するか否かをかけた壮大な階級決戦だ。「動労総連合を全国に」の国鉄決戦を先頭とする階級的労働運動が今こそ、全労働者階級の主導勢力として鮮やかに躍り出ていく時だ。
 衆院解散直前の11月19日、政労使会議の場で安倍は、アベノミクスのもとで「賃金が上がる」というペテンを演出することが、安倍政権の維持にとってきわめて重要だと強調した。連合会長の古賀はこれにすぐさま呼応し、安倍への全面協力を表明した。同時に安倍は「働き方の改革」と称して、労働時間規制の撤廃を迫った。すなわち政労使会議の本質とは、いくばくかの賃上げで賃金闘争を解体し、その代償として連合に労働規制の全面撤廃を承認させ、アベノミクスに連合を取り込むものである。
 だがアベノミクスの大破綻は、連合の大破綻であり、安倍政権の終わりの始まりは、連合の終わりの始まりだ。そしてアベノミクスを断罪した衆院選決戦が労働運動を大分岐と大流動の過程へと突入させたのだ。
 実際に、衆院選を通して連合は解体的危機にたたき込まれている。電力総連、自動車総連、電機連合、UAゼンセンは、帝国主義労働運動の本質をむき出しにして、自民党に大きく流れた。そもそも沖縄では電力総連が辺野古新基地推進の仲井真を正式に支持した。さらに民主党と維新の党との腐り切った「野党共闘」もまた、連合の分解を最後的に促進した。
 安倍の戦争・改憲攻撃は、UAゼンセン型の労資一体・改憲推進の労働組合を育成し、手先としていくことを不可欠としている。自治労・日教組をののしり、「官公労との決別」をわめく桜井よしこの言葉は、労働組合の完全な産業報国会化なしには改憲攻撃を貫徹できない日帝・安倍の、絶望的な焦りと危機感を示している。

大党派闘争にかちぬき勝利への道開こう

 いよいよ国鉄闘争の力が全面的に発揮される時代が来た。国鉄解雇撤回の10万筆署名を完全達成し、最高裁決戦勝利へ進撃しよう。外注化・非正規職化を粉砕し、「動労総連合を全国に」の闘いをもって今こそJR体制打倒へ攻め上ろう。公務員労働運動をめぐる大決戦に立とう。国鉄・4大産別を軸に全国・全産別で労組権力獲得・労組拠点の建設へ猛然と踏み出そう。
 日本共産党の「平均2%成長は可能」論は、日帝賛美のとんでもない幻想だ。自衛のための戦争を容認する日本共産党は、安倍と本質的に立場を同じくしているのだ。日本共産党スターリン主義との大党派闘争を闘い抜こう。
 アメリカでは、オバマがレームダックに陥り、下院では共和党が1946年来の最大議席を確保した。この支配を実力で打ち破る暴動闘争が、警察官の黒人への相次ぐ襲撃事件をきっかけに大爆発している。韓国・パククネ政権も政権腐敗と民営化への怒りに包囲され、打倒寸前だ。11・2労働者集会が生み出した階級的労働運動と国際連帯闘争が、新自由主義支配を労働組合の団結の力で打ち破る革命に向かって進撃しているのだ。
 「新しい労働者の政党をつくろう」を全人民のスローガンとして、革共同を本物の労働者党として圧倒的に建設しよう。冬期カンパ闘争を機関紙拡大闘争と一体で取り組もう。すべての仲間は革共同に結集してともに闘おう。

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