大間原発建設阻止を 安倍は戦争・改憲・核武装狙う

週刊『前進』06頁(2665号05面02)(2015/01/19)


大間原発建設阻止を
 安倍は戦争・改憲・核武装狙う

建設中なのに安全審査申請

 電源開発(Jパワー)は12月16日、大間原発の建設に向けて、新規制基準適合を確認する安全審査を原子力規制委員会に申請した。建設中の原発としては初の申請である。われわれはこれを徹底的に弾劾する。
 大間原発は、装填燃料をすべてプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料とする世界初の「フルMOX原発」だ。完成すれば六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場で取り出すプルトニウムの大量消費役を担い、核燃料サイクルの要の一つとなる。
 3・11大震災と福島第一原発事故によって「原発安全神話」は崩壊し「原子力の平和利用」のウソが暴かれた。全国の原発や核燃サイクル施設が核武装のための一連の軍事施設であること、そして日本の支配階級が戦後一貫して核武装を追求してきたことが、労働者階級人民の巨大な決起の中で暴露された(本紙2661号参照)。
 だが日帝は、あくまで「原発から取り出したプルトニウムはウランと混ぜて原発の燃料として利用する。核兵器の材料に使うことはない」というウソで核武装の狙いを押し隠し、炉心燃料の一部にMOX燃料を使う「プルサーマル計画」を進めようとしている。安倍政権はこのプルサーマル対象原発を先行して再稼働しようとしている。大間原発建設はこの再稼働と一体であり、日帝の核武装化への切り札なのだ。
 現在、日帝のプルトニウム保有量は国内外で47㌧に達しており、この量は非核武装国としては異例である。これはひとえに米帝がそれを容認してきたことによる。だが昨年、米帝オバマは、核兵器転用可能な高純度プルトニウム300㌔を返還するよう日帝に要求した。大恐慌下での日米争闘戦の激化の中で、大間原発の建設は、日帝が米帝の圧力に抗してプルトニウム保有を貫き、独自の潜在的な核武装力を維持するための対米対抗的策動でもあるのだ。だがそれは、日米間の対立と矛盾を一層激化させ、日帝の危機をますます深めるものとなる。

福島の怒りと団結し3・11へ

 昨年の衆院選を経て、日帝・安倍政権への怒りの声はますます高まっている。これを体制の枠内に収めるためのブルジョア選挙制度と議会政治は、もはや機能しなくなっている。労働者階級人民とブルジョア国家権力との関係はますます非和解になっていく。
 重要なのはその背景だ。「恐慌の中の恐慌」への突入で、帝国主義間・大国間の生き残りをかけた争闘戦がウクライナや中東、東アジアで戦争化し、世界戦争に向かっている。この情勢の中で、日帝が生き残るには「この道しかない」ものとして安倍政治がある。国内外の労働者階級、農民、小経営からどれだけ搾り取るかを各国の巨大資本が競い合い、ついには戦争に行き着く政治、それが安倍政治だ。そして安倍は労働者階級人民を押さえつける最後の手段として、治安弾圧と排外主義をますます強めようとしている。
 だが、この状況は「1917年ロシア革命」を生み出した革命情勢への接近であり、労働者階級人民は「もう我慢の限界だ!」と闘いに立ち上がっている。われわれは昨年衆院選を全力で闘い抜き、2015年をこのような時代の始まりとしてつかんだ。この時代認識で武装して闘おう。
 何よりも「福島の怒り」の大きさをはっきりさせよう。それは、いまだに13万人が避難生活を余儀なくされ、日々放射線被曝を強制されている福島現地の怒りであり、その福島に思いをはせる全国の労働者階級人民の怒りだ。安倍政権の福島「帰還強制」と原発再稼働への怒りを、安倍打倒の闘いとして爆発させよう。3・11反原発福島行動に総決起しよう。
 そして、新自由主義の崩壊の象徴として原発政策自体が完全に破綻していることをはっきりさせよう。大間原発の安全審査申請にはまったく展望がない。そもそも「世界初のフルMOX」をどう審査するかということ自体が困難であり、規制委自身が「相当慎重に評価する」と言わざるを得ない。さらに、使用済みMOX燃料は六ケ所とは別に再処理工場が必要だが、原発事故で国の議論は棚上げ状態だ。JパワーはMOX燃料の処理について、最終的には再処理して再び原発で燃やす計画で申請した。できもしない計画とその受理。すべてデタラメなのだ。

再稼働へ自治体交付金増額

 経済産業省は12月24日、原子力政策の課題を示す「中間整理」をまとめ、再稼働した原発の自治体向けの交付金を増額し、停止中の原発はこれまでより減らす方向で見直すとした。1月14日、政府は来年度予算案に、原発を再稼働した立地自治体に配る新たな交付金として15億円を計上した。さらに16年度以降は、実際に原発を再稼働した自治体を優遇するため、停止中の原発を抱える自治体への交付金額を減額する。一方、下北半島4市町村長は、原発が停止中でも予定通りの交付金を出せと国に要望すると決めた。3・11を経ても変わらない感覚の原発立地町村長と、追い詰められ余裕がない日帝支配中枢との間のあつれきである。原発推進勢力は責任をなすりつけ合い、バラバラである。
 まったく先が見えず、労働者階級人民の怒りの決起を恐れながら、何とか巻き返しを図ろうと必死に策動しているのが衆院選後の動きの本質だ。原発推進に未来はない。
 2015年の反原発・反核燃闘争は、世界史的な激動の中で、労働者階級人民が体制変革に向けた歴史選択を本格的に開始する闘いだ。それは新自由主義の徹底的な分断を打ち破り、助け合い、闘って生きる団結を取り戻し、そこから自分たち自身の本当の権力をつくり出していく具体的で躍動的な運動だ。このことを全人民の時代認識として訴え、反原発闘争をそのようなものとして闘うことに、15年決戦の一切がかかっている。われわれはその先頭で闘うことを年頭に誓う。
〔革共同青森県委員会〕

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