3・1ビキニデー杉並集会へ 核・戦争との闘いの歴史を労働組合が甦らせる時だ

週刊『前進』06頁(2668号05面01)(2015/02/09)


3・1ビキニデー杉並集会へ
 核・戦争との闘いの歴史を労働組合が甦らせる時だ


 大恐慌がついに世界戦争として爆発しつつあるこのとき、61回目の3・1ビキニデーがめぐってきます。 福島の怒りをともにし、3・1ビキニデー杉並集会への大結集を呼びかけます。

動労水戸の被曝労働拒否闘争を全国へ

 今日、JR常磐線で働く乗務員の中でがん発症と死が起きています。JR東日本は、高線量下でほとんど乗客が乗っていない空の電車を「安全宣伝」と帰還強制のために、毎日9往復も走らせているのです。
 また、今年1月31日からはJR東日本が原発直近の竜田―原ノ町間の代行バス路線の運行を強行しました。3月1日(!)には常磐自動車道の全線開通(現在は富岡―浪江間が不通)の強行が狙われています。国家と資本による被曝強制であり、階級戦争そのものです。
 動労水戸の被曝労働拒否のストライキは巨大な意義をもっています。国鉄闘争と反原発闘争の一体的推進として、この闘いを全国の職場・労働組合に広げましょう。階級的労働組合運動を軸に闘うことが原発・核と戦争をなくし、命を守り、命脈つきた帝国主義・新自由主義を倒す唯一の道です。
 3・11東日本大震災・福島第一原発事故から4周年を迎える今、ビキニ事件をどうとらえるのか。それは、戦後70年をどう闘うかと同義です。
 1954年3月1日、南太平洋ビキニ環礁(かんしょう)でのアメリカ帝国主義による水爆実験の結果、ヒロシマ・ナガサキに続く「人類と核との非和解性」が衝撃的に突き出されたのがビキニ事件でした。

帝国主義戦争への根底的な怒り解き放つ

 これに対して日本の労働者階級人民の核兵器に対する根源的な怒りが全国的・国際的な大運動として一気に大高揚していきました。第五福竜丸をはじめとする1千隻規模の漁船乗組員の被爆、次々と水揚げされる被爆マグロ。「水爆実験は許せない!」と、核兵器に対する広範な怒りが食卓をも通して広がりました。
 とりわけ杉並の主婦から始まった原水爆禁止署名運動は地域や労働組合を中心に広がり、漁港などで自然発生的に始まっていた署名運動を糾合して、54年末には2千万筆を爆発的に集め、世界中に広がっていきました。翌55年には、原水爆禁止世界大会が開催されました。
 ビキニ被爆に対する労働者人民の怒りは、連合国軍総司令部(GHQ)と政府、さらにスターリン主義によって封殺されてきたヒロシマ・ナガサキの怒り、帝国主義戦争への根底的怒りを解き放ちました。帝国主義とスターリン主義によって描かれてきた「第2次世界大戦は民主主義対ファシズムの戦い」という虚構を打ち砕く重要な出発点となったとも言えます。

原子力開発に日本共産党が本質的に屈服

 こうした反核運動の爆発的高揚に恐怖した日米の支配階級は、これを逆テコにして日本における原子力開発・核開発をスタートさせました。今日、安倍政権が、3・11に対して「安全」キャンペーンに全力をあげ、「世界一安全な原発」と言いなして原発輸出・再稼働に突っ込んでいることをけっして軽視できません。3・11の原点がこのビキニ事件であるとも言えるからです。
 当時の原水爆禁止を掲げる空前の反核運動の爆発は、日米帝の核政策、日米安保体制をも根本から揺さぶりました。追いつめられた日米帝国主義による反核運動解体・骨抜きの手法は、謀議(ぼうぎ)や読売を最先兵とするメディア政策を駆使し、被爆の認定を第五福竜丸に限定し、わずかな「見舞金」で政治決着を図る一方、「核と原発は別、原子力は未来のエネルギー」との宣伝を洪水のように流しました。
 核心として見るべきことは、帝国主義とスターリン主義の反革命であり、日本共産党の「原子力開発は科学技術の進歩をもたらす」なる論理による日帝への本質的屈服です。原水禁運動・反核運動の中に込められた、二度と侵略戦争・世界戦争を許さないという決意、そして戦争の根源である資本主義・帝国主義を打倒してやまないプロレタリア自己解放の炎に帝国主義とともにスターリン主義も恐怖したのです。プロレタリア革命の魂が宿る反核運動を恐れた日本共産党はその後、原水禁運動の分裂をも強行していきました。
 3・1ビキニ事件・被爆(被曝)との闘いとは、歴史的にも日本帝国主義の核政策・戦争政策との根底的対決軸をもった存在です。この原点を据えて、日帝の中東侵略戦争参戦阻止・安倍打倒の一環として反原発闘争の階級的・大衆的な発展をかちとりましょう。

内部被曝との闘い引き継ぎ勝利しよう

 今、福島原発事故による被曝と被曝労働の現実を圧殺し、事故の「収束」をキャンペーンして避難者に帰還を強制する攻撃が激しく行われています。安倍政権や御用学者は、多発する福島での子どもたちの甲状腺がんを「原発事故による放射能の影響とは考えられない」と強弁して3・11を「過去」のものとしようとしています。この安倍政権にとって、核と戦争に怒る労働者階級の闘いの歴史は見据えることができない弱点です。
 そもそも帝国主義国家権力や御用学者らが一貫して否定している内部被曝を真っ向から告発する存在としてビキニ被爆(被曝)と第五福竜丸元乗組員の存在とその苦闘と死があり、1千隻と言われるマグロ漁船の被爆の暴露があります。
 階級的労働運動こそがこうした歴史を真によみがえらせ、引き継ぐことができます。反核運動発祥の地・杉並を先頭に、東京に階級的労働運動の砦(とりで)をつくり、福島の闘いとの団結を拡大しましょう。3・1杉並集会への大結集を呼びかけます。
(東京西部ユニオン副委員長・元杉並区議会議員 北島邦彦)

------------------------------------------------------------
3・1ビキニデー杉並集会
 3月1日(日)午後1時30分開場 2時開始
 産業商工会館3階講堂(杉並区阿佐谷南3―2―19)
 主催 すべての原発いますぐなくそう!全国会議(NAZEN)東京

このエントリーをはてなブックマークに追加