3・11反原発福島行動'15へ 呼びかけ人の訴え(上) 福島の怒りと今こそ団結し安倍倒せ 郡山は日本の階級闘争を大きく動かす天王山だ 実行委員長・国労郡山工場支部 橋本光一さん

週刊『前進』06頁(2669号04面01)(2015/02/16)


3・11反原発福島行動'15へ 呼びかけ人の訴え(上)
 福島の怒りと今こそ団結し安倍倒せ
 郡山は日本の階級闘争を大きく動かす天王山だ
 実行委員長・国労郡山工場支部 橋本光一さん

(写真 昨年の9・11JR外注化阻止闘争で郡山工場【左】の仲間に呼びかける橋本光一さん)

 3・11反原発福島行動'15の呼びかけ人の訴えを3回にわたり連載します。福島からの呼びかけに応え、全国の職場・地域・キャンパスから3・11郡山に結集しよう!(編集局)

3・11を怒りの着火日に

 今回の3・11反原発福島行動は、私が実行委員長を務めます。依頼を受けた時は「俺じゃなくても」という思いもありましたが、やはりこの激動の時代の要請に応え、労働者階級の要望に応える〝MAN WITH A MISSION(使命を持った者)〟として引き受けました。
 「郡山」が日本階級闘争を大きく動かす天王山です。3・11以降も郡山に住み、闘い続けている証として3・11福島行動を大成功させたいです。
 福島大学での学生弾圧の件で行われた家宅捜索の令状には、押収品目に「反原発と記載のあるもの」とありました。これがすべてを物語っています。「原発反対」と発言すること自体を許さないという、福島県民全体、反原発闘争全体にかけられた攻撃です。しかし弾圧で沈静化できると思っていること自体、甘いです。福島の激しい怒りは収まらない。3・11は、その怒りに火をつける着火日にしたいです。
 去年との大きな違いは、JR郡山工場の外注化阻止闘争を経て迎える3・11という点です。昨年の9・11闘争では、全国から650人が集まって郡山総合車両センター包囲デモをしました。
 組合運動の中には、反戦や反原発などの政治闘争と職場闘争を分離してきた歴史があります。私は原発事故と放射能被曝を経験して以来、それをのりこえる運動をつくりたいという思いをもっています。労働運動指導部が政治闘争と組合活動を分離させ、つぶしてきた歴史があるからです。その根幹にあるのは、労働者階級は社会を変えられないという思想。だから議員を何人当選させるかということに躍起になる。完全に体制の枠内、資本家の手のひらの上の運動ですよね。「革新」政党の議員を増やすようなことではなく、アラブ諸国の革命のような、デモやストライキなどの労働者自身の闘いこそ社会変革の力だと思います。
 国労の政治闘争も既存の考え方の中で展開されてきましたが、現場組合員は熱心に取り組んできました。郡山工場支部には福島第二原発建設当時から反対闘争に加わってきた仲間もいます。3・11は年休をとって行動する仲間もいます。こういう仲間と一緒に、3・11は「福島の人びとが全世界と行動を一つにしていく日」にしたいですね。
 私は2年連続でNAZEN東京主催の保養に高校生の息子と参加していますが、放射能をめぐって本気で議論することは、家庭内でも職場でもありません。できれば触れたくないからです。でも、心の中でひっかかっていない人はいません。
 職場の青年労働者の中には、放射能の影響を気にして仙台や宇都宮から新幹線通勤をしている仲間もいます。また、福島は農業王国だから工場労働者も兼業農家が多く、私も地元の同僚からお米を買っています。原発事故の後、同僚から「無理して買わなくてもいいんだよ」と言われ、何ともいえない心情になりましたが、「あんたが食べるんなら俺も食べるよ」と言って買いました。一方で「俺げの米は子どもらには食わせらんねぇ」という人もいます。放射能問題は「気にする人」「気にしない人」という分断があって、闘争にするのが難しいんです。

労働組合が先頭に立つ

 放射能を積極的に闘争課題にして闘えるのは労働組合だからできることだと思います。それを動労水戸が切り開いてきましたし、郡山工場も被曝労働をめぐって闘うことができました。分断の象徴の放射能問題を組合で闘うことで団結に転化できました。気にするかしないかという個人の考えの問題ではなく、階級全体の立場で闘うことによって東電、国、JR資本の責任追及を鮮明にすることができました。
 新自由主義の始まりが国鉄分割・民営化であり、新自由主義のもたらした最悪の事態が原発事故でした。首切り、合理化、外注化で郡山総合車両センターはJR東日本管内で車両故障件数トップクラスという屈辱を味わうことになってしまいました。安全よりもコスト、人命よりもカネ。労働者の命なんて何とも思わない資本がもたらした結果です。原発労働者が置かれている状況も同じですよね。
 しかし、その矛盾と破綻が明らかになってきています。「事故の原因は民営化や外注化にある」「こんな社会はおかしい」と誰もが感じています。この怒りと結びつく3・11にしたい。その先頭に労働組合が立つということです。
 3・11行動は「帰還・復興」キャンペーンを打ち破る闘いになります。川内村は帰還運動の最先頭にいる自治体です。私の義理の両親は川内村民ですが、「たとえ線量が下がっても、原発がおっかなくて帰りたくねぇ」と今も郡山市の仮設住宅で暮らしています。その六畳一間での仮設暮らしも限界にきています。毎年の正月は川内の両親の大きな家に親戚が集まって楽しく過ごしていましたが、まさか狭い仮設に集まるわけにもいかず寂しい限りです。
 「帰還」と「復興」は福島全体に「もう終わったんだ」「黙れ」という攻撃です。安倍の「テロには屈しない」の言葉も「国家に服従しろ」という恫喝が込められているように感じます。
 3・11反原発福島行動は、やり続けることに意味があります。放射能も原発事故も時間が解決してくれるものではありません。小児甲状腺がんは増え続け、原発も収束どころではない状況です。原発労働者の死亡事故も相次ぐ中で、再稼働なんてとんでもありません。
 再稼働、戦争、首切りもうたくさんだ。怒りを力に立ち上がろう、つながろう。みなさんの参加をお願いします。私もその先頭でがんばります。
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