15春闘をストライキで戦争と闘う労働運動を 革共同金属労働者委員会

週刊『前進』06頁(2671号03面02)(2015/03/02)


15春闘をストライキで戦争と闘う労働運動を
 革共同金属労働者委員会


 日本帝国主義・安倍政権が中東侵略戦争に踏み込み、世界戦争への過程を促進している。連合とその傘下にある金属産別のJAM中央は安倍と一体となって労働組合を変質・解体して労働者階級を戦争に引きずり込もうとしている。
 しかしその足元では、資本と非妥協で闘う動労千葉・動労水戸の国鉄(JR)労働者を先頭に金属産別の労働者の闘いが前進し、団結が拡大している。韓国や中東を始め全世界の労働者階級と連帯して世界戦争を阻止しよう。大恐慌をプロレタリア世界革命に転化するために金属労働者は国鉄決戦を軸に15春闘をストライキで闘おう。

大恐慌・戦争と革命の時代到来

 資本主義の崩壊、「大恐慌と戦争―革命の時代」が到来している。帝国主義各国は中東の石油利権と資源・領土を奪い合うために侵略戦争を拡大し、中東の労働者階級の決起を抑圧し、殺戮(さつりく)している。一方、「イスラム国」はキリスト教やユダヤ教、シーア派を始めとするイスラム教の他の宗派の存在も否定する許しがたい組織であるばかりか、中東の労働者階級を虐殺し、労働組合を破壊する武装反革命だ。
 帝国主義とスターリン主義は第2次世界大戦を「ファシズムに対する正義の戦争」と描いて労働者人民を総動員し、労働者同士の殺し合いを強制し、無差別空爆や原爆投下も行った。それと同じことを今日、「イスラム国」壊滅を振りかざしてやろうとしている。日帝・安倍政権はその「有志連合」に参加し、中軸にのし上がっている。
 安倍は有志連合への参加で集団的自衛権を実体的に行使し、日本を「戦時下」に置いた。安倍は今国会で「改革断行」を叫び、安保関連法制定や労働規制撤廃を強行しようとしている。それだけではない。労働組合と革命党を破壊しプロレタリア革命を阻止しようと躍起になっている。
 新自由主義攻撃の柱であった80年代の国鉄分割・民営化は破綻した。そこまで追い込んだ動労千葉・動労水戸をたたきつぶすために、日帝はJR体制の大再編に踏み切った。JR全体におよぶ3・14ダイヤ改定は、国鉄分割・民営化を上回る大合理化攻撃だ。千葉の特急列車の削減と廃止、北陸新幹線開業と在来線の第三セクター化、JR九州の無人駅化は「896自治体の消滅」と言われる地方切り捨てを加速させ、鉄道の安全を崩壊させる。
 資本主義は社会を発展させるどころか破壊し破滅させている。そして世界的規模の破壊である世界戦争へと突き進んでいる。階級的労働運動の推進と革命党の建設、国際連帯の発展で世界戦争を阻止しよう。

戦争協力に走る連合―JAM倒せ

 経済協力開発機構(OECD)が1月19日に「日本の雇用政策に関する調査報告書」を発表した。報告書は、安倍政権が進める雇用維持から労働移動への政策転換を継続すべきだとした上で、「日本では解雇の条件があいまいなため、企業が新たな雇用を増やすことに慎重になっている」と言っている。労働者の権利を破壊しなければ経済成長はない、解雇自由の社会をつくれと叫んでいるのだ。これが帝国主義の恐慌対策だ。
 また1月20日には、経団連が「経営労働政策委員会報告」を出した。昨年末の「経済の好循環実現に向けた政労使会議」を受けたものであり、連合中央とのすり合わせの上の産物である。
 序文で会長の榊原定征は「労使で日ごろから信頼関係を深め合い、課題認識を共有しながら、一丸となって生産性向上を目指す」と述べている。資本を救済するために賃金闘争を圧殺し、企業の利益の拡大を目的とする帝国主義労働運動を育成するための合意書が経労委報告なのだ。
 連合中央は春闘解体に率先協力する存在となった。JAMも連合中央と同じように、「賃上げが景気にもたらす効果への期待は、無視出来ないものとなっており、経済の好循環実現に向けた、賃金引き上げの取り組みの継続は引き続き重要である」と言っている。〝景気回復のための春闘〟とは資本や政府の立場に立つという宣言だ。JAM中央は完全に資本の側に階級移行し、戦争協力の翼賛組織に変質した。

官製春闘で賃闘の解体狙う安倍

 安倍政権は「官製春闘」で賃金闘争を解体することに死活をかけている。春闘を「闘争から協議」の場に変質させ、連合のもとで闘いを圧殺しようとしている。なぜなら、資本がどんなに賃金闘争を管理しようとも、賃金は必ず「賃労働と資本」という階級関係を労働者に刻印するからだ。
 賃金の本質は「搾取」だ。賃金の中に搾取する階級関係がある。労働者の間に熟練と非熟練、男性と女性、正規と非正規という格差をつくりだし、分断を進め、団結を破壊する支配形態がある。生きるために得ている賃金によって、労働者は奴隷のように資本に従属させられているのだ。
 賃金は階級支配の要ではあるが、同時に弱点でもある。どんなわずかな賃金をめぐる闘いも必ず資本へ反旗となり、賃金の本質を明らかにするし、搾取への怒りが労働者を団結させるからだ。その団結体こそ労働組合であり、闘争を勝利させる組織こそ革命党だ。賃金闘争を解体する狙いは労働組合と革命党の解体、両者の結合の解体にある。
 戦時下での15春闘はプロレタリア革命への導火線となる。「戦争を革命へ」の闘いそのものだ。党と労働組合を一体的に建設する闘いとして春闘を打ちぬいたとき、勝利の展望が切り開かれる。

帝国主義労働運動の輸出許すな

 経労委報告はアジアでの労働運動の高揚におびえ、昨年に続き「海外における労使紛争の現状と対応」という項を設けた。「労働者の権利保護を目的に国際的な労働組合が支援に乗り出すケースもみられる」と国際連帯の闘いを憎悪し、「わが国企業における良好な労使関係のメリットやコミュニケーションの重要性を現地従業員に伝えつつ、相互理解を」と「日本型労働組合」の〝輸出〟を叫んでいる。そして「海外拠点の労働組合が日本本社の労働組合との連携を深めることを通じて、建設的な労使関係構築への理解が進んだ」とうそぶいている。
 JAMが自動車総連や電機連合などとともに加わっている金属労協(JCM)は、「海外労使紛争の防止」を掲げてアジアの労働者の闘いを圧殺している。「改憲支持」のUAゼンセンが昨年11月にイオン資本と結んだ「グローバル枠組み協定」も同じ内容だ。
 しかしアジア・中東では労働者が生きるために続々と決起している。パククネ政権打倒の4〜6月ゼネストへ向けた韓国民主労総の闘い、中国のシチズン工場での企業閉鎖に抗議する1千人のストライキ、トルコの金属労組によるいすゞを含む多国籍企業42社に対する1万数千人のスト(一部突入後、政府が禁止令)、ミャンマーの韓国系縫製工場2カ所での4千人のストなどだ。
 JAMやJCMの帝国主義労働運動を粉砕する職場闘争が決定的だ。
 金属産別こそJRとともに資本の攻撃の最火点である。民間製造業は資本の利潤の源泉であり、資本主義社会の基礎だからだ。そこは限りない非正規職化や賃下げ、成果主義導入、外注化、労組破壊と体制内労組化との激しい攻防の場である。その火点で解雇撤回闘争や工場移転阻止闘争、不当労働行為弾劾闘争など職場を基礎に置いた党の闘いが陸続と起きている。ロシア革命が証明したように金属産別こそ革命の火薬庫なのだ。
 金属産別で、そして何より「動労総連合を全国に」の闘いが前進している。安倍は革命を恐れ震えている。金属産別の労働者は春闘を破壊する「官製春闘」をうち破って、3・14ダイヤ改定粉砕に立つ動労千葉・動労水戸―動労総連合とともにストライキで15春闘を闘おう。そして、安保関連法制定、改憲を狙い戦争体制づくりを進める安倍政権を打倒しよう。革命の拠点を建設しよう。戦争を阻止し、プロレタリア革命へ情勢を切り開くのはわれわれだ。

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