動労水戸と共に闘おう 3・15支援共闘結成かちとり 被曝労働拒否・再稼働阻止へ

週刊『前進』06頁(2672号03面01)(2015/03/09)


動労水戸と共に闘おう
 3・15支援共闘結成かちとり
 被曝労働拒否・再稼働阻止へ

(写真 JRの被曝強制を弾劾し、いわき運輸区の労働者への連帯行動を行う動労水戸【2014年6月30日 いわき市】)


 3・15「被曝労働拒否をたたかう動労水戸支援共闘」結成集会(要項1面)の呼びかけが、支援共闘事務局長の斎藤貴広さんから寄せられた。動労水戸の闘いを守り支え、被曝労働拒否を全国・全産別に広げる決定的な闘いだ。呼びかけに応え、全力で結集し集会を成功させよう。(編集局)

常磐線全線開通を許さず安倍・JR資本と対決へ

 3月1日、安倍政権は昨年9月の国道6号線開通に続き、常磐道の全面開通を強行し、さらにJR常磐線の全線開通をも宣言した。JR東はすでに被災した富岡駅の駅舎を解体し、今年中に新駅舎の設計を行うとしている。「帰還」「復興」、福島抹殺攻撃をめぐって日帝安倍・JR資本との全面対決となった。
 世界大恐慌のさらなる深化、そのもとで帝国主義間・大国間の争闘戦がついに戦争・世界戦争へと向かう中で、福島の怒りが革命に転化する恐怖に追い詰められているのが安倍政権だ。
 「被曝労働拒否をたたかう動労水戸支援共闘」の結成は、安倍の攻撃の根幹を決定的に打ち砕く。すべての労働者階級人民に動労水戸の被曝労働拒否の闘いを持ち込み、支援共闘への参加を呼びかけよう。
 3・11大震災―原発事故から間もなく4年。原発事故は収束などしていない。メルトダウンした燃料がどうなっているかも明らかになっておらず、高濃度の汚染水は増え続けている。多核種除去設備(ALPS)もトラブルが続出している。
 2月24日、東京電力は福島第一原発2号機原子炉建屋の屋上にたまった高濃度の汚染雨水(1㍑あたりセシウム2万9千ベクレル、ベータ線核種5万2千ベクレル)を海に放出していたことを明らかにした。しかも、昨年4月から1年近くにわたって汚染雨水流出の可能性を認識しつつ、垂れ流し続けていたのだ。そのうえ、3月13日からは第一原発内の中間貯蔵施設への汚染土壌の搬入を強行しようとしている。「漁業者を甘く見ているのか!」「ふざけるな!」と漁業者の怒りが爆発している。
 小児甲状腺がんが117人(疑いを含む)の子どもたちから見つかっている。これまで「100万人に1人」と言われていた中で、福島の子どもたちは3千人に1人と実に300倍以上の発症率だ。しかも、先行検査(1巡目、2011年)では「異常なし(A1、A2)」と判定されたものの、本格検査(2巡目、2014年)で新たに甲状腺がんを発症しているのだ。にもかかわらず環境省専門家会議は「放射能の影響とは考えにくい」と繰り返し、「甲状腺エコー検査をもうやめるべき」ということまで言い始めている。
 原発事故をなかったことにする安倍との激突は、まさに労働者・住民の生存をかけた闘いそのものだ。生きることは闘うことであり、闘うことは生きることだ。この福島の怒りを解き放ち、結合することこそが原発再稼働を阻止するのだ。

被曝労働絶対反対で闘う原発労働者の労働組合を

 いま、福島第一原発での収束作業には、毎日7千人が昼夜を問わず、24時間365日体制で従事している。そして、この収束作業―廃炉作業は少なくとも30年、40年続けなければならず、われわれの子や孫の代になってもやらなければならない。作業をとめた瞬間、再度のメルトダウンを引き起こし、東日本、いや日本全体が人間の住めるところではなくなる。
 これほどの重大な労働をしている労働者を、日帝・東電は使い捨てにすることしか考えていない。6次、7次にわたる下請け構造と非正規職化の中で分断され、誇りを奪われている。それどころか、収束したと見せかけるために「汚染水処理の年度内終了」を叫び、過度な工程を強制した結果、労災事故で原発労働者が殺されているのだ。
 ふざけるな! 原発労働者は、日本で最も誇りある労働者だ。命がけで収束作業にあたっている。原発の中に被曝労働絶対反対で闘う労働組合を組織すること、そしてストライキで闘うことの中に、原発労働者の誇りを取り戻し、この腐りきった「命よりカネ」の社会を根底的に打倒し、変革する力がある。
労働運動の常識うち破る闘いに青年が希望を確信
 動労水戸の被曝労働拒否のストライキは、これまでの労働運動の限界を突き破る歴史的な挑戦だ。被曝労働そのものを問題にして、被曝労働させないという闘いは動労水戸が初めて提起した闘いだ。たとえ稼働していなくても、被曝労働なしに原発は1秒たりとも存在し得ない。
 この闘いを生み出したのは、28年間にわたって国鉄分割・民営化に絶対反対を貫いてきたからであり、また動労千葉の反合・運転保安闘争路線、さらには外注化阻止・非正規職撤廃の闘いが実現したものである。そして国鉄決戦を軸とする全国の職場での絶対反対の闘い、階級的労働運動の前進の中で生み出された。
 これまでの労働組合は、組合員の、自分たちの利益さえ守ればいいとされ、結局は幹部連中だけが甘い汁を吸ってきた。体制内労働組合こそが、外注化・非正規職化を容認して青年労働者を使い捨てにし、被曝労働をすべて下請けの労働者に強制してきたのだ。「被曝を問題にしたら、仕事がなくなる」「職場がなくなってもいいのか」「会社あっての労働者だ」という考え方で、「被曝はやむを得ない。外注化はやむを得ない。それでも仕事があればいいじゃないか」――そうやって青年労働者の怒りを抑えつけてきた。
 このような「労働運動の常識」を打ち破ってきたのが動労水戸だ。動労水戸は、組合員の命と健康、生活を守るだけではなく、何よりもJRで働く青年労働者を被曝から守る、命を守るためにストライキで立ち上がった。被曝労働や外注化に絶対反対で闘い、そこに希望と展望を確信して青年労働者が御用組合を脱退して、動労水戸への加入を次々と始めている。
 決定的なことは、被曝車両K544闘争がJR郡山工場に引き継がれ、所属組合の違いを越え、被曝労働絶対反対・外注化絶対反対の決起を生み出したことである。昨年9・11郡山闘争は、これらの最高の到達地平だ。

1000人会員を組織し安倍政権打倒へ闘おう!

 3・11大震災の中で労働者人民は、「資本主義は労働者の命を守らない」ということをつかみとった。それはいまも続いている。大震災から4年がたつにもかかわらず、宮城県では災害公営住宅に入居できたのは被災者の2割に満たない。東京オリンピック開催による首都圏での公共工事の増加に伴い、資材などが高騰(こうとう)し、公共施設の建て直しが入札割れで半分も進んでいない。4月からは仮設住宅の集約化を行い、ますます被災者の生活を切り捨てようとしている。
 新自由主義は人間の共同性を破壊し、「命よりカネ」という社会に極限的に追い込んだ。2万人もの人びとの命を奪ったのは、団結や共同性、地方を切り捨ててきた新自由主義だ! もはや新自由主義のもとで労働者人民は生きられないし、そんな社会に未来はない!労働者階級の団結こそが生きる希望だ。
 川内原発、高浜原発、伊方原発の再稼働を絶対に阻止しよう。いまこそ全国の職場で被曝労働絶対反対の闘いをまき起こそう。3・15支援共闘結成集会を成功させ、1千人会員を組織し安倍政権を打倒しよう。
(被曝労働拒否をたたかう動労水戸支援共闘事務局長・斎藤貴広)

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