動労千葉がCTSで組織拡大 本体と下請け貫き団結を築く 春闘勝利の地平を6・7集会へ

週刊『前進』10頁(2680号02面02)(2015/05/04)


動労千葉がCTSで組織拡大 本体と下請け貫き団結を築く
 春闘勝利の地平を6・7集会へ


 動労千葉は3・14ダイヤ改定との闘いから春闘勝利に向けた決戦に入った。その中で、動労千葉青年部に対してかけられた「4月に出向解除・仕事外し」という組織破壊攻撃を粉砕した。さらに動労千葉は、8人のCTS(千葉鉄道サービス)労働者の組織拡大を実現した。そして今、第2の分割・民営化攻撃と闘い、一層の組織拡大に向けた決戦に突入した。

特急の廃止に地域束ね反撃

 15春闘の切っ先になったのはダイ改との闘いだった。その中でも最大の焦点は、地方切り捨ての特急列車廃止・削減との闘いだ。
 JR千葉支社は3月14日から特急列車29本を削減した。東京―佐原間を走る特急「あやめ」の全区間、「さざなみ」の君津―館山間が全廃され、地域から激しい怒りの声が上がった。動労千葉は2月26日に銚子で、3月7日に館山で地域集会を設定し闘いに立った。
 商店街を回ると、怒りの声が次々と寄せられた。「駅舎改築費用をかなり負担させて特急廃止とはふざけている」「観光にとって決定的な打撃」「これ以上特急が削減され、乗客が減ったら食べていけない」。観光地にとって特急列車廃止は死活問題だ。集会には、地元の商店街や市議会議員、元地区労議長などが参加し、銚子で85人、館山で150人の結集をかちとった。
 これは、地域の怒りと結びつき、国鉄分割・民営化以来強制されてきた社会のあり方をひっくり返す闘いだ。そして、労働組合には地域の中心となって団結を組織する力があることが示された。
 これはまた、第2の分割・民営化攻撃に、真正面から立ち向かう闘いだった。JRは今回のダイ改を期して、東京から80㌔以遠を放棄する決断をした。それは地域に「廃線か第三セクター化か」を迫り、赤字路線を押しつける「究極の外注化」というべき攻撃だ。その一方でJRは、運転士まで含め、鉄道会社としての輪郭を失うほどの全面外注化に踏み出した。文字通りの意味での第2の分割・民営化攻撃が始まったのだ。
 3・14ダイ改当日、動労千葉の全本線運転士がストに立ち、「特急廃止・地方切り捨て絶対反対」を掲げて闘い抜いた。大型行路化・労働強化に反対するとともに、地域総ぐるみの闘いをつくりあげる新たな出発点を築き、第2の分割・民営化と真正面から闘いぬく展望をつかみ取った。

貨物とCTSで賃上げ闘争

 大幅賃上げをめぐる闘いは、JR貨物と下請け会社のCTSを焦点に闘われている。
 貨物職場では、日貨労の裏切りで3月1日から手当の削減が強行された。支給されていた労働者にとって、1万円もの賃下げだ。3月20日には16年連続のベアゼロ回答が行われた。賃金を削りに削られてきた貨物労働者から、さらにそぎ取り、生活そのものまで破壊する攻撃だ。
 賃金減額や手当削減は「労働条件の不利益変更」であり、会社が勝手に行うことはできない。日貨労が裏切ったからこそ、それは可能になったのだ。日貨労は闘うポーズをとることもせず、春闘を前に早々と妥結した。彼らは第2の分割・民営化攻撃に震え上がったのだ。動労千葉は日貨労の裏切りを徹底的に弾劾し、日貨労打倒・組織拡大、大幅賃上げ獲得に向けて闘いぬいている。
 CTSでは月3万円、時給200円の賃上げを要求し、初めて下請け会社での春闘に本格的に取り組んだ。動労千葉が実施した職場アンケートでは、92%の労働者が生活費の不足を訴えている。「人として生活できる賃金を下さい」という切実な声が上がっているのだ。大幅賃上げはまさに生きるための闘いだ。
 また、CTS幕張事業所で、長年にわたり休憩時間中に作業が行われながら時間外労働分の賃金が払われてこなかった実態が暴かれた。3月19日には、当該19人の労働者がCTS本社に対し、賃金の支払いを求める請求書を提出した。
 CTSは労基署に対し「休憩時間中に行っていた作業は頻繁という認識はない」としながら、現場には「慣行により休憩時間中に作業が行われていた」と、まったく矛盾したことを言っている。そして、休憩時間の変更を指示したことなど一度もないことを重々承知しながら、「休憩時間を変更して取得してもらった」と言うのだ。二重のうそでごまかし、何とか支払いを逃れようとするCTSを断じて許すな。
 この問題でJR総連傘下のCTS労組は、「処分される」と脅して超勤代請求の撤回を労働者に強要する暴挙に走った。会社とCTS労組が一体となったつぶし攻撃に、現場から怒りがわき上がっている。動労千葉は会社とCTS労組を弾劾し、当該労働者の怒りとともに反撃を開始した。

「出向解除」の攻撃うち破る

 このCTS職場での必死の闘いは、同時に外注化攻撃粉砕の展望をも切り開いている。
 検修・構内業務のために雇われたCTSの労働者に拙速な「教育」を施して本務に就かせることに伴い、CTSへの出向を強いられた5人のJR労働者が出向解除になると言われていた。その対象には動労千葉の青年労働者も含まれていた。「本体に帰す」と言えば聞こえはいいが、職場はすでに外注化されている。実態は、動労千葉の組織破壊を狙った仕事外し・余剰人員化攻撃だ。解決の道は外注化を粉砕し、あくまで仕事ごとすべての仲間をJRに取り戻す以外ない。動労千葉はストを構え、闘争態勢を確立した。
 出向解除は4月10日まで遅れ、動労千葉青年部に対する出向解除の攻撃は粉砕された。資本は、CTSでの闘いが火を噴く中で動労千葉がストに入れば、どれだけの労働者が動労千葉に結集するかわからないという恐怖にかられたのだ。
 これは、本体と下請けの双方の労働者が一体となって闘う中に、外注化粉砕の展望があることをあらためて示した。しかし、いつ出向を解除してきてもおかしくない状況は続いており、この闘いは決戦のさなかにある。

外注化粉砕の展望開く決起

 その中でかちとられたCTSの8人の労働者の動労千葉加入は巨大な勝利だ。動労千葉はこの間、JRとCTSの双方で組織拡大を実現することが、外注化を粉砕する道だとはっきりさせて闘ってきた。本体と下請けの双方の労働者が団結しなければならないということは、ずっと言われ続けながら誰も実現できなかった。しかし、動労千葉の闘いと8人の決起は、それが可能であることを実践によって示したのだ。この勝利は、社会にはびこる民営化・外注化・非正規職化の攻撃を労働者の団結で打ち破れることを示した。労働運動の力を示す巨大な可能性をもった一歩だ。
 動労千葉は8人の加入を受け、JR―CTS双方での本格的な組織拡大決戦に入った。あらゆる力を結集し、これまで越えられなかった壁をのりこえることに挑戦している。そして、団結を組織できることを実証し、労働運動復権の展望を開いているのだ。
 階級的労働運動を復権させるためには、国鉄闘争にこだわりきることが絶対に必要だ。戦後最大の労働運動解体攻撃である国鉄分割・民営化の問題を避けたところに、労働運動の復権はない。
 第2の分割・民営化攻撃との新たな決戦に立ち上がった動労千葉とともに、民営化・外注化・非正規職化粉砕へ闘おう。国鉄1047名解雇撤回へ、4―5月過程で解雇撤回・JR復帰の最高裁10万筆署名を貫徹しよう。韓国民主労総ゼネストに連帯し、「動労総連合を全国に」の闘いを自らのものとして立ち上がろう。戦争・民営化と闘う6・7国鉄集会を大結集で成功させよう。

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