杉並区議選引き継ぎ職場で民営化阻止の闘い起こそう 全国に公務員労組の拠点を

週刊『前進』10頁(2680号03面04)(2015/05/04)


杉並区議選引き継ぎ職場で民営化阻止の闘い起こそう
 全国に公務員労組の拠点を

児童館廃止反対で労働者・住民が立ち上がった

 北島邦彦候補を押し立てた杉並区議選闘争は、安倍の戦争政治と対決し、民主労総ゼネストと連帯する児童館廃止反対の大衆決起を生み出した。地域の闘う労働組合・東京西部ユニオンが「児童館をなくすな!」署名を呼びかけ、杉並全区の労働者・住民が立ち上がる闘いが始まった。それは児童館廃止を突破口とする杉並まるごと民営化絶対反対の闘いとして発展している。
 41児童館が廃止され、小学校の空き教室に子どもたちを押し込める民営の学童クラブに替えられる。それは子どもから年配者まで地域のコミュニティーとしてあった児童館とはまったく別物になる。児童館職員500人は全員放り出され、任用替えと雇い止め解雇の攻撃がかけられる。労働組合の団結は解体され、安全の崩壊も必至だ。
 杉並区立施設再編整備計画は、児童館廃止を始め596に及ぶ全施設を大再編し、廃止・「スリム化」して企業に売り渡す杉並まるごと民営化攻撃だ。経費削減と「民間活力の活用」、営利化が露骨に掲げられている。
 杉並区議選闘争は、この民営化利権に区長と全党派が群がり食い物とするおぞましい姿を暴き出した。民営化で社会を崩壊させる新自由主義の本質がさらけ出された。国鉄分割・民営化以来、政府や自治体当局、マスコミが振りまいてきた「民営化はいいことだ」とする大うそを暴き、戦争反対と民営化阻止が全労働者の絶対的闘争課題であることが明確になった。
 韓国民主労総ゼネストは、JR北海道事故を始めとした安全崩壊の現実に対する動労千葉・動労総連合の民営化・外注化阻止の闘いと連なる闘いだ。13年末の鉄道ストと14年4月のセウォル号事件を契機に「民営化は絶対悪」であることが韓国社会全体の認識となり、絶対反対で闘う執行部が樹立されることで今回のゼネストは切り開かれた。パククネ打倒ゼネストと連帯して、杉並児童館闘争は第2の国鉄分割・民営化阻止決戦の壮大な突破口を開くことに成功したのである。

任用替え拒否に続き清掃車民間委託拡大を阻む

 全国の自治体職場で、新年度からの激しい民営化・外注化攻撃に絶対反対して闘い、歴史的な勝利と団結をかちとっている。
 関西の現業労組は、全面的な民間委託と労組つぶしを狙った特殊勤務手当全廃、職種変更・任用替え攻撃に対する絶対反対の闘いを3年間にわたって繰り広げ、ついにこの4月からの清掃車の民間委託拡大を阻止する画期的勝利をかちとった。職場・職種の分断をのりこえ「清掃現場の民間委託は現業全体をつぶす攻撃だ」ととらえて労働組合全体の闘いとし、現場労働者の総決起をつくり出した。「民間委託は管理運営事項」とする当局を「それは不当労働行為だ」と追及して市長を団交の場に引きずり出し、4月からの委託を阻止したのだ。
 この3年間の攻防で決定的だったのは、民営化で職場を奪い労働者を分断して自主退職に追い込む任用替えを拒否する闘いだ。任用替え拒否は労働者の誇りを取り戻し、職場の団結を打ち固めて当局との力関係を一変させていった。任用替え拒否という具体的闘争方針によって、民営化・外注化に対する絶対反対の闘いが全労働者のものとなったのである。
 今や現場労働者が確信を持って民営化・外注化阻止で闘いぬく段階に入った。
 そもそも「公務員バッシング」は、資本主義の危機と破綻を公務員労働者と労働組合の問題にすり替える労働者分断と民営化のための攻撃であった。それを当局やマスコミはもとより、体制内労組幹部が闘争圧殺と民営化協力の口実として敗北主義と一体で流布してきた。それによって国鉄分割・民営化以降、社会全体の民営化・外注化・非正規職化が際限なく進められ、地域の崩壊と安全崩壊、団結破壊をもたらしてきたのだ。民営化が職場の崩壊と首切り、業務破綻と安全破壊をもたらすことを現場労働者は実感している。必要なのは、絶対反対の路線と闘いの方針である。階級的労働運動派が中心にすわることで闘う労働組合の団結がよみがえり、職場の怒りが一気に解き放たれるのである。

安倍「公的分野の産業化」と対決しゼネスト開こう

 安倍を議長とする経済財政諮問会議が3月、「公的分野の産業化」「公共サービス成長戦略」を掲げ社会全体の全面民営化の宣言を発し、国鉄とともに公務員職場が最大の戦場となった。
 諮問会議は「経済再生と財政健全化の両立、さらには地方創生にとっても公的部門の改革がカギとなる」と打ち出した。「多様な主体が参入し多様なサービスを提供できる環境整備を進めることで成長産業化すべき」として、医療・介護、子ども・子育て支援、公営住宅、有料道路、空港、上下水道事業など公共施設の全面的な民営化と営利産業化を宣言した。それは戦争・改憲と一体となった社会全体の破滅への道であり、労働組合の解体抜きに進まない。
 動労千葉はJRを先端とする地方切り捨て攻撃に対する地域の決起をつくり出し、木更津支部を先頭とするCTS(千葉鉄道サービス)労働者の組織化、地区労再生の展望を開いた。動労水戸の被曝労働拒否・常磐線全線開通阻止の闘いは福島の怒りと結合して発展している。
 大阪丸ごと民営化・労組根絶を狙った橋下徹市長は労働者の怒りで粉砕された。杉並で闘う労働組合が中軸にすわった児童館廃止絶対反対の大衆運動が始まった。
 動労総連合を全国に! 国鉄・公務員決戦の爆発で安倍打倒・革命勝利のゼネスト情勢をつくり出そう。体制内幹部から労働組合を取り戻し、階級的労組建設へ突き進もう。6・7国鉄集会への大結集をかちとり、階級的指導部建設と『前進』1万人読者網建設を進めよう。
(大迫達志)

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