〝ゼネストで世界変えよう〟 外登法・入管法と民族差別を撃つ全国交流集会 民主労総迎え在日滞日外国人ら450人

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週刊『前進』06頁(2681号06面01)(2015/05/18)


〝ゼネストで世界変えよう〟
 外登法・入管法と民族差別を撃つ全国交流集会
 民主労総迎え在日滞日外国人ら450人

(写真 全世界の労働者と熱く連帯し450人が団結ガンバローを三唱【5月10日 横浜市】)

(写真 許用皓さんが語る自らの闘いの歴史と鮮明な決意・展望に参加者が聞き入った)

 5月10日、「打ち破ろう分断!取り戻そう団結!」「民主労総ゼネスト連帯!」を掲げた「外登法・入管法と民族差別を撃つ全国交流集会」(同全国実行委主催)が横浜市開港記念会館で開かれた。韓国から民主労総ソウル本部、移住労組を迎え、在日・滞日外国人労働者を先頭に450人が集まり、「ゼネストで世界を変えよう!」と誓い合った。(本紙・室田順子)

労働者は団結し革命を

 実行委員会代表が基調報告に立ち、「安倍政権は年金まで投資に回し、いま生まれた子にまで一人当たり830万円の借金を背負わせる国の借金を抱えています。怒りを団結に変え、闘えば必ず勝利できる時代が来た。これは希望です」と語り始めた。さらに安倍政権の一連の戦争・改憲攻撃を暴露し、この歴史的暴挙に対し階級的労働組合を拠点とした地域丸ごとの決起で応えようと訴え、東京オリンピックのインフラ整備を安価・使い捨ての外国人労働者で行おうと「外国人技能実習制度」が一層改悪されている現状を暴露した。
 最後を以下の熱烈なアピールで締めくくった。「入管闘争は、ひとつの階級である労働者階級を分断し階級的合流・結合・団結を阻むための入管法・入管体制を打ち破る闘いです。われわれは今、選択しなければなりません。労働者を戦地に送るのか、労働者が主人公の社会をつくるために闘うのか。戦争を止める力は私たち労働者の中にこそある。民族・国籍にかかわりなく、すべての労働者は生きるため戦争にノーを! 民主労総に連帯し、ゼネストで闘いましょう! 団結して革命を!」。参加者の思いがひとつになり、大きな拍手が巻き起こった。
 集会に先立ち、4・24民主労総ゼネストの映像が映し出され、これに続こうという熱気の中、全学連国際部の内田しをりさんとビルマ民主化活動家の2人の司会が開会を宣言した。星野文昭さんから届いた「労働者の闘いこそが未来を開く力を持っている」というメッセージが紹介され、闘争報告に入った。
 在本土沖縄労働者会議の宮里勝博さん(なんぶユニオン委員長)が「沖縄全島ゼネストを組織しよう」とアピール。4年目の3・11反原発福島行動を闘った福島からいわき合同ユニオンの小宅貴史副委員長、被曝労働拒否をストで闘う動労水戸の辻川慎一副委員長と続いた。辻川さんは「全国に動労総連合をつくり、日本でゼネストを闘おう」と大号令を発した。
 在日韓国人政治犯・姜宇奎(カンウギュ)さんの再審無罪の報告が、姜宇奎さんを救う会の小泉義秀さん(東京東部ユニオン)から行われた。小泉さんは「昨年12月19日、ソウル高裁で再審無罪判決をかちとった。これは韓国で労働者が民主化を闘った結果であり、日本で30年間、地域の労働者が救援運動を担ったことも大きな力となった」と強調した。
 特別アピール「ゼネストを闘う民主労総」として、移住労働者労働組合のウダヤ・ライ委員長と民主労総ソウル本部のソンホジュン事務処長が発言に立ち、動労千葉を始め日本の労働者との国際連帯を呼びかけた。(要旨別掲)

難民・仮放免者が訴え

 後半は、クルドの子どもたちの演劇で始まった。クルド人の居住地域であるシリアのコバニに攻め込んだ「イスラム国」を撃退するまでを演じ、クルド民族独立と戦争反対を呼びかけた。
 さらにクルド、ビルマ、中南米、アフリカ、中国などの難民・仮放免者が次々と切実な現状を訴え「皆さんと思いは一つ」と決意を語った。
 牛久入管収容所問題を考える会の田中喜美子さんは、牛久入管の被収容者の「偽装難民」キャンペーンへの抗議の手紙を読み上げ、新自由主義が生み出した難民や外国人労働者の実態に迫った。
 「労働組合で団結しよう!」として、関西合同労組の許用皓(ホヨンホ)阪神支部長、茨城地域連帯労組、湘北合同労組が闘争報告を行った。許用皓さんは、朝鮮総連時代の体験を語り、労働者の自己解放に敵対するスターリン主義を弾劾し、解雇撤回まで闘う決意を表明した。
 動労千葉の田中康宏委員長が、「この腐った現実と闘って未来をつかもう。自分の職場の現実を変えることの中に未来がある。安倍政権と真正面から闘って戦争を止めよう。労組破壊を許さず、民主労総のようにゼネストで闘おう」と呼びかけ、6・7国鉄集会3千人結集を訴えた。
 最後に、全学連の斎藤郁真委員長の音頭で団結ガンバロー! インターナショナルを斉唱し、解放の未来へ、新たな闘いに踏み出した。

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移住労働者差別と闘う
 移住労組委員長 ウダヤ・ライさん

 世の中を動かしているのは労働者です。しかし政府と資本家たちは労働者を単なる利益の手段として利用するだけです。
 韓国には100万人近い移住労働者がいます。しかし移住労働者の雇用から退職まですべての権利が使用主にあり、事業場変更と事業場選択の自由がありません。低賃金と長時間の仕事を強制されるしかないのです。
 勤労基準法では、全労働者が退職後14日以内に退職金を受け取ることになっていますが、移住労働者は韓国を離れてからしか退職金を受け取ることができません。さらに入管法を改悪しようとしています。
 移住労組を設立して10年、いまだ政府は労働組合として認定しません。移住労組は雇用許可制廃止、移住労組合法化を始めすべての差別に対し強力に闘います。
 労働者が社会の主人公になるためには、ともに連帯して闘わなければなりません。労働者はひとつです。移住労組は日本の労働者たちの闘争に常に連帯します。

ゼネスト拡大・強化へ
 民主労総ソウル本部事務処長 ソンホジュンさん

 パククネ政府は最近〝労働市場構造改革〟という美名のもと、非正規職の使用期間を延長し(2年扌4年)、派遣労働者の範囲を拡大して、労働者の解雇を容易にする雇用柔軟化政策法案を強行推進しようと狙っています。
 これに対し民主労総は新指導部を中心とし、パク政府の反労働政策に立ち向かって労働者を生き返らせるゼネストで反撃をスタートしました。
 もっと簡単に解雇され、もっと多くの時間働かされ、もっと少ない賃金を受け取るしかない労働政策をこれ以上許すことはできません。
 政権と資本の攻撃に受け身になって対応する一回のゼネストではなく4・24ゼネストを基点とし、5月と6月、下半期までつながる連続的なゼネスト、拡大、強化されるゼネストを組織します。
 民主労総はセウォル号遺家族を始め、各界各層の市民社会勢力と連帯し、セウォル号特別法施行令の廃棄、真相究明・責任者処罰をかちとる闘いの先頭に立っています。

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