星野ビデオ国賠控訴審 東京高裁が不当判決 国・都の紛失責任認めず

週刊『前進』06頁(2681号06面02)(2015/05/18)


星野ビデオ国賠控訴審
 東京高裁が不当判決
 国・都の紛失責任認めず


 5月13日、星野文昭同志のビデオ国賠控訴審において、東京高裁第9民事部(奥田正昭裁判長)は、被告(国と都)の控訴を認め、原告(星野同志)の付帯控訴を棄却する不当判決を下した。断じて許せない。
 この奥田判決は、一審判決が認めた、星野同志が自己の再審請求においてビデオテープを利用する権利を否定した。さらに、一審判決が認めた、ビデオテープを預けた裁判所(国)が保管状況を確認しなかったことの違法性と、警視庁公安部(都)がビデオテープを紛失したことの違法性とを否定し、国にも都にも一切責任はないとした。なんと「警視庁職員はテープが重要な証拠になる可能性を予見できず、職務上の義務違反にならない」と述べている。
 ふざけるな! 「紛失」したと称されるビデオテープは、殺人犯にデッチあげられ獄中40年を不屈に闘う星野同志が自らの無実を明らかにする重要な証拠だ。星野同志には再審無罪・釈放をかちとるために、すべての証拠を利用する権利がある。これを否定した奥田判決に、怒りを抑えることができない。
 今回の不当判決は、星野同志解放へうなりをあげて発展する運動の前進に恐怖した日帝最高裁・寺田体制の焦りに駆られた攻撃である。
 5月5日から10日まで開催された沖縄での星野絵画展は、来場者640人、『愛と革命』58冊の販売など、爆発的な成功をかちとった。2015年前半の各地での連鎖絵画展・集会の成功の上に、「動労総連合を全国に」の闘いの前進が実現した勝利である。
 判決内容は脆弱(ぜいじゃく)で何の説得力もない。断固上告し、絶対に粉砕する。
 開廷前、「止めよう改憲と戦争、つぶせ裁判員制度5・19クレオ集会」への参加を訴える弁護士と一緒に裁判所前を制圧し怒りの街宣を行った。
 星野暁子さんを始め共同代表、首都圏各地から駆けつけた救援会の11人で、「証拠隠滅弾劾!」「全証拠を開示せよ!」「ただちに再審を開始せよ!」と訴え、署名も多数集まった。
 全国の絵画展と集会をさらに前進させ、9・6徳島刑務所包囲デモに攻め上ろう。最高裁・寺田体制を打ち破り、星野文昭同志を取り戻そう。

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ビデオ国賠 1971年11・14沖縄返還協定批准阻止闘争を報道するテレビニュースを録画した証拠のビデオテープを、東京地裁が違法に警視庁公安部に保管委託し、警視庁公安部がこれを「紛失」したことを弾劾する裁判。
 2011年4月4日の提訴以来17回の審理を経て、昨年9月9日、一審判決は星野同志の証拠へのアクセス権を認めた。
 ビデオテープには星野同志のいたデモ隊が撮影されており、権力のデッチあげと星野同志の無実を示す証拠である。

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