戦争・改憲、盗聴拡大許すな 5・19東京 弁護士と労働者・学生が集会

週刊『前進』08頁(2682号01面02)(2015/05/25)


戦争・改憲、盗聴拡大許すな
 5・19東京 弁護士と労働者・学生が集会

(写真 弁護士会館講堂クレオに結集した360人が「戦争法阻止、安倍打倒、戦時司法粉砕」の決意を共有した【5月19日 霞が関】)

(写真 国会前行動で「新捜査手法」法案の審議入りを徹底弾劾)


 5月19日夜、東京・霞が関の弁護士会館講堂クレオで「とめよう改憲と戦争、つぶせ裁判員制度」集会が360人の参加で開かれた。主催・協賛は「憲法と人権の日弁連をめざす会」など4団体。
 「戦争をする国」への転換を狙う戦争法案が国会に提出され、「新捜査手法」法案の衆院審議がこの日から開始された。この重大情勢の中で、弁護士と労働者・学生・市民が団結し、安倍打倒、安保法制成立阻止、新捜査手法・裁判員制度粉砕へ、決意を新たにする集会としてかちとられた。
 初めに主催者を代表して「許すな改憲!大行動」呼びかけ人の鈴木達夫弁護士があいさつした。鈴木さんは、作家の大江健三郎さんが5・3憲法集会で、安倍への怒りと侮蔑をこめて「アベ」と呼び捨てにしたことに「敬意を表し」、その安倍が戦争法案の目的を「国民を守るための自衛の措置」と言っている詭弁(きべん)、トリックを断罪した。「現代の戦争はすべて資源や領土の奪い合いのためであり、強盗同士の戦争だ。この戦争に割って入ることを安倍は『憲法9条のもとで許される自衛の措置』と言っている。絶対に許されない」「労働運動の復権、闘う日弁連の再建を! 沖縄―本土を貫くゼネストで安倍政権を打倒しよう。今日の集会をその一歩にしよう」と呼びかけた。
 森英樹さん(名古屋大学名誉教授/憲法)が「戦後史の分岐点」と題して講演を行った。森さんは「大阪都構想」住民投票の勝利を「改憲の動きに一矢報いた」と総括し、さらに「東京で府と市が廃止され、東京都になったのは1943年7月。戦時体制で地方行政を迅速に国に協力させるためだった。大阪都構想に、それと同様のきな臭いものを感じる」と語った。
 続いて森さん自身が高校3年生の時に三重県津市から上京して国会デモに参加した55年前の安保闘争の熱気を語った。そして今はそれ以来の「戦後史の分岐点」であること、安倍の「戦後レジームからの脱却」とは「戦前の日本のような大国」を取り戻すということであり、戦争を美化するものであると断じた。しかし私たちが今国会での戦争法案の成立阻止へ粘り強く闘えば、その間に必ずアベノミクスは吹っ飛び勝利できる、と展望を語って会場を沸かせた。ユーモアを交えた森さんの講演に大きな拍手が寄せられた。
 基調報告を武内更一弁護士(憲法と人権の日弁連をめざす会事務局長)が行った。武内さんは、今や87%の国民が非協力を言明している裁判員制度や、弁護士激増政策の結果就職できない多くの若者を「法曹有資格者」なる制度をデッチあげて「企業の海外進出」の先兵にするなど一連の「司法改革」の破綻と延命策を暴露し弾劾した。また、盗聴拡大・司法取引・匿名証人の戦時司法法案に対して、「取り調べの一部録音・録画」という権力が仕掛けた毒針につられて「一日も早い成立を」と会長声明を出している日弁連執行部の打倒を呼びかけた。
 続いて「闘いの現場」から、椎名千恵子さん(3・11反原発福島行動実行委員)が福島の現状を、坂野陽平・全学連書記長が5・17沖縄県民大会の報告を、田中康宏・動労千葉委員長が「産業報国会」をたくらむ桜井よしこ、葛西敬之らの攻撃と対決して闘う労働運動再建の決戦性と国際連帯の意義を明らかにし、6・7国鉄闘争全国集会への大結集を呼びかけた。
 まとめと行動提起を「憲法と人権の日弁連をめざす会」代表の高山俊吉弁護士が行い、何よりも戦争法案が国会提出されたこの時点で、権力のひざ元であるこの会場で戦争・改憲反対、安倍打倒の集会がもたれていることの重要性、勝利性を強調した。そして、「闘う労働者、労働組合が中心になって、私たちは力強い歩みを進めている」と語り、7・5「許すな改憲!大行動集会」を始めとする8月までの闘いの方針を提起し、全力で闘うことを呼びかけた。参加者に勇気と力と確信を与える集会だった。

国会前で行動

 集会に先立ち、午後3時から「新捜査手法」法案の衆院審議入りを弾劾する国会前行動が行われた。闘う弁護士、教育労働者ら約50人が、盗聴拡大、司法取引、証人隠しなどの「新捜査手法」導入が安倍戦争政治と一体の攻撃であることを暴き、議事堂に向け弾劾の声を上げた。

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