民営化推進する本部を倒しゼネストを闘う労働組合に 自治労中央委に向けて訴える

週刊『前進』08頁(2682号03面01)(2015/05/25)


民営化推進する本部を倒しゼネストを闘う労働組合に
 自治労中央委に向けて訴える


 5月28~29日、岩手県盛岡市内で自治労第149回中央委員会が開催される。本中央委員会は、戦争と改憲、民営化と労組破壊に突進する安倍打倒へ、ゼネストで闘う階級決戦への突入の中でもたれる。すでに5月17日、沖縄新基地阻止で、さらに大阪都構想をめぐって、巨大な反撃の火の手が上がった。民営化・外注化と首切りに全面協力する自治労本部を打倒し、絶対反対のストライキで闘う方針を打ち立てよう。6・7国鉄集会に大結集し、闘う労組拠点建設を進めよう。

沖縄、大阪で火を噴いた戦争と民営化への怒り

 沖縄闘争は5・17県民大会への3万5千人大結集を頂点に、全島ゼネスト情勢を燃え上がらせる歴史的な闘いとなった。
 同じ17日の大阪市住民投票で「大阪都構想」が否決された。安倍の先兵、橋下徹大阪市長は12月の市長任期終了時の引退表明に追い込まれた。体制内労組幹部の屈服を許さず国鉄闘争と一体となった現場労働者の絶対反対の闘いが全労働者のものとなって橋下を最後的に打倒した。社会を崩壊させた新自由主義への怒りが安倍の改憲戦略に大打撃を強制したのだ。
 既成政党やマスコミは「大阪低迷の最大の原因は府と市の二重行政にあるのだから、役所を一からつくり直し、大阪が抱える問題を根本的に解決しよう」(5・18付朝日)などと民営化・行政改革推進の大合唱をしている。自治労本部もまた「改革が求められている」「都市内分権の取り組みを進める」(自治労書記長、5月18日)と全面協力を表明した。
 大阪都構想は87年の国鉄分割・民営化と同じく大阪市丸ごとの民営化と市職員3万5千人全員の分限免職と労組解体の大攻撃である。橋下は安倍とともに改憲の国民投票の予行演習として住民投票を行った。こうしたもくろみが労働者の怒りで粉砕されたのである。

経済の破滅に突き進む安倍

 中央委員会で第一に、株価と国債の大暴落、国家財政破綻と経済の破滅に恐れおののき戦争に突進する安倍打倒のゼネスト方針を打ち立てよう。
 資本主義は終わりだ。アメリカで中国でEUでそして日本で「バブル」大崩壊の危機が迫っている。公務員共済年金を含む年金資金などを注ぎ込んでつり上げた株の「官製相場」と国債の暴落は時間の問題となっている。国家債務は年度内に1200兆円に達すると試算されている。安倍を戦争と労組絶滅へ突き動かしているのは、アベノミクスの最後的破産と日帝経済の破滅的危機であり、労働者の革命的決起への恐怖だ。今こそ、安倍打倒のゼネスト方針を打ち立てよう。
 基軸となる闘いは国鉄決戦である。財界の月刊誌『選択』5月号は「JR東日本の『大事故』は続く」と題する一文を掲載し、JR東は「解体的出直しが迫られている」と国鉄分割・民営化の大破産を認めた。そして〝国鉄解雇職員の復権を求め、安全運行を掲げてストを決行し闘争している動労千葉はJR東のがんだ。排除できない会社に問題がある〟と動労千葉破壊を叫んでいる。国鉄分割・民営化と闘い、反合理化・運転保安闘争を進めてきた動労千葉の勝利性は明らかだ。

民営化・外注化・非正規化に協力する本部方針

 第二に、資本主義擁護の立場から「財政再建」を掲げて民営化・非正規職化と社会保障解体に協力する自治労本部を打倒し、絶対反対のストで闘う方針を打ち立てよう。
 全国で全面民営化・外注化と人事・賃金制度の「総合的見直し」との激突が始まっている。民営化・外注化は全員解雇・非正規職化であり労組破壊攻撃だ。自治体職場と公務員労組をめぐる決戦が到来している。
 安倍の盟友、桜井よしこは昨年11月、産経紙上で「自治労や日教組が前面に立って今も反基地、改憲反対運動をやっている」と官公労への憎悪と敵意、危機感をあらわにした。そして、改憲、原発再稼働推進、愛国主義の労組UAゼンセンを絶賛し、「官公労と決別し、連合を分裂させよ」と主張した。
 1950年、朝鮮戦争開始と同時に結成された総評は、翌年に「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンを採択した日教組などを軸に左転換し、反戦闘争、改憲反対を闘ってきた。その総評を解体し連合を結成するための戦後最大の攻撃が国鉄分割・民営化だった。これと闘い、階級的労働運動の再生を進める国鉄闘争の意義はいよいよ明らかだ。
 この重大時に、資本主義体制擁護の路線を全面化する自治労本部の中央委員会議案は粉砕あるのみだ。
 第1号議案「当面の闘争方針案」は自治体の全施設・全職種で全面化する民営化・外注化攻撃と闘わないとした。分断と首切りのための人事評価制度の確立に協力し、「経営・組織形態の見直し等を背景とした、過員、廃職などによる分限免職処分については、当局に対し回避努力義務を果たすよう求めるとともに、顧問弁護士と連携して対策にあたる」とした。労働者の首を当局に差し出すということだ。
 また、安倍の8時間労働制破壊の流れにさおさし、長時間労働を強制し勤務時間を個々バラバラにする「フレックスタイム制」や「朝型勤務」を公務員に導入し全労働者に広げる攻撃には、「あくまで職員の希望による柔軟な勤務体系とすることを求める」とした。
 安倍と同様に「持続可能な社会保障制度の実現」を掲げて、新自由主義が行き着いた社会の崩壊を逆手に取った社会保障解体・全面民営化や「地方版まち・ひと・しごと創生総合戦略」に全面協力し、医療・介護の統合と首切りのための「地域包括ケアシステムの推進」と「新公立病院改革ガイドライン」への全面協力を打ち出した。「広域化による保険財政の安定化」と称して医療費削減のための国保連合会と支払基金の統合・民営化を推し進めようとしている。それは10年の社会保険庁解体・職員全員解雇と非正規職化、525人の分限免職の最悪の先兵となった自治労・社保労組本部と同じ道だ。

6・7国鉄集会に結集し絶対反対の職場闘争を

 さらに自治労本部は、「社会保障・税番号(マイナンバー)制度」が「税と社会保障の一体的改革」の一環として15年10月から番号通知、16年1月から運用が開始されることに協力を表明した。マイナンバー制度は総背番号制による治安政策であるとともに、全労働者人民からの徹底した収奪の道具だ。自治体労働者のとてつもない労働強化と全面的な外注化に道を開く攻撃だ。自治労本部を打倒し、職場にあふれる労働者の怒りを結集して絶対反対のストライキで闘おう。
 第三に、6・7国鉄集会に大結集し、ストライキで闘う労組拠点建設を進めよう。
 韓国のソウル大学病院労組は、民主労総の4・24ゼネスト前日から全面ストに突入した。20日間のストを貫徹し、5月13日には成果給と賃金ピーク制(50代後半からの大幅賃金カット)、退出制(最低評価が2回続いたら解雇できる)の導入を撤回させた。パククネ政権の攻撃を絶対反対の闘いで粉砕したのだ。
 日本でも同じだ。国鉄闘争を先頭に絶対反対の闘いで労働者の誇りと団結をよみがえらせよう。6・7国鉄集会へ。

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