杉並児童館をなくすな! 労組の力で民営化・首切り阻め

週刊『前進』06頁(2684号03面02)(2015/06/08)


杉並児童館をなくすな!
 労組の力で民営化・首切り阻め

区議選引き継ぎ地域の怒り爆発

 5月22日、杉並区の説明会に70人もの労働者・住民が結集し地域の怒りが爆発しました。
 「あんさんぶる荻窪」はJR荻窪駅に近く、児童館や集会室などが入る地域のよりどころとなってきた施設です。区当局はそこで働く労働者や住民の反対を押し切ってこの施設を取り壊し、駅反対側のかなり離れた天沼3丁目に複合施設を造る計画を進めようとしています。そこには児童館などなく、民間委託されるまったく別物の「子どもセンター」の設置が予定されています。
 児童館廃止反対の声に追い詰められた田中良区長は「もう引き返せない」などと強弁しており、区当局は説明会で、この「あんさんぶる荻窪」と児童館の廃止についての発言を認めず、新複合施設の設計図を示して「要望」のみに限定しようとしました。実際には建設会社と契約して、5540万円もの予算(税金だ!)をかけた設計図どおりに施設再編をごり押ししようというのです。
 この高圧的なやり口に怒りが爆発。東京西部ユニオンの北島邦彦副委員長や町内会の代表を始め70人もの参加者が口々に「児童館廃止は絶対に反対。白紙撤回を求める」「このまま住民を無視するならば署名運動を展開する」と追及し、激しく弾劾したのです。「杉並もゼネスト情勢だ」と声が上がり、闘いの機運は急速に高まっています。
 4月杉並区議選は、韓国・民主労総ゼネストと連帯し、戦争と改憲、児童館全廃・杉並丸ごと民営化絶対反対を掲げて、区議会の田中区長オール与党体制のうそとペテンを暴いて闘いぬかれました。その地平を引き継ぎ、東京西部ユニオンを中心に地域の怒りを解き放つ闘いがうなりをあげて進んでいるのです。
 5月28日には、3600筆に達した「児童館をなくすな!」署名が杉並区議会に提出されました。

戦略特区先取り地域崩壊させる

 児童館全廃を突破口とする施設再編計画は、安倍政権の「国家戦略特区」や「地方創生特区」の「都市計画・まちづくり」を先取りする攻撃です。福祉施設を始め区の全施設を例外なく統廃合・民営化して資本に売り渡し、労働者の職場を奪って首切りと任用替え、労組破壊を強行し、地域の崩壊をもたらすものです。
 「あんさんぶる荻窪」の廃止は、JR資本と結託したJR沿線・駅周辺の大規模再開発計画の一環として進められようとしています。古くから地域に根付いてきた商店街や住宅地、児童館を始めとする区の施設も更地化されて、巨大資本だけが利潤を独占することとなるのです。JRによるローカル線廃止・地方切り捨てとともに、地域丸ごとの民営化・首切りと公務員労組の解体、社会保障の切り捨てで社会全体の崩壊に行き着く攻撃です。粉砕あるのみです。
 日本経済は実質マイナス成長に転落し、公的資金でつり上げてきた株の「官製相場」と国債の大暴落、バブル崩壊が迫っています。安倍が議長の経済財政諮問会議は、国家財政が破綻し、緊縮財政か積極財政かをめぐって分裂的事態に陥っています。経済の破滅が必ず引き起こす労働者人民の根底からの決起と革命の恐怖に震える安倍は、戦争法・改憲と労組破壊、民営化と社会保障制度解体に絶望的に突進しています。
 労働者階級の怒りの噴火山上にいるのは安倍の側です。労働組合が中軸となって戦争と改憲、民営化に反対する1千万人の怒りを結集し、国鉄決戦を基軸にゼネストで安倍を倒す時が来ています。

闘う労組再生し絶対反対で闘う

 安倍の先兵となって「大阪都構想」を掲げ、改憲と民営化、労組破壊をごり押ししようとした橋下大阪市長は、現場労働者の怒りで打倒されました。国鉄分割・民営化とストライキで闘いぬいてきた動労千葉―動労総連合の闘いの地平が労働者の怒りを解き放ち、橋下を倒したのです。
 全島ゼネスト情勢に突入した沖縄に続いて、杉並から火の手が上がっています。軸となるのは絶対反対のストライキで闘う労組拠点の建設です。
 区当局はすでに今年の3月、杉並科学館の全指導員を引き揚げ、事実上の閉館状態にしてしまいました。当局は嘱託職員を雇い止めにし、開館以来45年以上にわたって培ってきた現場労働者の思いと誇りを踏みにじって職場を奪い、ほとんど全員を退職に追い込んだのです。これが民営化の実態であり、労働組合の総力を挙げた絶対反対の闘いが問われています。
 許しがたいのは、施設再編計画の本質がここまで明白になったにもかかわらず、民営化に協力し労働者・住民の決起を押しとどめようと動く区議会全会派の犯罪性です。
 9年前に区議会での「保育園民営化賛成」を居直って革共同と都政を革新する会から追放された結柴誠一、新城節子(無所属区民派)らは、田中区長の親衛隊となって区議選後に新会派を結成し、児童館廃止と保育園民営化を推し進めようとしています。
 結柴・新城はもとより、口先だけの反対を唱えて現場労働者の絶対反対の闘いに敵対する日本共産党を始め、民営化利権にまみれた全会派の大うそをぶっ飛ばして、児童館全廃・丸ごと民営化絶対反対の闘いが燃え広がっているのです。
 労働組合の闘いが勝敗を決します。かつて国鉄1047名解雇撤回・百万支援陣形を担った杉並区職労の闘う団結をよみがえらせ、東京西部ユニオンとともに闘いぬきましょう。安倍打倒の全国ゼネスト情勢を切り開くために、東京での動労総連合建設を進め、児童館廃止・丸ごと民営化絶対反対で杉並と東京の自治体労働運動を塗り替えましょう。
(大迫達志)
    ◇
41カ所の児童館をなくすな!
杉並区立施設再編整備計画=丸ごと民営化の白紙撤回を!

6・25杉並集会
 6月25日(木)午後6時30分
 杉並産業商工会館(JR阿佐ケ谷駅下車)
 主催・東京西部ユニオン

このエントリーをはてなブックマークに追加