三里塚 住民の怒り各所で 第3滑走路阻止へ一斉行動

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週刊『前進』06頁(2687号05面03)(2015/06/29)


三里塚
 住民の怒り各所で
 第3滑走路阻止へ一斉行動

(写真 一斉行動に向けて打ち合わせ【6月20日 成田市】)

(写真 「有志の会」呼びかけ人の一人と話しに向かう伊藤信晴さん【芝山町】)


 6月20日、三里塚芝山連合空港反対同盟と三里塚闘争支援連絡会議は、第26回目の空港周辺地域一斉行動に決起した。
 午前8時30分、成田市天神峰の市東孝雄さん宅離れに全員が集合した。刷り上がったばかりの「反対同盟ニュース」第21号を折る作業を進めながら、打ち合わせが始まった。
 反対同盟事務局の萩原富夫さんが、6月12日の農地法裁判控訴審の判決闘争について述べた。「東京高裁による不当判決だったが、緊急闘争にもかかわらず170人もの人がよく駆けつけてくれた。市東さんの農地を守る闘いは、安倍政権による農業破壊と対決する最前線の闘いであり、戦争法案との対決点でもある。みなさん居ても立っても居られないということで結集してくれたと思う」と労をねぎらった。その上で、この日の一斉行動について「元反対同盟の石毛博道らの第3滑走路推進の動きについて、周辺の声を集めてほしい」と提起した。
 市東孝雄さんは、「控訴棄却の不当判決だが、裁判はまだ途中。6月15日の耕作権裁判も相手を押し込む闘いができた。これは農地法裁判上告審での反撃につながる」と一同を激励した。
 9時すぎ、全員が担当地域へ向け出発した。
 事務局の伊藤信晴さんは、芝山町を回って「第3滑走路実現を目指す有志の会」の動きを聞いた。
 ある部落で、会の呼びかけ人になっている農民に問いただすと、「この部落は農業後継者もなく、展望がない。第3滑走路を誘致して、土地を買ってもらいたい」と、露骨な補償金狙いの意図を語った。強制移転や騒音拡大の被害には無関心。〝自分だけ補償金が入ればいい〟という自己中心主義に伊藤さんは強く反論した。
 また別の農家は「石毛らが騒ぎまわっても絵に描いたモチ。NAA(成田空港会社)や自民党から金をもらってるだけだよ」と痛烈に利権あさりを批判した。
 支援が回った旧下総町の騒音直下地域で、初めて面会できたおばあさんがいた。「今さら空港に反対したってしょうがあんめえよ」と言うのに対して、担当の支援は「今の暫定B滑走路だって黙っていたら1000㍍北側に再び延ばすつもりだよ。それより前に空港の24時間化を狙っている。真夜中もこの上を飛ぶことになる。3本目の滑走路づくりも狙っている。声を上げ続けないと」と話すと納得し、「あんたの言うとおりだ。がんばってくれ」と激励してくれた。
 午後5時、再び市東さんの離れに集合。この日は丸一日を使った久しぶりの行動となり、充実した報告が相次いだ。旧大栄町、多古町などで農地法裁判不当判決に怒りの声が上がった。安倍政権の安保法制に対しても、「あれは憲法違反だ。とんでもない暴挙だ」と憤慨する住民の声が報告された。7〜8月も一斉行動を断固継続し、闘いを強めることを確認した。

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