星野奪還9・6徳島刑務所デモへ④ 文昭をとり戻す情勢が来た 星野暁子さんの全国へのアピール

週刊『前進』06頁(2694号06面02)(2015/08/24)


星野奪還9・6徳島刑務所デモへ④
 文昭をとり戻す情勢が来た
 星野暁子さんの全国へのアピール

(写真 8・6広島で早朝デモに立つ暁子さん。右は広島救う会の増上昭典代表)

「街」勝利報告を面会で喜ぶ

 8月14日、詐欺容疑で逮捕された「オープンスペース街」の2人が釈放された。連絡を受けて、私は絵画展に向けた労組まわりを中断し、「街」にかけつけ、解放された2人と抱き合って喜んだ。不当な弾圧に対する地域、他作業所へと広がった団結の輪で起訴を打ち破り、釈放をかちとったのだ。
 2人とも「完全黙秘・非転向の力で勝利できた」と総括した。そして「これで一歩星野さんに近づけた」「星野さんがいるから闘える。その意味がわかった」と言ってくれた。闘うみんなの中に星野文昭が生きていることを実感した。
 8月17日、徳島で文昭との面会で、「街」の報告をすると、文昭は「よかったね」と喜んで、まるで国会の前にでもいるかのように安倍批判を熱をこめて語った。
 「安倍はうそつきでペテン師なんだ。安保法案は、積極的に日本が戦争に加わる法案だ。核兵器まで扱ってもいいことになっているのに、安倍は『これによって戦争に巻き込まれることは絶対ない』と言っている。うそによってペテンをかける、そうするしかなくなっている。みんなそれに気づいて、具体的に動き出している。この流れをトコトン推し進めていくことが大事だ。動労千葉をはじめとするわれわれの闘い、戦争を知っている60代、70代、80代の闘い、これに励まされて青年、女性が立ち上がっている。これとの闘いと星野の闘いは一つだ」
 「星野文昭をとり戻す情勢が来たと言うことだね」と私は返した。

心寄せ合い共に生きた30年

 文昭が70歳になる来年、私たちは結婚30年を迎える。かけがえのない時間を文昭と私は一緒に生きてきた。1987年、最高裁で無期が確定し、苦闘した時期があった。最も苦しかったのは、生への希望が再審をするということ以外にないのに、再審方針が決まらないことだった。2年がかりで再審を申し立てることが決まった時は本当にうれしかった。
 その頃、笑わなくなった私を見て、文昭がヘルペスになった。私は反省した。まず運動以前に文昭と私が分かり合い、元気に過ごすことが一番大切だと考え、手紙・はがき、写真を送ることに力を入れた。ちりめんの布の表紙がついた、私の子どもの頃からの写真を編んだたった一冊の本を送った。文昭はとても喜んでくれて、みるみる元気になった。そして私たちは、無期をすぐに覆せないけれど、無期攻撃に一日一日勝利して笑顔で生きることができるようになった。それが全部の出発点だった。
 「無期の分断を打ち破れる」ということが分かって、それから運動も軌道に乗るようになった。人間は心を寄せ合えればどんな困難な中にあっても生きていくことができる。愛情、きずな、団結の大きさを実感した。
 沖縄の絵画展で文昭の絵を見てくださった方が「人間はこんな素晴らしいものなのか」と感想を寄せていただいたことがうれしかった。
 獄中で奪われていることはすごくあるけれど、獄中でもできることを大切にしてきた。労働者が持つ世の中を変える力を押さえつける1%の人たちを倒せば、人間が人間らしく生きられる社会をつくることができる。
 文昭は、それを全部否定される中にいるけど、獄中でただ生きているだけでなく、奪われているものを奪い返している。未来を開く力を日々つくり出している。

希望バス連ね「集団面会」を

 全部奪われている文昭が、安倍を倒せ!を呼びかけている。それに応えて一人の人間をとり戻すために一つになると、ものすごい団結がつくられていく。職場の闘い、福島・沖縄の闘いをつなげてしまう。安倍政権打倒の怒りを星野文昭とつないで爆発させたい。
 獄中はごまかしがきかない。すべての本質が明らかになる。明らかになることを恐れないで向き合った時、大きなエネルギーが生まれる、政治犯救援とはそういうものだと思う。
 福島も先が見えない。そういう時に無期でありながら人間解放を訴えて前向きに生きている文昭と出会う中で、闘いの中にもう一度展望を見い出していける。福島の絵を何枚も描いているのは、つながって励ましたいという思いだ。福島も奪われているものは大きい。絵を描くことで奪い返している。チェルノブイリで亡くなった子どもを生き返らせて描いている。絵画展は今全国で50カ所を超えている。無期の中で魂を与えて描く文昭の絵は、「希望」を与える絵としてさまざまな人びとの共感を呼んでいる。
 私は、文昭と一緒に生きて、みんなと元気を与えあい、その力で文昭を70歳までにとり戻したいと思っている。
 9月6日、徳島刑務所デモへ、「希望バス」を連ね、第3回目の「集団面会」を成功させよう。
(シリーズ終わり)

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星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議2015年総会
 9月5日(土)午後1時開場、2時開会
 とくぎんトモニプラザ 徳島市徳島町城内2―1 裁判所向かい
 電話088―625―3852

9・6徳島刑務所デモ
●街宣 9月6日(日)午前10時 徳島駅前
●集会 午後1時 鮎喰川春日橋たもと河川敷
●デモ 午後2時〜3時
◎集会会場への「星野希望バス」(往復)
 ①徳島駅前、②徳島空港に午前11時集合
 帰りのバスは駅、空港とも午後4時に到着

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